Transcript 「関係性」 には
第10回日本感性工学会大会
33H-04
「日本型地域ネットワークを活用した
持続可能な地域SNSの設計と運用 」
2008年9月10日(水) 大妻女子大学千代田キャンパス
兵庫県立大学大学院環境人間学研究科
インフォミーム株式会社 代表取締役
総務省地域情報化アドバイザー
和崎 宏 [email protected]
©2008 WASAKI Hiroshi
1
発表の概要
• 社会課題としての「つながりの希薄化」と地域
SNSの「踊り場現象」、社会実験の視座
• ICTと日本型地域ネットワークを融合させたS
NSエンジン「OpenSNP」とその開発
• OpenSNPによる、つながり活性化への効果
と地域ネットワークに与えた影響
• 持続可能な地域SNSの展望
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2
地域・家庭の「絆」感の喪失への対応
・「つながりが築く豊かな国民生活」 (平成19年度版
国民生活白書)→「絆」の再興の必要性
・災害ユートピア現象に見るコミュニティの役割の重
要性(兵庫県南部地震 ・新潟県中越地震 )
,1995
,2004
→沈潜化した「住民同士の絆」の実体化
・ソーシャルネットワーキングサービスの地域限定利
用(総務省「e-コミュニティ形成支援」事業)
→『知縁コミュニティと地域SNSの展開』(注)
(注)牧慎太郎(兵庫県企画県民部長・前総務省情報政策企画官)「月刊自治フォーラム2月号」,2008
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3
日本の大規模SNSの現状
●主要SNSサイトのユニーク・ビジター数(単位:1000人)
2007年6月
2008年6月
増加率(%)
インターネット全体
53,716
56,220
5
mixi.jp
12,367
12,738
3
1,137
1,245
10
MySpace.com
Orkut
N/A
638
N/A
Facebook.com
172
538
213
Gree
531
455
-14
注:家庭,職場でインターネットを利用する15歳以上のユーザーが対象
出典:comScore World Metrix http://www.comscore.com/press/release.asp?press=2375
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4
大規模SNSの課題
mixiのインターネット化
犯罪や事故の増加と対策の不備
サイト信頼性の低下
よりリアルな関係性を求める
地域サイズのSNSに注目
が集まる
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5
地域SNSの活用
個人を起点とした社会的ネットワークを
インターネット上に構築
地域SNS
○時間的・場所的な制約を超えた情報交流空間
○登録メンバーの顔が見えるコミュニティサイト
メール
地図
ニュース
プロフィール
日記
8/11 ***
8/1 ***
友人リスト
携帯電話
地域性
(信頼と愛着)
参加
コミュニ
ティ
安心感
(発言のしやすさ)
パソコン
21世紀の
井戸端会議
利便性
(使いやすさ)
大規模なSNSサイトとは
異なる利用目的が活かせる
c.f. 電子会議室・・・匿名を許容した場合、情報の信頼性が欠如したり、荒れる可能性がある。
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6
地域S N S 累計数
地域SNS累計数
(個)
220
LASDEC実験
200
(11自治体)
180
160
140
OpenPNEの普及
120
100
80
総務省実験
60
(長岡・千代田)
熊本県
八代市
40
20
2004年
2005年
年月
2006年
(出展)『地域SNS最前線-Web2.0時代のまちおこし実践ガイド』(2007.03)
12
月
10
月
8月
6月
4月
2月
12
月
10
月
8月
6月
4月
2月
12
月
0
2007年
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7
地域SNSの「踊り場現象」
■会員数が伸びない
■会員層が限定
踊り場
の発生
→盛り上がらない
■リアル社会とつなぐ仕掛
けが必要
■運営ノウハウに欠ける
■人材の発掘・育成が困難
総務省「地域SNS動向調査」(2008.02)より
「踊り場」を起こさな
い
持続可能なSNSサイト8
和崎が調査(2006.8-2008.9)した46サイトから抜粋して作表
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社会実験の評価のポイント
ジェームズ・コールマン, 「社会理論の基礎」,1990
『学歴や技能は個人に宿るが、ソーシャル キャ
ピタルは関係に宿る』
●新たな関係がサイトの中で成立し、成長しているか?
●従来の関係がサイトの中で、成長しているか?
●発信・共鳴・伝達が創発的な協働を誘発しているか?
