グリセロール

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第 五 章
脂 質 代 謝
Metabolism of Lipid
脂質の概述
定義
脂質(lipid)は化学的性質よりも むしろ物
理的性質で関連のある一群の物質の総称で
ある。
脂質は水に比較的難溶であるがエーテル,
クロロホルム,ベンゼンのような非極性溶媒に
溶解するという共通の性質を有する。
分類
脂肪(fat ,triacylglycerols,TG):
脂肪酸とグリセロールのエステル
リポイド(lipoid):
コレステロール (cholesterol)
コレステロールエステル
(cholesterol ester, CE)
リン脂質 (phospholipid, PL)
スフィンゴリン脂質 (sphingolipids)
脂質の基本構成
トリアシル
グリセロール
FA
グリセロリン脂質
(phosphoglycerides)
FA
コレステロール
エステル
グ
リ
セ
ロ
ー
ル
グ
リ
セ
ロ
ー
ル
FA
FA
FA
Pi
コレステロール
X = コリン,水,
エタノールアミン,
セリン,
グリセロール,
イノシトール,
ホスファチジル
グリセロール
X
FA
グリセロール
H2C
OH
CH
HO
H2C
OH
トリアシルグリセロール
O
O
H3C (CH2)n C O
H2C
CH
H2C
O C (CH2)m CH3
O
O C (CH2)k CH3
グリセロリン脂質
O
O
H2C
H3C (CH2)n C O
O C (CH2)m CH3
CH
H2C
O
O
P
O
X
OH
X = コリン,水,エタノールアミン,セリン,
グリセロール,イノシトール,
ホスファチジルグリセロール
脂質の分類,含量,分布及び生理的機能
分 類
含量
分布
脂肪
トリアシル
グリセロー
ル
脂肪組 1.
95﹪ 織,血 2.
3.
漿
4.
5.
6.
リボイド
コレステ
ロール及び
そのエス
テールリン
脂質
5﹪
生理的機能
エネルギーを貯蔵し,供給する
必須脂肪酸を提供する。
脂溶性ビタミンの吸収を促進する。
热クッションの作用
保護クッションの作用
血漿リポタンパク質の構成成分
生体膜 1. 生体膜の構造と機能を維持する。
神経, 2. コレステロールはステロイドホルモン,
ビタミンD,胆汁酸などに転換できる。
血漿
3.血漿リポタンパク質の構成成分
遊離脂肪酸の由来
自身合成 脂肪の形で貯蔵し,必要に応じて脂肪
動員を通じて産生される。多くは飽和脂肪酸とモノ
不飽和脂肪酸である。
* 必須脂肪酸:
リノール,リノレン酸,アラキドン酸などの高度
不飽和脂肪酸は生体に必要であるが体内では合
成できないで,食物として供給されなければなら
ない。
第一節
不飽和脂肪酸の分類
及び命名
The Classification and Naming of
Unsaturated Fatty Acids
不飽和脂肪酸の分類
• モノ不飽和脂肪酸
• 高度不飽和脂肪酸
2個以上の二重結合をもっている。
不飽和脂肪酸の命名
系統命名法
脂肪酸の炭素原子の数と二重結合の位置
を表す。
•△体系
脂肪酸の-COOHから炭素原子を数える。
•或はn体系
脂肪酸の-CH3から炭素原子を数える。
哺乳動物における不飽和脂肪酸
のω(或はn)体系による分類
族
脂肪酸
ω-7(n-7)
ω-9(n-9)
ω-6(n-6)
パルミトオレイン酸(16:1,ω-7)
オレイン酸(18:1,ω-9)
リノール酸(18:2,ω-6,9)
ω-3(n-3)
α-リノレン酸(18:3,ω-3,6,9)
よく見られる不飽和脂肪酸
慣用名
系統名
二重結合の位置
炭素原子
及び二重
結合の数
△系
n系
族
分布
パルミトオレイ
ン酸
ヘキサデゼン酸
16:1
9
7
ω-7
広範
オレイン酸
オクタデゼン酸
18:1
9
9
ω-9
広範
リノール酸
オクタデカジエ
ン酸
18:2
9,12
6,9
ω-6
植物油
α-リノレン酸
オクタデカトリエ
ン酸
18:3
9,12,15
3,6,9
ω-3
植物油
γ-リノレン酸
オクタデカトリエ
ン酸
18:3
6,9,12
6,9,12
ω-6
植物油
アラキドン酸
エイコサテトラエ
ン酸
20:4
5,8,11,14
6,9,12,15
ω-6
植物油
timnodonic
エイコサペンタ
エン酸(EPA)
20:5
5,8,11,14,17
3,6,9,12,15
ω-3
魚油
clupanodonic
ドコサペンタエ
ン酸(DPA)
22:5
7,10,13,16,1
9
3,6,9,12,15
ω-3
魚油
脳
cervonic
ドコサヘキサエ
ン酸(DHA)
22:6
4,7,10,13,16,
19
3,6,9,12,15,
18
ω-3
魚油
第 三 節
トリアシルグリセロールの代謝
Metabolism of Triglyceride
一、トリアシルグリセロールの合成代謝
(一)合成部位
肝 臓:小胞体で合成されたTGがVLDLとして血
液に入る。
脂肪組織:主にGを原料としてTG を合成する。CM
或はVLDLにおけるFAも利用する。
小腸粘膜:脂肪の消化産物からTGを合成する。
(二)合成原料
1. グリセロールと脂肪酸は主にグルコース代
謝に由来する。
2. CM中のFFA(食物脂肪に由来する。)
(三)合成過程
1. MG経路 (小腸粘膜細胞)
2. DG経路(肝臓,脂肪細胞)
モノアシルグリセロール経路
