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「職業指導」の講義で使用するプリントが前
方のテーブル上にあります。
(本日の新しい配付は8~10枚目です。)
先週(6月24日)の上原大樹さん,伊藤数馬さんのお話
のときに配付された資料(3種類)がありますので,まだ
もらっていない方は左前方テーブルから取って下さい。
課題レポートが提出できる人は,前のテー
ブル上の黄緑色の箱内に提出して下さい。
「学校調査レポート」の提出締切日は,
7月22日(水)12:00までです。
A4サイズ5枚以内にまとめて
提出して下さい。
DODA転職人気企業ランキング2015
トヨタがグーグルを抜いて6年ぶりに1位へ。業
績好調に加え、ダイバーシティ推進が女性の支
持拡大につながった(2015年3月調査)。
円安の継続による輸出拡大、訪日外国人旅行
者の増加などが市場に活気をもたらし、人材雇
用についても賃金上昇・採用意欲の高まりを見
せている日本。厚生労働省が発表した2015年3
月の有効求人倍率は1.15倍(2014年3月は1.07
倍)になり、人材の流動化がより活発になってい
ます。
景気の好転から、憧れの企業で働くチャンスが増
えそうな2015年。転職人気企業ランキングの結果
は、1位トヨタ自動車、2位グーグル、3位ソニーとな
り、5年連続1位だったグーグルをトヨタが逆転しま
した。トヨタは営業・純利益とも2年連続で過去最高
と業績好調で、さらにグローバル市場で持続的に
成長するためにダイバーシティを積極的に推進。
2014年に理系女子学生のキャリア構築支援を狙い
とした「トヨタ女性技術者育成基金」を設立したり、
2015年には初の女性役員を登用しています。これ
らが女性を中心とした支持の拡大につながり、男女
ともに総得票数でグーグルを抜いたことが、首位奪
還につながりました。
トヨタ以外には本田技研工業が7位(2014年は
10位)、日産自動車が34位(同81位)にランクイ
ンするなど、円安の追い風を受けて自動車メー
カーが順位を上げています。2位のグーグルは
ランキングを一つ落としたものの人気の衰えは
なく、3位のソニーは8年連続3位以内にランクイ
ンしており、業績に左右されないブランド力の盤
石さがうかがえます。
全体の順位を見ると、インターネット/広告/メディアでラ
ンクアップした企業が目立ちます。ヤフー(16位)やクック
パッド(44位)がそれぞれ2014年から20位、15位のランク
アップ、LINE(64位)が130位以上のランクアップと大躍進
しています。そのほか、話題性のある商品やコンテンツを
リリースした企業も躍進。iPhone 6やApple Watchをリリ
ースしたApple Japanが3年ぶりにトップ10入りを果たした
ほか、映画『アナと雪の女王』がヒットしたウォルト・ディズ
ニー・ジャパンが114位と初ランクインし、さらにオリエンタ
ルランドも昨年から一つ順位を上げて5位に入りました。こ
のほか定番商品を持っているメーカー、ブランド力のある
総合商社、生活に身近な運輸・物流、IT・通信などが相変
わらずの人気を維持しています。
DODA転職人気企業ランキング2014
2014年3月、DODAは社会人62,000人を対象に
転職人気企業ランキング調査を実施しました。
グーグル、トヨタ、ソニーが4年連続トップ3に。世
相を反映!?女性の支持率アップで順位が上昇し
た企業も
アベノミクスに加え、オリンピック東京開催も追い
風となって、景気回復のトレンドが続く日本。リーマ
ンショック後の2009年に0.42倍(厚生労働省発表)
まで落ち込んだ有効求人倍率は右肩上がりで上昇
し続け、2014年4月には1.08倍になり、転職市場は
活況を呈しています。
業績が安定し、事業成長が見られる企業の間で
