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一風呂浴びて
気分一新
タラソテラピー(海辺の自然浴)
安心して 健康回復
観光鹿児島
温泉社交館
自然浴
鹿児島大学 岡本嘉六
温泉療養
温泉医学
霧島屋久国立公園から
湧き出る鹿児島温泉郷
桜島を望む露天風呂
鹿児島県レジオネラ症
防止対策講習会
アロマテラピー(香り療法)
保養
転地効果
泉質
塩化物泉(低張性・弱アルカリ性・
高温泉)
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・
運動麻ひ・
一般的
関節のこわばり・うちみ・くじき・痔
適応症 疾 ・冷え性・病後回復・疲労回復・
健康増進
泉質別 きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚
適応症 弱児童・慢性婦人病
レジオネラによる死亡事例
2000年
3月 静岡県掛川市 2人死亡
★
6月 茨城県石岡市の総合福祉 3人死亡 ★
7月 名古屋市の大学附属病院 1人死亡
2002年
1月 東京都公衆浴場 1人死亡
★
7月 宮崎県日向市 7人死亡
8月 鹿児島県東郷町 1人死亡
★
★:新たにできた総合レジャーランド
汲み上げ許可水量 <ーー> 浴槽が多い
循環水の割合が高くなる <ーー> 汚れが激しい
浴場管理に不慣れな新規参入者 <ーー> 衛生よりもうけ
レジオネラ感染 拡大の様相 新たに11人
県が対策本部設置 日向市の三セク温泉
第三セクター・日向サンパーク温泉「お舟出の湯」は、同市が事業
費13億2000万円をかけて7月に開業したばかり。営業自粛した今
月24日までに延べ約19,400人が利用した。 (西日本新聞 7.28)
日向レジオネラ感染 女性が死亡 死者7人目
確定患者だった延岡市の60代女性が同日午前、入院先の
病院で死亡した。死因はレジオネラ肺炎。女性は7月6日に施
設を利用。13日に発熱などの症状が現れ、その後入院。人工
呼吸を続ける重症だった。
集団感染での死者は7人目。2000年6月に茨城県石岡市の
温泉施設で発生した集団感染事件の死者3人を上回り、過去
最悪となっている。 (西日本新聞 9.16)
宮崎県/日向市のレジオネラ菌集団感染
利用客 軒並み減少 県内外の温泉施設に“激震”
余波の終息見えず
■問い合わせ増え 「一万人以上、減りました…」
集団感染が発生した日向市に隣接する町営温泉の8月の入館者は14,000人。
昨年同月比で約11,000人の減少だ。1998年12月に福祉健康交流研修センターと
して開業、今月2日には入館100万人を達成したものの、集団感染の影響はどうし
ようもない。
■兼ね合いに悩み
三股町は来年度末までに温泉と福祉施設を複合させた「多世代交流センター」を
整備する。事業費は約20億円の予定。 湯量は毎分約120リットルしかなく、日向
市と同じ循環型にするしかない。当初、浴槽に温水を送る前に、地下の機械室で
殺菌とろ過をする計画だったが、さらに建物外部に設置する貯水タンクでも塩素殺
菌することにした。 (西日本新聞 9.16 )
日向市/レジオネラ菌感染で1205人と示談成立
日向市で発生したレジオネラ菌集団感染で、市は22日、補償対象者は15都府県
の1301人となり、うち1205人と示談が成立した、と発表した。 示談成立者の内訳
は、市内456人、市外722人、県外27人。死亡した7人の遺族とは示談は成立してい
ない。 (西日本新聞 10.23 )
東郷のレジオネラ菌 2人目の感染確認
川内の男性、通院中 入浴は1回
2002/09/04
東郷町の「東郷温泉ゆったり館」で基準を大幅に上回
るレジオネラ菌を検出した問題で、鹿児島県は3日、同
館で入浴した川内市の男性(62)がレジオネラ症を発
症したと発表した。同施設の入浴者でレジオネラ症と診
断されたのは、死亡した長崎県の男性(63)に次いで2
人目。
東郷レジオネラ問題 感染・受験者に保証金
レジオネラ問題の東郷温泉が「安全宣言」
2002/11/25
2002/10/05
補償額は4日までに作った補償基準に照らし、
治療費、入院費に慰謝料的な意味を込めた金
額を合わせて算出し、支払う計画という。ゆった
り館を利用し、レジオネラ菌感染の治療、または
感染確認のため検査を受けたすべての人が対
象で、200人以上になる見込み。
同町によると、ゆったり館を利用した客のうちレジオネラ菌への感染者は9人(長崎県の男性
1人が死亡)、251人が感染の疑いで医療機関を受診した。
レジオネラ問題の東郷温泉 3カ月ぶりに営業再開
「循環式」から「完全掛け流し式」に変更
2002/12/01
レジオネラ属菌等の検査結果 (鹿児島市)
【 検査施設数:62施設 】
平成14年8月8日~10月17日
項目
基準
基準を超えた施設
レジオネラ属菌
大腸菌群
過マンガン酸カリウム消費量
濁度
10個/100mL 未満
1個/mL 以下
25mg/L 以下
5度以下
24 施設
1 施設
0 施設
0 施設
※大腸菌群の基準を超えた施設はレジオネラ属菌の施設と同一施設
指導後の状況を確認するため、施設に対し、レジオネラ属
菌の自主検査の実施及び報告を求め、24施設すべてに
ついて報告を受け、基準以下となっていることを確認した。
レジオネラ症とは: 初発 1976年。フィラデルフィアのホテ
ルで開かれた在郷軍入会総会の参加者に肺炎が集団発生。
在郷軍人会のLegion(レジオン)をとって「レジオネラ症」とい
う病名がつけられた。
レジオネラ症はレジオネラ属菌が原因で起こる感染症で、
乳幼児や高齢者、病人など抵抗力の低下している人がかか
りやすい。
病型:
レジオネラ肺炎:高熱、悪寒、筋肉痛、吐き気、意識障害等