アシルCoA合成酵素
CoA + RCOOH
ATP
CH2OH
アシルCoA
転移酵素
R3COCoA CoA
=
R2COCoA CoA
=
アシルCoA
転移酵素
O
CH2O-C-R2
O
CHO-C-R1
O
CH2O-C-R3
=
O
CH2O-C-R2
O
CHO-C-R1
=
CH2OH
AMP PPi
=
=
CH2OH
O
CHO-C-R1
RCOCoA
=
O
CH2O-C-R1
D
G
経
路
CH2OH
アシルCoA
転移酵素
CHOH
CH2O- Pi
R1COCoA
グリセロール3-リン酸
3 - 磷酸甘油
CHOH
CoA
CoA
=
=
O
CH2O-C-R1
O
CHO-C-R2
O
CH2O-C-R3
アシルCoA
転移酵素
=
Pi
=
=
O
CHO-C-R2
磷脂酸
R2COCoA
=
=
O
CH2O-C-R1
ホスファチジン酸
CH2O- Pi
1-アシルグリセロール
1-酯酰-3 - 磷酸甘油
3-リン酸
O
CH2O-C-R1 ホスファチジン酸
ホスファターゼ
O
CHO-C-R2
CH2O- Pi
アシルCoA
転移酵素
CH2OH
1,2-ジアシル
1,2-甘油二酯
グリセロール
R3COCoA
CoA
トリアシル
甘油三酯
グリセロール
*グリセロール3-リン酸は主に糖質代謝に
由来する。
*肝臓,腎臓はグリセロールキナーゼを含み,
遊離のグリセロールを利用できる。
CH2OH
CHOH
CH2OH
グリセロール
游离甘油
(肝臓,腎臓)
グリセロールキナーゼ
ATP
ADP
CH2OH
CHOH
CH2O- Pi
グリセロール3-リン酸
3 - 磷酸甘油
二、トリアシルグリセロールの分解代謝
(一)脂肪動員
定義
脂肪細胞におけるトリアシルグリセロール
は必要に応じてリパーゼによってFFAとグリ
セロールに加水分解されて,血中に放出し,
その他組織に取られて利用される。
鍵酵素: ホルモン感受性リパーゼ
(hormone-sensitive triglyceride lipase , HSL)
脂肪動員を促進するホルモン:
グルカゴン,ノルエピネフリン,ACTH,TSHなど
脂肪動員を阻害するホルモンと因子:
インスリン,プロスタグランジンE2,ニコチン酸など
脂肪動員過程
ATP
ホルモン‐受容体
+
Gタンパク質
+
HSLa(無活性)
AC
cAMP
+
PKA
HSLb(活性)
MG
DGリパーゼ
FFA
TG
DG
FFA
MGリパーゼ
FFA
グリセロール
*HSL-----ホルモン感受性リパーゼ
(二)脂肪酸β-酸化
部
位
組 織:脳組織の外に,多くの組織では行われ
る。 そのうち,肝臓,筋肉では最も活
躍である。
細 胞:細胞質ゾル,ミトコンドリア
1. 脂肪酸の活性化
—— アシル CoA の生成(細胞質ゾル)
=
O
RCH2CH2C-OH
脂
肪酸
脂肪酸
+ CoA-SH
ATP
AMP PPi
O
RCH2CH2C~SCoA
脂
酰~SCoA
アシルCoA
=
アシルCoA合成酵素
*アシルCoA合成酵素(acyl-CoA synthetase)は
小胞体及びミトコンドリア外膜に存在する。
2. アシルCoAがミト
コンドリアに入る。
鍵酵素
3. 脂肪酸のβ酸化
=
O
RCH2CH2C~SCoA
脱水素
アシルCoA
脱水素酵素
FAD
FADH2
=
β α O
RCH=CHC~SCoA
水和
⊿2—エノイル
CoAヒドラターゼ
α O
RCHOHCH2C~SCoA
再び脱水素
L(+)-βヒドロキ
シアシルCoA
脱水素酵素
NAD+
=
RCOCH2C~SCoA
βケトアシルCoA
チオラーゼ
L(+)-βヒドロキシ
アシルCoA
NADH+H+
β α O
チオール開裂
⊿2-トランスエノイルCoA
H2 O
=
β
アシルCoA
CoA-SH
=
O
RC~SCoA + CH3CO~SCoA
β ‐ケトアシルCoA
アシルCoA +
アセチルCoA
O
H3C (CH2)7 CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 CH2
H3C
O
H3C (CH2)7 CH2 CH2 CH2
C S CoA
CH2 CH2 C S CoA
O
H3C
O
H3C (CH2)7 CH2 CH2 CH2
C S CoA
O
C
C S CoA
CoA
O
O
H3C (CH2)7 CH2 C
H3C
S CoA
5 H3C
O
C
C
CoA
S CoA
クエン酸回路
完全に酸化
アセチルCoA
ケトン体の生成
FADH2
肝外組織で酸化利用
2ATP
呼吸鎖
H2O
3ATP
NADH + H+
呼吸鎖
H2O
AMP
PPi
ATP
CoASH
FAD
FADH2
β α O
2ATP
H 2O
呼吸鎖
RCH=CHC~SCoA
2
⊿--エノイルCoA
ヒドラターゼ
β
H2O
α O
=
=
O
RCH2CH2C-OH
脂脂肪酸
肪酸
カ
ル
ニ
チ
ン
交
換
体
アシルCoA
脱水素酵素
=
アシル
CoA
合成酵素
=
O
RCH2CH2C~SCoA
=
O
RCH2CH2C~SCoA
RCHOHCH2C~SCoA
L(+)-βヒドロキ
シアシルCoA
脱水素酵素
NAD+
3ATP
NADH+H+
呼吸鎖
=
β α O
RCOCH2C~SCoA
βケトアシル
CoAチオラーゼ
CoA-SH
TAC
O
RC~SCoA + CH3CO~SCoA
=
糸
粒
体
膜
H 2O