について、確認する。
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伝統的な日本型地域ネットワークとWeb2.0
自発性
伝統的な
日本型
地域
ネットワーク
講
(結)
閉鎖性
定日性
越境性
柔軟性
信頼性
平等性
分散
ネットワーク
ネスティング
構造
Web2.0
オープンソース
SNS
プロジェクト
指向
集合知
の利用
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10
社会実験装置としてのSNSエンジンの開発
新しいSNSエンジン
OpenSNPの開発へ
日本型地域ネットワーク
のノウハウを導入
情報基盤SNS
連携・創発の展開
SNSの一般化
全国規模の拡大
住民参画ツール
としての可能性
Open-Gorotto
2004
OpenPNE
2005
OpenSNP
2006
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11
OpenSNPを採用した社会実験「ひょこむ」
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
2006年04月、設計着手
2006年06月、開発着手
2006年09月、試用版共用開始
2006年10月、β版公開・利用開始
2006年11月、1000ユーザ到達
2006年12月、携帯対応基本機能実装
2007年03月、外部公開コミュニティ実装
2007年04月、2000ユーザ到達
2007年05月、実名コミュニティ実装
2007年08月、地域通貨ポイント機能実装
2007年10月、3000ユーザ到達
2007年11月、地域SNS間連携機能実装
2007年12月、動画・インターネットTV実装
2008年04月、電子モール機能実装
2008年07月、4000ユーザ到達
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ひょこむ(兵庫県エリアの地域SNS)
会員の推移
3000
(万)
35
一日あたり平均
ページビュー
一日あたり平均訪問数
30
2500
25
2000
20
1500
15
ひょこむの特徴
登録会員数(累計)
1000
10
(人)
500
信頼できるネットワークづくり
実名登録制、完全紹介制、後見人制
プロフィール、ブログ等のアクセスコントロー
ル
5
0
9月
10月 11月 12月 1月
2月
80-84
8
0-84
80-84
75-79
7
5-79
75-79
70-74
7
0-74
70-74
65-69
6
5-69
65-69
60-64
6
0-64
60-64
55-59
5
5-59
55-59
50-54
5
0-54
50-54
45-49
4
5-49
45-49
40-44
4
0-44
40-44
35-39
3
5-39
35-39
30-34
3
0-34
30-34
25-29
2
5-29
25-29
20-24
2
0-24
20-24
10-19
1
0-19
10-19
年齢分布
充実したコミュニケーション機能
ブログ、コミュニティ、電子地図、カレンダー、メッセージ、
あしあと、写真・動画登録、携帯電話対応、ファイル添付、
15
10
5
メールへの配信、地域通貨機能、地域SNS間連携、地
域
モール、インターネットTV、カーナビ・地デジTV連携(予
会員の地域分布
定)
口 比5月
率 (男6月
性 )7月
3月 人
4月
会 員 比 率 (男 性 )
0
0
8月
(PV数)
平均年齢 42.37歳
0
5
10
15
リアルな地域活動につながった事例
○国際ため池シンポジウムやクリスマス会などの開催
○ 1.17リアルタイムレポート、創作家庭料理店の開店
○姫路おでん、姫路城の清掃活動、活動資源マッチング情報
牧慎太郎・兵庫県企画管理部長と共同で作成(2007)
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OpenSNPで新たに組み込まれた
日本型地域ネットワークの要素
●プロジェクト性
●越境性
地域SNS間サイト連携、コミュニティ
管理人連携、実名コミュニティ、イン
ターネットTV機能
地域SNS間連携API、のれんわけシ
ステム、のれん貸しシステム、コミュニ
ティリンク機能、RSS内外相互対応、
カーナビ連携機能、外部公開コミュニ
ティ
●自発性
トモダチ紹介機能、仲人機能、コミュ
ニティ管理機能
●定日性
フォーラム・イベント・オフ会等の定期
開催
●柔軟性
メッセージへのファイル添付、同報
メッセージ機能、グループ管理機能、イ
ベントカレンダー、コミュニティマップ、
