西洋建築史第2 ゴシックの建築 担当 伊藤重剛

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©伊藤重剛 不許複製
西洋建築史第2
ゴシック建築
担当 伊藤重剛
ノートル・ダム大聖堂
(パリ大聖堂)
ノートル・ダムとはわれらが母、
つまり聖マリアの意。パリ大
聖堂は、セーヌ川の中島(シ
テ島)に建てられている。同じ
くパリのサン・ドニ教会に続く
初期ゴシック建築の傑作であ
る。
上: セーヌ川から見たパリ
大聖堂の西側正面。右下は
観光船。
下:側面。
ノートルダム大聖堂正面
上:後のゴシック建築で尖塔が流行する
が、これは縦横のバランスが非常によく
取れた正面を持っている。盛期ゴシック
の過剰な装飾もなく好感が持てる。現実
には、非常に大きな建物で、広角レンズ
でないと、通常のカメラのレンズでは、と
ても全体は入らない。右側に見える足場
は、修復用。
左:内側のヴォールトを外側から支えるフ
ライング・バットレス。
右:身廊部内観。内部は、大アーケード、
ギャラリー、高窓の三層で構成されてい
る。六分ヴォールトによって覆われる天
井は、巨大な吹き抜け空間を作り出して
いる。。
左:正面バラ窓のステンドグラス。内部に落ちる
光の美しさは喩えようもない。
右:クロスヴォールト(ここでは六分ヴォールト)の
天井は、神の家としての建築空間を地上に具現
する卓抜した構造技術。実際は写真より暗い。
シャルトル大聖堂
パリ大聖堂と同じく、まだ装飾が控えめ
で、素朴な感じのするファサードをもつ。
左右の尖塔の形が違うのが特徴。トラン
セプトの入口には聖人の彫刻が並ぶ。
実際に見る教会の大きさは、左の写真
に近く、上部は見上げないと見えない。
尖塔は右側が古く、左側は盛期ゴシック
の過剰装飾の様子を見せている。
上:フライングバットレス。シャルトルではス
パンは比較的小さいが、段数が三段から
なっており、力を受けるバットレスが大きく
無骨。
右:トランセプトのバラ窓。シャルトルのス
テンドグラスは、ゴシック建築のステンドグ
ラスの中では最高と言ってよく、その鮮や
かさは他の追随を許さない。
上:西側正面バラ窓の下のステンドグラス。内容は
全て聖書の中身を語るもので、文盲が殆どだった当
時の庶民には、分り易い絵物語であった。
右:シャルトルでも特に有名な聖母子(マリアとイエ
ス)像のステンドグラス。
サント・シャペル教会堂(パリ)
フランス後期ゴシックの傑作。フラン
ボアイヤン式のステンドグラス、フラ
イングバットレスさえ用いない構造
技術の高さは、ゴシックの究極の姿
を示している。
サント・シャペル内部。ゴシック建築が最終的に目指してきた内部空間。キリスト教徒に
とって、神の国は色彩と明るい光に満ち溢れたこのような空間であったのだろう。
上:フランボアイアン(火焔式)による
バラ窓のステンドグラス。
右:ステンドグラスは、非常に小割に
なり、精密な表現となった。