4. 脂肪酸β酸化によるエネルギーの生成
—— パルミチン酸の酸化を例として
活性化:2個の高エネルギーリン酸結合が消費
β酸化:
各サイクルにおける 四つの重複ステップ:
脱水素,水和,さらに脱水素,チオール開裂
産物:1分子アセチルCoA
1分子の炭素2原子が少なくなったアシルCoA
1分子NADH+H+
1分子FADH2
7 サイクルの産物:
8分子アシルCoA
7分子NADH+H+
7分子FADH2
エネルギーの計算:
産生されたATP 8×12 + 7×3 + 7×2 = 131
正味生成されたATP 131 – 2 = 129
生体内におけるパルミチン酸とグルコース
の酸化によって産生されたATPの比較
1mol
パルミチン酸
129 ATP
グルコース
38 ATP
100g
50.4 ATP
21.1 ATP
エネルギーの
利用効率
68%
68%
(三)脂肪酸のその他の酸化様式
1. 不飽和脂肪酸の酸化
不飽和脂肪酸
β酸化
⊿3シス-⊿2トランスエノイ
ルCoA イソメラーゼ
⊿3-シスエノイルCoA
⊿2-トランス
エノイルCoA
⊿2-シスエノイルCoA
H2O
D(-)-βヒドロキシ
アシルCoA
D(-)-βヒドロ エピメラーゼ
キシアシルCoA
β酸化
L(+)-βヒドロ
キシアシルCoA
12
18
O
c
9
H3C
1
リノレイルCoA
(⊿9シス,⊿12シス)
β酸化の3サイクル
7
6
H3C
4
O
c
3
2
5
1
4
6
H3C
β酸化の2サイクル
5
2
3
SCoA
ジエノイルCoA
(⊿3シス,⊿6シス)
⊿3シス,⊿2トランス-エノ
イルCoAイソメラーゼ
7
SCoA
SCoA
c
1
O
ジエノイルCoA
(⊿2トランス,⊿6シス)
3
H3C
2
1
c
エノイルCoA
ヒドラターゼ
OH
2
3
H3C
SCoA
O
1
c
β-ヒドロキシアシル
CoAエピメラーゼ
3
2
アシルCoA
(⊿2スシ)
SCoA
O
D(+)-β-ヒドロキシ
アシルCoA
1
C SCoA
OH
L(-)-β-ヒドロキシ
O
H3C
β酸化の 4サイクル
4 アセチルCoA
アシルCoA
2. ペルオキシソームで極長鎖脂肪酸が酸化される
極長鎖脂肪酸(C20、C22)
(ペルオキシソーム)
脂肪酸を酸化する酵素 短鎖
(FADを補欠分子
脂肪酸
とする)
(ミトコンドリア)
β酸化
3. プロピオン酸の酸化
Ile Met Thr Val
奇数炭素脂肪酸
CH3CH2CO~CoA
コレステロールの側鎖
CO2
L-メチルマロニルCoA
ラセマーゼ
D-メチルマロニルCoA
5-デオキシアデノ
イソメラーゼ
シルコバラミン
スクシニルCoA
カルボキシラーゼ
(ATP、ビオチン)
TAC
(四)ケトン体生成と利用
アセト酢酸(acetoacetate) ,β-ヒドロキシ酪
酸(β-hydroxybutyrate)及びアセトン(acetone)
という三つの物質は総称してケトン体と呼ばれ
る。
血中のレベル:0.03~0.5mmol/L(0.3~5mg/dl)
代謝定位:
生成:肝細胞ミトコンドリア
利用:肝外組織(心臓,腎臓,脳,骨格
筋など)ミトコンドリア
HMGCoA
シンターゼ
O
CoASH
CH3CSCoA
O
CH3CSCoA
O OH O
HOCCH2CCH2CSCoA
(HMGCoA)
CH3
=
アセトアセチル
CoAチオラーゼ
=
CoASH
O
O
CH3CCH2CSCoA
(乙酰乙酰CoA)
アセトアセチルCoA
=
1. ケトン体生成
=
=
=
HMGCoA
リアーゼ
3-ヒドロキシ3-メチル
羟甲基戊二酸单酰
CoA
グルタリルCoA
=
=
O
O
CH3CCH2COH
NADH+H+ NAD+
OH
CH3CHCH2COOH
D(-)--ヒドロキシ酪酸
β-羟丁酸
D(-)-ß
乙酰乙酸
アセト酢酸
=
O
CH3CCH3 β-ヒドロキシ酪酸脱
CO2
アセトン
丙酮
水素酵素
2. ケトン体利用
OH
CH3CHCH2COOH
-)-β-羟丁酸
D(-)-ßD(-ヒドロキシ酪酸
NAD+
NADH+H+
スクシニルCoA
O
O
CH3CCH2CSCoA
(乙酰乙酰CoA)
アセトアセチルCoA
コハク酸
=
CoASH
O
2 CH3CSCoA
=
アセト酢酸
チオキナーゼ
(腎,心と脳の
ミトコンドリア)
アセト酢酸
乙酰乙酸
=
PPi+AMP
=
O
O
CH3CCH2COH
=
CoASH+ATP
スクシニルCoAトラ
ンスフェラーゼ(心,
腎,脳及び骨格筋の
ミトコンドリア)
アセトアセチルCoA
チオラーゼ(心,腎,
脳及び骨格筋のミト
コンドリア)
ケトン体生成と利用のまとめ
アセトアセチルCoA
2アセチルCoA
アセチルCoA
HMGCoA
D(-)-β-ヒドロキシ
酪酸
アセトン
アセト酢酸
スクシニルCoA
アセトアセチルCoA
コハク酸 2アセチル
CoA
3. ケトン体生成の生理的意義
 ケトン体は肝臓から末梢組織へエネルギー源
を輸送する形と見なされる。またケトン体は血
液脳関門を通ることができるので,脳組織の
重要なエネルギー源である。
 ケトン体利用の増加は糖質の利用を減らし,
血糖レベルを維持するのに役たち,タンパク
質の消耗をも節約する。
4. ケトン体生成の調節
(1)飽食及び飢餓による影響(主にホルモンの作用)
飽食
インスリン
脂肪分解 ,脂肪動員
脂肪酸β酸化
ケトン体生成
飢餓
肝に入った脂肪酸
グルカゴンなど脂肪分解
を促進するホルモン
