2.カフェインの薬理作用とその機序

Download Report

Transcript 2.カフェインの薬理作用とその機序

本日のメニュー
1.コーヒー(豆)の成分と作用効果
2.カフェインの薬物動態:吸収、代謝酵素、半減期、排泄
3.カフェインの薬理作用とその作用機序:中枢神経と心筋
細胞内情報伝達系
4. データ解析 プラシーボとの有意差
計算速度、正解数、誤謬率、血圧、心拍数
経時的変化(血中濃度との相関)
性差の影響(体格、性ホルモンとの関係)
喫煙者との比較
5.キサンチン誘導体:薬理作用と臨床応用
6.喫煙の影響
薬理学的に重要な物質、相互作用(薬物効果への影響)
7.考察:臨床応用
日常生活への応用
Ⅲ.コーヒーの薬理学~カフェインの中枢作用
コーヒーとは?
コーヒーの成分
主な成分
①カフェイン
②タンニン酸
③脂肪・糖分
①カフェインの効能
脳の働きを活発にする。
O
CH3
思考力を増す。
疲労回復に役立つ。
筋肉がほぐれ、活力が高まる。
CH3
N
N
N
O
N
CH3
胃や腸を刺激し、消化作用を活発にする。
尿の排泄が良くなる。
②タンニン酸(クロロゲン酸類)
煮沸すると黒くな
る!
にが~いYO!!
コーヒーの色
③脂肪と糖分について
(1)脂 肪
コーヒー豆に、普通13%程度含まれる
空気に触れると味と香りを悪くする
(2)糖 分
豆を炒るとカラメルに変わる
新鮮さがコク・キレを生み出す
その他の成分
(3)芳 香
約40種類以上の芳香物質がある
揮発しやすい
(4)その他
鉱物質、タンパク質、水分など
吸収
• 一部が胃粘膜から吸収されるが大部分は小
腸粘膜から吸収される。
• 吸収されたカフェインは肝臓で分解される
(first pass effect)まで血液循環を介して速や
かに全身に分布する。
• カフェインは血液-脳関門を容易に通過して
中枢作用を発揮する。
3.カフェインの代謝
O
CH3
脱メチル化
N
N
O
CH3
N
N
N
N
O
CH3
N
1.7-ジメチルキサンチン
カフェイン
脱
メ
チ
ル
化
(1.3.7‐トリメチルキサンチ
ン)
CYP1A2
O
CH3
O
O
CH3
N
N
CH3
O
CH3
O
酸化
N
1-メチル尿酸
N
N
O
N
1-メチルキサンチン
半減期
•
•
•
•
成人:5~6時間
乳児:80時間
黄体期の女性:6~8時間
喫煙者:1.5時間
排泄
カフェインの代謝産物は大部分が尿中に排出されるので、
腎臓に機能障害があると排出が著しく遅延する。
3.カフェインの薬理作用とその機序
1.中枢興奮作用(アデノシンA2A受容体のアンタゴニスト)
感覚受容や精神機能の亢進 → 眠気・疲労の除去
2.骨格筋に対する作用
骨格筋の収縮 → 疲労の軽減、活動性増大
3.心筋に対する作用
収縮増加、拍数増加、拍出量増大
4.血管に対する作用
腎臓の血管拡張 → 利尿作用
脳血管収縮 → 偏頭痛・高血圧性頭痛に有効
3.カフェインの薬理作用とその機序
カフェインの中枢興奮作用
カフェイン ・・・メチルキサンチン類の代表的な化合物
アデノシンの拮抗阻害薬
ドーパミン作動神経細胞・・・ドーパミン受容体
→ 精神高揚・覚醒
アデノシンA2A受容体
→ ドーパミン受容体抑制
カフェイン
ドーパミン作用
3.カフェインの薬理作用とその機序
カフェインの中枢興奮作用
カフェインの覚醒効果を分子レベルで立証
独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構 生物系特
定産業技術研究支援センター(生研センター)が「新技術・新分野
創出のための基礎研究推進事業」(プログラムディレクター桂直樹
理事)の一環として実施している研究課題「自然な睡眠覚醒調節
作用を持つ天然素材の探索に関する研究」において、(財)大阪バ
イオサイエンス研究所研究部長裏出良博らの研究チームは、カ
フェインの覚醒作用がアデノシンA2A受容体により調節されてい
ることを明らかにした。 コーヒー・緑茶・紅茶に含まれるカフェイン
が睡眠覚醒を促すことは古くから良く知られている。しかしカフェイ
ンにより引き起こされる覚醒に関与する受容体は特定されていな
かった。研究チームは、カフェインの投与(5,10,15 mg/kg)
により、野生型マウスでは覚醒が起こるが、アデノシンA2A受容
体の遺伝子欠損マウスでは覚醒が起こらないことを証明した。こ
れらの結果はカフェインにより増幅された覚醒にはアデノシンA2A
受容体が関与することを示している。
※ 5mg/kg → ヒトではコーヒー1杯分に相当
3.カフェインの薬理作用とその機序
カフェインの中枢興奮作用
・250mg/日とると興奮症状が明らかとなる。
・1日にとる量が600mg以上になると、
イライラや不眠などの症状が出るとされる。
・最大でアデノシン受容体の50%を遮断さ
せる。
・摂取から約40分で血中濃度が最高に達
する。
温かいコーヒーや茶を摂取すると、カフェインは小腸粘膜から大部分が吸収さ
れ、血液濃度は30分~1時間後に最高値に達する。食事や時刻などの条件を
厳密にコントロールした実験に寄れば、約160mgのカフェインを含むコーヒーを
飲んだ場合カフェインの血中濃度は100mLあたり約6μgに達した。しかし血液
中のカフェインすべてが薬理活性を発揮するのではなく約35%は不活性状態で
存在する。(詳しくは吸収のパワポにて)
100mgのカフェイン → 血中濃度 3.8μg/100mℓ
3.カフェインの薬理作用とその機序
