坂 明恵 - 立命館大学

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Transcript 坂 明恵 - 立命館大学

バリアフリーのための心理学09
(2)
車椅子
望月昭 [email protected]
HP: 望月昭のホームページ
ブログ:対人援助学のすすめ
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車椅子といえば 1
「リアル」 井上雄彦
2
車椅子といえば 2
鬼警部アイアンサイド(1969~1975)
• http://www.scn-net.ne.jp/~rasen/ironside_copy
湘南ケーブルネット「螺旋」から
3
アイアンサイド
1台目
バリアフリ-のオフィスに介護人を従
えて登場したアイアンサイド。 (略)
介護一切を任されたマークは、元不
良の黒人青年で、アイアンサイドの介
護をしながら高等教育を受け、更生中
という設定。・・・・
マークはアイアンサイドの命ずるま
ま、アイアンサイドを、いつ、いかなる
場所へも速やかに移動させることを決
して厭わない。
4
アイアンサイド
2台目
•
・・3シーズン目か4シーズン目だか
定かでは無いが、アイアンサイドの車
椅子は電動化され、マークはアイアン
サイドの車椅子を押す仕事からは解
放されたが、側を離れることは無く、電
動の昇降用リフトが装備されたバンの
運転も相変わらず行っていた。
5
アイアンサイド
3台目
3台目に至って、アイアンサイドは、自分
の手で車椅子をこぎだし、単なる車椅子に
乗った警部として登場することになる。車椅
子を押すことが無くなったマークは介助者か
ら刑事へと変身していった。
・・・・・・ステータス・シンボルとも言えそう
な先端技術の固まりとも言える電動車椅子
に頼るより、自分の力で車椅子を漕ぐことが
何より格好良いことに気がついたのが一番
6
の理由では無いか思われる。
アイアンサイド
介助者付きの車椅子は、いかにも
重要人物らしくてカッコイイ。
• 電動車椅子は最新テクノロジーを
購入できる財力を感じさせてカッコイ
イ。
• 自分の車椅子なのだから、自分で
こぐのが一番カッコイイ。
・
7
車椅子といえば
車椅子マラソン
http://www.youtube.com/watch?v=tKkf59m
42Ds&feature=fvw
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車椅子利用者の飲食店利用における
心理的バリアに関する調査
-人的援助関係から生まれる疎外感について-
高野啓司(2001)
NEDO 報告書資料から
目的:11年度の調査の中で、脳性麻痺のある車椅子
ユーザから、健常者と共にレストランを利用した場合、
「障害のある車椅子ユーザには声をかけない」といった
意見があった。本当か?
店員の対応における心理的バリア(疎外感)に関する
実態調査を行い、その解消に必要と思われる援助(機
器)対策を考察する。
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方法:
高野啓司
(2001)
車椅子ユーザと健常者のペアが、後者が車椅子を押
しながらファーストフードレストランに訪れた場合、来店
から会計までの一連の行動の中で、店員の視線、声か
けなどの接客行動についてVTRで記録し分析した。「車
椅子ユーザ+介助者」(車椅子を健常者が利用している
場合と、重度の脳性麻痺を持つ成人の場合あり)と「非
車椅子ユーザ+非車椅子ユーザ」(両名とも男性の場
合と男女の場合あり)の組み合わせで、計33試行のレ
ストラン利用状況で検討した。
10
結果と考察:
高野啓司
(2001)
車椅子ユーザからクレームのあった「来店時の声かけ」につい
ては、特に、車椅子ユーザを無視するといった傾向はみられな
かった。しかし、食品注文時、特に会計時の対応に特徴的な対
応がみられた。会計に関する「以上でよろしいですか」の定員の
視線は、16試行中、車椅子ユーザに向けられたことは一回もな
かった。また、「お会計はごいっしょですか」という発声頻度は、
非車椅子どうしのペアでは77%(7/9)であったのに対し、車椅子
-非車椅子のペアの場合では、18%(3/16)という低率であった
(車椅子ユーザが実際に脳性麻痺を持つ個人の場合、1回も尋
ねられることはなかった)。一方、先の「以上でよろしいですか」と
いう確認行動の際に、そこで注文確認が止まってしまう(他方に
は尋ねない)比率は、車椅子ユーザが先に注文をした場合に
もっとも多かった(63%:5/8)。
11
高野啓司
(2001)
これらの結果は、店員は車椅子ユーザを無視している
わけではないが、車椅子-非車椅子のペアの場合、車
椅子ユーザを消費の主体として捉えにくい傾向がある
こと、また車椅子ユーザが最初に注文するといった消費
行動のイニシャティブをとっている場合においても、非
車椅子の同伴者はあくまで車椅子ユーザの消費行動
の「援助者」として存在し、両名が対等な存在であるよう
な接客対応がとられにくい傾向を示している。
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高野啓司
(2001)
こうした傾向の中では、簡単なきっかけで、店員の
対消費者行動が健常者側に移行すること(結果とし
て、疎外感を生む)が考えられる。調査中、脳性麻痺
のある障害者の注文内容が聞き取りにくかった場合、
それ以降一切、健常者にしか注意も声かけもしな
かったというエピソードがあったが、このことはそうし
た状況を反映するものと言えよう。
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高野啓司
(2001)
これらの結果は、車椅子を健常者が押しているという
「人的援助関係」の中で生じたものである。こうした関係
の中での「疎外感」は、単独で障害者が行動している場
