Transcript マルチヒットモデル
マルチヒットモデル
ステップ型モデル
と
カード揃え型モデル
マルチヒットとカード揃えモデル
ステップ型モデル
C
1
θ
C
2
θ
θ
C
3
θ
・・・
Ci1
θ
Ci
θ
θ
・・・
θ
CF
Cn
Ct
カード揃え型モデル
nθ
C0
(n-1)θ
C1
・・・
Ci1
(n-i+1)θ
(n-i)θ
Ci
Ct
・・・
Cn1
θ
Cn
2009/03/18
マルチヒットモデルの解法
佐伯康弘
1. Multi-hit model(マルチヒットモデル)
次の図のように n 個のコンパートメントが速度定数θで次のコンパートメントに移動して
いるとする。C1 から Cn の総和を Ct として時間tに対してどのような変化をするかを解析
することがこのマルチヒットモデルの解になる。
最終段階コンパートメントCF は Ct からの受け皿であるから、n回のヒットを達成した経
時的推移を表すことになり、残りは Ct に留まることになる。
初期値(t=0):C1=C0、C2,・・・,Cn=0
C
1
θ
C
2
θ
C
3
θ
θ
・・・
Ct
n
Ct Ci C0 CF
i 1
Ci1
θ
Ci
θ
θ
・・・
θ
Cn
CF
2 はじめに、線形微分方程式の一般解について
線形微分方程式
dy
P( x) y Q( x)
dx
Z ( x ) P( x ) dx
y e Z ( x)
e
Z ( x)
の形ならば、
とすると、線形微分方程式の解として次式
Q ( x ) dx Const .
・・・式1-1
で与えられる。
3. マルチヒットモデル i 番目のコンパートメントの微分方程式
dC i
C i 1 C i
dt
線形微分方程式の形にすると
dC i
C i C i 1
dt
となるので、
P (t )
Z (t ) P(t) dt dt t ZConst .
Ci は
C i e t
る。)
e
t
C i 1 dt Const .
、Q(t ) C i 1
(Zconst.は積分定数)となるので、式 1-1 より
とあらわすができる。(Zconst.は Const.に吸収され
マルチヒット型モデル
以下のようなモデルにおけるコンパートメント Ct 内における残留確率は以下の式によって
あたえられる。
初期値(t=0):C1=C0、C2,・・・,Cn=0
C
1
θ
C
2
θ
C
3
θ
θ
・・・
Ci1
θ
Ct
n
Ct Ci C0 CF
i 1
Ct C0 e
t
n
t i1
(i 1!
)
i 1
Ci
θ
θ
・・・
θ
Cn
CF
1. カード揃え型モデル
n枚のカードを揃えるモデル考える。ここで1枚揃った段階をステップ1、2枚揃った段階
をスッテプ2と順次すると、ステップnでの経時的量をあらわすモデルを考える。
1枚1枚が揃う速度定数はそれぞれθで揃い、カード個々の順番は問わないものとする。
ステップ1に上がるには速度定数nθで、さらにステップ2へ上がるには速度定数(n-1)θで
次に進み、ステップiへは(n-i+1)θで進むことになる。したがって、下記に示すコンパー
トメントモデル図で表される。
Cnが時間tに対してどのような変化をするかがこのマルチヒットモデルの解になる。
全体は確率モデルとして考えると、各ステップの値は時間tにおけるI枚のカードが揃う
確率値に対応する。従って、初期値はt=0のとき、C0=1、C1,・・・,Cn=0となる。
A
B
C
A
すべて揃うに
は?
nθ
C0
A A
B
B
(n-1)θ
C1
・・・
Ci1
(n-i+1)θ
B
A
C
C
B
(n-i)θ
Ci
・・・
Cn1
C
θ
C
Cn
t=0 のとき、Cn=0 なので、Const.=0 となり、
C n (1- e
t n
)
・・・・・・・・式 3-6-3
と表される。
t
1
-
e
特定のカード Kが時間tにおいて 1枚揃う確率が
この確率でn枚のカードがあるわ
けだから、そのn乗がn枚のカード全部が揃う確率となる。
途中経過は複雑となったが、結論は単純である。
A
B
C
すべて揃うに
は?
A
A A
B
B
B
A
C
C
B
C
C
全部揃う確率
カード揃え型モデルの見え方
1.1
1
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0
C:n=1
C:n=2
C:n=3
C:n=4
C:n=5
C:n=6
0
200 400 600 800 1000
トライアル回数(
1回N枚)