ブログやコミュニティ返信へのファイル
添付
●閉鎖性
完全招待制、後見人制、ステルスコ
ミュニティ
●その他
地デジ対応機能(分散ネットワーク)、
SNSモール機能、地域通貨ポイント機
能、完全招待後見人制
他のSNSエンジンが
その後追随して実装し
てきた機能も多い。
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持続可能な地域SNSサイトの要件
コミュニケーション総量が着実に増加しているのが、賑わい感のあるサイトの特徴。
サイトの沈滞感は踊り場現象として、会員数停滞や減少に現れる。(和崎の調査による)
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参与観察を行った地域SNSサイト
●開発者・運営責任者として関与
●一般ユーザとして調査
「ひょこむ」(兵庫県)、「さよっち」(佐用
町)
「As-maxi」(北海道)、 「@ami‘z」(青森県)、
「アオコミ」(青森市)、 「いばLucky!」(茨城県)、
「おおたんねっと」(太田市)、 「まえばしSNS」(前
橋市)、 「あみっぴぃ」(西千葉)、 「アイラブジモト
松戸」(松戸市)、 「かわしゃる!」(川崎市)、 「ha
malove」(横浜市)、 「ちよっピー」(千代田区)、
「Yebisy」(恵比寿)、 「おここなごーか」(長岡市)、
「N-SNS」(長野県)、 「e-じゃん掛川」(掛川
市)、 「T-wave」(京丹後市)、 「お茶っ人」(宇治
市)、 「けいはんな」(京阪奈)、 「おおつSNS」(大
津市)、 「まつさかSNS」(松阪市)、 「みえぢん」
(三重県)、 「ショコベ」(神戸市)、 「いきがいcc」
(兵庫県)、 「ホッとささやま」(篠山市)、 「淡路っ
子どっとこむ」(淡路島)、 「スタコミ」(岡山県)、
「Verry」(福岡県)、 「ラブフク」(福岡県)、「つつじ
ネット」(久留米市)、 「ひびの」(佐賀県)、「長
崎!長崎!」(長崎市)、「かたらんねっと」(五島
市)
●サイト管理者の一員として関与
「房州わんだぁらんど」(南房総)、「いた
まちSNS」(伊丹市)、「おらほねっと」
(上田市)、「ハマっち」(横浜市)、「さん
でぃ」(三田市)
●サイト運営に顧問的に関与
「かちねっと」(葛飾区)、「モリオネット」
(盛岡)、「まつえSNS」(松江市)、「あ
ついぞホッとコム」(熊谷)、「イマソウ」
(今治市)、「ちくごねっと」(福岡県)、「e
-とちぎ」(栃木県)
積極的参与観察14サイト
一般的参与観察32サイト
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地域SNSのにぎわい度比較
地域
伸長率
入会
承認
ENG
盛岡
佐用
3.44
2.36
招待
招待
後見
後見
SNP
SNP
計れない
松江
2.16
招待
後見
SNP
●開設後半年間は活性する
横浜
1.82
招待
後見
SNP
三田
1.63
招待
後見
SNP
サイトが多い
伊丹
1.53
招待
後見
SNP
上田
1.38
招待
無し
千葉
1.34
招待
無し
SNP
PNE
福岡
1.29
招待
無し
ORG
京阪奈
1.28
自由
PNE
葛飾
掛川
兵庫
1.22
1.21
1.20
招待
自由
招待
無し
後見
無し
後見
SNP
GRO
SNP
●活性化は会員数だけでは
●主体・運営には活性は依
存しない
●自由登録は活性が長持ち
しない傾向
●加入障壁が高いほど、活
性が持続する
●エンジンはSNPが有利
和崎が参与観察を行う全46サイトの中から、08年01月
以降のデータが確認できたものの上位13サイトを抽出。
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ユーザ関係性動向調査
• 2008年8月26日~9月2日までの間、
ひょこむのユーザにメッセージで参加を
呼び掛けて実施。
• トモダチリンクが成立してから1ヶ月以上
経過した紐帯について、「関係性意識」と
「接触頻度」の変化を、任意に求めた最
大10人について質問。「よくなった」「少
しよくなった」「変わらない」「少しわるく
なった」「わるくなった」の5段階で回答を
求めた。
• ユーザ総数約4200人のうち394人(9.
4%)が回答し、合計3103のリンクにつ
いて統計的に分析を行った。
©2008 WASAKI Hiroshi
18
ユーザ関係性動向調査結果(1)
「これから」が約25%減少。
「知人程度」以上の各層が増加
していることから、
「関係性の深さ」は向上!
「これから」が約30%減少。
「頻繁」を除く各層(特に「年イチ」)
が増加していることから、
「接触の頻度」は向上!