脂肪酸β酸化
ケトン体生成
脂肪動員
FFA
(2)肝臓グリコーゲンの含量と代謝による影響
糖質代謝
が盛ん
FFAは主にTGとリン脂質
の生成に関与する。
アセチルCoA 
アセチルCoA
カルボキシラーゼ
マロニルCoA 
+
反対に糖質代謝が減弱した場合,脂肪酸β酸
化とケトン体生成はいずれも増強する。
(3)マロニルCoAはアシルCoAのミトコンドリア内に
入るのを阻害する。
マロニルCoAはカルニチンアシルトランス
フェラーゼを競争的に阻害して,アシルCoA
のミトコンドリア内に入るのを阻害する。それ
で,脂肪酸β酸化は減弱し,ケトン体生成は減
少する。
三、脂肪酸の合成代謝
(一)パルミチンの生合成
1. 合成部位
組 織:肝臓(主要),脂肪などの組織
細 胞:
細胞質ゾル:パルミチンが最終産物である。
肝臓ミトコンドリア,小胞体:鎖長延長
2. 合成原料
アセチルCoA,ATP,HCO3﹣,NADPH,Mn2+
アセチルCoAの主な由来
G(主要)
アセチルCoA
アミノ酸
アセチルCoAは全部ミトコンドリア内で産生さ
れ, クエン酸-ピルビン酸回路(citrate pyruvate
cycle)を通じてミトコンドリア外に輸送される。
NADPHの由来
ペントースリン酸経路(主要)
細胞質ゾルにおけるイソクエン酸脱水素酵素
とリンゴ酸酵素による反応
細胞質ゾル
マトリックス
ピルビン酸
ピルビン酸
NADPH+H+ CO2
リンゴ酸酵素
NADP+
糸
アセチルCoA
AMP PPi
ATP
CoA
CO2
リンゴ酸
リンゴ酸
オキサロ酢酸
粒
オキサロ酢
酸 HO
2
体
ATPクエン酸
リアーゼ
クエン酸
アセチル
CoA
膜
クエン酸
シンターゼ
クエン酸
CoA
3. パルミチン酸合成酵素系及び反応過程
(1)マロニルCoAの合成
ATP
酵素-ビオチン+ HCO3¯
酵素-ビオチン-CO2 +アセチルCoA
ADP+Pi
酵素-ビオチン-CO2
酵素-ビオチン+マロニルCoA
総反応式
ATP + HCO3- + アセチルCoA
マロニルCoA + ADP + Pi
アセチルCoAカルボキシラーゼ (acetyl CoA
carboxylase)は脂肪酸合成の律速酵素であり,細
胞質ゾルに存在する。ビオチンがこの酵素の補欠
分子であり,Mn2+が酵素の活性化剤である。
(2)脂肪酸の生合成
アセチルCoAとマロニルCoAから長鎖脂肪
酸を合成するのは繰り返して付加した過程で
あり,炭素2個ずつ増えていく。
各生体内における脂肪酸の合成は大体同じ
である。
*パルミチン酸合成酵素複合体
大腸菌では:
七つの酵素(アセチルトランスアシラーゼ,
マロニルCoAトランスアシラーゼ, β-ケトア
シルシンターゼ,β-ケトアシル還元酵素,βヒドロキシアシルヒドラターゼ,エノイル還元
酵素とチオエステラーゼ)とアシルキャリ
ヤータンパク質(ACP)からなっている。
哺乳動物では:
• 2量体(ダイマー)である。
• それぞれのモノマーは同一で,7種の酵素活性と
4'-ホスホパンテテイン-SHををもつACPを含む一
本のポリペプチド鎖から成り立っている。
• 多機能酵素で,一つの遺伝子でコードされる。
• 二つのモノマーが“頭と尾”の結合関係をもつ。
転移
還元
パルミト
イル放出
縮合
基質入り
三つのドメイン:基質入り,縮合単位,還元単位,
パルミトイル放出単位
アシルキャリヤータ
ンパク質(ACP)の補欠
分子族が4´-ホスホパ
ンテテインであり, ア
シル基と結合する部位
である。 ACPがCoAと
同じな役割を果たして
いる。
パント
テン酸
4'-ホスホ
パンテテイン
パルミチン酸の合成過程
基質入り
アセチルCoA
CE-S-アセチル基
(縮合酵素)
マロニルCoA
ACP-S-マロニル基
マロニル基
アセチル基
(1番目)
パルミチン酸
合成酵素
CO2
H 2O
C
転移
A
転移
C
C
A
C
E
P
E
P
HS
S
S
HS
C=O
O=C
CH2
CH2
CH2
CH2
CH3
CH3
ブチリル基はE2-ホスホパンテテイン-SH
(ACP上)からE1-Cys-SH(CE上)に転移される。
OC
C
A
P
C
C
C
E
A
4H++4e-
E
P
A
C
C
4H++4e-
E
P
A
O=C
C
4H++4e-
E
CH2
P
CH2
S
S
O=C
CO2
C=O
CH3
CH2—COO-
S
O=C
CH2
CH2
CH3
S
CO2
C=O
CH2—
COO-
S
O=C
CH2
CH2
S
CO2
C=O
S
O=C
CH2—
COO-
CH2
CH2
CH3
このような反応過程は7回繰り返され,そ
のたびに新しいマロニルCoAが炭素数16
のアシル基(パルミチル基)でき上がるま
で取り込まれる。パルミチル基はチオエス
テラーゼによって複合体から遊離する。
CH2
CH2
S
CH2
C=O
CH2
CH2—COO-
CH2
CH2
CH2
CH2
CH2
CH2
CH2
CH2
CH2
CH3
CH2
C
A
C
E
P
HS HS
CH2
+
CH2
CH2
CH2
CH3
パルミチン酸合成の総反応
CH3COSCoA
+
7 HOOCH2COSCoA
+
14NADPH+H+
CH3(CH2)14COOH
+
7 CO2 + 6H2O
+
8HSCoA + 14NADP+
パ
ル
ミ
チ
ン
酸
の
合
成
(二)脂肪酸の鎖長伸長
1. 小胞体における脂肪酸の鎖長伸長酵素系
• マロニルCoAを2炭素単位の供与体とする。