を主症状とする肺炎で、時として重症化。
アメり力のフィラデルフィアのホテルで221名が発症し、34
名が死亡した事例、イギリスのスタンフォ―ドの病院で158
名が発症し、36名が死亡した事例などが有名。
ポンティアック熱:インフルエンザに似た非肺炎型熱性疾患
で、悪寒、筋肉痛、発熱などが見られ、―般に軽症で数日で
軽快。
レジオネラ菌による過去の事故例
空調施設と関連する肺炎が各地で発生。それまで86名が
発症し26名が死亡。
1994年1月 厚生省が「ビル症候群」原因調査
1994年5月 ホテル等の給湯器から、レジオネラ菌検出
1996年6月 45病院の冷却塔を調べたら、71%からレジオ
ネラ菌が検出された
1999年施行の「感染症の予防及び感染症の患
者に対する医療に関する法律(感染症新法)」で、
レジオネラ症は四類感染症に指定され、感染源を
特定しそれを改善する為、レジオネラ症患者を診
断した医師は診断後7日以内に患者の情報を保
健所へ届け出る義務。
感染症新法(99年施行)
による届出制度により、
温泉での事故多発の実
体が判明してきた
平成12年3月:静岡県掛
川市の温泉利用の入浴
施設で、23人感染、2人
死亡。
平成12年4月:山形県大
江町の温泉利用の入浴
施設で、2人感染。
平成12年6月(H12.7.28
現在):茨城県石岡市の
総合福祉センター内の
入浴施設で、疑いのある
者を含め42人感染、3
人死亡。
温泉または公衆浴場に関連したレジオネラ肺炎症例
発病年月日 年齢
1986 .7 .3
1986.8.6
1991.3.11
1994.10.23
1996.3.12
59
37
60
71
57
性別
感染要因
転歸
有病日数
旅行先
男
男
男
女
男
不明
不明
浴槽内転倒誤嚥
浴槽内溺水
泥酔、溺水
死亡
軽快
軽快
軽快
死亡
30
13
60
40
23
片山津
伊豆下田
愛知県
香川県
東京都
●温泉浴槽内で溺水後に発症したレジオネラ肺炎感染事例
1994年10月にある温泉旅館の浴槽内で、溺れて意識不明となっている女性が発
見された。 女性は71歳、慢性すい炎にかかっており結核の既往がある。心肺蘇生後
に救急車で運ばれたが呼吸が不安定で意識レベルが低下していたため、ICU入室
となった。
入院後いったん症状が改善したが、その翌日に再び意識障害と低酸素血症が急
激に進行した。その症状と薬剤投与の経過などからレジオネラ肺炎の可能性が疑わ
れたため、それに適する治療を続けたところ、徐々に症状は改善され約1ヶ月で退院
となった。
その後患者が溺水した温泉の浴槽水を採取して検査を行なったところ、少数のレ
ジオネラ属菌が検出された。その菌数は通常問題とならない程度であったが、浴槽
水を直接吸引したことが感染を導いたと推定されている。そのため浴槽水中のレジ
オネラの防除に努めるとともに、浴槽内に手すりを設けるなどの設備の改善や、幼
児・高齢者・泥酔者の単独入浴を制限するなどの安全管理が必要とされている。
複合レジャー施設の循環濾過式浴槽水を感染源とするレジオネラ症
集団発生事例-静岡県
2月11日にオープンした
後、4月1日に営業を停
止するまでの約50日間
で約57,000人(1日平均
約1,000人)の利用客が
あった。ナトリウム- 塩
化物温泉を使用した27
種類の浴槽をもち、5基
の塩素殺菌機付きの循
環式砂濾過装置で浴槽
水を循環濾過し、換水
は1週間ごとに行ってい
た。後日、レジオネラ属
浴槽水等14カ所の検査で、同一循環濾過装置を使用して 菌の検出された浴槽系
いる浴槽水2カ所(露天ジャグジー:菌数 57,000/100ml、内 統の塩素殺菌装置が充
分機能していなかった
湯:菌数 88,000/100ml)から患者と同型の Legionella
pneumophila 血清群1が検出された。浴槽水と患者の分離 ことがわかり、これがレ
ジオネラ属菌の増殖を
株は、RAPD解析およびパルスフィールド・ゲル電気泳動
招いたと推察。
パターンで一致し、浴槽水を感染源と特定した。
つま恋レジオネラ菌感染症 総支配人ら7人、書類送検
掛川署・・初めて管理責任を問う 10月8日(日)
静岡県掛川市のリゾート施設「つま恋」の温泉施設で今年3月、循環式風呂を利
用した客24人がレジオネラ菌に感染し、うち2人が死亡した事故で、県警捜査1課と
掛川署は6日、安全管理義務を怠ったとして、施設を運営する「ヤマハリゾート」(本
社・浜松市)の執行役員つま恋総支配人(46)ら男性社員7人を、 業務上過失致
死傷の疑いで静岡地検浜松支部に書類送検した。
公衆浴場でのレジオネラ菌感染の過失責任を立件した初めてケースで、安全が求
められる施設で知識がないまま運営していた点を過失と認定した。調べでは、循環
式風呂は肺炎を引き起こす可能性があるレジオネラ菌などを増殖させないよう、殺
菌のための塩素の供給が不可欠。厚生省もレジオネラ菌感染を防ぐため、指針や通
達を出していた。
7人は塩素についての知識が不十分で監視を怠ったうえ、客からの
「カルキ臭い。温泉らしくない」などの苦情が出ると、安易に基準値を
下回る濃度に塩素を減らし、2人をレジオネラ肺炎で死亡させ、19人
を肺炎を患わせた疑い。レジオネラの型が一致しなかった3人については立件
しなかった。
また、施設では日常点検を行わず、塩素を注入するノズルを詰まらせ
たりしていた。
施設は、既に再発防止策を7月に発表し、営業を再開している
お客様に安心して
ご利用頂くための衛生管理
平成12年4月5日新聞発表の、掛川市 レジャー施設の日帰り温泉館に於けるレ
ジオネラ菌感染事故は全国の温泉愛好者に大変な不安を抱かせたと共に、温泉、
スーパー銭湯業界に与えた影響は多大なものでした。
全国初 安全衛生連絡会議組織
事故の前に !