©2008 WASAKI Hiroshi
19
ユーザ関係性動向調査結果(2)
未知の関係(「これから」)より、既
知の関係の方が関係性が向上。
既存の関係が深いほど悪化例が
少なく安定して良化している。
各層で「関係性」は向上!
各層で接触頻度が向上。
傾向として従来の接触頻度が高い
ほど更に頻度が上がっている。
「接触頻度」は向上!
©2008 WASAKI Hiroshi
20
ユーザ関係性動向調査結果(3)
未知の関係より、既知の関係の
方が、より接触頻度が上がって
いる傾向が読み取れる。
リアルな関係により効果的!
傾向として、接触頻度が高いほど
関係性が良化している。
「接触頻度」と「関係性」
には、正の相関がある!
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創発的な協働の誘発
• OpenSNPを採用するサイトの管理者に呼び掛けた。
• 募集期間は、2008年6月22日から7月10日まで
• 10サイトから54エピソードが集まる
• 和崎が責任編集を行い「OpenSNP Episode1」としてまとめた
「OpenSNP episode1」採録エピソード属性分類
社会性
表
個人・グループ・
ネットコミュニティや
ネット社会を越えた
コミュニティ活動レベル
広
域
性
SNS内レベル
社会性を持つ(含む)
個人・グループ・
コミュニティ範囲
(2),(3),(5),(8),(11),(17),
(19),(20),(21),(27),(28),
(39),(40)
(12),(18),(29)
(13),(23),(24),(26),(30),(
32),(37)
サイト内に限定的
(7),(22),(25) ,(35)
(4),(6),(9),(16),(31),(33)
(1), (15),(36),(41),(44),
(46)
サイトを越える
範囲
(10),(38),(43),(52),(54)
(14),(47),(48),(49),(51),
(53)
(34),(42),(45),(50)
数字はエピソード番号。執筆は直接話題に関与した各サイトのメンバ。和崎が作表した。
©2008 WASAKI Hiroshi
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発表のまとめ
• 日本型地域ネットワークの地域SNSエンジン
への融合的導入は活性化効果が高い
• OpenSNPを利用することにより、ユーザ相
互の関係性は向上する→「絆」の再興
• OpenSNPは、発信・共鳴・伝達が創発的な
協働を誘発する可能性が高い
• 更に実験地域を拡大し、一般化と地域のエン
パワーメントの増強に資するモデル構築を推
進する。←「情報の地産地消」を実現
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地域SNS--ソーシャル・ネットワーキング・サー
ビス--最前線 Web2.0時代のまちおこし実践ガ
イド (単行本(ソフトカバー))
庄司 昌彦 (著), 三浦 伸也 (著), 須子 善彦 (著), 和崎 宏
(著)
単行本(ソフトカバー): 256ページ
出版社: アスキー (2007/3/19)
ISBN-10: 4756148735
ISBN-13: 978-4756148735
ご静聴ありがとうございました
地域をはぐくむネットワーク―歴史を活かす
“縁”・未来を創る“絆” (単行本)
岡田 真美子・和崎宏・他 (編著)
単行本: 224ページ
出版社: 昭和堂 (2006/11)
ISBN-10: 4812206464
ISBN-13: 978-4812206461
©2008 WASAKI Hiroshi
24
地域SNSによる効果と目標
• 信頼を育む可視化と連携
• 紐帯(関係性)のほどよい強化
• 持続可能な協働と創発
地域環境(元気・豊かさ・愛着)の向上
©2008 WASAKI Hiroshi
25
ネットワークブリッジの活性化が必要
調整役
(coordinator)
つなぎ役
外向的・友好的で、ソーシャルネットワークどうしのつながりを生み出すことに時間と
労力を費やす。
(connector)
達人
(maven)
伝道者
(evangelist)
橋渡し役
(boundaryspanner)
門番
(gatekeeper)
ソーシャルネットワークの任務や運営に関する特定の専門能力を磨き、他の者にも
そういう存在であると認められている。
ソーシャルネットワーク内の新たなアイデアや人材、プロセスに関する「よいニュー
ス」を宣伝し、他の者のあいだに情熱を呼び起こす。
性格的に誰が何を知っているのかという情報をソーシャルネット
ワーク外部のグループ(組織外のグループであることが多い)に広
める。
ソーシャルネットワークと外部の世界のあいだで、いわば半透膜
のような役割を果たし、ネットワークに出入りする情報の流れを制
御する。
出展:ドン・コーエン+ローレンス・プルサック『人と人のつながりに投資する企業』(2003)より、和崎が抜粋して作表
リアル社会のブリッジ役は、負担が大きいので短命!
