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第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
1 情報の受信にかかわる問題
2 情報の流通
3 情報の発信
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
1 情報の受信にかかわる問題
• 情報を受け取るときには,どのようなことが起
きているだろうか。
• 情報を受け取るときには,どのような点に注
意が必要だろうか。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
コミュニケーションにおける制約
• コミュニケーションでは,情
報の発信者は,情報をメ
ディアという形であらわして
いる。
• 受信者は,メディアから情報
を読み取る。
• メディアがもつ制約のため
に,意図した通りの情報が
伝わらないことがある。
きちんと伝わっただろうか?
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
メディアリテラシー
情報の発信者は,それぞれの意図をもって情報
を発信している。
メディアリテラシーを身につけたい。
– さまざまなメディアを通じて伝えられる情報を,適
切に使いこなす能力。
– 複数の情報源を比較して受けとめる。
– 発信者の意図を検討する。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
情報発信者の意図
• 商品の広告
– 意図→「その商品を買ってもらいたい。」
– 自分にとって必要なものだけを購入するために
情報を利用すればよい。
• テレビの番組
– 意図→「視聴者を楽しませたい。」
– 実際におこったできごとでも,「つまらない」部分
は省略されて,正確に情報が伝達されていない
かもしれない。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
情報操作
• 情報操作
– 発信者が,さまざま
な事実のうち,自分
に都合のよいこと
だけを伝えて,受
信者の考えを自分
の都合のよい向き
に誘導すること。
みんなが喜んでいる
ように見えるが・・・。
騒音問題などで反対
する人がたくさんい
るのかもしれない。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
• 最近起こった事件を1つ選び,できるだけ多く
の情報源を持ちよって,その事件がどのよう
に報道されているかを比較してみよう。
• それぞれを見たときの印象などを表形式でま
とめよう。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
2 情報の流通
• 情報の流通にまつわる問題には,どのような
ものがあるだろうか。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
情報公開
• 情報公開の原則
– 特別な理由がないかぎり,情報は公開しようと
いう考え。
• 情報公開法
– 1999年5月公布。
– 国などの行政機関がもつ情報は,請求があれ
ば,原則として公開されることを規定した法律。
– 行政の判断や行動を,市民がチェックする機
会が保証される。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
プライバシー
• プライバシーの権利
– 個人的な事柄にかかわる情報を,公開するか
どうかを決めることは,本人だけがもつ権利で
ある。
– 第三者が本人に無断で,個人にかかわる事
柄を公開することはできない。
• 頼んでもいないダイレクトメールが大量に送られて
くるのは,どこかで個人情報を公開してしまったこ
とに原因があることが考えられる。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
ユーザIDの保護
• ユーザIDとパスワード
– ネットワーク上で,「自分が自分である」ことを
示す重要な情報。
– パスワードがほかの人に知られてしまい,自
分のユーザIDを勝手に使われてしまうと・・・
• コンピュータに保管していた重要な情報を盗まれ
たり,改変される。
• 名前をかたられ,でたらめな情報を発信される。
• これらの被害や,失われた信用を回復するのは,
容易ではない。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
パスワードを守る
推測されやすいパス
ワードを使わない。
紙に書きとめたりしな
い。
定期的に変更する。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
通信の傍受
• 傍受
– ほかの人がおこなっている通信の内容を受
信すること。
– 傍受されることにより,プライバシー侵害など
の損害を受けることがある。
• 通信傍受法
– 1999年8月公布。
– 傍受が無制限におこなわれることがないよう
に,厳格な条件や手続きを定めている。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
傍受への対策
• 暗号化
– 通信の内容を暗
号化することで,
通信を傍受されて
も,その内容を知
られることはない。
• 犯罪捜査などのために,通信の傍受や暗号の解
読が必要であるとする考えもある。
• 通信傍受法によって,傍受のための厳格な条件
や手続きが定められており,無制限に傍受がお
こなわれないようになっている。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
フィルタリング
見たくない,見せたくないウェブページへのア
クセスを禁止するしくみ。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
