カメムシ駆除実践報告 ~窓枠重点処理施工~

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カメムシ駆除実践報告
~窓枠重点処理施工~
(株)サニーサニター
対象物件
長野営業所管内
 長野県小県
 Fホテル 様

位置図
田沢温泉の概要






上信越自動車道 上田菅平ICで下り、国道143
号を西へ青木峠方面へ。ICより約30分。
JR上田駅下車、バスを乗り継いで約40分
単純硫化水素泉
効能 婦人病など
金太郎伝説が残る温泉
別所温泉の北西、十観山の東にある山あいの素
朴な温泉。昔から子宝の湯として知られ、湯治に
訪れる女性が多かったという。島崎藤村もよく訪
れており、文学ファンにも親しまれている。温泉
情緒にあふれ、何度でも訪れたくなる。
施工依頼の経緯
衛生害虫の契約先
 毎年、秋口からカメムシの客室内への侵
入に悩む。宿泊客から、不快である旨の苦
情があって困っていた。
 春先にも、建物内で越冬したカメムシが建
物内を徘徊する事があり、不快。
 昨年、試験的に施工し、効果が高かったの
で、今年度は、対象客室を増やして依頼。

対象物件の全景
侵入の多い客室の窓枠を処理
カメムシの生態と防除法

カメムシ類は、最低気温が15℃を下回る頃
から盛んに家屋に侵入してくるようになりま
す。カメムシの発生源は、広大な山林・草
地であり、発生源対策は事実上不可能な
のが実態です。そこで、主な対策は、家屋
内への侵入防止が主体となりますが、具
体的には、窓枠サッシ・換気口・外壁の隙
間に薬剤処理を実施することとなります。
使用薬剤・処理法の実際
プロコートGPⅡ
 住化ライフテク株式会社(住友化学グループ)




高粘度・長期残留・徐放性
カメムシ、その他飛来虫に対する窓枠処理薬剤
として最適。
木工用ボンドに似た性状。(臭い・外観・粘度)
窓枠重点処理の様子
処理実施上の注意点
薬液の希釈は、2~3倍の高濃度で実施。
 処理量は、処理面積1㎡あたり、100~200cc
(希釈液)で、感覚的にはかなり多め。
 木製窓枠など、吸水性の高い部位の場合は、1
回目の塗布後、乾いた処理面に、さらに2・3回
重ね塗りをする。
 薬液が乾いた後、固まって、窓が開きにくくなるこ
とがあるので、その旨施主に説明する。
(2~3回開け閉めすれば、解決する。)

処理実施上の注意点

薬剤の剤形上の長所でもあり、短所でもあるが、
高粘度製剤のため、次の点に注意が必要。
窓ガラスに、薬剤が付着すると、乾拭き・水
拭きでは、薬剤が延びるだけで、きれいにふ
き取れない。液だれで汚さないように、窓を
外して施工するか、注意して施工すること。
万一、ガラス面に付着した場合は、シンナー
等の有機溶剤で拭き取るのがよい。少量な
ら、水拭きで取れる。
薬液の水滴が残るほど、充分な
薬量を施用すること。
窓枠だけでなく、窓の合わせ目
にも充分に施工すること。
木製窓枠など、窓枠と窓の間に
隙間の多い場合は、窓枠と窓の
両方に施工すると効果が高い。
軒下など、カメムシの集まってき
そうな場所にも、薬剤散布を実
施すると良い。(プロコートGPⅡ
は適さないので注意。)
カメムシ駆除施工用薬剤
各薬剤の特徴と施工部位ごとの使い分け
プロコートGPⅡ
有効成分:シフェノトリン(ゴキラート)
 住化ライフテク(株)製品
 高粘度で、耐候性がある。
 徐放性で、長期間、効力が持続。
 木工用ボンドと同様の外観・臭い・性状。
 刷毛塗りまたは、スプレーによる噴霧塗布

プロコートGPⅡ野外試験結果
物件
(有効成分
濃度)
希釈
倍率
窓枠 外壁
構造
処理室 侵入数
数
侵入阻止
率
ホテル
(1.7%)
3倍
アル 鉄筋コンク
ミ
リート
6
(12)
0
(13)
100%
保養所
(1.0%)
5倍
アル 木造
ミ
モルタル
4
(4)
2
(53)
96.4%
保養所
(0.7%)
7倍
アル 鉄筋コンク
ミ
リート
4
(4)
8
(37)
78.4%
施工2ヶ月後に、室内に侵入した虫の数を調査。
数は、1室平均。 (
)内は、未処理の対照区。
野外試験結果からわかること。
過度の希釈は、効果をなくす原因。
3倍では100%、5倍では、96.4%、7
倍にすると78.4%といったように、薄める
と、効果が急激に低下する。
適切な希釈と充分な処理薬量を確保す
ること。
カメムシキンチョール(水性乳
剤)






有効成分:シラフルオフェン
大日本除虫菊(株)製品
剤形:水性乳剤
水性乳剤のため、液だれによる汚れなどの心配
が少ない。
シラフルオフェンは、耐候性が高く、長期有効の
ピレスロイド様成分。(ピレスロイドではない。)
通常のピレスロイドとは対照的に、低魚毒性。
カメムシキンチョール(エアゾー
ル)
シラフルオフェン製剤をエアゾール化。
 エアゾールのため、細かな施工部位に的
確かつ、簡便に処理が可能。
 水性乳剤と同様、周囲を汚す心配が少な
い。

アリピレス乳剤(しろあり剤の転
用)
有効成分:ビフェントリン(ピレスロイド系)
 長期の残効性。
 製品 アリピレスME/ME2/NB乳剤
 上記製品は、水性乳剤(ウォーターエマル
ジョン)のため、有機溶剤による汚れなど
の心配が少ない。
 NB乳剤は、青くない。(NonBlue)

軒下の施工

コスト・効果・周囲への影響(汚れ)などを考慮す
ると、アリピレスME/ME2/NB乳剤の希釈液
を散布・注入するのが、適切である。(NB乳剤以
外は、青色の液なので、注意すること。)
施工料金
窓枠処理 処理長(幅20cm)として
 アルミサッシの場合 1,500円/m
 木製窓枠(吸水性大の場合の場合)
3,000円/m
 軒下・外壁クレバス等処理 別途
 室内空間処理 別途
留意すべきこと
カメムシ防除施工のうち、特に窓枠重点処
理は、どの薬剤を使うにせよ、充分な薬量
を、丁寧に施用する必要があります。
 充分な薬量とは、処理面が、びしょびしょ
に濡れるほどであり、実感としては、やりす
ぎと思うほどで、適量となります。

留意すべきこと

丁寧な施工とは、周囲のガラスなどを汚さ
ぬよう、かつ、細かな施工部位の隅々まで、
施工漏れのないように処理するという意味
で、施工の手間は予想以上にかかると覚
悟してください。
留意すべきこと
すなわち、安易な値引きは、充分な薬量
を施用出来なくなったり、施工の手間をか
けられなくなるなど、効果効能を保証でき
ない事態を招く。

施工の手間を確保する点では、施主に対
し、充分な工期を確保するよう、理解を得
るようにしなければなりません。
限られた予算の中でお客様の
要望をかなえるには
日当たりがよく、暖かい建物
 見晴しがよい場所にある建物
 外観が明るい色の建物

以上の、カメムシの性質を理解し、建物全
域の施工にこだわらず、適切に施工の必要
箇所を選定し、お客様へ提案すること。
まとめ
一度、施工すると、毎年のリピーターと
なっていただけると思います。
リピート顧客を増やすことにつながるカメ
ムシ駆除の売り込みを頑張ってください。