は、採用目的を「足元の人員不足解消」から「将来
を見据えたビジネス拡張のための人材確保」に切り
替える動きも見られます。それにより、個人は以前
よりも大型募集の求人を目にしたり、「グローバル」「
女性活用」といった就業環境を意識する機会が増え
てきました。
景気の好転から個人にとっては、「憧れの企
業で働くチャンス」が増えつつある2014年。転
職人気企業ランキングの結果は、1位グーグル
、2位トヨタ自動車、3位ソニーとなりました。実
はこの上位3強は4年連続で順位に変動があり
ません。ソニーは業績回復が遅れているものの
、技術力や商品力への期待は高く、転職マーケ
ットにおけるブランド企業としての地位を保って
います。
そのほかでは、全日本空輸、ベネッセコーポ
レーション、ジェイティービー、ソフトバンク、アマ
ゾン ジャパンなど、BtoC系企業の上位進出が
目立ちます。これも景気回復に伴う一般消費者
の購買マインドの上昇を受けたことが、企業人
気に反映していると見ることができそうです。特
に旅行関係では、昨年圏外だった帝国ホテル、
アマンリゾーツ、マリオット・インターナショナル
の3社がランクインしました。
さらに、東京オリンピック開催決定による今後
のビジネス需要への期待感から、三菱地所、森
ビル、清水建設が順当にランクアップ。
アベノミクスの要である“女性の活用”を先進的
に行っているパナソニック、ベネッセコーポレー
ションが、女性の支持を受けて躍進するなど、
時代の流れが反映された結果となりました。
転職サービス「DODA」調べ 「転職人気企業ラン
キング2013」を発表 (2013年3月調査)
1位は4年連続グーグル。2位のトヨタ自動車が1票
差まで迫り、メーカー復権の兆し。
アベノミクス効果で先行きに光明が差してきた
日本経済。その中でも、グローバル時代におい
て圧倒的な存在感を放つ世界企業グーグルが
、4年連続で首位をキープしました。2位のトヨタ
自動車、3位のソニーも4年連続で、不動のトッ
プ3となりました。ただ、昨年は1位と2位の得票
数に2倍近い開きがありましたが、今年はトヨタ
自動車が得票数を伸ばし、グーグルへ1票差ま
で迫っています。新車販売台数世界一の奪還
など企業としての強さを評価する声に加え、や
りがいのある仕事ができそう、といった回答が
見られています。
そのほか、23位から7位となった本田技研工
業、18位から10位となった武田薬品工業、30
位から19位となった日立製作所など、今年は日
系メーカーの躍進が目立ちます。例年、社会人
のメーカー人気は根強いのですが、今年は特
に円安やアベノミクス効果による日本経済復活
の兆しなど、メーカーに追い風が吹いていると
見える面も多く、特に多くの支持が集まったもの
と推察されます。
また、今回順位が急上昇した企業には、BtoC
領域で高いブランド力をもつ企業も目立ってい
ます。楽天(13位→5位)やクックパッド(79位
→29位)、アマゾン ジャパン(70位→32位)な
どのECサービス系企業のほか、オリエンタルラ
ンド(8位→4位)、スターバックス コーヒー ジ
ャパン(48位→27位)なども大きくランクアップし
ています。普段の生活の中で、自らが好んで利
用する魅力的なサービスを提供している企業に
は、転職先としても魅力を感じるようです。
転職サービス「DODA」調べ 「転職人気企業ランキン
グ2012」を発表
グーグル3年連続の首位に
~業種別では三菱東京UFJ銀行が初の金融業界1位
に~
総合人材サービスの株式会社インテリジェンス(本社:
東京都千代田区、代表取締役兼社長執行役員:高橋
広敏)が運営する転職サービス「DODA(デューダ)」
<http://doda.jp>は、関東・関西・中部在住の25~34
歳のビジネスパーソン5,000人を対象に「転職したい
会社」を調査し、「DODA転職人気企業ランキング2012