• NADPH+H+ が水素を供給する。
• 縮合,還元,脱水、再び還元反応によって2
個炭素ずつ伸ばしていく。
• パルミチン酸合成に類似するが,アシル基
の反応はCoASHの上で行われる。
• 炭素数24までに伸長できる。
• ステアリン酸(C18:0)が最も多い。
2. ミトコンドリアにおける脂肪酸鎖長伸長酵素系
• アセチルCoAを2炭素単位の供与体とする,
• NADPH+H+ が水素を供給する。
• β酸化の逆反応によく似ている。ただしα-
β エ ノ イ ル CoA 還 元 酵 素 を 必 要 と す る 。 2 個
炭素ずつ伸ばしていく。
• 炭素数24或は26までに伸長できる。
• ステアリン酸(C18:0)が最も多い。
(三)不飽和脂肪酸の合成
動物:Δ4、Δ5、Δ8、Δ9不飽和化酵素(デサチュ
ラーゼ)は小胞体に存在し,ミトコンドリア
外の電子伝達系が脱水素過程に関与する。
植物:Δ9、Δ12、Δ15不飽和化酵素
H++NADH
NAD+
E-FAD
Fe2+
Fe2+
オレイルCoA
+2H2O
E-FADH2
Fe3+
Fe3+
ステアロイルCoA
+O2
NADH-cytb5
還元酵素
Cytb5 不飽和
化酵素
リ
ノ
ー
ル
酸
の
合
成
(四)脂肪酸合成の調節
1. 代謝物による調節作用
アセチルCoAカルボキシラーゼの
アロステリックエフェクター
阻害剤:パルミトイルCoAなどの長鎖アシルCoA
活性化剤:クエン酸,イソクエン酸
糖質を摂取した場合では
• NADPHとアセチルCoAの供給が増加する。
• 脂肪酸合成に関連のある酵素の活性が増
加する。
2. ホルモンによる調節
インスリン
+ 脂肪酸合成
グルカゴン
エピネフリン
成長モルモン
﹣ 脂肪酸合成
﹣ TG合成
アセチルCoAカルボキシラーゼの
共用結合による修飾調節
グルカゴン:リン酸化によって不活性化される
(AMP依存性タンパク質キナーゼ) 。
インスリン:脱リン酸化によって活性化される
(リンタンパク質ホスファターゼ)
四、高度不飽和脂肪酸の重要な誘導体
• プロスタグランジン
( Prostaglandin, PG)
• トロンボキサン
( thromboxane, TX)
• ロイコトリエン
( leukotrienes, LT)
(三)PG、TX及びLTの生理的機能
1. PG
• PGE2が炎症を誘発し,局部血管拡張を促進する。
• PGE2,PGA2が 動脈血管を拡張させる。(血圧)
• PGE2、PGI2が胃酸分泌を阻害し,胃腸平滑筋
の蠕動を促進する。
• PGF2αが卵巣平滑筋を収縮させて,排卵を引き起
こし,子宮を収縮させて,分娩を促進する。
2. TX
• PGF2,TXA2 が血小板凝集を強く亢進し,血
管収縮で血栓形成を促進する。PGI2 ,PGI3
がそれらの作用を拮抗する。
• TXA3が血小板凝集を亢進するがTXA2より
弱い。
3. LT
• LTC4,LTD4及びLTE4は過敏反応の遅反応性
物質である。
• LTD4は毛細血管の透過性を亢進する。
• LTB4は白血球遊走及び化学走性などを調節し,
炎症と過敏反応を促進する。
第 四 節
リン脂質の代謝
Metabolism of Phospholipid
リン脂質
定義
リン酸残基を含む脂質
分類
グリセロリン脂質—— グリセロール
(生体内では含量ガ最も多い)
スフィンゴリン脂質——スフィンゴシン
FA
グ
リ
セ
ロ
ー
ル
FA
Pi
X
ス
フ
ィ
ン
ゴ
シ
ン
FA
Pi
X
X がしばしば含窒素塩基やほかの置換基である。
一、グリセロリン脂質の代謝
(一)グリセロリン脂質の組成,分類及び構造
組成:グリセロール,脂肪酸,リン脂質,含窒素化合物
構造:
O
CH2O-C-R1
O
R2C-O-CH
不飽和脂肪酸
O
CH2O-P-OX
OH
X = コリン,水
エタノールアミン
セリン
グリセロール
イノシトール
ホスファチジル
グリセロール
機能:極性頭と疎水尾を含んでいるので生体膜の
リン脂質二重分子層を構成する。
リ
ン
脂
質
二
重
分
子
層
の
形
成
ミセル
脂質二重層
体
以
内
に
お
け
る
重
要
な
グ
リ
セ
ロ
リ
ン
脂
質
X — OH
水
コリン
X 置換基
—H
—CH2CH2N+(CH3)3
エタノールアミン —CH2CH2NH3+
グリセロリン脂質
ホスファスジン酸 (PA)
ホスファチジルコリン (PC)
ホスファチジル
エタノールアミン (PE)
セリン
—CH2CHNH2COOH
ホスファチジルセリン (PS)
グリセロール
—CH2CHOHCH2OH
ホスファチジルグリセロール
ホスファチジル
グリセロール
ジホスファチジル
グリセロール
(カルジオリビン)
イノシトール
ホスファチジル
イノシトール
(PI)
ホスファチジルイノシトール
(phosphatidyl inositol)
ホスファチジルセリン
(phosphatidyl serine)
セファリン(cephalin)
(cephalin)
(lecithin)
ホスファチジルコリン
( phosphatidyl choline)
レシチン(lecithin)ともいう
カルジオリビン(cardiolipin)
(二)グリセロリン脂質の合成
1. 合成部位
全身各組織の小胞体,肝臓,腎臓,腸などの
組織では最も活躍である。
2. 合成原料及び補助因子
脂肪酸,グリセロール,リン酸,コリン,セリ
ン,イノシトール,ATP、CTP
