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シラバスデータベースと図書館情報
データベースの連携に関する研究
遠藤教昭*, 高橋里奈*, 竹谷隆則*,
吉田等明*, 中西貴裕*, 原 道宏*
岩手大学情報メディアセンター*
岩手大学 人文社会科学部 人間科学課程
人間情報科学コース [現在、㈱ICS 〕*
岩手大学人文社会科学部
1997年にシラバスデータベースシステムを構築


共通科目
専門科目
WWW(World Wide Web)をフロントエンドに


すべての操作をWWWページで
ユーザに優しく
閲覧機能や項目検索機能で

ユーザが目的の授業を探しやすく
データベースのテーブル設計
a) 教官テーブル

教官コード,フリガナ,教官名,役職,所属
b) 科目テーブル

科目コード,教官コード,授業科目名,教官名,所属,
対象学生,科目の種別,開講学期,単位数
c) シラバステーブル

科目コード,教官コード,授業の方針,概要と計画,テ
キスト,授業の形式,成績評価方法,履修に当たって
の留意点
操作のながれ
事務官


教官テーブルのデータ入力
科目テーブルのデータ入力
教官

シラバステーブルのデータ入力
事務官

1年生用印刷シラバスの原稿作成(TeX文書の生成)
一般ユーザ(学生・教官・外部ユーザ)

閲覧・検索
サーバの構成
(1-1)ハードウェア

UNIX サーバ(Sun Microsystems Ultra 30,
UltraSPARC 300MHz×2, 384MB Memory,
18GB×2 HDD, OSは Solaris2.6 )
 2006/7/23に故障引退
(1-2)ハードウェア(サブ)

一般のPC(Pentium IV 1GHz, 384MB
Memory、80GB × 2 HDD, OS はVine
Linux 2.6)
サーバの構成(つづき)
(2)ソフトウェア




WWW サーバソフトウェア(Apache 1.3)
RDBMSソフトウェア(Sybase SQL Server
11.0.3)
Perl (Perl 5)
sybperl (sybperl 2)
本システムの利点
学生ユーザ


シラバス冊子の携帯が不要
受講科目の選択が容易
 【課程→コース→科目種別】の階層表示
 検索機能


PDFファイルで冊子イメージの閲覧
時間割との連携
本システムの利点(つづき)
外部ユーザ

受験生の有益なガイド
教官ユーザ


経年的にデータが蓄積し、資料的な価値
教官同士の理解を深められる
その他


冊子印刷がいらず、経費節減に貢献
紙を使わず、環境保護に貢献
本システムの欠点
利用者側から


利用にはPCが必要
学外からの利用には、PCとインターネット接続
が必要
管理者側から


システムの構築・運用管理が必要
閲覧性を高める画面設計が不可欠
オンラインリザーブシステム
授業に関する資料(テキスト・参考書・資料
など)を電子的に提供するシステム
岩手大学では、2001年ころ、当時の図書
館長(現在、進藤浩一名誉教授)が導入を
提案
いきなりの導入は困難
まずは、対象をテキスト・参考書に関する
情報(特に所在情報)に絞った
オンラインリザーブシステム的システムを
構築し、
授業の情報元として稼動中のシラバスシ
ステムに連携させることにした
試作システム1
シラバスに図書情報を入れる際に、
シラバス入力フォームに、NACSIS 図書
コードを手入力するシステム
シラバス入力
1) 岩手大学図書館のOPACで、参考図書
が図書館に存在するかを確認
2) 存在する場合は、該当図書のNACSIS
ID を記録
3) NACSIS ID をシラバス入力時にフォー
ム入力
シラバス表示
シラバスDBサーバ内のエージェントプログ
ラムが、図書館OPACサーバ内の検索プロ
グラムにアクセス
NACSIS ID で図書を検索して結果を返し、
シラバスに書名や著者名が表示される
リンクのクリックで図書情報表示
試作システム2
大学にない図書データも利用


図書館で未購入の図書
新刊図書
シラバス入力
図書データを手入力する必要がない


登録ボタンのクリックのみで、図書情報が
データベースに登録される
Amazon の豊富な図書情報を、Amazon Web
サービスを通じて利用
Web サービスに関連する技術
XML(Extensible Markup Language)

システム間のデータ交換に適する
XSLT(Extensible Stylesheet Language
Transformations)

スタイルシートによってXML 文書を変換する仕組み
Amazon Web サービス

ソフトウェア開発者がAmazonの商品データにアクセ
スできるようにするためのアプリケーションサービス
REST(REpresentational State Transfer)

キーと値のペアをパラメータに指定してWeb サービス
を呼び出し、処理を実行させる仕組み
検索画面 ↑
検索結果と登録フォーム ↓
シラバス上の表示
シラバスと連携した図書検索
このサービスが行われている大学はかな
り少なく
札幌学院大学、山梨大学、共栄大学、同
志社大学など
東北大学は、共通科目と工学部の科目で
今年度から
シラバス掲載図書のリスト
一方、作成に要する労力がかなり大きい
のにもかかわらず、
「シラバス掲載図書のリスト」を作成してい
る大学図書館は多い。
図書館側が、シラバス管理側に比べて、授
業テキスト・参考書の重要性を認識してい
る証
宇都宮大学附属図書館では
授業内容の十分な理解にはシラバス掲載
図書は必読であり、
それらを容易に探せるサポート体制が重
要と考えている。
同図書館で、授業に関連した資料(シラバ
ス掲載図書等)の利用状況を調査したとこ
ろ、「よく利用する」と「時々利用する」を合
わせて約36 %だった
利用率の向上を図るためには
毎年更新される図書を継続収集が重要で、
シラバスを作成する教員との緊密な連携
が必要であると指摘
まとめ
試作システムの目標は、ある程度実現


「参考図書データの効率的な入力」
「一般ユーザに対するわかりやすい表示」
真のオンラインリザーブシステム
すなわち参考図書自体も電子ファイルで提
供するシステムの実現は、
著作権などの関係もあり、かなり困難なも
のと推測される
一方、本研究のような
バーチャルリザーブデスク(コンピュータの
デスクトップ上のブラウザ画面を、リザーブ
デスクと見立てる) は、それよりは容易に
実現可能
本システムにより、シラバスシステムの利
便性を大きく増すことが可能