静岡県中、西部地区の日帰り温泉、スーパー銭湯は早々全国初の「安全衛生連絡
会議」を組織し、安全衛生規約、安全衛生基準、管理点検基準を設け、各施設の衛
生管理の徹底を図ると共に、同規約等を保健所を通じ各施設署名、捺印のもと県本
課へ提出しました。
公的施設としての高い衛生基準
毎日有資格者による人的検査
各浴槽ごと単独にろ過装置と滅菌装置を設置
毎週火曜日休館日の必要性
毎日の清掃・殺菌消毒
安定した塩素滅菌
毎日新しい温泉水
なお、毎日各浴槽半分の
新しい温泉が投入され、ま
た週3回の逆流洗浄により
常に新しい温泉に入れ替わ
り、上記のとおり毎週火曜
日の休館日による清掃、殺
菌消毒による完全な温泉の
入れ替えと、現実毎日新し
い温泉でお客様にご利用頂
いております。
入浴施設を原因とした Legionella による集団発生事例-茨城県
循環濾過方式の入浴施設。患者数: 43名、うち3名が死亡。
同施設は2000年4月7日にオ-プンし、6月23日までに15,995人(一日平均250人)が
利用していた。発症日は6月8日~23日に集中し(潜伏期2~13日)、発熱(38℃~
40℃)、喀痰、呼吸困難、頭痛、倦怠感等の症状を呈した。有症者の内訳は男26名、女
17名で、平均年齢は62.4歳であった。
施設の屋内
風呂2カ所、ミ
ストサウナ、
露天風呂など
の浴槽水や
濾材、ふき取
り等からレジ
オネラ菌が検
出され、汚染
は入浴施設
全体に及んで 施設は屋内風呂2、サウナ2(1カ所はミスト)、寝湯、打たせ湯、露天
風呂2(うち1カ所はジャグジー)の8浴槽を有し、循環濾過装置4台、
いた。
自動塩素滅菌器4台が設置されていた。
確たる証拠
分離された患者由来の2株
L. pneumophila SG1と施設
からの環境由来株(SG1)に
ついて、国立感染症研究所
の検査法に準じ前処理した
後、制限酵素SfiIで切断し、
PFGEを行った。患者由来
株2株と環境由来株11
株のPFGEは同一の泳
動パターンを示し、同
一由来菌株であること
が示唆された。施設の
浴槽水循環系統の殺
菌効果が不十分で、濾
過器を中心とした循環
系でL. pneumophilaが
増殖し、浴槽水を汚染
させたと推察された。
石岡レジオネラ感染 県警、業過致死傷で館長ら3人を書類送検へ
茨城新聞 2001年11月11日付
石岡市の総合福祉センター「ふれあいの里石岡ひまわりの館」の入浴施設利用
者が昨年、レジオネラ菌に集団感染し、うち三人が死亡した事件で、石岡署と県警捜
査一課は、業務上過失致死傷の疑いで、当時の館長(61)と三十代の職員、福島県
いわき市内の施設管理業者の現場責任者の計三人を水戸地検に書類送検する。
調べでは、三人は昨年四月の開館から同六月二十三日ごろまでの間、浴槽の水
を入れ替えないなど施設の適切な管理を怠り、レジオネラ菌の集団感染を引き起こ
し、四十五人を発症させ、三人を死亡させた疑い。
同署などは、三人が水質管理に関する責任の所在をあいまいにし、施設の構造
やレジオネラ菌に関する知識を十分持っていなかったことが、それぞれの持ち場で
過失を引き起こし、過失の競合が集団感染につながったと判断した。
県などの調査では、浴槽の水やサウナ室などから国の指針を大幅に上回る菌を
検出。患者の菌と遺伝子パターンが一致し、感染源は施設だったことが確認された。
これまでの調べでは、浴槽の水は入れ替えなどのためあふれさせる必要がある
にもかかわらず、水位が低めに設定され、強制的に水をあふれさせる装置もスイッ
チが切られていた。県条例で義務づけられた毎日の入れ替えも、開館からの二カ月
半で一、二回だった。
浴槽の水を打たせ湯に使い、国の通達に反して打たせ湯に気泡を
発生させる装置を付けたため、利用者はしぶきで菌を吸いやすい状態
だった。
山形県で続発したレジオネラ肺炎
2000(平成12)年1月~8月にかけて山形県内内陸部で8件本症の届出があった。
レジオネラ症と診断された8人は全員男性で、年齢は40代2人、50代2人、60代4人。
いずれも難治性の肺炎で、39℃以上の高熱がみられたほか、神経症
状の認められた例(3人)もあった。分離菌は Legionella pneumophila 血清
群(SG)1であった。
6浴槽のうち1浴槽から L. pneumophila が検出され(100CFU/100ml以下)、血清
群はSG4であった。その後4月に届出のあった患者2人についても、推定される感
染原因としてX町の同一温泉施設であると届出があり、4月末保健所は再度立ち
入りを行った。12浴槽のレジオネラ菌の検査を行ったところ、浴槽により
L. pneumophila の多い浴槽(4浴槽:10,000~1,000CFU/100ml)と、
検出されない浴槽(8浴槽)が認められた。分離されたコロニーを数個拾い
血清にあたったところ、分離された L. pneumophila はSG4、5、6、UTであった。患者
から分離された菌がSG1であることから、SG1株の分離を再度試みたところ、約80コ
ロニーに1コロニー程度の割合でSG1が分離された。
その後、この温泉施設では一般的な衛生管理のほか、塩素消毒の使用、
打たせ湯、気泡湯を廃止するなどの改善を行っている。
宮
崎
静
岡
56例
465例
茨
城
154例
87例
鹿
児
島
168例
感染症法届け出義務のある4類感染症となった
感染症新法施行後の患者発生状況には、季節性がない。 従来、レジオネラ症は
冷房機の稼動に伴い8月に患者発生が増加するとみられていたが、それとは明らか
に異なった傾向であり、入浴施設での事故が目立っている。
特定の地域に集中する傾向はみられない。件数の多い都道府県には、
集団発生のあった都道府県が含まれている。
79例
386例
健康成人が発症することはまれで,高齢者,入院患者、
幼児等の免疫力が低下しているヒトが重症化しやすい。
成
人
で
飲は
酒 60
後代
のを
入ピ
浴ー
ク
に
入 45
浴~
時 80
の歳
血が
圧多
変い
動
男
性
患
者
が
全
体
の
83
%
を
占
め
る
東京都健康局地域保健部環境保健課
指針No31 浴室の安全と衛生
入浴中の急死は全国で年間約14,000人
現
在
増
加
中
高齢者の入浴事故はどうして起こるのか?