3S-アデノシルメチオニン
セリン
コリン
エタノールアミン
エタノールアミン
コリン
キナーゼ
キナーゼ
ホスホコリン
ホスホエタノールアミン
CTP:ホスホエタ
CTP:ホスホコリン
ノールシチジル
シチジル
トランスフェラーゼ
トランスフェラーゼ
CDP-エタノールアミン
CDP- コリン
CDP- コリン
CDP-ジアシルグリセロール
グルコース
3. 合成過程
グリセロール3-リン酸
(1)DG合成経路
アシルCoA転移酵素
ホスファチジン酸
ホスファターゼ
1,2-ジアシルグリセロール
転移酵素
CDP-エタノー
ルアミン
ホスファチジル
エタノールアミン
(セファリン)
CDP- コリン
ホスファチジル
コリン
(レシチン)
アシル-CoA
トリアシル
グリセロール
—シチジン
ホスファチジル CDP-ジアシルグリセロール
グリセロール
イノシトール
合成酵素
合成酵素
カルジオリビン
ホスファチジルイノシトール
グリセロリン脂質の合成は小胞体膜外側で行
われる。細胞質ゾルにはリン脂質の細胞膜系間と
交換を促進するタンパク質が存在する。このような
タンパク質はリン脂質交換タンパク質
(phospholipid exchange proteins)と呼ばれる。
ジパルミトイルレシチン
O
CH2O-C-R1
O
R2C-O-CH
O
CH2O-P-OX
R1、R2がパルミチン酸
コリン
OH
Ⅱ型肺胞上皮細胞により合成され,肺胞表面張力
を低下する。
(三)グリセロリン脂質の分解
ホスホリパーゼ (phospholipase , PLA)
O
PLA1
R2C-O-CH
O
O
CH2O-C-R1
R2C-O-CH
PLD
PLB2
PLC
OH
O
OH
O
CH2O-P-O—X
O
CH2O-P-O—X
PLA2
CH2OH
PLB1
CH2O-C-R1
HO-CH
O
CH2O-P-O—X
OH
第 五 節
コレステロールの代謝
Metabolism of Cholesterol
こ
の
節
の
主
な
内
容
 コレステロールの構造,分布と生理的機能
 コレステロールの合成

合成部位

合成原料

合成過程

合成調節
 コレステロールの転換
概 説
コレステロール(cholesterol)構造
ステロールの共通構造
12 H
シクロペンタノ
11
ペルヒドロ
フェナントリン
1
C
H
H
10
9
2
H
B
A
3
4
5
6
8
7
13 17
D
14 15
H
16
動物コレステロール(炭素27)
-シトステロール
(-sitosterol)
エルゴステロール
(ergosterol)
植物(炭素29)
酵母(炭素28)
コレステロールの生理的機能
• 生体膜の重要な構成成分であり,生体膜
流動性の調節に対して重要な役割を果
たす。
• 胆汁酸,ステロイドホルモン及びビタミン
Dなどの生理活性物質の前駆体である。
体内におけるコレステロールの含量及び分布
含量: 約140g
分布:生体内に広く分布し,特に脳と神経組織に
多い(1 ⁄ 4を占める)。その外に肝臓,腎臓
腸,皮膚,脂肪組織,副腎,卵巣にも多く
含まれる。
筋肉組織には少ない。
存在様式:遊離コレステロール
コレステロールエステル
一、 コレステロールの生合成
(一)合成部位
組織定位:成年動物脳組織と成熟赤血球を除い
てほとんどすべての組織は合成能力
がある。(肝:70~80%,小腸:10%)
細胞定位:細胞質ゾル,滑面小胞体
(二)合成原料
1分子コレステロール
18アセチルCoA + 36ATP + 16(NADPH+H+)
G好気的酸化
ペントースリン酸経路
アセチルCoAはクエン酸-ピルビン酸回路
を通じてミトコンドリアを出る。
(三)合成過程
アセチルCoA
1. メバロン酸
の合成
チオラーゼ
(細胞質ゾル)
アセトアセチルCoA
HMGCoA
シンターゼ
(細胞質ゾル)
‐ヒドロキシ-‐メチル
グルタリルCoA (HMGCoA)
鍵酵素
HMGCoA
還元酵素
(小胞体)
メバロン酸(MVA)
アセチルCoA
メバロン酸(MVA)
2. スクワレン
の合成
イソペンテニル
イソペンテニルピロリン酸
スクワレン
3.コレステロール
の合成
コレステロール
(四)コレステロール合成の調節
HMG-CoA還元酵素
• 酵素活性は昼夜の変化が見られる。
• 活性型と不活性型はリン酸化と脱リン酸化反応
によって交互に変換し得る。
• コレステロールによってフィードバック阻害される。
• インスリンや甲状腺ホルモンは肝HMG-CoA還
元酵素を誘導することができる。
1. 飢餓と飽食
 飢餓と絶食は肝コレステロールの合成を阻害する。
 高糖質,高飽和脂肪食を取った後,コレステロール
の合成が増加する。
2. コレステロール
 肝コレステロールの合成をフィードバック阻害する。
3. ホルモン
インスリンや甲状腺ホルモンを与えると
HMG-CoA還元酵素の活性が増大して,コレ
ステロールの合成を促進する。
 グルカゴンやグルココルチコイド(コルチゾー
ル)はHMG-CoA還元酵素の活性を下げる作
用があり,コレステロールの合成を低下させ
る。
 甲状腺ホルモンは肝臓におけるコレステロー
ルの転換を促進する。
二、コレステロールの転換
コレステロールの母核——シクロペンタノペル
ヒドロフェナントリンが生体内では分解されること
ができないが,その側鎖が酸化,還元或は分解
されて,コレステロールの転換を遂げる。
(一)胆汁酸 (bile acid)に転換される(肝臓)