カフェインによる骨格筋収縮
脱分極
RyR
Ca2+
Ca2+
骨格筋収縮
Ca2+
3.カフェインの薬理作用とその機序
カフェインによる骨格筋収縮
例 メチルキサンチン類は骨格筋の収縮や疲労抵抗を高め、運動能
力の維持に有効なことは良く知られている。カフェインによる疲労
抵抗の増大や運動能力の維持は、持久力が必要な協議の成績
向上につながりやすい。自転車のロード選手にカフェインを投与し
た場合320mgで単位時間当たりの走行距離が最大で20%増加
し500mgでは2時間にわたって走行中のエネルギー消費量が約
7%上昇し疲労感が軽度であったという。クロスカントリー競争の
成績もカフェイン投与で向上しこの効果は海抜が高いほど顕著で
あったとの報告もある。このようなカフェインの運動能力向上効果
のため、血中カフェインの濃度がコーヒー2杯(カフェイン量で200
mg)以上の摂取に相当すると疑われた場合は、ドーピングによる
失格の対象になることがある。競馬では、血液中からカフェインが
検出されれば即失格である。一方、カフェインの投与後は筋緊張
が高まり、射撃やアーチェリーなどの微妙な骨格筋運動要求され
る競技では成績が低下しやすい。
3.カフェインの薬理作用とその機序
カテコールアミン
カフェインによる心筋興奮
+
b1R
AC
Gs
PDE
5´AMP
cAMP
ATP
+
PKA
リン酸化
L型
RyR
Ca2+
2+
CICR
Ca
筋小胞体 心筋収縮
Ca2+
2.カフェインの薬理作用とその機序
キサンチン誘導体
カフェイン、テオフィリン、テオブロミンが挙げられる。
これらはキサンチンのメチル誘導体である。
働き
こ
少こ
しに
詳つ
い
して
く
♪
・PDEを阻害し、cAMPを増加させる。
・アデノシン受容体の非特異的拮抗作用を示す。
・細胞内貯蔵Ca2+の遊離を促進する。
2.カフェインの薬理作用とその機序
PDE(ホスホジエステラーゼ)
アデニル酸シクラーゼ
cAMP
ATP
GTP
cGMP
PDE
5’AMP
5’GMP
グアニル酸シクラーゼ
PDEは上記のようにcAMP及びcGMPを加水分解する酵素である。
cAMPは、グルカゴンやアドレナリンといったホルモンの
伝達の様な細胞内シグナル伝達においてセカンドメッセ
ンジャーとして利用される。
その主な作用はタンパク質リン酸化酵素(プロテインキ
ナーゼ)の活性化で、これはイオンチャンネルを通して、
Ca2+の通過を調節する事にも使われる。
2.カフェインの薬理作用とその機序
PDEのサブタイプ
PDEには現在PDE1~11までが知られている。
中でもPDE1~6のサブファミリーには、それぞれ特異的な
阻害薬がすでに開発されている。
臨床的応用
PDE阻害薬は強心剤、抗喘息薬、勃起不全
治療薬、脳血管拡張神経薬などに用いられる。
2.カフェインの薬理作用とその機序
PDE阻害薬
アミノフィリン・・・キサンチン誘導体のテオフィリンとエチレンジ
アミンの結合体である。
強心作用としては強くはないが、平滑筋弛緩
作用が強く、特に気管支に対する作用が顕著
で抗喘息薬として使われる。効き目が緩やか
な心循環作用薬(心収縮力増強など)である。
cf) 心筋内で細胞内cAMPが増加すると、cAMP依存性プロテイン
キナーゼ(PKA)が活性化され、Ca2+チャネルが活性化する。
すると多量のCa2+が遊離され細胞内Ca2+濃度が上昇し、心
筋は収縮する。
副作用:頻脈、不眠、胃腸障害
2.カフェインの薬理作用とその機序
PDE3選択的阻害薬
アムリノン、ミルリノン
・・・細胞内cAMPを増加するが、心拍数の増加が少ないため
静注による急性心不全の治療薬として期待されている。
副作用:血小板の減少(特にアムリノン)
ベスナリノン
・・・慢性心不全患者に対して症状の改善とともに、死亡率
の有意な減少が認められている。
副作用:無顆粒球症
シロスタゾール
・・・血小板凝集抑制作用、血管拡張作用をもつ。
2.カフェインの薬理作用とその機序
PDE4選択的阻害薬
ロリプラム
・・・炎症が起こっている部位では、各種の炎症細胞が
活性化しているが、この活性化を防ぐ。
つまりアレルギー性の炎症の抑制効果がある。
2.カフェインの薬理作用とその機序
PDE5選択的阻害薬
シルデナフィル(バイアグラ)
・・・勃起不全治療薬として用いられる。
陰茎海綿体では、性的刺激により遊離されたNOによる
cGMPの生成を介して血流が増加し勃起が起こる。
シルデナフィルはcGMP含量を高め勃起力を増強する。
副作用:(一過性の)頭痛、消化不良
2.カフェインの薬理作用とその機序
カフェインはPDEのすべてのファミリーに対し有効な
非選択性阻害薬である。
臨床的応用
眠気、倦怠感、腎性浮腫、血管拡張性及び脳圧亢進性頭痛
(偏頭痛、高血圧性頭痛、カフェイン禁断性頭痛など)
cf)頭痛の軽減について
カフェインは脳細動脈を収縮させ脳血流量を減少させる
ので、脳圧亢進性頭痛の軽減が可能である。
また、心筋や平滑筋にも作用するが、テオフィリンやテオブロ
ミンの方が作用が強い。
2.カフェインの薬理作用とその機序
カフェインの副作用
不眠
めまい
神経過敏
興奮
振戦
動悸
4.データ解析:グラフの表記法
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
normalized(%)
Example
8
7
6
5
4
3
2
1
0
-1
-2
†P<0.05
††P<0.01
***
標準誤差(S.E.)