―特徴と対策―
1) 健康問題としての入浴事故
わが国の主要な死因は悪性腫瘍、心疾患、脳血管障害の
不慮の事故によ
3つである。高齢者では肺炎がこれに続き、不慮の事故によ
る死亡は第5位に位置する。不慮の事故というと交通事故な
どが多いように思われるが、実際にはその大半が交通事故
以外によるものであり、その中でも家庭内での溺水・溺死の
増加がめだっている。溺水・溺死は事故に分類されるが、入
浴中に起こった心・脳疾患の発作による死亡は病死とされ、
これらを含む入浴中の急死は相当数に上るであろうと指摘さ
れてきた。
れてきた。欧米各国と比べても、わが国における溺死は、海
での水難事故の多いギリシャについで第2位にあり、他の原
因による死亡が低率であるのとは対照的である。
東京都老人総合研究所
男性患者が全体の78%を占め
ており、レジオネラ肺炎は女性に
比して3倍程度男性に多い。
患者の症状は、発熱と呼吸器症
状が主であった。
起因菌の内訳
L . pneumophila:17症例
血清群1:7症例、
血清群6:3症例
L. micdadei:1症例
L. gormanii:1症例
血清抗体価の測定はL. pneumophila血
清群1に対してであり、また尿中抗原測
定キットもL. pneumophila血清群1以外
の検出感度が低い。したがって、
現在のところ報告症例の起因菌がL.
pneumophila血清群1に偏る傾向がある。
本年6月に発症した新生児レジ
オネラ肺炎の場合、生後8 日目に
死亡し、剖検時には肺に小豆状
の結節が多数みられた。胸部X
線所見では進行が速い肺胞性陰
影である。
肺切片の間接蛍光抗体法(結節
では、浸潤した白血球に多数の菌
が検出された。
肺切片のヒメネス染色像
(←の先に菌がみられる。)
レジオネラ属菌とは
レジオネラ属菌は土壌
や河川、湖沼など自然
界に広く生息しています。
菌の増殖に必要な温度
は25~43℃、特に成
長に適する湿度は35~
37℃です。菌の形態は
長さ2~20ミク口ン、幅
0.3~0.9ミクロン程
度の細長い菌です。
レジオネラ属菌は生
存・増殖するために、他
の細菌や藻類などから
必要な栄養分を吸収し
たり、アメーバなどの原
虫に寄生します。
アメーバー内の菌
電子顕微鏡写真
顕微鏡写真(×1000)
乾燥状態でも生存し、ホコ
リとして舞い上がり、隙間か
ら室内に侵入する。
まして、浴槽等に「ぬめり」がある状態は、「菌も
アメーバーも沢山いる」ことを知らせている。
菌もアメーバーも小さくて見えない → お湯が濁ってなくてもいる
冷却塔水からはL. pneumophila血清群1が優勢であるものの、温泉、循
環風呂などからは、1以外の血清群も多数検出されている。レジオネラ
属菌の培養が広く行われ、L. pneumophilaの他の血清群や本種以外の
レジオネラ属菌の検出が実用化されれば、他の起因菌による報告症例
も増加するものと考えられる。
(
入
浴
施
設
等
が
59
例
86
%
を
占
め
て
い
る
。
)
(財)全国生活衛
生営業指導セン
ター
平成9年度に東北か
ら九州までの、22旅
館の15源泉水と54
浴槽水を調査した。
この調査では減圧
吸引濾過後のメンブ
ランフィルターを
GVPC培地表面に
貼付・培養する方法
を使用した。泉質別
の旅館数は硫化水
素泉:5,塩化物泉:
4,食塩泉:3,炭酸
水素泉・重曹泉・石
膏泉:各2,含鉄泉・
硫酸塩泉・二酸化炭
素泉・鉱泉:各1で
あった。
浴
槽
数
温泉浴槽水レジオネラ属菌数分布
目標値
10CFU/100ml
未満
平成9年の調査では、以
前より改善されていたが、
102以上が18例あった。
目標値の
10倍以上
3分の1
不検出
浴
槽
数
温泉浴槽水の pH とレジオネラの有無
レジオネラ属菌は、
pH3.0以下の酸性
温泉、65℃以上の
高温の源泉には
生息しない。
レジオネラ
属菌は
酸性よりア
ルカリ性に
強い
Q レジオネラは水中で何日間くらい生きていますか?
A レジオネラは水中でかなり長期間生残することが知られている。
蒸留水中では139日間生残していたとの報告がある。
Q 塩素殺菌はレジオネラに有効ですか?
A レジオネラに対して塩素は有効であるが,大腸菌のように速効性はない。大腸
菌は0.1mg/Lの遊離残留塩素で1分以内に殺菌されるが,レジオネラは60分経過
後も完全には殺菌されないとの報告がある。
Q 熱に対してはどうですか?