(二)ステロイドホルモンに転換される。
(副腎皮質,精巣,卵巣などの内分泌腺)
(三)7-デヒドロコレステロール(皮膚)
胆汁酸の代謝
胆汁酸(bile acids)の概念
胆汁中に広く見出される4環構造のC24ステロイ
ドである。 C24胆汁酸は通常ナトリウム塩或はカリ
ウム塩となっている(胆汁酸塩,bile salts)。
(一)胆汁酸の分類
• 構造によって
遊離胆汁酸(free bile acid)
抱合胆汁酸(conjugated bile acid)
遊離胆汁酸
COOH
24
OH
12
コール酸
7
3
HO
OH
H
COOH
12
HO
ケノデオキシコール酸
7
3
H
OH
抱合胆汁酸
CONHCH2CH2SO3H
OH
12
タウロコール酸
7
3
HO
OH
H
CONHCH2COOH
OH
12
グリココール酸
7
3
HO
H
OH
• 由来によって
一次胆汁酸(primary bile acid)
二次胆汁酸(secondary bile acid)
一次胆汁酸: 肝においてコレステロールから合
成される。これにはコール酸,ケノデオキシコール
酸及び対応する抱合胆汁酸がある。
二次胆汁酸:腸内細菌の働きによって一次胆汁酸は
抱合基離脱, 7α-脱水酸化反応を通じて生成され
る。デオキシコール酸とリトコール酸が含まれる。
COOH
OH
一次胆汁酸
12
7
3
HO
コール酸
H
OH
OH
COOH
12
二次胆汁酸
7
3
HO
H
デオキシコール酸
COOH
一次胆汁酸
12
ケノデオキシコール酸
7
3
HO
OH
H
COOH
12
二次胆汁酸
7
3
HO
H
リトコール酸
(二)胆汁酸の代謝
1.一次胆汁酸の生成
﹡部位:肝細胞の細胞質ゾルとミクロソーム
﹡原料:コレステロール
胆汁酸に変換するのはコレステロールの生体
内における代謝の主な経路である。
﹡律速酵素:コレステロール7α-水酸化酵素
 過程
コレステロール
(27C)
抱合一次胆汁酸
7α-水酸化酵素
7α-ヒドリキシ
コレステロール
一次胆汁酸
(24C)
目录
2. 二次胆汁酸の生成と腸肝循環
﹡部位:小腸下部と大腸
﹡過程:
一次胆汁酸
腸内細菌
抱合基離脱
脱水酸化反応
二次胆汁酸
胆汁酸の腸肝循環
概念
胆汁酸は腸内に出てから,ほとんどすべて
吸収され,門脈を経て肝臓へ戻る。肝臓にお
いては遊離胆汁酸が抱合胆汁酸に変換され,
胆道を経て,再び腸内に分泌される。
胆道
小腸
目录
コレステロール
抱合胆汁酸
(0.4~0.6g/d
代謝プール3~5g/d)
 胆汁酸の
腸肝循環
(三)胆汁酸の機能
1.脂質の消化と吸収を促進する。
立体配置——親水側と疎水側
2. 胆汁中のコレステロールの析出を防
ぐ作用をしている。
胆汁中の胆汁酸,レシチンとコレステロー
ルの正常な比が 10︰1である。
目录
第 六 節
血漿リポタンパク質代謝
Metabolism of Lipoprotein
主
な
内
容
• 血漿脂質
• 血漿リポタンパク質の分類,組成特徴
及び構造
• アポリポタンパク質の定義,種類,機能
• 血漿リポタンパク質の代謝
一、血漿脂質
定義
血漿に含まれる脂質の総称である。それには
トリアシルグリセロール,リン脂質,コレステロール,
コレステロリルエステル及び遊離脂肪酸がある。
由来
外因性——食物から摂取する。
内因性——肝臓,脂肪細胞及びその他の組
織で合成され血液に放出される。
組成と含量
総脂質 400~700mg/dl (5 mmol/L)
T G 10~150mg/dl (0.11 ~ 1.69 mmol/L)
総PL 150~250mg/dl (48.44 ~ 80.73 mmol/L)
総Ch 100~250mg/dl (2.59 ~ 6.47 mmol/L)
FFA
5~20mg/dl (0.195 ~ 0.805 mmol/L)
二、血漿リポタンパク質の分類,
組成及び構造
血漿脂質は血漿中のタンパク質と結合し,
リポタンパク質(lipoprotein)の形で輸送される。
分類

CM
 プレ
電気泳動法
超遠心法 CM、VLDL、LDL、HDL

♁
超遠心法による分類
キロミクロン (chylomicron, CM)
超低密度リポタンパク質
(very low density lipoprotein, VLDL)
低密度リポタンパク質
(low density lipoprotein, LDL)
高密度リポタンパク質
(high density lipoprotein, HDL)
血漿リポタンパク質の組成特徴
CM
密度
脂
組
<0.95
TGが最も多い
80~90%
質
成
タ
ン
パ
ク
質
最も少ない。
1%
VLDL
0.95~1.006
LDL
1.006~1.063
含まれたTG 含まれたコレス
が50~70% テロールとその
エステルが
40~50%
5~10%
apoB100、
アポリ apoB48、E
ポタン AⅠ、AⅡ AⅣ、 CⅠ、CⅡ
CⅢ、 E
パク質 CⅠ CⅡ、CⅢ
組成
HDL
1.063~1.210
含まれた脂質
が50%
20~25%
最も多い 。
約 50%
apoB100
apo AⅠ、
AⅡ
血漿リポタンパク質の構造
三、アポリポタンパク質
リポタンパク質のタンパク質部分はアポリポタ
ンパク質(apolipoprotein, apo) と呼ばれる。
種類(18種)
apo A: AⅠ、AⅡ、AⅣ
apo B: B100、B48
apo C: CⅠ、CⅡ、CⅢ
apo D
apo E