***
***
***
†
***
††
***
**
0
15
*
30
45
***
***
プラシーボ群(n=48)
カフェイン群(n=48)
***
標本数
60
75
90
Time(min)
コントロール時の値を100%としたときの変化率。
その計算方法は
{(測定値)-(Controlの値)}/(Controlの値)×100
誤謬率のみに関しては、グラフの縦軸はこの変化率で
はなく、計算速度に対して誤答した割合を表す。
*, **, ***:コントロールとの比較による両側t検定に関し、5%危険率において有意であった項目
†, ††:独立2群の差の両側t検定に関し、5%危険率において有意であった項目
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較
normalized(%)
計算速度
7
6
5
4
3
2
1
0
-1 0
-2
***
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
†P<0.05
††P<0.01
***
*
15
**
**
**
30
45
60
カフェイン群(n=51)
プラシーボ群(n=48)
75
time(min)
コントロール値との比
較によるt検定(両側)
両群の比較による
差のt検定(両側)
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: P(T≦t)
0.6731
0.0003
0.0001
0.0002
Caffeine: P(T≦t)
0.0101
0.0002
<0.0001
<0.0001
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
94.17
94.47
96.40
96.95
97.01
Caffeine: Average
90.67
92.15
93.00
94.33
95.54
P(T≦t)
0.1924
0.4250
0.2042
0.3322
0.5981
-7.96~3.73
-8.59~2.21
-7.86~2.77
-7.06~4.28
差の95%CI
-8.72~2.16
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
正解数
30
†P<0.05
††P<0.01
normalized(%)
25
20
15
10
**
***
***
15
***
30
***
45
5
0
-5 0
カフェイン群(n=51)
プラシーボ群(n=48)
***
60
75
-10
time(min)
コントロール値との比
較によるt検定(両側)
両群の比較による
差のt検定(両側)
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: P(T≦t)
0.6174
0.0003
<0.0001
0.0001
Caffeine: P(T≦t)
0.0090
0.0002
<0.0001
0.1856
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
93.95
94.31
96.22
96.89
96.85
Caffeine: Average
90.52
92.11
92.85
94.21
109.73
P(T≦t)
0.2224
0.4581
0.2297
0.3435
0.6384
差の95%CI
-8.67~2.25
-7.92~3.74
-8.56~2.28
-7.95~2.73
-6.83~4.54
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
誤謬率
2
†P<0.05
††P<0.01
0
-2
カフェイン群(n=51)
プラシーボ群(n=48)
-4
-6
-8
-10
0
15
30
45
60
75
time(min)
コントロール値との比
較によるt検定(両側)
両群の比較による
差のt検定(両側)
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: P(T≦t)
0.3713
0.3529
0.0446
0.1236
Caffeine: P(T≦t)
0.4757
0.5878
0.3870
0.1333
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
0.0024
0.0097
0.0098
0.0009
0.0018
Caffeine: Average
0.0022
0.0017
0.0018
0.0015
0.0011
P(T≦t)
0.8231
0.3200
0.3104
0.2629
0.4026
差の95%CI
-0.0013~0.0010
-0.0232~0.0072
-0.0230~0.0066
-0.0005~0.0017
-0.0023~0.0009
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
脈拍数
2
†P<0.05
††P<0.01
normalized(%)
0
-2
カフェイン群(n=51)
プラシーボ群(n=48)
*
-4
-6
*
***
-8
***
***
-10
0
15
30
45
60
75
time(min)
コントロール値との比
較によるt検定(両側)
両群の比較による
差のt検定(両側)
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: P(T≦t)
0.1132
0.0799
0.0002
0.0074
Caffeine: P(T≦t)
0.0022
0.0005
0.0029
0.0004
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
75.23
73.73
73.44
70.33
71.83
Caffeine: Average
73.24
69.73
69.14
69.92
69.02
P(T≦t)
0.3524
0.0754
0.0558
0.8627
0.1934
差の95%CI
-5.92~2.17
-7.94~1.23
-7.87~0.70
-4.52~5.23
-6.47~2.06
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
normalized(%)
最高血圧
8
7
6
5
4
3
2
1
0
-1
-2
***
***
†P<0.05
††P<0.01
***
カフェイン群(n=51)
プラシーボ群(n=48)
0
15
30
45
60
75
time(min)
コントロール値との比
較によるt検定(両側)
両群の比較による
差のt検定(両側)
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: P(T≦t)
0.9798
0.2665
0.7685
0.6122
Caffeine: P(T≦t)
0.0053
0.0001
0.0004
<0.0001
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
117.9
117.8
119.6
117.4
118.6
Caffeine: Average
113.3
116.6
119.9
118.6
119.8
P(T≦t)
0.0883
0.6724
0.9355
0.6701
0.7014
差の95%CI
-3.75~8.09
-6.71~9.18
-7.17~8.57
0.71~9.75
-4.42~8.53
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
normalized(%)
最低血圧
40
35
30
25
20
15
10
5
0
-5
-10
***
†P<0.05
††P<0.01
カフェイン群(n=51)
プラシーボ群(n=48)
***
*
†
0
15
30
45
60
75
time(min)
コントロール値との比
較によるt検定(両側)
両群の比較による
差のt検定(両側)
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: P(T≦t)
0.5569
0.9530
0.9627
0.7069
Caffeine: P(T≦t)
0.0158
0.0006
<0.0001
0.1525
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
68.2
67.5
68.2
68.2
67.7
Caffeine: Average
66.3
69.3
71.0
72.5
86.4
P(T≦t)
0.2987
0.3547
0.1495
0.0210
0.1798
差の95%CI
-6.03~1.87
-2.29~5.71
-1.21~6.92
0.31~7.98
0.71~8.84
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
平均血圧
10
normalized(%)
8
6
***
***
***
†P<0.05
††P<0.01
***
カフェイン群(n=51)
プラシーボ群(n=48)
4
2
0
-2
0
15
30
45
60
75
time(min)
コントロール値との比
較によるt検定(両側)
両群の比較による
差のt検定(両側)
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: P(T≦t)
0.4256
0.5597
0.7249
0.6438
Caffeine: P(T≦t)
0.0022
<0.0001
<0.0001
<0.0001
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
85.0
84.3
85.6
84.7
84.5
Caffeine: Average
82.0
85.4
87.4
87.8
88.2
P(T≦t)
0.1068
0.5726
0.3860