」としてまとめましたのでお知らせします。
【 以下が調査結果概要 】
■ 【 総合ランキング 】
グーグルが3年連続で1位、アップルジャパン、タニタが人気急上昇
総合ランキング1位は、2位の投票数を2倍近く上回り、3年連続で
グーグルとなりました。投票理由を見ると「やりがいのある仕事がで
きそう」という回答が最も多いことがわかりました。2位から4位は、ト
ヨタ自動車、ソニー、パナソニックと、昨年同様の顔触れが並びます
。社会人のメーカー人気は根強く、就職活動生に人気の高い銀行
や広告代理店を抑え、上位10社中6社をメーカーが占める結果とな
りました。
また、今回順位が急上昇した企業に着目すると、アップルジャパン
が昨年の17位から5位、タニタは昨年の42位から7位にランクアップ
しています。投票者のコメントでは、アップルジャパンは「スティーブ・
ジョブズ氏の死去をきっかけに彼の偉大さを改めて知り、そのマイン
ドを引き継いでいるアップルで働きたいと思った」という声が見られ
ました。またタニタは「“丸の内タニタ食堂”など、本業を上手く展開し
話題作りに成功している会社だから」といったコメントが寄せられて
います。
【 業種別ランキング 】
金融は、三菱東京UFJ銀行が初の1位に グーグル、三菱
商事、武田薬品工業は4年連続、トヨタ自動車、オリエンタ
ルランドは2年連続で業界1位
業種別のランキングでは、金融は三菱東京UFJ銀行が初
の1位にランクインしました。IT/通信/インターネットは、
グーグルが4年連続で1位、またアップルジャパン(4位→2
位)、ソフトバンク(7位→4位)などが順位を上げています。
メーカーは、上位10社中8社の顔触れは昨年と変わりま
せんが、タニタ(21位→5位)、キヤノン(17位→9位)が新
たにトップ10の仲間入りをしています。小売/外食では、
イオンが昨年の7位から1位に急上昇。高齢化社会や電力
不足など、社会変化に対応する姿勢が評価されたようで
す。
【 男女別ランキング 】
男性は高い技術力を誇るメーカーやIT企業、女性は消費
財やレジャー・旅行 などBtoC企業が人気
1位は男女ともにグーグルで、男性からも女性からも高い
支持を得ていることがわかりました。しかし2位以下では男
女の差がはっきりと表れ、男性は上位30社のうち、トヨタ
自動車やソニーなどの機械・電気系メーカーが10社、アッ
プルジャパンやソフトバンクなどIT・通信系企業が9社を占
めています。一方女性は、資生堂やタニタ、サントリーなど
美容・食品関連企業、オリエンタルランドや全日本空輸(
ANA)などレジャー・旅行関連企業がランクインしている点
が特徴的です。男性は高い技術力を保有する企業、女性
は身近な商品・サービスを扱うBtoC企業に人気が集まる
結果となりました。
2011年転職人気企業ランキング、首位は変わらず、Facebook
が急浮上
2011年6月22日(水) マイコミジャーナル
インテリジェンスが運営する転職サービス「DODA」は6月21日、関
東・関西・中部在住の25~34歳のビジネスパーソン5,000名を対
象に「転職したい会社」を調査した結果を「DODA転職人気企業ラ
ンキング2011」として発表した。
2011年の総合ランキングは、昨年に続きグーグルがトップとなっ
た。これに、トヨタ自動車、ソニーと続く。グーグルは、事業の先進
性やスピード感が評価されたほか、社員の能力を最大限発揮する
ための職場環境や待遇に支持が集まった。昨年の第3位から順位
を上げたトヨタはリコール問題を乗り越え、本来持つ高い技術力や
事業戦略を改めて評価する人が増えた結果と分析されている。
2011年転職人気企業ランキング(DODA発表)
全体の傾向として、上位10社のうち5社がメーカーと、社会人のメー
カー人気に依然陰りはない。同社では、「社会人は一時的な業績低
