第2章 地球温暖化メカニズム

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Transcript 第2章 地球温暖化メカニズム

地球温暖化
のしくみ
木庭元晴さく
地球温暖化は誰が言い始めたの?
 1958年からキーリングは,ハワイ島マ
ウナロア山でCO2の観測活動開始
 1960年代前半には,CO2増加傾向を
認識,温室効果の危険性を訴える。
世界が動き出したのはいつ?
 1988年,北米などで記録的熱波
 NASAのハンセンはそのまっただ中に
連邦議会公聴会で化石燃料燃焼によ
る地球温暖化を証言。マスコミによる
大々的報道。同年,気候変動に関する
政府間パネルIPCC設立,IPCCの研
究成果をもとに気候に関する国際条約
の検討開始が決定。
国際条約締結へ
 1990年,IPCC第1次評価報告書
 1992年,「環境と開発に関する国際連
合会議」(地球サミット)
 別途協議中の,気候変動枠組条約が
提議され,署名され,この会議の場で
署名開始。
増え続けるCO2濃度: キーリング観察
化石燃料消費による年次別CO2排出量
さて,気温の上昇速度に違い?
さて,現在は氷河時代,この時代の気候と海水
準の変化は?
過去500万年の気温変動: 寒冷化と寒暖変動の増大
ミランコビッチサイクルってのがあって,
太陽と地球の関係で気温が変化する
Milutin Milanković, 1920. 『太陽の放射による熱現象の数学理論
(Théorie mathématique des phénomènes thermiques produits par la radiation solaire)』
長径a,短径bとすると,
離心率=√((a2-b2)/a2)
Milankovitch cycleの3要因と
氷河作用ステージ
歳差運動
地軸の傾き
離心率
日射量の緯度分布
氷河作用の規模
過去42万年について
ミランコビッチサイクル(公転軌道・自転軸の変動)と
気温の変動がよく合致している
さて,太陽変動と気候変動の関係を見ると
太陽風(プラズマ)
による磁気圏界面
の強化が,
銀河宇宙線軌道を逸らせる
宇宙線計数値,
雲量変動,の
対流圏低層での
高い相関
雲量の増大は,地球アルベドの増大,
つまり寒冷化
磁気圏(地球の)
宇宙線の大気への突入で,
パイ中間子が生成,
すぐに崩壊して,
高エネルギーのミュー中間子
に。
雲量増大の触媒。
過去11,000年間の太陽黒点数の復元
樹木年輪の14C濃度計測値と望遠鏡観察黒点数との関係から
現在と同様の高い太陽活動が過去にも
11,000年前のものは90年間継続,
現在の温暖期はすでに65年,あと10年は続くか。ソランキ2004
さて,温室効果
 太陽放射と赤外放射のエネルギー収支で,
水蒸気などによる温室効果は大きな役目を
果たす
 温室効果がなければ,地表温度は-18℃。温
室効果のために,平均15℃。
太陽放射・地球放射の
大気通過後のスペクトル分布を知っておく
灰
色
部
分
が
全
吸
収
か
散
乱
ニジェール川上空でニンバス4号が
捉えた地球から宇宙への放射スペクトル
ナ 応 す選 対
℃
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イ 示が
対流圏界面から放射,つまり,対流圏
の熱は二酸化炭素によってこの付近
の熱放射線は全部吸収されているの
だよ
K
℃
K=
異なる波長の放射フラックス
CO2域はすでに飽和状態
σT4は放射強度
二酸化炭素がこれ以上増えても,
温室効果は高まらないのです
水蒸気にはまだ十分に余裕があって,
温暖化すれば,温室効果がより発揮されるのです
放射ー対流平衡モデルでのCO2濃度の変化
に対応する気温の垂直分布
真鍋淑郎考案
対流圏と成層圏をまとめて表
現。CO2の増大によるわずか
な昇温が,最も強制力の強い
水蒸気を高めて,太陽光線の
吸収率が高まり,地上気温が
上昇するというもの。
IPCCなどの
気候シミュレーションモデル
モデルと現実の観測結果との
照合でモデルを修正する。
解は得られていない。
対流圏下部の気温偏差(人工衛星データ)
乞うご期待