A レジオネラは大腸菌と同じくグラム陰性菌であるので熱に弱い。70℃以上の高
温では1分以内に殺菌される。
Q 給湯水におけるレジオネラ汚染対策は?
A 循環式給湯設備を有する施設での経時的調査で,一旦給湯系に定着したレジ
オネラは長期間にわたり生残,増殖しており,100~1000個/Lの菌数で消長してい
ることが明らかになった。こうしたレジオネラを除去するために貯湯槽の清掃を行っ
たが,貯湯槽の清掃だけでは完全に除去することはできなかった。そこで,給湯
水を70℃で20時間循環させる加熱処理を併用したところ,レジオネ
ラに対して十分な殺菌効果が認められた。このことは,60℃以上の高温
であればレジオネラは数分間で殺菌されるという実験結果からも裏付けられた。
「新版レジオネラ症
表1 感染因子の点数 防止指針」(平成11
年11月発行、厚生
省監修)
人工環境水中のレジ
オネラ属菌の感染危
険度を、エアロゾル
化(空気中への飛
散)、周囲の環境や
設備の状況および建
物等の利用者の条
件に応じて点数化
(表1)し、点数を目
安とした管理方法
(水質検査回数、表
2)を示しています。
表3 感染危険因子の具体的な点数化の例
検査の結果レジオネラ属菌が検出された場合の対応
1) 人が直接吸引する可能性のない場合
102CFU/100ml(CFU:菌数)以上のレジオネラ属菌が検出
された場合、直ちに清掃・消毒等の対策を講じる。
また、対策実施後は検出菌数が検出限界(10CFU/100ml
未満)以下であることを確認する。
2) 浴槽水、シャワー水等を人が直接吸引するおそれがある
場合
レジオネラ属菌数の目標値を10CFU/100ml未満とし、レジ
オネラ属菌が検出された場合、直ちに清掃・消毒等の対策
を講じる。
また、対策実施後は検出菌数が検出限界以下であること
を確認する。
循環式浴槽の維持管理
防止策
具体例
使用目的の限定
・循環式浴槽水をシャワー、打たせ湯などに使用しない。
・気泡ジェット等のエアロゾルを発生させる器具を使用しない。
外傷への配慮
・大きな傷口のある者を、特別な防御処置を取ることなく、循環
式浴槽に入浴させない
殺菌・消毒
レジオネラ検査
・塩素剤の場合、1日2時間以上、遊離残留塩素濃度0.2~
0.4mg/Lを保つ。
・浴槽の換水は、衛生管理の水準を保つように定期的に行う。
・全換水を行うときは、塩素剤による洗浄・消毒を行った後に、
浴槽の清掃を実施する。ろ過器がある場合は、ろ過装置、配管
を含めた洗浄・消毒を行う。
・浴槽内部、ろ過器等の毛髪、垢および生物膜の有無を定期的
に点検し、これらを除去する。
・「感染因子の点数化」を参考に検査頻度を決め、レジオネラ属
菌検査を実施する。
エアロゾル(目に見えない細かい水滴)が、肺に達する
沈
着
率
粒径(ミクロン)
給湯器
適温の湯が供給される給湯器の配管や
蛇口の内側にレジオネラ属菌などが定
着・増殖していることがあり、細かい水
循環水をシャワー
に使うことは、絶対
にいけない=過失
滴(エアロゾル)となり飛散
眼に見えない
エアロゾル
対策
◎ シャワーヘッドは、定期的に70℃程
度に温度を上げ勢いよく流す
◎ シャワーヘッドは、細かい気泡(エア
ロゾル)の発生の少ないタイプに交換
◎ ワッシャなど天然ゴムの場合は、
クロロブレンゴムなどの材質に交換
しぶき
入浴施設におけるレジオネラ症防止対策の
実施状況の緊急一斉点検について
厚生労働省健康局生活衛生課長
平成14年9月20日
1 発生リスクの高い施設の緊急一斉点検の実施
(1)重点対象施設
以下に掲げる発生リスクが比較的高いと思われる設備を設置して
いる入浴施設について、重点的に一斉点検を行っていただきたい。
特にそれらの設備を併設している大型入浴施設については緊急に
実施し、これらの重点対象施設の点検が年内を目途に完了される
ようご配慮願いたい。
ア 大型入浴施設
イ 循環式ろ過装置を使用している施設
ウ 気泡発生装置、ジェット噴射装置、打たせ湯等
エアロゾルを発生させる設備
エ 薬湯を使用している施設又は露天風呂
(2) 点検のポイント
1. 浴槽水の換水・浴槽の清掃(原則毎日、連続使用型
循環浴槽は週1回以上)が適切に行われていること。
2. 循環ろ過装置等が週1回以上適切に洗浄・消毒され
ていること。
3. 気泡発生装置等エアロゾルを発生させる装置に連続
使用型循環式浴槽水が使用されていないこと。
4. 浴槽水の遊離残留塩素濃度の測定を行い塩素剤に
よる消毒が適切に行われていること。
5. アルカリ系温泉水の利用等塩素剤の消毒が効きにく
い泉質の場合、他の消毒方法の併用等により適切に消
毒が行われていること。
6. 露天風呂の湯が配管を通じて内湯と混ざる構造と
なっていないことや露天風呂が清潔に保たれていること。
入浴施設におけるレジオネラ症防止対策の調査結果
平成15年3月31日現在 厚生労働省健康局生活衛生課
施設数 割合%
1.緊急一斉点検を行った
2 .衛生管理が適切に行われている
3 .何らかの点で衛生管理等の指導を受けた
(内訳、 複数回答あり)
(1)浴槽水の換水及び清掃で指導を受けた
(2)循環ろ過装置等の洗浄・消毒で指導を受けた
(3)循環水を源とするエアロゾルを発生させる装置等
の管理や構造設備に関し指導を受けた
(4)浴槽水の消毒方法等で指導を受けた