迷に影響されることなく、企業の持つ経営資源や商品力、事業方針
などを踏まえ、多角的・長期的な視点で転職先を検討している」と指
摘している。
また今年は、Facebookが昨年の300位圏外から32位に急浮上し
たのをはじめ、楽天、ヤフー、サイバーエージェントなど、ソーシャル
メディアやWebメディア分野で成長を続けるインターネット業界のトッ
プ企業が順位を伸ばす結果となった。
今年は、2008年の金融危機以降順位を落としていた三井不動産
や住友不動産などの建築不動産企業、スターバックス コーヒー
ジャパンや高島屋など、嗜好品や高級品を展開する企業の順位が
回復し始めている。景気低迷時は、鉄道や電力会社などインフラ系
に人気が集まる傾向が見られるが、景気回復とともに需要が伸び、
業績が回復した分野に求職者の目が向き始めたとしている。
・「公的職業資格」 =就職に必要な資格
測量士補,第2種電気工事士,2級自動車整備士,看護士,
歯科衛生士,歯科技工士,臨床検査技師,臨床工学技士,
理学療法士,救急救命士,鍼師,灸師,柔道整復師,
栄養士,調理師,製菓衛生師,理容師,美容師,保育士,
介護福祉士,幼稚園教諭,社会福祉士など
(文部科学省や経済産業省など公的機関が認定する資格も数
多くあるが,それらが就職に必要な資格であるとは限らない。)
・「技能検定」 =就職に必ずしも必要でない資格
各種英語検定,医療秘書技能検定,簿記検定,通訳技能検定,
ファッションビジネス技能検定,情報処理技術者試験,
パターンメーキング技術検定,CG検定,なわとび1級など
(技能検定の種類は非常に多く,水準の格差も大きい。)
「専門学校」と「無認可校」との見分け方:
法律上,専門学校は,教員や設備,学生数などで一定の基準
を満たしていなければならない。こうした基準を満たしていない
学校,もしくはあえて基準を無視する学校を一般に無認可校と
いう。
1.「○○専門学校」という名称の場合は,絶対に専門学校。
2.専門学校であれば,入学案内などに
「本校は専門学校です」,「卒業すれば専門士」などと
書かれている。
3.上記の1でも,2でもない場合は,ほぼ無認可校と
思ってよい。確認の電話などをしてみよう。
×「○○アニメーション学院」
×「○○デザインスクール」
サロウ(Thurow, L.C.)の「仕事競争」モデルも能力の
社会的構成説である。
「仕事競争」モデルは,機能主義論的な「賃金競争」モ
デルの対抗モデルである。
「賃金競争」モデルは,労働者が労働市場に入る前に
技能を習得済みであり,労働者は自分が持っている技
能に対して受け入れてもよい賃金をめぐって競争して
いるとする。
「仕事競争」モデルは,労働者は労働市場に入る前に
技能を習得しておらず,雇用された後に,職業訓練
(OJT)で習得する。
「仕事競争」モデルでは,
労働者は,「仕事を求める待ち行列」の相対的位置を
競争することになる。雇用者は,労働者の技能という
能力ではなく,将来の職業訓練の費用が低い者=訓
練可能性の高い者を採用しようとする。
その訓練可能性の指標が,仮に学歴によってなされ
た場合,職務の配分構造が不変であれば,いくら労働
者一般の学歴が上昇しても教育インフレになってしま
うだけである。
そのため,教育拡大は社会的不平等を軽減しない。
なぜなら,採用は「仕事を求める待ち行列」の前(より
高い学歴)からなされるからである。
ここまでの仕事競争モデルをみると,訓練可能性とい
う能力主義つまり機能主義理論にみえる。
しかし,「仕事競争」モデルは,個人としての能力や学
歴がいくら高くても,仕事の空きがなければ需要され
ない。逆に,個人としての能力や学歴が多ければ,職務
に就きやすいことを意味している。
労働の供給曲線と需要曲線が一致し,需要曲線(供給
曲線)が「仕事の空き数」と「労働者の訓練人数」を決
定していることを示唆している。
