NVIDIAグラフィックスプロセッサ(GPU)の故障修理について

2014年12月 オッハー

故障したＰＣの製品名とスペック ・ＳＯＮＹ ノートＰＣ（ＶＧＮ－ＦＺ６１Ｂ） ・ＯＳ（Windows VISTA Win7 UP グレード版） ・ディスプレイドライバー：ＮＶＩＤＩＡ Ｇｅｆｏｒｅ 8400Ｍ ＧＴ

１．故障状況 １）通常立ち上げで使用中、突然マウスのポインターが動かなくなった。 ２）やむなく電源Ｓ/Ｗの長押しで電源Ｏｆｆし、再起動するが、起動画面のＶＡＩＯのロゴがザラザラ になる。（起動時の写真１，２，３） ３）状況によっては、写真２でブルースクリーンになり、写真３まで進まない場合もある。 ４）無事に起動完了しても、背景に写真3の青い縦縞が残っている。 ※この時、デバイスマネージャーのディスプレイアダブターを確認すると「！」マークがついており、 プロパティーを見ると「ドライバーは作動していない」旨のコメントが出ている。 ５）この状態で使用を続けると、突然画面が消えたり、再起動したり、不安定になる。 ２．この不具合に対する対応状況 １）まず、ＮＶＩＤＩＡ Ｇｅｆｏｒｅ 8400Ｍ ＧＴのドライバーソフトの不適合を疑い、 最新ドライバーのインストールを試みたが、更新できない。 ※ＳＯＮＹ製ＰＣは安全のため、一般ユーザーは更新インストールできない使用になっている。 （何度も試みて無駄に時間を費やした後判明） ２）次に、Ｗｉｎ７のアップデートもしていたので、内臓ＨＤＤの問題を疑いリカバリーメディア（ＤＶＤ） から再インストールを行ったが、インストールの途中でＰＣがフリーズして完了できなかった。 ３）しかたなく、内臓ＨＤＤのリカバリーを使って再インストールをするが、これもＤＶＤ同様の症状が 出て、うまくいかない。しかし、この方法しか残されていないので、10回ほど同じことを繰り返すと たまたま、うまく進みインストールが完了でした。 ４）この状態でＰＣを起動すると、また故障発生時の画面が出現し、フリーズや再起動、ブルー画面 を繰り返した。 ３．ハード不具合（ＮＶＩＤＩＡ本体基板のハンダ切れ）の記事をネット上で、ＮＶＩＤＩＡの基板と マザーボードを繋いでいるハンダが切れると、この症状が出る、ことを知った。 ４．ＰＣのカバー分解（ＮＶＩＤＩＡ基板へのアプローチ） １）ＰＣのカバーを取り外しＮＶＩＤＩＡの状況を確認した。（分解順に写真を並べてある。）

NVIDIAグラフィックスプロセッサ(GPU)の故障修理について

５．ＮＶＩＤＩＡ発見 手順４）の写真に示すように、ＰＣのカバーを慎重に取り外し、目指すディスプレードライバー を発見した。しかし、外見からは、何の異常も見当たらない（ハンダ切れはＮＶＩＤＩＡ基板裏側の ハンダ接続箇所（約100か所？）のうちのどこかであるからだ。） ６．ハンダ切れ修復 ※正式には、メーカでハンダ付けすることを「フロー」と言うのに対し、溶かしなおすことを「リフロー」 と呼んでいる。 リフローは、約200度の温風でハンダを溶かすことから、ヒートガンと言う専用の 工具が必要だが、私は持っていないので、我が家にある最強の「ドライヤー」であぶることにした。 （最低180度は必要だが、ダメもとでやってみることにした。） １）ＮＶＩＤＩＡ基板周りを熱から守るため、アルミ箔で防御した。（写真） ２）ドライヤーを最強にして約5分間ＮＶＩＤＩＡを加熱する。 ※溶けるわけはないが、変化はあるはずダ！ ７．仮組立で、ＰＣを起動すると、何と正常に起動できた。（写真） ８．やはり再発したため、次の改善対策を実施した。 １）しばらくは安定していたが、また、フリーズや画面の乱れが、時々再発するようになった。 ２）サーマルショック（熱歪）によるハンダ切れは、「200度で溶かしても再発することがある。」と 多くの記事に書いてあり、別の改善策を立てていたので、それを実施することにした。 ９．改善対策を実施状況（ＮＶＩＤＩＡ基盤を圧着） １）ＮＶＩＤＩＡやメインメモリーを覆っているアルミ製冷却フィン（破線で囲った部分）に４か所ネジ穴を 開け、ＮＶＩＤＩＡ基盤をネジで上から押しつけてハンダ切れ部を圧着）することにした。 ２）加圧ヵ所の選定 ※圧着圧の調整は、薄い紙をビスと基板の間に入れ、 ビスを締めながら、紙を引き抜く荷重の強さで調整するが、 強く閉めすぎると基盤が割れるので注意が「必要である。 ①4か所加圧：効果ナシ ②㋑㋺を加圧：効果ナシ ③ ㋩㋥を加圧：効果ナシ ④㋑を加圧：効果あり（〇） ⑤㋺～㋥加圧：効果ナシ ３）私のＮＶＩＤＩＡのハンダ切れは、㋑の近くだったと推定できた。 １０．この対策の結果、現在不具合は出ていない。 ※またの機会にこの続報を皆様にご報告したい。 以上