0.1122
0.0677
差の95%CI
-7.30~0.84
-2.88~4.88
-2.18~6.17
-0.86~7.07
-0.74~7.89
プラシーボvsカフェイン
結果
計算速度、正解数、誤謬率、脈拍数に関しては有意差なし
血圧に関しては最低血圧の45分において有意差(0.0210)がみられた
考察
・中枢興奮作用により計算速度, 正解数は向上するものと思われる。
しかし、実験結果において有意差はみられなかった。これは、標本数
が少ない、生徒のやる気に差がある、計算能力に差がある、疲れ・慣
れの個人差によると思われる。
・脈拍数は理論的には下がると思われるが、有意差はみられない。
・血圧は、主に心臓への強心作用により上昇すると考えられる。本実
験においても、有意差がみられた。
4.データ解析:カフェイン群における性差
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
計算速度
6
†P<0.05
††P<0.01
normalized(%)
5
4
3
♂(n=31)
♀(n=20)
2
1
0
-1 0
15
30
45
60
75
-2
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
♂: Average
90.28
91.60
92.65
93.23
94.57
♀: Average
91.27
93.25
93.54
96.05
97.05
P(T≦t)
0.7958
0.6704
0.8120
0.4260
0.4952
差の95%CI
-7.40~7.48
-9.16~7.02
-8.27~7.93
-9.42~4.62
-8.55~5.05
4.データ解析:カフェイン群における性差
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
正解数
40
†P<0.05
††P<0.01
normalized(%)
30
20
♂(n=31)
♀(n=20)
10
0
0
15
30
45
60
75
-10
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
♂: Average
90.10
91.45
92.48
93.11
117.97
♀: Average
91.17
93.14
93.43
95.90
96.96
P(T≦t)
0.7798
0.6623
0.8009
0.4356
0.3747
差の95%CI
-7.47~7.33
-9.21~6.94
-8.40~7.92
-9.40~4.74
-8.64~5.02
4.データ解析:カフェイン群における性差
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
誤謬率
0.8
†P<0.05
††P<0.01
0.6
0.4
0.2
♂(n=31)
♀(n=20)
0
-0.2 0
15
30
45
60
75
-0.4
-0.6
-0.8
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
♂: Average
0.0029
0.0019
0.0020
0.0014
0.0012
♀: Average
0.0011
0.0012
0.0013
0.0017
0.0009
P(T≦t)
0.1146
0.3523
0.4463
0.7652
0.5307
差の95%CI
-0.0003~0.0029
-0.0009~0.0028
-0.0015~0.0031
-0.0022~0.0010
-0.0009~0.0027
4.データ解析:カフェイン群における性差
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
脈拍数
2
†P<0.05
††P<0.01
normalized(%)
0
-2
0
15
30
45
60
75
♂(n=31)
♀(n=20)
-4
-6
-8
-10
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
♂: Average
74.61
70.77
70.39
69.77
69.32
♀: Average
71.10
68.10
67.20
70.15
68.55
P(T≦t)
0.1861
0.4001
0.2945
0.9097
0.7441
差の95%CI
-3.45~6.95
-4.33~8.13
-2.39~9.29
-6.79~6.69
-3.67~5.47
4.データ解析:カフェイン群における性差
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
最高血圧
10
†P<0.05
††P<0.01
normalized(%)
8
6
♂(n=31)
♀(n=20)
4
††
††
††
30
45
60
2
††
0
-2
0
††
15
75
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
♂: Average
118.8
122.1
125.3
124.4
126.5
♀: Average
104.7
108.2
111.5
109.7
109.5
P(T≦t)
<0.0001
<0.0001
0.0012
0.0001
<0.0001
差の95%CI
6.05~17.05
6.28~17.02
6.34~23.86
4.76~20.24
9.03~24.17
4.データ解析:カフェイン群における性差
最低血圧
♂(n=31)
♀(n=20)
60
normalized(%)
50
40
30
20
10
0
-10 0
15
30
45
60
-20
time(min)
75
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
♂: Average
67.8
70.8
72.5
73.6
97.2
♀: Average
64.1
67.1
68.6
70.7
69.7
P(T≦t)
0.1587
0.1657
0.1531
0.2756
0.2330
差の95%CI
-1.66~7.96
-2.60~6.70
-1.63~8.83
-3.37~6.07
-1.95~8.15
†P<0.05
††P<0.01
4.データ解析:カフェイン群における性差
平均血圧
♂(n=31)
♀(n=20)
10
normalized(%)
8
6
4
†
†
45
60
2
0
-2
0
15
30
α=0.05
75
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
time(min)
†P<0.05
††P<0.01
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
♂: Average
84.9
88.2
90.3
90.5
91.6
♀: Average
77.6
80.9
82.9
83.7
83.0
P(T≦t)
0.0051
0.0058
0.0128
0.0165
0.0027
差の95%CI
1.53~10.63
1.20~9.90
1.88~13.02
-0.23~10.38
2.20~11.52
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(♂)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
計算速度
normalized(%)
6
5
4
3
カフェイン群(n=51)
プラセボ群(n=48)
2
1
0
-1 0
†P<0.05
††P<0.01
15
30
45
60
-2
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
93.58
94.00
95.08
95.81
95.97
Caffeine: Average
90.28
91.60
92.65
93.23
94.57
P(T≦t)
0.3079
0.4661
0.4396
0.4189
0.6688
差の95%CI
-9.17~3.60
-7.95~4.46
-7.38~3.57
-7.47~3.56
-6.32~5.39
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(♀)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
計算速度
8
†P<0.05
††P<0.01
normalized(%)
6
カフェイン群(n=51)
4
プラシーボ群(n=48)
2
0
0
15
30
45
60
75
-2
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
84.07
85.07
86.60
86.24
86.99
Caffeine: Average
85.15
85.55
86.79
86.18
88.26
P(T≦t)
0.3739
0.6288
0.1724
0.3367
0.5099
差の95%CI
-16.48~11.26
-17.19~14.93
-18.99~7.63
-17.19~10.25
-17.43~13.03
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(♂)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
正解数
40
†P<0.05
††P<0.01
normalized(%)
30
20
カフェイン群(n=51)
プラセボ群(n=48)
10
0
0
15
30
45
60
-10
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
93.39
93.82
94.92
95.76
95.85
Caffeine: Average
90.10
91.45
92.48
93.11
117.97
P(T≦t)
0.3085
0.4704
0.4379