26
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地域SNSの課題と展望
•
地域SNSの課題
– 急増する地域SNS間のリソース連携
– 踊り場現象からの脱却と社会的認知向上
– プラットホーム化への対応と現実社会との共鳴
•
今後の展望
– 地域のソーシャル・キャピタルとして役割
– 新たな地域メディアとしての可能性
– 地域の再ネットワーク化促進による活性化実現
©2008 WASAKI Hiroshi
27
今後の研究
•
地域SNSの考察と実践
– 定量的分析手法の研究と基盤整備
– リソース解析による拡大プロセスの調査
– 日本型地域ネットワークとICTツールの融合効果
調査
– 地域SNSによる効果と要因の考察とモデル化
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28
OpenSNP採用サイトの広がり
さよっち
(佐用)
335
たすく
(特別支援教育)
しそう
(宍粟市)
08.10
NPOlink
宮崎
つながり
まつえ
(松江)
461
e-とちぎ
(栃木)
325
ヒルサイド
(横浜開港)
かちねっと
(葛飾)
543
あつcom
(熊谷)
326
SNS桐生
(桐生)
08.08 ハマっち!
ほどよく閉じたネットワーク
(横浜)
1527
電子地域モール
地域通貨ポイント
わんだぁ
(南房総)
668
ひょこむ
地域SNS間連携
インターネットTV
3,995
元気村
(東峰村)
08.08
おのみち
(広島県)
08.10
モリオネット
(盛岡)
581
携帯・PC動画
おらほ
(上田)
565
宇部
(山口県)
08.12
生涯現役
(世田谷)
地デジTV・カーナビ連携
日本型地域ネットワーク
さんでい
(三田)
272
イーハトーブ
ミニマム
(岩手大学)
関学教師の会
(関西学院大)
いたまち
(伊丹)
881
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地域SNSのにぎわい度比較
一般的に
●活性化は会員数だけでは
計れない
●開設後半年間は活性す
るサイトが多い
●主体・運営には活性は依
存しない
●自由登録は活性が長持
ちしない傾向
●加入障壁が高いほど、活
性が持続する
●エンジンはSNPが有利
和崎が参与観察を行う全46サイトの中から、08年01月
以降のデータが確認できたものの上位30サイトを抽出。
30
©2008 WASAKI Hiroshi
地域SNSによる地域活性化の可能性
「地域でSNSを動かすと、自発した人がどんどんつながる」
情報システム技術の基盤に、社会学的知見や数学的理論を加え、更に地域現
場にあわせた日本型地域ネットワークを活かした設計・運用を行うことで、ネット
ワーク接続への自発を地域で生み出す
「地域は4人で繋がっていることを可視化できる」
住民のパーソナルネットワークを接続していくことによって、それぞれの認知
ネットワークが拡張・融合され地域のソーシャルキャピタルが構築される。
「地域SNSは地域力を覚醒させる」
住民間に「常時接続性」と「可視化されたパーソナルネットワーク」を実現する
コミュニケーションを提供し、相互の紐帯を強化し新たな連携の動機付けとなっ
たり、互いの活動の支援・協働意欲となって、ゆるやかに地域の活動を活性化
する原動力となる。
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リアル社会をつなぐバーチャルネットワーク
新たな連携
情報提供
協働作業
組織・団体としての活用
信頼と愛着
個人としての
交流・情報収集
個人アカウント
による認証
Open Socail Network Platform
(OpenSNP)
ひょこむ
LOGIN
さまざまな地域活動
をゲートウェイとした
LOGIN
自発した多様な
コミュニティ活動や
市民活動の創造
ログインモジュール
を提供し、擬似的に
SNS環境を利用。
地域SNS
のれん貸し
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32
地域SNS
のれん分けプロジェクト
地域SNSの適当な
サイズを考える
地域SNS間連携APIの活用
篠山
ひょこむをベースに
地域(市町)レベルでの
地域SNSが立ちあがる
連携
宍粟
連携
三田
都市との交流
佐用
連携
宝塚
都市との
交流
東播磨
相生・赤穂
・上郡
明石・加古川・高砂
・稲美・播磨
コミュニティの再生をめざして
人と人をつなぐ
コミュニケーションツール
地域SNS連携によって
都市との交流
伊丹
都市型
地域SNS
都市との
交流
連携
淡路
都市と農山村の交流の
きっかけづくりに使える!
