Transcript ①リスクの集中
金融コングロマリットの是非 ~否定派~ 古賀・鈴木・上原・高橋幸 「金融コングロマリット」の定義の確認 ☆EU (2002年金融コングロマリット指令): グループ内に、 銀行業・証券業のいずれかを営む EU,日本どちらにおいても、 企業と保険業を営む企業の双方を有しているもの。 銀行、証券、保険の いずれか二つを有する金融グループ ☆日本 (金融コングロマリット監督指針): を指す! 国内に本店又は主たる事務所を有する法人で あって、当該法人及びその子会社のうちに、 上記のような定義に則って発表する! 銀行業、保険業、証券業(投資信託委託業者、投 資顧問業者を含む)のうちいずれか二以上の事業 を営むものを含むもの 我々は、 銀行+ ①リスクの集中 証券会社 ②子会社化は不必要 銀行+ 保険会社 銀行+証券会社 ③困難なガバナンス +保険会社 以上の3点から、金融機関の コングロマリット化を否定する! ①リスクの集中~銀証の否定~ 金融コングロマリットのメリット ・ 事業ポートフォリオによるリスク分散 ・ グループ内の顧客流出の防止 ・ 金融商品開発力の向上 しかし! これは 本当にメリット足り得るのか!? ①リスクの集中~銀証の否定~ 銀行と証券という 事業ポートフォリオを 組んでも、 リスク分散に 繋がっていな い!! 銀行と証券の利益推移は相関している。 =損失を出すタイミングが同じである! ①リスクの集中~銀証の否定~ なぜか・・・理由は、 独立系証券会社2社 証券会社のマーケット依存の収益構造! 大和証券の収益比率 一番の収益源! 野村もほぼ 同じ比率! 野村證券トレーディング損益比率 35% 30% 25% トレーディング比率 20% 15% 10% 5% 0% 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 ①リスクの集中~銀証の否定~ 銀行系証券会社2社 % 05年 06年 07年 08年 三菱UFJ証券 44.3 46.6 51.5 35.5 みずほ証券 30.9 30.9 39.8 42.2 証券会社の収益構造は、独立系・銀行系 共にトレーディングに依存していると言え る!! ②子会社化の必要性 いずれも、 銀行での保険商品販売を狙って 金融コングロマリット化している! ~銀保融合の否定~ 保険の窓口販売による手数料収入を 合併・買収の目的 狙うならば、提携で十分!!! アリアンツ ・銀行窓販の拡大 ・グローバル展開の必要性 ではなぜ、銀行は買収を行うのか・・・ ING ・商品の相互販売 ・コスト削減、リスク分散 銀行での ・グローバル展開 ワンストップショッピング ・事業領域の拡大 シティグループ 実現の為! ・商品の相互販売 ロイズTSB 本当に実現 可能なのか? ・支店網の獲得 ・ブランドの獲得 銀行の市場シェアは 次第に低下してい 実例(英国): る・・・ ロイズTSB銀行による、傘下保険が開発した株価リ ②子会社化の必要性~銀保融合の否定~ 単純な商品の販売なら ンク債の販売に関して、顧客への商品説明などが 買収の必要はなく 不十分であったとして、FSAが多額の 業務提携で十分。 罰金を科すという不祥事が発生! 買収して保険会社の 単純な商品を売るので 逆ザヤリスク等を抱え つまり、専門性の高い保険商品は あれば、統合ではなく 込む必要はな 銀行では売りづらいという事! 銀行員の保険商品に対する知識は い!!! 提携 で十分!! →限界があり、銀行での複雑な保険 銀行で販売するのであれば、 単純な商品の販売 に特化すべき! 商品の販売は難しい!! ③困難なガバナンス ~銀証保融合の否定~ そもそも、なぜ銀証分離などの規制は 存在したのか? →利益相反が起こり、ガバナンスが難し いから!!! では、この問題は解決したのか? 典型的な銀行・証券間の 利益相反行為!! 2002年、エンロン事件の中で、 シティグループはエンロンの財務状況の困難を 知りながら、関連の証券部門を利用して エンロンに証券を発行させ、その調達資金を 自らへの資金返済に充当させた。 更に! 2007年、三菱東京UFJ銀行が投信販売の不 ・これは、投資信託の取引の誤発注と 適切な処理で、業務改善命令を いう、非常に単純なミス! 受けている ・最近では、顧客情報の流出も 起こしている! 組織が巨大になりすぎて、 隅々までのマネジメントが マネジメントの不備 困難になってきている!! → 投資家の軽視!! また、コングロマリット化の動機を見てみると・・・ 先ほど述べたように、 利用者である マネジメントの不備が起 投資家の利益に こっているから! 繋がらないような、 コングロマリット化 はすべきでは 金融機関側はワンストップショッピングの実 ない!! 現など、投資家のための 金融コングロマリットを謳っているが、実際 は投資家の不利益になっている!! 我々が考える、金融機関の コングロマリット化の懸念点 ①リスクの集中 以上の3点から、 我々は金融機関の ②子会社化は不必要 コングロマリット化 を否定する!!! ③困難なガバナンス ご清聴ありがとうご ざいました。