0.4091
0.3494
差の95%CI
-9.14~3.59
-7.95~4.45
-7.44~3.58
-7.52~3.54
-6.05~5.76
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(♀)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
正解数
8
†P<0.05
††P<0.01
normalized(%)
6
カフェイン群(n=51)
4
プラシーボ群(n=48)
2
0
0
15
30
45
60
75
-2
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
85.65
86.52
88.01
87.54
89.27
Caffeine: Average
87.74
88.95
90.64
90.21
92.56
P(T≦t)
0.4045
0.6270
0.1888
0.3363
0.5414
差の95%CI
-16.37~11.81
-17.10~14.90
-18.96~7.96
-17.33~10.31
-17.52~13.48
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(♂)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
誤謬率
7
6
5
4
3
2
1
0
-1 0
-2
-3
†P<0.05
††P<0.01
カフェイン群(n=51)
プラセボ群(n=48)
15
30
45
60
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
0.0020
0.0118
0.0115
0.0009
0.0012
Caffeine: Average
0.0029
0.0019
0.0020
0.0014
0.0012
P(T≦t)
0.4316
0.3359
0.3451
0.4180
0.9170
差の95%CI
-0.0013~0.0032
-0.0354~0.0116
-0.0345~0.0112
-0.0008~0.0019
-0.0015~0.0013
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(♀)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
誤謬率
0.8
0.6
0.4
0.2
0
-0.2 0
-0.4
-0.6
-0.8
-1
†P<0.05
††P<0.01
カフェイン群(n=51)
15
30
45
60
75
プラシーボ群(n=48)
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
0.0042
0.0018
0.0034
0.0012
0.0040
Caffeine: Average
0.0011
0.0012
0.0013
0.0017
0.0009
P(T≦t)
0.3789
0.5470
0.4305
0.6243
0.3606
差の95%CI
-0.0108~0.0024
-0.0028~0.0007
-0.0070~0.0031
-0.0016~0.0021
-0.0095~0.0037
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(♂)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
脈拍数
2
†P<0.05
††P<0.01
normalized(%)
0
-2
0
15
30
45
60
カフェイン群(n=51)
プラセボ群(n=48)
-4
-6
-8
-10
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
75.26
73.26
73.47
70.47
72.45
Caffeine: Average
74.61
70.77
70.39
69.77
69.32
P(T≦t)
0.8051
0.3538
0.2466
0.7979
0.2222
差の95%CI
-5.62~3.88
-7.82~2.98
-8.42~2.74
-6.96~4.44
-7.98~2.43
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(♀)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
脈拍数
8
†P<0.05
††P<0.01
normalized(%)
6
4
2
カフェイン群(n=51)
0
-2 0
15
30
45
60
75
プラシーボ群(n=48)
-4
-6
-8
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
75.10
75.50
73.30
69.80
69.50
Caffeine: Average
71.10
68.10
67.20
70.15
68.55
P(T≦t)
0.2809
0.0948
0.1282
0.9422
0.8040
差の95%CI
-14.54~2.94
-17.97~-0.83
-15.13~3.73
-9.79~12.19
-9.00~7.00
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(♂)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
最高血圧
10
†P<0.05
††P<0.01
normalized(%)
8
6
カフェイン群(n=51)
プラセボ群(n=48)
4
2
0
-2
0
15
30
45
60
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
121.8
121.3
122.9
120.6
123.5
Caffeine: Average
118.8
122.1
125.3
124.4
126.5
P(T≦t)
0.3036
0.7838
0.4699
0.2401
0.3369
差の95%CI
-9.28~0.51
-6.92~4.85
-5.34~6.95
-2.70~9.80
-4.36~8.94
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(♀)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
最高血圧
10
†P<0.05
††P<0.01
normalized(%)
8
6
4
カフェイン群(n=51)
2
プラシーボ群(n=48)
0
-2 0
30
15
45
75
60
-4
-6
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
102.9
104.7
107.1
105.0
100.2
Caffeine: Average
104.7
108.2
111.5
109.7
109.5
P(T≦t)
0.5573
0.1991
0.3581
0.2234
0.0234
差の95%CI
-7.17~9.97
-1.95~9.75
-0.11~16.31
0.03~13.37
0.92~18.08
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(♂)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
最低血圧
normalized(%)
60
50
40
30
†P<0.05
††P<0.01
カフェイン群(n=51)
プラセボ群(n=48)
20
10
0
-10 0
15
30
45
60
†
-20
time (min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
68.5
68.7
69.2
68.4
69.8
Caffeine: Average
67.8
70.8
72.5
73.6
97.2
P(T≦t)
0.7105
0.3599
0.1292
0.0143
0.2331
差の95%CI
-6.63~3.14
-4.14~6.39
-2.14~6.98
0.59~9.41
0.89~8.40
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(♀)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
最低血圧
15
†P<0.05
††P<0.01
normalized(%)
10
5
0
-5
カフェイン群(n=51)
†
0
15
30
45
60
75
プラシーボ群(n=48)
-10
-15
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
66.8
63.2
64.7
67.6
59.5
Caffeine: Average
64.1
67.1
68.6
70.7
69.7
P(T≦t)
0.4672
0.2770
0.3304
0.3879
0.0042
差の95%CI
-10.05~7.05
-2.35~9.55
1.01~13.19
-2.35~13.55
2.16~19.44
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(♂)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
平均血圧
10
†P<0.05
††P<0.01
normalized(%)
8
6
カフェイン群(n=51)
プラセボ群(n=48)
4
†
2
†
0
-2
0
15
30
45
60
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
86.7
86.2
87.4
85.9
87.5
Caffeine: Average
84.9
