Transcript 残留応力分布
温間ショットピーニングにおけるばね鋼の機械的性質 豊橋技科大 原田泰典・福岡義晃・森謙一郎・牧清二郎 ばね製品へのショットピーニング処理 →ばね特性の向上 ばね鋼への温間ピーニング処理 変形抵抗の低下 塑性変形量,残留応力の増加 疲労強度の向上 図 ショットピーニング加工 ばね鋼の温間加工における加工条件の影響 従来の研究→報告例がほとんどない 原因:加工温度の設定が非常に困難 翼車 製品 入口 出口 ロ ーラ ー 図 実際のショットピーニング装置 風 製品 図 風による製品表面の温度低下 モデル実験 加工条件の制御できるモデル装置の製作 ばね鋼の硬さ,残留応力,表面粗さ などに及ぼす加工温度の影響 硬さ,残留応力を高める最適加工温度 実際の実験 実際の遠心型投射装置の使用 ばね鋼におよぼす硬さ,残留応力, 表面粗さなどの加工温度の影響 硬さ,残留応力を高める最適加工温度 モデル実験の結果との比較 モデル実験 加工温度を一定に設定 ・ヒーター内蔵の台座による温度保持 ・断熱材カバーによる装置全体の保温 台車 試験片 治具 レ ール 治具回転用モ ー タ ー 台車送り 用モ ー タ ー 軸受鋼 (HV700) カバー 治具 鎖 投射速度 台車 試験片 投射角度 (30° ) ヒーター 台車送り 図 モデル装置の概略図 表 モデル実験における 試験片の加工条件 鋼球直径 D 1 0 mm 投射速度 v 3 6 m/s カ バレ ージ 加熱温度 100 % T R . T . ~4 5 0 ℃ 実験材料 材質:ばね鋼SUP9(0.50~0.60%C) 熱処理:930℃焼入れ,500℃焼戻し 試験片寸法:厚さ12mm,幅25mm,長さ100mm 残留応力測定 X線照射マスク:3mm×3mm X線条件:管球Cr,管電圧30kV,管電流10mA 表面粗さ測定 レーザーによる三次元形状測定器 モデル実験による結果 硬さ分布 800 ● ▲ ■ ▼ ◆ × 硬さ HV 700 600 500 加工温度 20℃ 100℃ 200℃ 300℃ 400℃ 450℃ 400 未加工材 300 0 0.1 0.2 0.3 0.4 (表面) 表面からの深さ / mm 0.5 図 板厚方向の硬さ分布(v=36m/s) 残留応力分布 0 残留応力 / MPa -200 加工温度 ● 20℃ ■ ▲ 100℃ ▼ 200℃ 300℃ -400 -600 -800 -1000 -1200 0 0.5 1 1.5 (表面) 表面からの深さ / mm 図 2 板厚方向の残留応力分布(v=36m/s) 圧縮残留応力に及ぼす加熱温度の影響 圧縮残留応力の解放温度 表 回復温度測定条件 加工装置 イ ン ペラ ー式投射装置 投射材 φ0. 6 , HV700 2 投射量 90kg/m 投射速度 V 73m/s カ バレ ージ C 300% 恒温炉保持温度 100℃~500℃( 50℃間隔) 保持温度 15分 残留応力の解放温度 残留応力 / MPa 0 焼戻し温度 ▲ 500℃ ● 400℃ -200 -400 -600 -800 -1000 0 100 200 300 400 500 600 加熱温度 / ℃ 図 残留応力に及ぼす加熱温度の影響 モデル実験 硬さ,残留応力を高める最適加工温度 ・硬さ分布 → 200℃付近 ・残留応力分布 → 200℃付近 残留応力 硬さ 変形量 最 適 加 工 温 度 回復 加工温度 最適加工温度 = 200℃付近 実際のショットピーニング実験 翼車 カ バー 試験片 入口 ヒ ータ ー 台車 測定温度 加工前の加熱温度 ショ ッ ト 台車送り 出口 送り ロ ーラ ー ショ ッ ト 循環装置 図 実際のショットピーニング装置の概略図 表 実際の実験における 試験片の加工条件 鋼球直径 D 1 . 0 mm 投射速度 v 4 0 , 8 0 m/s 投射密度 ρ 3 0 0 k g /m2 加熱温度 T R . T . ~5 0 0 ℃ 実験材料 材質:ばね鋼SUP9(0.50~0.60%C) 熱処理:930℃焼入れ,500℃焼戻し 試験片寸法:厚さ12mm,幅25mm,長さ100mm 硬さ分布 550 硬さ HV 500 450 ● ▲ ■ ▼ ◆ × 加熱温度 20℃ 100℃ 200℃ 300℃ 400℃ 500℃ 400 未加工材 350 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 (表面) 表面からの深さ / mm 図 板厚方向の硬さ分布(v=40m/s) 硬さ HV 550 500 加熱温度 ● 20℃ ▼ ▲ 100℃ ◆ ■ 200℃ × 300℃ 400℃ 500℃ 450 400 未加工材 350 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 (表面)表面からの深さ / mm 図 板厚方向の硬さ分布(v=80m/s) 残留応力分布 残留応力 / MPa 0 -200 -400 ● ▲ ■ ▼ ◆ 加熱温度 20℃ 100℃ 200℃ 300℃ 400℃ -600 -800 0 0.1 0.2 0.3 (表面) 表面からの深さ / mm 図 板厚方向の残留応力分布(v=40m/s) 残留応力/MPa 0 -200 -400 ● ▲ ■ ▼ ◆ 加熱温度 20℃ 100℃ 200℃ 300℃ 400℃ -600 -800 0 0.1 0.2 0.3 0.4 (表面) 表面からの深さ /mm 図 板厚方向の残留応力分布(v=80m/s) 実際の実験 硬さ,残留応力を高める最適加熱温度 ・硬さ分布 → 300~400℃ ・残留応力分布 → 300℃付近 残留応力 硬さ 変形量 最 適 加 熱 温 度 回復 加工温度 実機の実験:最適加熱温度 = 300℃付近 モデル実験:最適加工温度 = 200℃付近 ショットピーニング加工中の表面温度の測定 材料表面の温度低下 翼車 熱伝対 試験片 台車 ヒ ータ ー 台車送り X-Yプ ロ ッ タ 図 試験片表面の温度測定 材料表面の温度 表 実際加工の材料表面温度の変化 加熱温度 加工開始温度 加工終了温度 200℃ 130℃ 100℃ 300℃ 200℃ 150℃ 400℃ 300℃ 250℃ 実機の実験:最適加熱温度 = 300℃付近 モデル実験:最適加工温度 = 200℃付近 まとめ モデル実験 最適加工温度 → 200℃付近 実際の実験 最適加熱温度 (最適加工温度 → → 300℃付近 200℃付近) 残留応力 硬さ 変形量 最 適 加 工 温 度 回復 加工温度 図 加工温度が与える影響