客観的な能力分布とは独立して,「仕事の空き数」と
「労働者の訓練人数」こそが能力ある人の分布を決定
する。
したがって,サロウ理論とローゼンボーム理論はかな
り近い考え方であることがわかる。
トーナメント移動や仕事競争モデルが示すことは,
能力は個人的属性として主体に内在し,これを雇用者
が探索するというものではないということである。
能力は選抜システムのあり方によって構成されていく
という考え方である。
4-2-3 能力主義社会の構造的ディレンマ
能力主義的選抜は構造的ディレンマをかかえている。
近代社会の職業的選抜が能力主義を正当化根拠とす
る限り,できる限り多くの人を選抜過程に参加させ,能
力の開示を鼓舞しなければならない。
能力主義的選抜は,そのプロセスにおける平等性に
よって,はじめて公正が獲得できるからである。
したがって,選抜される前に意欲の「加熱」を強力に作
動させなければならない。この加熱過程は,多くの
人々に「だれでもいかなるポジションの候補者になりう
るのだ」と志望水準を高めることになる。
選ばれなかった者にとって,選抜過程は拒否過程であ
る。加熱過程で助成された志望水準からみれば,多く
の人々は失敗者である。能力主義社会とは,人々をそ
の気にさせておいて肩すかしをしてしまう社会である。
加熱の罠にはまった人々が,この拒絶過程(失敗者)
をすんなり納得することは難しい。したがって,選抜とく
に能力主義的選抜は,選抜にもれた者への配慮,つ
まり面目や自尊心の損傷をミニマムにし,従属的地位
や役割へのコミットメントを持続させなければならない。
これが「冷却」である。
したがって,能力主義社会では,
「加熱」→「選抜」→「冷却」のプロセスが作動するとい
われる。
しかし,事態はそれほど単純ではない。
冷却には,2つの異なった形態がある。
「冷却(cool-out)」:
代替的価値に移行して失敗に適応する場合。
(昇進競争に敗れた者が昇進価値とは別の価値(た
とえば消費文化)に移行して冷却すること)
「自足(cool-down)」:
次善の達成の満足によって失敗に適応する場合。
(社長になれなかったが部長にはなれたという場合)
「冷却」は価値の変換をともなっているのに対して,
「自足」は価値の変換をともなわない点に注意。
冷却や自足だけが社会や組織に蔓延してしまうと,活
力が低下してしまうので,社会や組織は選抜で拒絶さ
れた者にも,もう一度頑張るよう「再加熱」しなければ
ならない。
再加熱にも2つの形態がある。
「代替的加熱(warm-in)」:
選抜社会の支配的な成功経路と異なった成功経路へ
再加熱すること。
(サラリーマンとしての地位の上昇ではなく,商売など
によってお金持ちになるという類への加熱)
「再加熱(rewarm-up)」:
初期の選抜に選ばれなくても意気消沈することなく,
再挑戦するよう励ますこと。
「代替的加熱」は,「冷却」同様に,価値の変換をとも
なっているが,「再加熱」は「自足」と同じように選抜社
会の支配的価値を保持している。
「アスピレーション」:志望,希望,熱望,待望,抱負
いまの豊かな社会では,そもそも加熱が作動しにくく
なっているという問題が台頭してきている。職業達成
へのコミットメントと達成による満足が魅力を喪失して
きたからである。
欲望満足延期によって生み出されることになっていた
大きな快楽は,いまや職業達成以前に手にいれること
も可能になった。職業達成の結果としての財や地位も
その魅力効果を喪失してきた。
こうして職業達成へのコミットメントと職業達成による
満足をもたない離脱者が台頭してきている。
サイモンとギャノン(Simon, W.&Gagnon, J.)は,
かつて,人生における成功のための手段を奪われた
下層の者が退却主義になりやすいと唱えたが,いまや
退却主義は中流階級に起こっている。
この加熱・冷却モデルの例外は(加熱されにくい人々