(5)ろ過装置等の直前に塩素剤等を投入していない
循環式浴槽(いわゆる生物浄化方式)を設置
(6)その他衛生管理等で指導を受けた
31,826
14,100
17,726
100
44
56
5,831
8,079
18
25
4,602
6,544
14
21
2,889
6,803
9
21
4 .レジオネラ属菌の検査結果
施設数
総計
行政検査
実施数
レジオネラ属菌検出
検出割合(%)
自主検査
実施数
レジオネラ属検出
検出割合(%)
自主検査/行政検査
実施数
検出割合
公衆浴場
旅館
その他
5,945
1,576
26.5
4,409
1,024
23.2
1,051
461
43.9
485
91
18.8
11,669
1,370
11.7
6,745
677
10.0
3,964
611
15.4
960
82
8.5
2.0
0.4
1.5
0.4
3.8
0.4
2.0
0.5
公衆浴場における衛生等管理要領等の改正
平成15年2月14日
厚生労働省健康局長
公衆浴場及び旅館業におけるレジオネラ症発生防止対策につい
ては、「公衆浴場における衛生等管理要領等について」(平成12年
12月15日通知)に盛り込まれているところであるが、近年、公衆浴
場を発生源とするレジオネラ症の集団感染事例が度々起きており、
かつ、これら管理要領等の記載ぶりが分りにくいとの指摘もあるこ
とから、レジオネラ症発生防止対策の要点を追加するとともに、「公
衆浴場法並びに旅館業法に基づく条例等にレジオネラ症発生防止
対策を追加する際の指針について」(平成14年10月29日通知)と
の整合性を図りつつ、レジオネラ症発生防止対策について営業者
に対する指導の具体的内容を盛り込む等の改正を行ったので、衛
生管理の指導に当たっての指針として活用されたい。
公衆浴場における水質基準等に関する指針
別添1
第3 原湯、原水、上り用湯及び上り用水(洗い場及びシャワー )
の水質基準及びその検査法は、次の各号に規定するとおりとする。
ただし、温泉水又は井戸水を使用するものであるため、この基準
により難く、かつ、衛生上危害を生じるおそれがないとときは、1の
アないしエの基準の一部又は全部を適用しないことができる。
1. 水質基準
ア. 色度は、5度以下であること。
イ. 濁度は、2度以下であること。
ウ. 水素イオン濃度は、pH値5.8~8.6であること。
エ. 過マンガン酸カリウム消費量は、10mg/L以下であること。
オ. 大腸菌群(グラム陰性の無芽胞性の桿〈かん〉菌であって、
乳糖を分解して、酸とガスを形成するすべての好気性又は通性
嫌気性の菌をいう。)は50mL中に検出されないこと。
カ. レジオネラ属菌は、検出されないこと(10cfu/100mL未満)。
第4 浴槽水の水質基準及びその検査方法は次の各号に規
定するとおりとする。
ただし、温泉水又は井戸水を使用するものであるため、こ
の基準により難く、かつ、衛生上危害を生じるおそれがない
ときは、1のア及びイの基準のどちらか又は両方を適用しな
いことができる。
1 . 水質基準
ア. 濁度は、5度以下であること。
イ. 過マンガン酸カルウム消費量は、25mg/L以下で
あること。
ウ. 大腸菌群は、1個/mL以下であること。
エ. レジオネラ属菌は、検出されないこと(10cfu/100mL
未満)。
公衆浴場における水質基準(まとめ)
色度
原湯、原水、洗い場
及びシャワー
5度以下
浴槽水
ー
濁度
2度以下
5度以下
水素イオン濃度
pH 5.8~8.6
ー
過マンガン酸
カリウム消費量
10mg/L以下
25mg/L以下
大腸菌群
50mL中に不検出
1個/mL以下
レジオネラ属菌
10cfu/100mL未満
10cfu/100mL未満
公衆浴場における衛生等管理要領
別添2
平成15年2月14日改正
I 総則
特に留意すべき事項
近年の入浴施設では、湯水の節約を行うため、ろ過器を中心とす
る設備、湯水を再利用するため一時的に貯留する槽(タンク)
及びそれらの設備をつなぐ配管を伴い、複雑な循環系を構成する
ことが多くなっている。また、温泉水を利用する設備、湯を豊富にみ
せるための演出や露天風呂、ジャグジーや打たせ湯の設置など
様々な工夫により、入浴者を楽しませる設備が付帯されるようになっ
てきた。これまでのレジオネラ症の発生事例を踏まえると、これら設
備の衛生管理、構造設備上の措置を十分行う必要がある。
浴槽水を汚染する微生物は、入浴者の体表に付着したり、土ぼ
こり及び露天風呂等から侵入する。温泉水等を利用する施設で一
時的に湯を貯留する設備を設けると、それが微生物に汚染されやす
い。これらの設備は、土ぼこりが入りにくくし、清掃や消毒を十分行う
ことが必要である。
II 施設設備
4.浴室
(12) ろ過器を設置する場合にあっては、以下の構造設備上の措置
を講じること
1) ろ過器は、1時間当たり浴槽の容量以上のろ過能力を有し、か
つ、逆洗浄等の適切な方法でろ過器内のごみ、汚泥等を排出するこ
とができる構造であるとともに、ろ過器に毛髪等が混入しないようろ
過器の前に集毛器を設けること。
10
2) 浴槽における原水又は原湯の注入口は、湯水を浴槽とろ過器と
浴槽内面積=毎時最大浴場利用人員×ー×0.7m2×1.2
60
10
の間で循環させるための配管(以下「循環配管」という。)に接続せず、
