星のソムリエTM 資格制度の 全国普及モデルの開発
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Transcript 星のソムリエTM 資格制度の 全国普及モデルの開発
星のソムリエTM
資格制度の
全国普及モデルの開発
地域科学技術理解増進活動「調査研究・モデル開発」
平成19年度採択課題
チームリーダー:
柴田晋平(山形大学理学部)
もくじ
1. 星空案内人(星のソムリエTM)資格認定制度とは?
2. 成果(抜粋)
3. 成果の本質
4. 今後の課題
星のソムリエTM とは
豊かな知識と経験からおいしいワイン
を選んでくれる ソムリエのように、
星空や宇宙の楽しみ方を教えてくれる
のが星空案内人(星のソムリエTM)です。
星のソムリエは、科学館や学校で指導
したり、 ごく身近な人たちに星空や
宇宙の面白さ・楽しさを伝えることで
豊かな日常の生活を創り出す担い手に
なります。星空案内ができるスタート
地点にたったことを認める資格ですか
ら、比較的簡単に星のソムリエの資格
は取得可能です。よりたくさんの皆さ
んが宇宙や星空に親しんでいただける
ような文化形成をねらっています。こ
れを出発点にしてさらに専門的な勉強
をかさねれば旅行ガイドなどのプロと
しての仕事への道も開けるかもしれま
せん。
星空案内人資格認定講座
講座内容要綱、単位認定基準
観測の知識技能
星空の文化
天文学の基礎知識
さあ、はじめよう
(星空観察に関する基礎知識)
望遠鏡のしくみ
(天体望遠鏡の原理および構造)
星空案内の実際 (*)
(普及・教育活動の実践的技能)
宇宙はどんな世界
(天文学、宇宙物理学に関する基礎知識)
星空の文化に親しむ
(星空や宇宙に関する文化的背景)
星座をみつけよう
(肉眼による観察に関する基礎技能)
望遠鏡を使ってみよう (*)
(望遠鏡の操作および観察に関する基礎技能)
*印
科目
地域色がはっきり出る
「プラネタリウムを使ってみよう」
を追加
具体的認定条件
さあ、はじめよう
望遠鏡のしくみ
星空案内の実際
宇宙はどんな世界
星空の文化に親しむ
星座をみつけよう
望遠鏡を使ってみよう
プラネタリウムを使ってみよう
準案内人
案内人
単位取得
必 単位取得
修
8講座 単位取得
科 単位取得
単位取得
目 受講
選
択
科
目
3科目以上
受講
3科目以上
単位取得
星空案内人資格認定制度
現在、
全国的資格制度として運営している。
参加団体 10
1. 山形大学理学部、
2. NPO法人小さな天文学者の会、
3. 飯豊町教育委員会、
4. 郡山市ふれあい科学館、
5. 三鷹市ネットワーク大学(+ 国立天文台)、
6. 和歌山大学(+ みさと天文台 )、
7. 西はりま天文台( + 姫路科学館、
明石市立天文科学館、加古川市立少年自然の家、
姫路市宿泊型児童館「星の子館」)
8. (財)星のふるさと (福岡県)
9. (財)上田創造館(長野県)
10. 十和田文化センター(青森県)
養成講座実施機関15
検討中 4団体
HPで「募集中」
「実施中」の掲示
を行っている
検討中
団体名は秘
星のソムリエや資格認定講座の活動
主催各地の主催施設などで星空案内(星空ガイドツアー)の実施
(各施設、活動グループの活性化)
例、やまがた天文台の毎週土曜日の公開におけるガイドツアー
出前授業
例、(やまがた天文台)年間15箇所ほどの小学校で出前授業実施
例、準案内人が出前(幼稚園などで)
小さな科学館、プラネタリウムの職員、学校教員が研修として利用
自分の子供や友人に宇宙のことを紹介、ガイドする。
蔵王ロープウェイの夜間運転のときに山頂で星空案内をしています。YBC
こども地球塾に添乗員として星のガイドをしたり、東京で誕生した星のソム
リエも旅行会社と連携した星空ガイドツアー活動を始めています。
成果の本質について
科学技術の理解増進の活動はアウトリーチ
という位置づけが強く、成果の伝達や若手養
成が主眼に行われている。
ここで試みた方法は、いわゆるアウトリーチ
とは異なっていて、スローガン的に言うなら
ば、科学文化の形成ということを目標
においている。つまり、日常において科学が
話題になるような、お茶の間で自然に科学の
話題が出てくるような、状態を作りだすことが
目標となっている。そのような環境のなかで、
子育てがおこなわれたり、環境問題や科学
技術のもたらす害についてもサイエンスのセ
ンスをもって議論したり対応したりできるだろ
う。
科学文化形成のための非常に強力なツールとし
て星空案内人(星のソムリエ)を本研究により提案
できたと考えている。
星のソムリエが星空案内をするときには、天文学
や宇宙物理学(宇宙の始まりがどうの、ブラック
ホールがどうの、といったこと)の理解とまったく同
等に、星を見たときの感銘(サイエンスとともに
アートとして)や、星にまつわる神話、お月見など
の伝統的な生活習慣(人類の文化遺産)を取り扱
い、実際に望遠鏡や双眼鏡を使って観察する。こ
のようなことを専門的にはならず素人がちょっとし
た努力で達成できるレベルで、それを知らない市
民に伝えることができる資格になった。
私たちが目の前にした、星のソムリエ養成講座や
星のソムリエの活躍の現場に「科学文化」の形成
の素過程を見た思いがしている。
星のソムリエ講座教科書の出版(技術
評論社)
星空案内人になろう!
~夜空が教室。
やさしい天文学入門
(知りたい!サイエンス 18)
柴田 晋平 他 (著)
価格:¥ 1,659 (税込)
さらに、優れた教科書を出し
てゆく必要あり運営委員会
で今後検討
今後の課題
星空案内人
資格認定制度
カリキュラムの改定、各地での運用上の問題の解
決、新規参入者へのノウハウの伝達など本制度の
維持にはまだ、大きなマンパワーと資金が必要で
ある。今後、運営のための資金をどのように調達す
るかが非常に大きな課題になっている。
星のソムリエの経済効果をうまく使った運営手法の
開拓ができるとよい。