88.2
90.3
90.5
91.6
P(T≦t)
0.4007
0.3727
0.2061
0.0420
0.0475
差の95%CI
-7.56~1.48
-4.18~5.69
-2.77~6.10
-0.33~9.01
-0.40~8.30
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(♀)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
平均血圧
15
†P<0.05
††P<0.01
normalized(%)
10
カフェイン群(n=51)
5
††
0
0
15
30
45
60
プラシーボ群(n=48)
75
-5
-10
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
78.8
77.0
78.9
80.1
73.1
Caffeine: Average
77.6
80.9
82.9
83.7
83.0
P(T≦t)
0.6852
0.1454
0.2957
0.2921
0.0040
差の95%CI
-8.09~7.01
-1.31~8.75
1.65~13.01
-1.21~13.11
2.74~18.02
カフェインにおける性差
結果
計算速度、正解数、誤謬率、脈拍数に関しては有意差なし
血圧に関しては
最高血圧のすべての時間において有意差がみられた。
平均血圧の45分(0.0165)、60分(0.0027)で有意差がみられた。
考察
CYP1A2の発現量に男女差はないので、影響はないと予想する。
本実験においては、血圧にのみ有意差がみられる。
これは男女の体重差による可能性が考えられる。
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(非喫煙者)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
計算速度
normalized(%)
8
†P<0.05
††P<0.01
6
4
カフェイン群(n=51)
プラシーボ群(n=48)
2
0
-2
0
15
30
45
60
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
94.33
94.76
96.45
97.20
96.88
Caffeine: Average
91.21
92.74
93.62
94.90
96.18
P(T≦t)
0.2725
0.4975
0.3272
0.4278
0.8157
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(非喫煙者)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
normalized(%)
正解数
30
25
20
15
10
5
0
-5 0
-10
†P<0.05
††P<0.01
カフェイン群(n=51)
プラシーボ群(n=48)
15
30
45
60
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
94.11
94.58
96.25
97.13
96.72
Caffeine: Average
91.08
92.60
93.48
94.77
111.59
P(T≦t)
0.2892
0.5062
0.3393
0.4170
0.3411
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(非喫煙者)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
誤謬率
0.4
0.2
0
-0.2 0
-0.4
-0.6
-0.8
-1
-1.2
-1.4
15
30
45
†P<0.05
††P<0.01
60
カフェイン群(n=51)
プラシーボ群(n=48)
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
0.0025
0.0111
0.0111
0.0011
0.0018
Caffeine: Average
0.0020
0.0017
0.0018
0.0016
0.0011
P(T≦t)
0.6217
0.3110
0.3020
0.3875
0.4389
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(非喫煙者)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
脈拍
2
†P<0.05
††P<0.01
normalized(%)
0
-2
0
15
30
45
60
カフェイン群(n=51)
プラシーボ群(n=48)
-4
-6
-8
-10
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
75.62
73.31
72.62
70.12
71.74
Caffeine: Average
72.96
69.26
68.51
69.81
68.83
P(T≦t)
0.2585
0.0945
0.0875
0.9036
0.2135
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(非喫煙者)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
normalized(%)
最高血圧
7
6
5
4
3
2
1
0
-1 0
-2
†P<0.05
††P<0.01
カフェイン群(n=51)
プラシーボ群(n=48)
15
30
45
60
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
117.4
116.9
118.8
116.5
118.3
Caffeine: Average
113.2
116.3
119.1
117.9
119.3
P(T≦t)
0.1472
0.8304
0.9254
0.6446
0.7627
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(非喫煙者)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
最低血圧
normalized(%)
30
25
20
15
†P<0.05
††P<0.01
†
カフェイン群(n=51)
プラシーボ群(n=48)
10
5
0
-5 0
-10
15
30
45
60
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
67.9
66.8
67.4
67.9
66.8
Caffeine: Average
66.6
69.0
70.4
72.3
87.6
P(T≦t)
0.5141
0.2700
0.1396
0.0272
0.1687
4.データ解析:プラシーボ群とカフェイン群の比較(非喫煙者)
α=0.05
*P<0.05
**P<0.01
***P<0.001
平均血圧
10
†P<0.05
††P<0.01
normalized(%)
8
6
4
カフェイン群(n=51)
プラシーボ群(n=48)
†
2
0
-2 0
15
30
45
60
-4
time(min)
両群の比較による差のt検定(両側)
Control
15m.
30m.
45m.
60m.
Placebo: Average
84.6
83.5
84.8
84.2
83.8
Caffeine: Average
82.1
85.1
86.9
87.5
88.2
P(T≦t)
0.2163
0.4325
0.3482
0.1201
0.0453
非喫煙者
結果
計算速度、正解数、誤謬率、脈拍数に関しては有意差なし
血圧に関しては
最低血圧の45分で有意差〈0.0272〉がみられた。
平均血圧の60分で有意差〈0.0453〉がみられた。
考察
CYP1A2の誘導によりカフェインによる効果は低く、作用時間も短く
なると予想される。本実験では、喫煙者の標本数が10人と少ない
ため、非喫煙者との比較はできない。
キサンチン誘導体
構造
プリン環に2つの酸素分子( O )とメチル基( -CH 3 )
重要なもの
↑カフェイン
カフェイン
テオフィリン(1,3位にメチル基2つをもつ)
お茶
テオブロミン(3,7位にメチル基2つをもつ)
カカオ豆
カフェインと良く似た性質をもつ化合物
薬理作用
似ているが作用の強さが違う!!
中枢神経興奮
カフェイン>テオフィリン>テオブロミン
気管支拡張作用
テオフィリン>テオブロミン>カフェイン
心筋興奮作用
テオフィリン>テオブロミン>カフェイン
利尿作用
テオフィリン>テオブロミン>カフェイン
臨床応用(医薬品としての利用)
作用の強さの違いを利用 !!
テオフィリン
気管支拡張薬
注)安全域は非常に狭いため、危険な側面も・・・
・5~20μg/mlの範囲で治療効果が相関
・それ以上の濃度で、食欲不振、悪心、嘔吐、腹部不快感、頭痛、不安などの症状
・また、40μg/ml以上の高濃度では痙攣、不整脈
また、テオフィリンの血漿クリアランスは患者により非常に差がある。
テオフィリンは肝臓で代謝される。
したがって、肝疾患患者では通常量でも毒性用量に達することもある。
反対に、喫煙や食事の変化により、肝酵素の誘導がおこり、クリアランスが増加する
かもしれない。
6-1.喫煙の影響~ベンツピレンによる影響~
タバコの煙
(ベンツピレン)
Ah受容体
肝細胞の核へ
DNAの転写
肝小胞体膜へ
チトクロームP450(CYP1A2)
薬物代謝、排泄速度の促進
CYP1A2誘導⇒カフェインの代謝亢進
⇒血中濃度 減少
6-2.喫煙の影響~ニコチンによる影響~
・ニコチンの作用
ニコチンは神経興奮薬の天然アルカロイドであり、
中枢神経系、化学受容器、交感神経節、副交感神
経節、神経筋接合部のNレセプター(ニコチン性コリ
ン受容体)に作用する。
・少量の場合;刺激作用
・大量の場合;顕著な刺激作用が起こった後、制御
作用
少量・大量の境界はどれくらいの量か??