フィルタリングの種類
• ブラックリスト方式
– 禁止する条件のリストをつくり,これに該当す
るページを表示させない。
• ホワイトリスト方式
– 表示させるページのリストをつくり,それ以外
のページはすべて表示しない。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
フィルタリングの問題
ブラックリスト方式では,問題のないページも
排除される可能性がある。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
3 情報の発信
• 情報を発信するときには,どのような点に配
慮すればよいだろうか。
• 知的財産権・著作権にはどのようなものがあ
るだろうか。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
ネットワークと情報発信
• ネットワーク社会とは
– 世界中に向けて情報を発信することは,かつ
てはマスメディアなどにしかできなかった。
– いまでは,WWWなどで,だれでも簡単に,世
界中に向けて情報を発信することができる。
– 情報を発信することに責任をもつ。
– 公序良俗に反する内容を発信したり,他人の
権利を侵害することがあってはならない。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
社会規範
ネットワークで情報を発信すること
公の場での発言と同じこと。
•
•
•
•
暴力や犯罪をあおるような内容。
虚偽の内容。
セクシャルハラスメント的な内容。
差別的な内容
などの発言は,するべきではない。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
知的財産権
• 知的財産権
– 知的活動による,形をもたない財産にかかわる権利。
著作者人格権
著作財産権(著作権)
著作権
著作権法
著作隣接権
産業財産権
特許権
特許法
実用新案権
実用新案法
意匠権
意匠法
商標権
商標法
それぞれの権利は,法律で保護されている。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
著作権の内容
著作者人格権
著作権
• 著作者人格権
著作財産権(著作権)
著作権法
著作隣接権
– 著作者の人格にかかわる権利を保護。
•
•
•
公表権
氏名表示権
産業財産権
同一性保持権
いつ公表するかを定める権利。
特許権
特許法
どのような名前を表示するか定める権利。
実用新案権
実用新案法
勝手に改変されない権利。
意匠権
意匠法
商標権
商標法
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
著作権の内容
著作者人格権
著作権
著作財産権(著作権)
著作隣接権
• 著作財産権(著作権)
– 著作物に利用にかかわる経済的な権利全体。
• 複製権
• 公衆送信権
• 譲渡権
複製をつくる権利。
ネットワークで発信する権利。
他人に譲り渡す権利。
などの権利が含まれる。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
著作権の内容
著作者人格権
著作権
著作財産権(著作権)
著作隣接権
• 著作隣接権
– 著作物の伝達者がもつ権利。
実演家,
レコード製作者,
放送事業者 など
– 著作物を利用するときには,著作権法で保護されている,
著作者の権利を侵害しないように気をつけよう。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
著作物の利用
• 雑誌の写真を取りこんで,自分のウェブページに
使ってもよいか?
写真は著作物である。雑誌の写
自分で撮った写真は,自分が著
真や,他人が撮った写真は,著
作者なので公開してよい。ただし,
作者(出版社や撮影した人)に無
他人の著作物を写した場合や,
断でWWWなどで公開してはい
他人の肖像権などを侵害するよ
けない。
うな場合は,この限りではない。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
著作物の利用
• 好きな曲を演奏したものをウェブページで公開し
てもよいか?
自分が演奏したものであっても,
自分が作詞・作曲したものであれ
楽曲や歌詞は著作物なので,著
ば,自分が著作者だから公開し
作者に無断で公開してはならな
てよい。
い。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
著作物の利用
• 好きな詩を分析するウェブページをつくってもよい
か?
引用した詩をページのテーマにす
正当な引用であれば,著作者の
許諾なしに利用することができる。
るような場合は,正当な引用では
ないので,使用できない。
正当な引用とは,公表された著
作物を,報道,批評,研究などの
目的で,出どころを明示した上で
利用することである。また,批評
や研究などの部分が「主」で,引
用した部分が「従」あることが,必
要である。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
著作物の利用
• 気に入ったウェブページへのリンクを作成してもよ
いか?
ウェブページの内容は著作物な
ウェブページは著作物であるが,
ので,画像や文章を,著作者に
リンクを作成することは「情報の
無断で流用してはいけない。
ありかを示す」だけなので,著作
者の許諾は不要である。
第3章
第1節 情報の公開・保護と個人の責任
私的使用
• 私的使用にあたるもの
複製権
– テレビ番組を自分で録画し,自分で見る。
著作物を複製する権利は,著作者だけがもつ。
– CDをレンタル店で借りてきて,その複製をつ
個人が私的な使用のために複製することは許
されている。
くって自分で聞く。
など
• 私的使用にあたらないもの
– テレビ番組を録画したものを,友人にあげる。
– CDの音楽をウェブページで公開する。 など