薬剤学Ⅰ 2. 物質の膜透過機構

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Transcript 薬剤学Ⅰ 2. 物質の膜透過機構

2 物質の膜透過機構
吸収・分布・代謝・排泄の過程は、生体膜
を透過することが基本
○生体膜の構造
・脂質とタンパク質から構成
・流動モザイクモデル
糖鎖
○物質の膜透過経路
タンパク質 脂質
trans
para
・経細胞路
transcellular
pathway:
種々の輸送様式
・細胞間隙経路
paracellular
pathway:
受動輸送
○輸送様式の分類
[Ⅰ]受動輸送
①、②
[Ⅱ]促進拡散
③
[Ⅲ]能動輸送
③
[Ⅳ]膜動輸送
④
輸送担体:トランスポーター
[Ⅰ] 受動輸送
濃度勾配に従って、物質が移動する
現象を受動輸送という。
1. 脂質層ー 溶解拡散 (lipid route)
2. 細孔ー 制限拡散 (pore route)
(a) 溶解拡散
物質が細胞膜の脂質層に分配溶解し、
拡散していく輸送形式を溶解拡散という。
脂溶性の高いものほど、透過性は高い。
(油-水分配係数の大きいもの)
○膜透過速度
消化管
血液
Fickの第一法則
拡散速度が濃度勾配に比例
K:分配係数
○膜透過速度式
dQ A  K  D
C1  C2   A  PC1  C2   k  C1


dt
h
Coil
K
C water
※ 一次速度式
A:透過膜面積 h:膜の厚さ
膜への分配
K:薬物の膜/水間分配係数 (無次元)
D:薬物の膜内での拡散係数 (例えば cm2/min)
P:膜透過係数 (例えば cm/min)
k:一次速度定数 (例えば min-1)
分子量