は),伝統的価値に生き,能力主義社会の価値にのっ
てこない一部の労働者階級のオプト・アウト(選択しな
い)にもとめられた。
しかし,いまや豊かな社会においては,オプト・アウト
は中間層に現われている。いまや,「あきらめない」社
会ではなく,「のってこない」社会に突入している。
現代の能力主義社会の最大の問題がここにある。
第5章 学歴社会の職業的社会化
5-1 学歴社会
5-1-1 学歴社会とは何か
学歴社会の定義
「成員の社会的地位を決定する学歴の力が相対的に
大きい社会である。現代社会では,個人の社会的地
位は主として,その人の職業によって表されるから,
個人の職業的地位決定が,出身階層とか財産とかま
たは能力や人格などによるよりも,かれが持っている
学歴によって決められる度合いが大きい場合,その社
会を学歴社会とよんでいる」(竹内宏,麻生誠,1981)
「学歴そのものが本人の地位に及ぼす影響力を,学
歴を抜きにして父の地位が本人の地位に及ぼす世襲
的影響力で割った値が指標になる。
この数値をみてみると,スウェーデン1.16,デンマーク
1.52,イギリス1.04,アメリカ1.63,日本1.69となる。
アメリカと並んで日本は,ヨーロッパ諸国に比べ学歴
の職業達成効果の大きい社会ーつまり学歴社会とい
うことになる。」(安田三郎,1971)
学校の職業的地位達成過程における比重が著しく高
く,学歴と職業的地位獲得の間に学歴以外の要因が
ほとんど介在しないということを示している。
1985年の菊池城司の「社会階層と社会移動全国調査
委員会」でも同様の結論であった。
日本では,学歴の「ふるい分け機能」のきわめて高い
ことが注目される。
ドーア(Dore, R.P.)は,学歴社会を「新しい文明病」と
定義している。
「どこの国も学校教育が学歴稼ぎに堕して行く過程は普遍的で,
またその度合いは,1920年はおろか,50年当時と比較しても進
んでいる。しかもその学歴稼ぎの内容たるや,単なる学歴稼ぎ
以外の何ものでもない場合の方が多いー形式的,冗長で,不
安と退屈に満ち,探求心と想像力を窒息させる,要するに反教
育的なのだ。・・・各世代の若者をエリート・コースに乗る者と乗
らない者とにふるい分けるための主な手段として学校を利用す
ること,そして,このふるい分け機能が,教育を授けるという学
校本来の機能を抑圧するーそれどころか抹殺しているように見
えるーのを許したことに帰着する。」(ドーア,1978)
教育を「学歴稼ぎ」の手段にしている社会が学歴社会
であることになる。どこの国もこのような病に冒されて
いて,特に発展途上国にそれが顕著にみられる。
ドーアも「ふるい分け機能」に注目し,学校歴=学歴が
社会的地位の決定に大きな役割を果たしている社会
が学歴社会の特徴のひとつであると考えている。
学歴が純粋に「ふるい分け機能」をもつ以上,学歴の
価値はいやが上にも高まるのは論理的帰結であるか
ら,「学歴稼ぎ」競争が進行し,「学歴病」はさらに深刻
になっていく。
5-1-2 学歴社会の形成
学歴社会の成立する条件として,
①産業社会の成立
②近代国家の要請
③学校の台頭
④試験の導入
⑤教育の大衆化
などが考えられる。これらは,単独に作用していると
いうよりも,相互に連関し,全体として学歴社会を形成
している。
①産業社会の成立
産業社会では,分業が不可避的に進行し,第1次産
業から2次,3次への分化が起き,この分化の進行にと
もない,農業以外の様々な職業が叢生する。
これらの職業に適切な人材を選抜し,配分するため
の社会選抜システムが整備される必要が生じる。前近
代社会のように,出自,身分,世襲など属性要因で
人々を処遇するのではなく,個人の業績要因に基づき,
適切でかつ合理的な尺度によって処遇しなければなら
なくなる。このような社会の要請が高まるにしたがって,
