女性の健康について何を知るべきか

～統計データ分析家の目から～ 2014 年 7 月 19 日（土） 日本ウーマンズヘルス学会学術集会 アルファ社会科学㈱主席研究員 本川 裕

社会実情データ図録

サイト： http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/

目次

１．思い込みからの解放 ２．ウーマンズヘルス関連の図録データ ３．男女のちがいや男女関係のデータ ４．学際研究と現場からの発想の重要性

１．思い込みからの解放

合計特殊出生率の推移

小学校教師の男女比 率国際比較

思い込みの理由と影響範囲 乗用車はどの国もほぼ同じなのに食べものや避妊法は国によっ て大きく異なる ～どうしてひとつの形に収斂しないか～

胸のふくらみやくちびるの厚さ

「唇は生殖器の、乳房は臀部の擬態」（溝口優司「アフ リカで誕生した人類が日本人になるまで」 2011 年） ・直立したことで四足動物の時には見えていた生殖器 が見えなくなったのをカバー （類例） ・ゲラダヒヒのメスの胸の襞の形

避妊や中絶に対する考え方の国際比較

２．ウーマンズヘルス関連 の図録データ

出生率：東高西低から西高東低へ

太る男、やせる女

目立つ日本女性のやせ

増える低出生体重児

＊資料名は次ページ

にもかかわらず低い乳児死亡率

３．男女のちがいや 男女関係のデータ

女性はライフサイクルの影響が大きい

所得水準と肥満度の関係（男女の違い）

女が幸せ、高齢者が幸せ

女性の幸福度超過世界一

女性の寿命の方が長いのは何故か

４．学際研究と現場からの 発想の重要性

夫婦の相互依存度世界一

夫婦の相互依存度が高い理由 「一般慣習・理念としては、日本の主婦は家長と対応した地位にあるというよりは、家 長をサポートする、という立場にたっています。（中略）農村などで「かあちゃんと相談 してからきめさせてくれ」などと、男の人がよくいっているのをききます。農村では主婦 が夫の仕事の協力者ですから、この傾向はよりつよくみられます。 大家族制では、家長のほかに多くの成人男子がいますから、家長は、ものごとを決 するときには彼らと相談できますが、日本の家族にとっては、つねに主婦が重要な相 談相手です。そのため、家長の主婦への依存度は、実際には相当大きいものといえ ましょう。そして、事実、日本の主婦は、家長の留守とか家長がなくなったようなばあい には、すぐ家長を代行するのをつねとしています。インドの主婦のように、家長とまっ たく別個の職務を担当していますと、家長にその権限を侵害されることもない代わりに、 家長の代行もできません。事実、息子がまだ小さいうちに未亡人になると、たいてい、 里（父あるいは兄の家）に帰るか、または、夫の兄弟に依存して生活するのがつねで す。これに対して日本では、女手一つで子どもを育て上げるというのがつねです。 これは、日本独特の「家」制度とも対応しています。すなわち、いったん設立された 「家」は、その存続を前提としていますから、絶対に守りぬかなければいけない、という 考え方が妻にもよく浸透しています。（中略）日本では、兄弟は未亡人となった姉妹を ひきとるとか、亡夫の兄弟が、その亡夫に代わって面倒をみるという習慣はありませ ん。よほど困ったり、特殊なばあいは助けることはあっても、日本的な考え方からする と、彼女らは、もうすでに＜他家＞の者であるということです。」（中根千枝「家族を中 心とした人間関係」講談社学術文庫、1977年）

伝統（未開）社会の男女分業

いろいろな研究

現場からの発想

有難うございました。

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