ー : 浴槽使用時間( 10分)
60
浴槽水面上部から浴槽に落とし込む構造とすること。
0.7m2: 入浴者1人当たりの浴槽使用面積
3) 循環してろ過された湯水が浴槽の底部に近い部分から補給され
1.2: 浴槽内の踏段、注(湯水)口等に要する面積の係数
る構造とし、当該湯水の誤飲又はエアロゾルの発生を防止すること。
4) 浴槽水の消毒に用いる塩素系薬剤の注入又は投入口は、浴槽
水がろ過器内に入る直前に設置されていること。
(13) 打たせ湯及びシャワーは、循環している浴槽水を用い
てはならない。
(14) 浴槽に気泡発生装置、ジェット噴射装置等微小な水粒を発生さ
せる設備を設置する場合には、空気取入口から土ぼこりが入ら
ないような構造であること。
(15) 内湯と露天風呂の間は、配管等を通じて、露天風呂の湯が
内湯に混じることのない構造であること。
(16) オーバーフロー回収槽内の水を浴用に供する構造に
なっていないこと。ただし、これにより難い場合には、回収槽は、地
下埋設を避け、内部の清掃が容易に行える位置又は構造になってい
るとともに、レジオネラ属菌が繁殖しないように、回収槽内の水が消毒
できる設備が設けられていること。
(19)立位で使用するシャワー設備を設ける場合は、シャワー水
が浴槽及び入浴者にかからないよう、十分な距離を設け、又は カー
テン等を備えること。
6.給水、給湯設備
(2) 原湯を貯留する貯湯槽の温度を、通常の使用状態において、
湯の補給口、底部等に至るまで60℃以上に保ち、かつ、最大使用
時においても55℃以上に保つ能力を有する加温装置を設置すること。
それにより難い場合には、レジオネラ属菌が繁殖しないように 貯湯
槽水の消毒設備が備えられていること。
III 衛生管理
第1 一般公衆浴場
1. 施設全般の管理
(1) 施設整備は、次表により清掃及び消毒し、清潔で衛生的に
保つこと。なお、消毒には材質等に応じ、適切な消毒剤を用いること
とし、河川及び湖沼に排水する場合には、環境保全のため
の必要な処理を行うこと。
(床、壁、洗いおけ、
脱衣室内・浴室内の人 腰掛、シャワー用
が直接接触するところ カーテン等)
毎日清掃
1月に1回以上消毒
浴槽
毎日完全に換水して浴槽を清掃すること。これにより難い場
合にあっても、1週間に1回以上完全に換水して浴槽を清掃
ろ過器及び
循環配管
1週間に1回以上、ろ過器を十分に逆洗浄して汚れを排
出するとともに、ろ過器及び循環配管について、適切な
消毒方法で生物膜を除去
<註> 1. 消毒方法は、循環配管及び浴槽の材質、腐食状況、生
物膜の状況等を考慮して適切な方法を選択すること。消毒方法の留
意点は、「循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアル」等
を参考にすること。
2. 上記措置に加えて、年に1回程度は循環配管内の生物膜の状
況を点検し、生物膜がある場合には、その除去を行うことが望ましい。
集毛器
貯湯槽
毎日清掃
生物膜の状況を監視し、必要に応じて清掃及び消毒
<註> 作業従事者はエアロゾルを吸引しないようにマスク等を着用
すること。貯湯槽の底部は汚れが堆積しやすく低温になりやすいので、
定期的に貯湯槽の底部の滞留水を排水すること。
5. 浴室の管理
(4) 浴槽水は、常に満杯状態に保ち、かつ、十分にろ過した湯水又
は原湯を供給することにより溢水させ、清浄に保つこと。
(5) 浴槽水の消毒に当たっては、塩素系薬剤を使用し、浴槽水中
の遊離残留塩素濃度を頻繁に測定して、通常 0.2ないしは0.4mg/L
程度を保ち、かつ、遊離残留塩素濃度は最大1.0mg/Lを超えないよう
努めること。また、測定結果は検査の日から3年間保管すること。
ただし、原水若しくは原湯の性質その他の条件により塩素系薬剤
が使用できない場 合は、この限りではない。
塩素系薬剤が使用できない場合とは、
(A) 低pHの泉質のため有毒な塩素ガスを発生する場合、
(B) 有機質を多く含む泉質のため消毒剤の投入が困難な場合、
(C) 循環配管を使用しない浴槽で、浴槽の容量に比して原湯若しく
は原水の流量が多く遊離残留塩素の維持が困難な場合
などを指す。
この場合、浴槽水を毎日完全に換水し、浴槽、ろ過器及び循環配管
を十分清掃・消毒を行うこと等により、生物膜の生成を防止すること。
オゾン殺菌、紫外線殺菌、銀イオン殺菌、光触媒等を用いる場合に
は、レジオネラ属菌の検査を行い、あらかじめ検証しておくこと。
オゾン殺菌による場合は、高濃度のオゾンが人体に有害であるため、
活性炭などによる廃オゾンの処理を行い、浴槽水中にオゾンを含ん
だ気泡が存在しないようにすること。
紫外線殺菌による場合は、透過率、浴槽水の温度、照射比等を考慮
して、十分な照射量であること。紫外線はランプのガラス管が汚れる
と効力が落ちるため、常時ガラス面の清浄を保つよう管理すること。
(6) 循環式浴槽の浴槽水を塩素系薬剤によって消毒する場合は、
当該薬剤はろ過器の直前に投入すること。
(7) 消毒装置の維持管理を適切に行うこと。
薬液タンクの薬剤の量を確認し、補給を怠らないようにすること。 注
入弁のノズルが詰まっていたり、空気をかんだりして送液が停止して
いないか等、送液ポンプが正常に作動し薬液の注入が行われている
