A-10 漏れ磁束を考慮した 一磁心形並列バイアス方式限流器の数値解析

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A-4
漏れ磁束を考慮した
一磁心形並列バイアス方式限流器の
数値解析
知能電気機器研究室
杉山 修平
発表の流れ
1.研究背景および目的
2.一磁心形限流器の動作
3.数値解析に使用した回路モデル
4.漏れ磁路調整による限流特性の変化
5.磁心特性の限流特性への影響
6.寸法比の変化における限流特性
7.まとめ
1.研究背景
電力系統の拡充によって、多数の電源が接続される。そこに故障
電流が流れ、一箇所でも電源が故障すると系統全体に事故が
及ぶ可能性あり
系統機器の保護 常時使用の情報機器への配慮
瞬時に電流を抑制できる新しい機器が求められている
限流器(FCL:Fault Current Limiter)の開発が望まれている
1.研究目的
永久磁石
鉄心
巻線
構造が簡単であり付帯設備を必要とせず、メンテナンスフリーの
配電系統向け数kVAの
完全受動型磁気式限流器の設計・開発手法の確立
性能の向上を目指す
限流器内磁束の流れ見直し
漏れ磁束・磁心特性・磁心寸法比による
磁束の変化に着目
2.一磁心形限流器の構造
Φ+
Φdc
Φm
2.5
B(T)
2
1.5
μs=100
1
μu=4800
0.5
0
0
1
2
3
H(kA/m)
4
5
磁心特性
1.4
1.2
0.8
Φlk+
0.6
Φlk-
0.4
0.2
0
一磁心形限流器の構造
-1000
-800
-600
-400
-200
H(KA/m)
永久磁石特性
0
B(T)
1
2.一磁心形限流器の動作原理
Φp+Φm:巻線による磁束
Φdc:永久磁石の磁束
永久磁石によって偏磁
巻線により磁束が流れる
ifcl-
ifcl+
限流動作時
左脚:不飽和 右脚:飽和
Nfcl+
Nfcl-
漏れ磁束発生
v fcl  v fcl   v fcl 
   p  m  dc
  (p  m  dc )
不飽和
飽和
線路電流がプラスの半サイクルの場合
 N fcl
d
(   )
dt  
飽和脚の端子電圧を弱めることで
Vfcl+:線路電流を抑制
V限流特性が向上
fcl-:限流効果を弱める
3.数値解析に使用した回路モデル
Vfcl
電気回路
短絡リング
磁気回路
Vfcl+
Vfcl-
限流器電圧(シミュレーション値)
Vfcl
Vfcl+
Vfcl-
限流器電圧(実測値)
4.漏れ磁路調整による限流特性の変化
Rlk:漏れ磁路の磁気抵抗
Rlk 
l
μrμ0 S
限流特性
漏れ磁束による限流特性の変化
5.磁心特性の飽和領域比透磁率の変化
μsによる限流特性の変化
限流器全体の磁気抵抗:大
限流特性
通常動作時Vfcl:小
5.磁心特性の不飽和領域比透磁率の変化
μuによる限流特性の変化
限流器全体の磁気抵抗
あまり変化しない
限流特性
限流特性は
ほとんど向上しない
6.寸法比の変化における限流特性
寸法比
b
c
α
β
a
a
d
f
e
γ
ε
δ
a
a
a
a:左右脚幅
b:窓枠幅
c:窓枠の高さ
d:奥行
e:中央脚幅
f:永久磁石の厚さ
寸法比による限流特性の変化
磁心寸法図
限流特性
まとめと今後の課題
・研究成果
・限流動作により左右の磁心脚に流れる磁束が変動し、飽和脚
に流れ込む磁束が限流特性を悪化させる。これに対して、
磁束が漏れることで飽和脚へ流れ込む磁束が弱められ
限流特性が向上することが明らかになった。
・磁心特性の飽和領域比透磁率を小さくできると1.5倍程度、
中央脚の幅を大きくすると1.2倍程度、
限流特性が向上することが予測された。
・今後の課題
・通常動作時に低インピーダンスとなる構造の検討