ニコチンとは
・向精神薬・・・精神作用を持つ物質(睡眠薬・アルコール・モルヒネ・コカインと同類)
・依存性のある薬物・・・やめようと思ってもやめられなくなる状態(=中毒)
にする薬物
(理由)ニコチンは急速に大量に吸収されて脳のアセチルコリン受容体に結合し、
快感が忘れなくなるから。(吸収はサリンよりも早い)
・中毒量;1~4mg;非常に毒性が強く、非喫煙者では1mg程度から症状が現れる
・1本の喫煙;3~4mg吸入→1本タバコを吸うとニコチンが3~4mg体に入る。
つまり、1本吸うと中毒量を超える。
・致死量;子供;10~20mg
大人;30~60mg
興奮→麻痺→痙攣→呼吸麻痺
・タバコ1本分;15~30mg含有;乳幼児がタバコを1本飲み込むと致死量の
ニコチンを摂取したことになり非常に危険!!
少量・大量の境界は
どれくらいの量か??
1mg未満=少量
1mg以上=大量
タバコは1本でもニコチンは大量
ニコチン、カフェインの作用のまとめ
カフェイン
ニコチン
カフェイン+ニコチン
心臓(心拍数)
減少
減少→増加
不定
血管(血圧)
増加
上昇→下降
上昇→下降
呼吸
促進
促進
促進
骨格筋
興奮
興奮→抑制
興奮→拮抗
消化管
利尿
胃液分泌促進 胃液分泌促進→抑制 胃液分泌促進→抑制
促進
抑制(ADH分泌促進)
拮抗
自律神経節への作用機序をもっと詳しく
自律神経節に作用する薬物
節前線維からAChが遊離
ACh
自律神経シナプス後膜にある
NN受容体に結合
NN受容体
シナプス後膜が脱分極
脱分極
自律神経節遮断薬
・・・自律神経節においてAChによる興奮伝達を遮断する薬物
交感神経、副交感神経ともニコチン様作用
ACh
X
自律神経節を遮断すれば両者とも遮断される
しかし
NN受容体
各臓器はいずれかの神経が優位であるため、
臓器への影響は優位支配の神経が遮断された
ときと同じ結果になる
X
脱分極
自律神経遮断薬
①競合的遮断薬;自律神経節のNN受容体においてAChと
競合的に拮抗するもの
②脱分極性節遮断薬←ニコチンはこれ!
脱分極性節遮断薬・・・自律神経節のNN受容体に作用して、はじめ
脱分極を発生し、節後線維を興奮させる。
しかし後に持続的脱分極を起こすため、節遮断
作用を有する。
NN受容体
脱分極
脱分極
脱分極
脱分極
節遮断作用
ニコチン、カフェインの作用のまとめ
カフェイン
ニコチン
カフェイン+ニコチン
心臓(心拍数)
減少
減少→増加
不定
血管(血圧)
増加
上昇→下降
上昇→下降
呼吸
促進
促進
促進
骨格筋
興奮
興奮→抑制
興奮→拮抗
消化管
胃液分泌促進
利尿
促進
胃液分泌促進→抑制 胃液分泌促進→抑制
抑制(ADH分泌促進)
拮抗
6-2喫煙の影響~相互作用~
1.タバコ(ベンツピレン)+カフェインの影響
半減期約1.5時間減少→カフェイン効果減少
2.タバコ(ニコチン)+カフェインの影響
心拍数 → 不定
血圧 → 上昇のち下降
呼吸 → 促進
骨格筋 → 興奮のち拮抗
消化器 → 胃液分泌促進のち抑制
利尿 → 拮抗
〈参考〉 ニコチンとコーヒーの相互作用
〈最近禁煙目的で使用されているニコチンガムとの相互作用〉
ニコチンガム1個中にはニコチンが2㎎含まれている
口腔粘膜からニコチンが吸収され、タバコ1本吸った時の半分に相当するニコチン
血中濃度が得られる
ところ
が
コーヒーやコーラのような酸性飲料とニコチンを併用すると、口腔内のpHが低下する
(コーヒーはpH5前後、コーラはpH2.5程度)
口腔粘膜からのニコチンの吸収が阻害されて十分な効果が発揮できなくなる
喫煙者は非喫煙者に比べてコーヒーやコーラを頻繁に飲む
傾向があるので注意が必要!
考察~日常生活に応用~
Q.試験対策にコーヒーは有効か?