合、あるいは、車椅子ユーザが同行者と「距離を置く」
(援助関係を示さない)といった形態で利用した場合に
は起こらないと考えられる。
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重度の障害のある生徒の
電動車椅子の指導
坂 明恵(立命館大学心理学科
2007年度卒業論文)
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記録者
坂明恵
課題提示者
ぬ
い
ぐ
る
み
参加者
訓練者
机
図 1-1.前進と停止の訓練のセッティング。ぬいぐるみを取りに行く課題を設定した。
記録者
机
ぬ
い
ぐ
る
み
障
害
物
課題提示者
参加者
訓練者
図 2-1.障害物を置いてぬいぐるみを取りに行く課題のセッティング。
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坂明恵
記録者
△ △
ぬいぐるみ
A
a
△ 課題提示者
△ 参加者
△
訓練者
b
B
図 3-1. 障害物にぶつからないようにぬいぐるみを取りに行く課題のセッティング。
椅子を障害物として用いた。□は机、○は椅子であった。机の位置を A から B に、
の位置を a から b に換えて、ぬいぐるみを右に置く場合と左に置く場合とで試行を
た。
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表1.訓練1の課題分析ステップ
ステップ
坂明恵
課題
1 ジョイスティックをつかむ。
2 ジョイスティックを倒す。
3 ぬいぐるみの前に行く。
4 ジョイスティックを戻す。
5 ジョイスティックを離す。
6 ぬいぐるみをとる。
7 ジョイスティックをつかむ。
8 ジョイスティックを倒す。
9 課題提示者の前に行く。
10 ジョイスティックを戻す。
11 ジョイスティックを離す。
12 ぬいぐるみを渡す。
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100%
7:12
坂明恵
達成率
所要時間
6:00
80%
4:48
60%
セッション内の
達成過程例(課題1)
3:36
課
題
分
析
ス
テ
ッ
プ
40%
20%
2:24
1:12
0%
0:00
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3
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8
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12
1
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2
0
0
2
3
2
2
2
0
0
0
2
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3
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
3
3
3
3
3
3
3
3
0
1
3
3
3
4
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
5
0
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2
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0
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6
0
1
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1
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1
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0
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2
3
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0
0
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3
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2
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3
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3
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3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
11
3
2
2
1
0
0
0
0
0
0
0
0
12
0
2
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0
0
0
0
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坂明恵
電動車椅子を教えることの是非
「重度の知的障害のある子どもに、
電動車椅子の運転なんか教える
と、勝手に何処かへ行ってしまっ
て危ないんじゃないの?」
このコメントにどう応える?
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車椅子という「記号」
http://azoz.org/archives/200408311259.php
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