ことを毎日確認すること。 注入弁は定期的に清掃を行い、目詰まりを
起こさないようにすること。
(8) 回収槽の水を浴用に供しないこと。ただし、これにより難い場合
にあっては、回収槽の壁面の清掃及び消毒を頻繁に行うとともに、レ
ジオネラ属菌が繁殖しないように、別途、回収槽の水を塩素系薬剤等
で消毒すること。
(9) 浴槽に気泡発生装置等を設置している場合は、連日使用してい
る浴槽水を使用しないこと。
(10) 打たせ湯及びシャワーには、循環している浴槽水を使用しない
こと。
7. 給水、給湯設備の管理
(1) 貯湯槽の温度を、通常の使用状態において湯の補給口、底部
等に至るまで60℃以上に保ち、かつ、最大使用時においても55℃以
上に保つようにすること。ただし、これにより難い場合には、レジオネ
ラ属菌が繁殖しないように貯湯槽内の湯水の消毒を行うこと。
(2) 給水、給湯設備は、1年に1回以上保守点検し、必要に応じて
被覆その他の補修等を行うこと。
温泉の発見: 古代からの遺産
伝説上の人物
弘法大師
行基
役行者
慈覚大師
八幡太郎源義家
木曽義仲
坂上田村麻呂
小野小町
坂上田村麻呂
熱塩温泉(福島県)、法師温泉(群馬県)、湯村温泉(山梨県)、海の口
温泉(長野県)
東山温泉(福島県)、渋温泉(長野県)、山中温泉(石川県)
五色温泉(山形県)、温海温泉(山形県)
城崎温泉(兵庫県)
繋温泉(岩手県)、赤湯温泉(山形県)、母畑温泉(福島県)
大牧温泉(富山県)
昔の僧侶は、農村で農業や治水に指導的
四万温泉(群馬県)
な役割を果たし、また、医療に通じる人も多
小野川温泉(山形県)
く、それだけ影響力も大きかったのでしょう。
四万温泉(群馬県)
発見した動物
鶴
白鷺
白鹿、鹿
白猿、猿
熊
猪
鳩
猫
上山温泉(鶴脛温泉、山形県)、湯ノ鶴温泉(熊本県)
下呂温泉(鷺湯、岐阜県)、浜村温泉(鳥取県)、湯郷温泉(岡山県)、
道後温泉(愛媛県)、武雄温泉(佐賀県)、天草下田温泉(熊本県)
酸ケ湯温泉(青森県)、那須温泉(栃木県)、鹿教湯温泉(長野県)、
山鹿温泉(熊本県)
野生動物が入浴する温泉
平湯温泉(岐阜県)、俵山温泉(山口県)
も多く、それを見て発見さ
野沢温泉(長野県)
れたとも考えられますが、単なる動物の発見と
伊東温泉(静岡県)
鳩ケ湯温泉(福井県) いうより、温泉に対する不思議な力への畏敬の
念から神に関連づけたのではないでしょうか。
猫啼温泉(福島県)
かつては浅い
泉源から得て
いたのに、今
や枯渇し、
1000メートルも
掘削しないと
達しない。深く
掘ることは、技
術の発展では
なく、衰退であ
る。
水資源も有限であり、「自然に感謝し大切に使う」ことが全ての基本
レジオネラによる死亡事例
2000年
3月 静岡県掛川市 2人死亡
★
6月 茨城県石岡市の総合福祉 3人死亡 ★
7月 名古屋市の大学附属病院 1人死亡
2002年
1月 東京都公衆浴場 1人死亡
★
7月 宮崎県日向市 7人死亡
8月 鹿児島県東郷町 1人死亡
★
★:新たにできた総合レジャーランド
汲み上げ許可水量 <ーー> 浴槽が多い
循環水の割合が高くなる <ーー> 汚れが激しい
浴場管理に不慣れな新規参入者 <ーー> 衛生よりもうけ
食品の安全性と環境
鹿児島県技術士会
研修会 2002/12/14
21世紀の水問題
鹿児島大学 岡本嘉六
南日本新聞
2002/12/13
漁業者が山林保全に取り組んでいるように、
温泉業界も水源涵養の努力を!
山また山の小さな村に、ある日突然立てられた
一つの立て札から始まる物語
‘97年度「児童福祉文化賞」(厚生大臣賞)受賞
「草刈り十字軍」は、富山県大
山町で始まった運動で、これま
でに延べ25000人余にのぼる多
くの若者達が 参加してきました。
イギリス、アメリカ、フランス、中
国、韓国等々、外国からの参加
者もいます。
草刈り十字軍とは、造林地で
の農薬空中散布に反対し
て誕生した人力で草刈りを
行うボランティア運動であ
る。その運動の苦難を乗り越え、
発足するまでを描いた映画が
『草刈り十字軍』です。全国の若
者のばらばらな思いが重労働の
中で一つになっていくのを描い
た感動のドキュメンタリーです。
リンク
何かに反対するだけの運動は
原作: 足立原 貫・野口 伸
簡単であるが、対論を示して実
「山へ入って草を刈ろう」(朝日新聞社刊) 践することの難しさをこの映画は
監督、脚本: 吉田 一夫
示しています。
事故が起きてからの補償に比べれば、予防措置
の費用は微々たるもの。これを惜しんで、巨額の
補償金を払えず倒産するのは、利口でない。
接客のポイントは「まごころ」であり、入浴者を楽し
ませる設備を増やすことは二次的なことである。
毎日の清掃をしっかりすることで、安心して保養で
きることが、最も大切である。
地下水源は枯渇寸前であり、第三セクター等によ
る大型施設の建設よりも、既存の施設の連携によ
る地域の活性化を図ることが大切。
1ヶ所の大型施設よりも、何カ所も楽しめる旅行プ
ランを立案する方が自然派都会人に受ける。
一風呂浴びて 気分一新
観光鹿児島
安心して健康回復
保養
温泉療養
温泉医学
霧島屋久国立公園から
湧き出る鹿児島温泉郷
桜島を望む露天風呂
アロマテラピー(香り療法)
タラソテラピー(海辺の自然浴)
自然浴
温泉社交館
転地効果
鹿児島県レジオネラ症
防止対策講習会