覚醒度上昇に効果
コーヒー(カフェイン100mg)、冷たいタオルに扇風機、
パソコンゲーム、大豆ペプチド
覚醒効果を得るためのコーヒー
「明日は試験、徹夜するぞ!まず
はコーヒーだ!」
睡眠効率=就床時間に対する睡眠時間の割合
カフェインを摂取した徹夜明け(テスト後)の睡眠効率
カフェインを摂取しなかった徹夜明け(テスト後)の睡眠効率
テストが立て続けにあるような場合は不向き(徹夜限定)
ストレス対策としてのコーヒー
• 試験期間はイライラ、ムカムカします。
コーヒーにはその原因となるストレスを緩和させる
力があります。
• 例えば、リラックスした時に出ると言われているα波
は、特に深めに焙煎したコーヒーの香りをかいだと
き増加することが最近の研究結果として発表されて
います。
記憶としてのコーヒー
• オーストラリアの大学の研究者チームは200
5年11月30日、コーヒー、紅茶、ソフトドリン
ク、チョコレートなどに含まれるカフェインが、
短期的記憶力と注意力をつかさどる脳の記
憶中枢を刺激する働きがある、との研究結果
を発表した。
結論
• コーヒーはテスト勉強の友である。
ただし、徹夜時は付き合ってはいけない。
カフェイン中毒
• カフェイン中毒(caffeine addiction / caffeine
intoxication)はカフェインによって引き起こされる中
毒。
• 長期にわたりカフェインを摂取し続けることによって
起きる慢性中毒と、一度に多量のカフェインを摂取
したために起きる急性中毒がある。
• コーヒー、コーラ、緑茶、紅茶、ココアなどカフェイン
を含む食品の常用によることが多い。また一部で、
カフェイン錠剤などの摂取によっても起きる。
中毒症状
• 短期的には、不眠、めまい、焦燥感、頻尿、神経質、筋肉の
ふるえ、パニック障害が発症もしくは悪化することもある。
• 長期的に摂取した場合の副作用は不明であるが、一般に消
化器の不調、筋力の低下等が起きるといわれている。それら
長期的な作用はカフェインの覚醒作用によって、疲労感をあ
まり感じなくなるために休息時間が減ることで起きたとも考え
られるが、原因ははっきりとしていない 。
• 長期的に摂取した場合の禁断症状としては、吐き気や頭痛、
倦怠感、抑うつ感・疲労感、場合によっては視力障害を併発
する。このうち頭痛については特にカフェイン禁断性頭痛と
呼ぶことがある。
中毒症状
• また、長期常用した場合には、カフェイン耐性が出来上がり、
覚醒作用を得るために多量のカフェイン摂取を必要としたり、
また睡眠導入時にも少量のカフェインの作用が無いと、頭痛
や不安感を訴え眠れないこと等が生じる場合がある。
• カフェインはアデノシンの働きを阻害するため、(アデノシン
は脳の神経線維に取り付いて安定感や疲労感をもたらす)こ
れを阻害することにより覚醒感が生み出される。腎血管を拡
張させ、尿細管での水分の再吸収を抑制するので利尿作用
も現わす。また、膀胱括約筋に取り付いてその作用を抑制し
ているアデノシンの働きを、カフェインが妨害するために頻尿
になるという説もある。
• なおカフェインの半数致死量 (LD50) は約200mg/kgで、一般
的な成人の場合、10-12g以上が危険とされる。
カフェイン実践編
それではこの魅力的でちょっぴり不安の残るカフェインを
美味しく取る方法について述べていきましょう。
◎ 代表的なコーヒー豆の紹介
• キリマンジャロ(タンザニア)
強い酸味とこくが特長。
‘野性味あふれる'と評されることが多い、深い焙煎では上品な苦味主体
で浅~中煎りとは違った風味が楽しめる。
• ブルーマウンテン(ジャマイカ)
卓越した香気を持ち、調和の取れた味わい、軽い口当りと滑らかな咽越
しも特徴。
最高級の品質と呼ばれる。しかしその中でもさらにランク付けされてい
て、一般に栽培されている標高が高いほど良質だとされている。最もラン
クが高いのがNo.1である。
カフェイン実践編
• モカ(イエメン、エチオピア)
独特の酸味を持ち、甘みとこくが加わる。また、香気に優れる。
最も古い「ブランド」であり、熱狂的なファンが多く、ひどい人は、1日モ
カを飲まないとイライラして、発狂するとまで言われる。
イエメン産の「マタリ」、エチオピア産の「ハラー」、「シダモ」等が有名。
• コロンビア
酸味と甘味を中心とした味わいだが突出せずバランスが良いのでブレ
ンドのベースに使われることが多い。
• マンデリン (インドネシア)
スマトラ島産。苦味とコクを中心とした味わい、独特な後味がある。
ブルーマウンテンが現われるまでは世界一と評されていた逸品。
コーヒーのおいしい淹れ方
コクとキレのあるコーヒーを
自宅で!!
1.用意する器
具
◆器具を用意する(左写真参照)
・コーヒーポット・ケトル
・コーヒーセーバー
・ドリッパー
・ペーパーフィルター
◆コーヒー豆を用意する(3人前)
・挽き具合:細~中あら挽き
・焙煎度合:ハイロースト~フルシティーロースト
・豆の量:40g前後
※1人前を約13gで計算しました。
※一般的なメジャースプーンは1杯10g
2.おいしい淹れ方
1.コーヒーを入れる前に、コーヒーセーバーおよびコーヒーカップに
お湯を入れて暖めておきます。
この作業は、淹れるコーヒーの温度を下がりにくくする為に行うもので、
思ったとおりの温度で抽出を続けることができます。おいしく淹れる為の基本です。
2.ペーパーフィルターの重ね目の部分を折ろう。
折ることによって、ペーパーパーフィルターをドリッパーにセット
する時にフィットするようになり、むら無くコーヒーを抽出するこ
とができます。
3.コーヒーセーバー、ドリッパー、ペーパーフィルターをセットします。
4.容易した人数分のコーヒー豆をペーパーフィルターの中に入れます。
<注意点>
表面を平らにします。その後いれた豆の中央部分を少しくぼませます。
5.豆中央のくぼませた部分から外側に向けて渦を書くように湯を注ぎます
(全体を湿らせる感じで)。
<注意点>
①ポットからの湯の注ぎ口から豆までの高さをなるべく低くしましょう。
②注ぐ湯の量は一定にし、まっすぐに落とすようにします。これは、コーヒー豆に動きをもたせ、
うまく蒸らせるようにする為です。
③注ぐ湯が、直接ペーパーフィルターにかからないように注意しましょう。
6.豆の表面が少々盛り上がってきたら、注ぐのをやめ、30秒ほど蒸らします。
7.表面が落ちるのを確認したら再度お湯を注ぎ、表面が盛り上がったら注ぐ
のをやめます。
<注意点>
中心から外へ円を描くように注ぎ、外までいったら内側へ同じように円を描くよ
うに注ぎます。
8.コーヒーが所定の量まで抽出されるまで、「6.」と「7.」の工程を繰り返します。
9.所定の量のコーヒーができたら、コーヒーカップに移して、
レギュラーコーヒーの出来上がり!!
ゆっくりとおいしいコーヒーと安らぎの時間を楽しみましょう。
そして最後に・・・
コーヒーには欠かせない成分の一つ、カフェイン。
彼らは上手に付き合えば、生活に刺激を与えて
くれる魅力的なものであることがお解りいただけ
ただろうか。
今度、コーヒーを飲む際に、カフェインの事を少
し思い出していただければ幸いである。