地域と地域をつなぐ
コミュニケーションツール
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33
宍粟モデル【第2章】
マップ機能
ツーリズム情報
■道の駅
農産物・加工品
■宿泊施設・温泉
観光拠点
■しそう森林王国
しそう50名山
地域SNSのマップ
をカーナビにおくる
モール機能で
特産品販売
詳細情報
リアルタイム情報
くちコミ情報
画像情報
観光地に差し掛かったら
観光情報やその土地ならで
はの情報をカーナビに配信
雪の情報、河川の
情報などへの応用も
(国土交通省との協議)
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佐用モデル【第2章】
インターネットとテレビの融合
地域の情報
テレビでなんでもできる時代に
→ パソコンが使えないお年寄りでも情報をやりとりできる。
デジタルデバイド、地域情報化の解決策
→ 郵便番号登録を使って集落ごとに情報を仕分ける。
2011年7月
地上デジタル放送開始
地域SNS
まちづくり情報
くちコミ情報
コミュニケーション
行政と住民をつなぐ
インターネットテレビ
住民の視点で伝える
地域づくりのプロセス
現場のナマの声
テレビでパソコンができ
る
情報を入手できる
郵便番号ごとに情報を
かえることができる
まちづくりへの参加・協力
(ボランティア)
地域外の
SNSとの連携
農産物の売買
テレビで
都市とも
つながる
都市と農山村の交流
個別につながる
太くつながる
©2008 WASAKI Hiroshi
35
コミュニティの情報化
広域的な情報
コミュニティ情報化の全県的展開
スポーツクラブ21
佐用
伊丹
拠点づくり ・立ち上げ
住基カードを活用した
災害時要援護者
支援システム
県民交流広場
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伝統的日本型地域ネットワークとWeb2.0
結縁ネットワーク・講(結)
Web2.0・SNS
自発性
設立・運営・加入・脱退は個人の意志に任
される
自発的な参加が基本であり、サイト内のほとん
どの機能が誰にも公開されていて自由に利用
出来る
閉鎖性
年齢層・地縁・職縁・経済など多様なネット
ワーク形態を持ち、それぞれがほどよく閉
じた状態で運営される
公開制限によって、コンテンツは発信者の意
図により制御出来る
定日制
プロジェクトの節目や定期的に寄り合いを
開いて意志決定を行う。決められた日に寄
り合って宗教的行事を行い、飲食を共にす
る(共食)。
主催者による定期的な行事だけでなく、コミュ
ニティやブログから派生する突発的イベントで
の交流により、随時関係性が更新される
柔軟性
同じ形態のまま持続させることのみを追求
せず、結成したり解消したりを柔軟に繰り
返す。
多様なアプリレーションとの連携を行ったり、
オープンソース化の推奨により、多くの開発者
がマッシュアップを行うことを推奨する
越境性
空間的広がりを持つ中小の共同体メン
バーや同業者が自発的にユニットを形成
する。身分の越境もある(無礼講)
ブリッジ役を担う人材によって、ユーザーの意
志でサイト内外の空間を融合的交流の場とし
て活用できる
平等性
出資や寄与の多寡と関わりなく全員が平
等の権利を有する
性別・年齢・障害・病気などによる区別がなく、
ユニバーサルなコミュニケーション環境が作ら
れる
その他
ネスティング構造、プロジェクト指向、信頼性、集合知の利用、分散ネットワークなどにおいて、
両者は類似した性格を持っている
(関係性の
更新)
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地域SNS関係の政府プロジェクト
• 「地域の元気再生」事業 内閣府
伊丹・三田・宍粟・佐用の各地域SNSが連携して、宍
粟・佐用の生産地と伊丹・三田のリアルな商店街+SN
Sモールをつないで、高校生・大学生が持続可能な活
性化モデルを実証する。
• 「家庭教育支援調査研究」事業 文部科学省
全国18の地域SNSが、地域住民の絆の喪失によっ
て低下した地域の教育力の復興に係る効果を調査、
展開について研究する。
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地域SNSの成長モデル
黎明期
成長期
成熟期
衰退期
準備期間~
運用開始半年程度
運用開始半年~
2年間程度
運用2年~
(?)
コアメンバー及び
その
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