「歩行」における手引きと ガイド方
Download
Report
Transcript 「歩行」における手引きと ガイド方
専門研究
歩行の取り組み
全体教研 平成19年12月21日
横浜市立盲特別支援学校
歩行研究 岩屋 真澄
1
専門研究(歩行)
2007年度 年度計画
4月 テーマ、係り分担 年度計画の検討
5月 実技研修 校内移動(伝い歩き、防御)
6月 夏の研修計画(部内研修)
実技研修 校内移動(白杖による伝い歩き
防御、混雑地での白杖の使い方)
8月 夏の部内研修
9月 実技研修 階段昇降
10月 実技研修 校内で歩きにくい場所の歩き方
11月 実技研修 校内で歩きにくい場所の歩き方
12月 全体研修
1月 年度反省
2
5月 実技研修
校内移動(伝い歩き、防御)
伝い歩き
伝うことにより、色々な情
報が入る。
防御
防御姿勢を瞬間的に取る
ことにより、危険や怪我を避けることができる。
歩行の基礎的な技術として、また、常に使う
技術として身につけてもらいたい方法。
3
9月 実技研修 階段昇降
校内の移動は右側通行が原則
4
5
6
階段を下りる方法 3つ
安全な階段付近の歩行の方法
初級
中級
上級
三つの段階には、大きな差があり、次のス
テップに行くためにはより、細かい段階が必
要
7
初めの頃、慣れていない場所
8
少し慣れてきた頃、
廊下と階段の関係がよく分からない
9
大分状況が分かってきました。
10
場の状況がよく分かってきた頃
11
10月 実技研修 校内で歩きにくい場
所の歩き方(自立活動室から図書館)
12
あまり慣れていない段階
13
11月 実技研修 校内で歩きにくい場
所の歩き方(210からトイレ)
14
歩行経験の浅い段階
15
少し分かったかな??
16
少し理解してきました
17
もうばっちり
18
歩行ルート・空間理解を促すために
伝い歩きの徹底
直角での方向転換
一人で歩けないときは、体温が感じるほど側にいる
歩くのは、当事者(手引きはしてもいいけど、手引張
りはしてはいけない)
歩きやすいルートの選定
行きと帰りは違う道、両方やって初めて空間になる
(地図になる)
同じ校内でもスタートが違えば違う場所の認識
19
職員の感想から
今年は、実際にアイマスクをつけての体験プラス講師とし
ての研修を体験しました。歩くほうは、とにかく手と足の触
覚ばかりに頼り、耳にまで神経が回らず、「風を感じる」と
いうことがなかなかできませんでした。一番頼るのは、手
で触っての情報で、少しでも手からの情報がなくなると不
安になり、何でもいいから触って情報を!!と触れるもの
を探しました。環境に慣れることも大切だとは思いますが、
視覚以外の情報を活用できるように意識することも重要だ
なとつくづく思いました。とても難しいですが・・・
講師としての研修では、とにかく声かけを過剰にしすぎ
ないよう心がけました。見えないというだけでかなりの負担
がかかっているので、混乱をさせないよう適切な情報をと
20
気をつけました。が、これもとても難しかったです。
職員の感想から
歩行は、基本の指導方法はあるものの、それが個人の
持っている感覚特性や経験によって、ものすごく左右され
てしまうものなので、まず必要なのは、その人の使える力
を見出す力かなあと思った。もちろん、性格によってもアプ
ローチ法は変わるので、どう人間関係を築いていくかなど、
技術を教えるためにまず人対人の付き合いとかを大事に
しなければいけないなーとも思う。
例えば、私がアイマスクで歩こうとすると、どうしても手先
にばかり集中し、腰が引けてしまう。でも、全盲のお子さん
たちは、既に聴覚や触覚などを多角的に使う術を知ってい
る場合もある。そのようなベースの違いを意識して、指導
しないと遠回りしてしまうかもしれない。
21
職員の感想から
階段を下りるのは、とにかく怖い。怖さが先にたってしま
い冷静に情報を取ろうとする余裕がなくなってしまう。そ
んな時、手すりにつかまれることが何よりも(手引きの介
助よりもはるかに)安心できることだった。少し、安心でき
ると、手すりの角度が変わることが大きな情報となり、階
段の始まりと終わりが分かった。足からの情報(点字ブ
ロックなど)も活かせるようになり、より安心して下ること
ができるようになった。
担当の子と歩くとき、手をつないでいても、子どもは必
ず階段の手すりをつかみたがったり、階段以外でも壁を
触ろうとしたりする。その気持ちがよく分かった。まずは、
安心して歩くことが大切だと感じた。
22
職員の感想から
伝い歩きでは、手すりや壁、扉が心強く、廊
下で壁が急になくなり(流しの所など)、とても
心細い思いをした。
階段昇降では、降りるほうが、特に難しく、
大分大回りになってしまった。せめて中央線
の内側で回れるようになりたい。
23
職員の感想から
アイマスクをして伝い歩きをすると、手すりのと
んがっているところが怖い。
目印があると思ったら、他はわからなくなる。
ドキッとなると、方向がわからなくなる。
24
手引きとガイド方
蛇足
目的
視覚障害者
視覚障害者自身が手引き者の腕をもつという
能動的な行動を身につけさせる
左右どちらでも、同じように手引きが受けられ
るようになる。
自分のもっともやりやすい方法を取ることが
できる。
一般人(ガイドヘルパー)
視覚障害者を安全に誘導する方法を知る。
25
方法
視覚障害者
声かけと腕の動きから徐々に腕の動きだ
けで対応できるようにステップを少しずつ上げ
る。
一般人(ガイドヘルパー)
分かりやすい体・腕の動かし方と誘導の方
法の体験を多くする。声かけの必要な場所の
徹底を図る。
26
視覚障害者に求めるもの
手引き者が負担に感じない手引きの技術
身だしなみ
社会性
マナー
27
一般人(ガイドヘルパー)
に求めるもの
安全な誘導ができる技術
情報提供者となり得る話術
視覚障害の理解(声を出して返事して)
気軽に声かけできる気安さ
28
盲学校職員に求めるもの
誰に対する「手引き」技術の伝達・指導なの
か明確に区別すること
何を目的に手引きしているのか、目的意識を
持つ。
目的達成のためにどうすればよいのか、ケー
スにあった方法を検討する。
29
最後に
視覚障害教育は、音楽教育では
ない。
運動・体育に力点を置いた指導
を展開すべきである。
視覚障害教育は、運動である。
30