アポリポタンパク質の機能
• 脂質を結合して,可溶性を保ち,脂質の運
搬に役立ち,リポタンパク質の構造と機能
を支配している。
• リポタンパク質受容体の識別に関与する。
AⅠ:HDL受容体を識別する。
B100とE :LDL受容体を識別する。
• リポタンパク質代謝の鍵酵素の活性を調節する。
AⅠ:LCAT活性化
(レシチン:コレステロールアシル
トランスフェラーゼ)
CⅡ:LPL 活性化(リポタンパク質リパーゼ)
AⅣ:LPLアポ活性化
CⅢ:LPL阻害
AⅡ:HL 活性化(肝性リパーゼ)
四、血漿リポタンパク質の代謝
(一)キロミクロン
由来
小腸で合成された
TG,合成或は吸収
されたリン脂質,コ
レステロール
apo B48 、 AⅠ、
+
AⅡ、 AⅣ
代謝過程
肝外組織
FFA
血液
新生CM
成熟なCM
LPL
CMレム
ナント
肝細胞摂取
(apoE受容体)
LPL(リポタンパク質リパーゼ)
• 組織毛細血管内皮細胞表面に存在する。
• CM中のTG、リン脂質が次第に,グリセ
ロール、FA及びリゾリン脂質などに分解さ
れる。
CMの機能
外因性TG及びコレステリルエステルを
運ぶ。。
(二)超低密度リポタンパク質
由来
肝細胞で合成されたTG,
リン脂質,コレステロー + apo B100、E
ル及びそのエステル
代謝過程
LPL、HL
VLDL
LDL
VLDL
レムナント
FFA
FFA
肝外組織
LPL——リポタンパク質リパーゼ HL—— 肝性リパーゼ
LPL
内
因
性
VLDL
の
代
謝
VLDLの機能: 内因性TGを運ぶ。
(三)低密度リポタンパク質
由来:VLDLから変換されてきた。
代謝
1. LDLは LDL受容体を介して代謝される。
LDL受容体は肝動脈壁細胞を始めとする
各組織の細胞膜表面に広く分布し,apo E或
はapo B100と特異的識別し,結合する。そ
れでapo B,E受容体ともいわれる。。
LDLはLDL受容体を介して代謝される。
アシルCoA:コレス
テロールアシル
トランスフェラーゼ
2. LDLの非受容体の代謝経路
血漿中のLDLは修飾される。例えば,酸化
的に修飾されたLDL (ox-LDL)は排除細胞,即
ち単核マクロファージ系統のマクロファージ及び
血管内皮細胞によって排除される。この2種類
細胞の表面にはスカベジャー受容体(scavenger
receptor, SR)があり,血漿中の修飾されたLDL
を摂取,除去する、。
*正常な人では毎日45%のLDLが代謝され
る。そのうち,2/3がLDL受容体を介し代謝
され、1/3が排除細胞によって除去される。。
LDLの機能
内因性コレステロールを運ぶ。
LDL の代謝
(四)高密度リポタンパク質
由来
主に肝臓で合成され,小腸でも合成られる。
また,CM,VLDL代謝において,その表面の
apo AⅠ,AⅡ,AⅣ,apo C,リン脂質,コレス
テロールなどが離れて新生HDLを形成する。
分類(密度)
HDL1 ,HDL2,HDL3
代
謝
新生HDL
VLDL LDL
CE
LCAT
細胞膜 CM VLDL
レシチン、コレステロール
CETP
HDL3
CM VLDL
apoC apoE
HDL2
CM VLDL
リン脂質 apoAⅠ AⅡ
LCAT:レシチン:コレステロール
アシルトランスフェラーゼ
CETP:コレステリルエステル
運搬タンパク質
成熟なHDLは肝細胞膜のSR-B1受容体と
結合し,取り込まれる。
コレステロールは肝臓では转变成胆汁酸に
変換されるか或は胆汁を通じて直接に体外に
排出される。
コレステリルエステル:
ある部分はHDLから VLDLに転移され,
少部分は HDLから肝臓に転移される。
HDL の代謝
HDL的生理功能
主 要 是 参 与 胆 固 醇 的 逆 向 转 运 (reverse
cholesterol transport, RCT),即将肝外组织
细胞内的胆固醇,通过血循环转运到肝,在
肝转化为肝汁酸后排出体外。
HDL是apo的储存库。
胆固醇逆向转运(RCT) 分两个阶段进行
① 胆固醇自肝外细胞包括动脉平滑肌细
胞及巨噬细胞等的移出。
② HDL载运胆固醇的酯化以及胆固醇酯
的转运。
ABCA1可介导细胞内胆固醇及磷脂转运至胞外
ABCA1 , 即 ATP 结 合 盒 转 运 蛋 白 AI (ATPbinding cassetle transporter A1),又称为胆固醇流
出调节蛋白(cholesterol-efflux regulatory protein,
CERP),存在于巨噬细胞、脑、肾、肠及胎盘等
的细胞膜 。
ABCA1的结构
2261个氨基酸残基
跨膜域
含有由12个疏水的基元
(motif)构成的疏水区,胆
固醇可能由此流出胞外
ATP结合部位
能为胆固醇的跨膜
转运提供能量
血浆脂蛋白代谢总图
五、血浆脂蛋白代谢异常
1. 高脂蛋白血症——血脂高于参考值上限。
诊断标准
成人
TG > 2.26mmol/l 或 200mg/dl
(空腹14~16h) 胆固醇 > 6.21mmol/l 或 240mg/dl
儿童
胆固醇 > 4.14mmol/l 或 160mg/dl
分类
① 按脂蛋白及血脂改变分六
型
② 按病因分: 原发性(病因不明)
继发性(继
发于其他疾病)
2. 遗传性缺陷
已发现脂蛋白代谢关键酶如LPL及LCAT,
载脂蛋白如apoCⅡ、B、E、AⅠ、CⅢ,脂蛋
白受体如LDL受体等的遗传缺陷,并阐明了某
些高脂蛋白血症及发病的分子机制。
胆盐在脂肪消化中的作用
目录