その業績評価尺度として学歴が重視されるようになる。
「日本型産業社会」では,既に大正時代に企業を中心に学歴
を重視する経営身分秩序が確立された。そこでは,社員=大
学・高専卒,準社員=中学・実業学校卒,工員=高等小学校卒,
組夫=尋常小学校卒が対応する関係があった。
②近代国家の要請
経済発展の先発国に追いつくために,先発国文明の
効率的輸入,殖産興業,国家社会の統合,人材養成
などを成し遂げるという課題が与えられる。欧米の知
識を修得し,人材を養成し,殖産興業を導くために,ま
ず学校を設立して整備する必要を認識するのは当然
のことである。学歴社会が成立するためには,学歴=
学校歴を発行する学校が存在することがそもそも前提
になるが,その背後には,こうした後発国による学校=
学歴重視の教育政策が作用している。
ドーアはこれを「後発効果」とよんでいる。
③学校の台頭
産業社会は先進欧米社会に追いつき追い越すため
に,先発国をモデルにして,その知識を導入し,近代
的認識力を国民に涵養する必要がある。知識の生産,
伝達を扱う学校の整備は重要となる。
さらに,分業社会では社会成員に対して,教育を施
し,共通の価値観,モラル,態度などを涵養する必要
があり,それを怠れば,成員間には十分な連帯感は
形成されない。したがって,近代公教育の拠点を担う
学校は,それが担う「社会化」の機能として「認知的社
会化」と「道徳的社会化」の機能を付与されて登場して
くるが,それは実際には学校を介して基礎教育,一般
教育,職業教育などの中で遂行されることになる。さら
に学校には人材を選抜して,学歴を付与し,それを然
るべき社会のポジションに配置する機能が付与される。
④試験の導入
資格を重視する産業社会もしくは近代社会は,資格
を付与するための試験が必要になる。従来,官職の威
信の高い日本においては,官吏登用にいち早く試験
が導入されたことによって,結果的に試験の威信を高
め,同時に官吏登用試験の激化,特定大学を頂点と
した選抜ルートの確立,大学の威信格差の形成など
の現象を招いた。
各種職業資格(医師,教師,弁護士,建築士,看護
士など)には様々な試験が必要とされることになった。
かくして試験をパスしないかぎり,いかに能力があろ
うと職業,とりわけ専門職に就けない「資格社会」の時
代が到来した。
その冠たるものが,大学入学試験である。わが国の
ように,長い間,終身雇用制,年功序列制を敷いてき
た国では,社会成層と大学の成層はピラミッド状の対
応関係になっている。
また大学は「入口評価」型であるため,入学するとト
コロテン式に卒業できうる仕組みになっている。そのた
め,実質的にどこの大学に入るかがその人の人生を
左右するわけであり,かくして大学入試の一点に人生
の岐路が集中することになるため,学歴はますます比
重を増し,「受験地獄」が生じることになる。
⑤教育の大衆化
学歴が社会移動に比重をもち,「立身出世」に果たす
価値が高まるにつれ,大衆を巻き込んだ学歴に対す
る需要はますます上昇する。そして「高等教育の大衆
化」の段階を迎える時点では,「学歴社会意識」の定
着をみることになる。
いくら社会が学歴志向への力学をもっていても,それ
を支える受け皿が,個人の意識や行動の側面で発達
しない限り,学歴社会は十分に成熟することはない。
日本は,学歴社会を支える「学歴社会意識」が加熱
する形で,受け皿の側面でも大いに発展していること
になる。
OECD教育調査団(1972)は,学歴主義にまつわる社
会意識の台頭を早くから指摘している。
「18歳のある一日に,どのような成績をとるかによって,
彼の残りの人生は決まってしまう。いいかえれば日本
の社会では,大学入試は,将来の経歴を大きく左右す
る選抜機構としてつくられているのである。その結果,
生まれがものをいう貴族主義は存在しないが,それに
代わる一種の学歴主義が生まれている。」