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ファイリング・システムで
オフィスワークを戦略化
~「見える化」と「共有化」を目指して~
教育支援センター教育支援課
●ファイリング・システムでオフィスワークを戦略化
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何故、戦略化を目指すのか?
■「見える化」と「共有化」で情報を有効に活用しよう。
・創造化 →新しいやり方・情報が仕事を活かす
*課員からの業務創造のための提言や発言の機会が増える。
・活性化 →文書を共有する
*担当者が休んでも対応可能となる。
・効率化 →ムダな文書がなくなる。
*時間節減(Time Saving)
*空間節減(Space Saving)
*経費節減(Money Saving)
■オフィスに不要なものは可能な限りなくそう。
・簡素化 →働きやすい、スッキリした、サッパリした職場環境を整える
*課員の創造性や活動意欲を損なう心理的な負荷が無くなる。
●改善前の問題点
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何故、紙の資料が増えてしまったのか?
→「文書保存規程」にもとづくなどの廃棄の手順が示され
ておらず、各自の判断のもとにほぼ全ての書類を保存し
ていた。
結果として・・・・・・
①保存スペースが無くなった。
②S:ドライブのフォルダが、増える傾向にあった。
③保存場所が分かりにくくなり、保存・取り出しに
無駄な時間がかかっていた。
●《ファイリング・システムの構築》
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どのように、ファイリング・システムを構築し、維持するか?
■部署(課)ごとのファイリング・システム構築から始める。(セクションファイリング)
・部署(課)の文書管理者であるファイルマネージャー(課長)、
文書管理総括責任者であるファイルクラーク(文書管理実務者)を決める。
■ファイリング・システムの構築と維持・継続は課員相互の共通理解で進める。
・ファイルマネージャー(課長)とファイルクラーク(文書管理実務者)、
直接の業務担当者との話し合いを通じた共通理解のもとに進める。
●《ファイリング・システムの原則》
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①いらない文書は捨てる【廃棄の原則】
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②文書を私物化しない【共有化の原則】
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③すぐに取り出せるようにする【検索容易性の原則】
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④廃棄するまでを流れで管理する【フロー管理の原則】
●改善の手順と方法
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①まずは全員で一気に・・・・・・・・・・・・ 【廃棄の原則】
■捨てる
・課員全員でいっしょに行なうので、その場で判断がつく。
・夏期休暇期間直前などの比較的余裕のある一日を選ぶ。
・オフィス内を全て一日で、7時間かけ一気に行ない、廃棄する。
今回実施の結果:約8割の文書の廃棄に成功。ファイルバインダー等の経費
削減につながり、棚にも空間がうまれた。
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②文書を私物化しない・・・・・・・・・・・ 【共有化の原則】
■分類する
・課員全員が、分類方法を共通に認識しなければ、自分で取り出せない。
●業務分類表『A~Z方式』-ファイリング分類-
業務をA~Zの範囲内で分類し、「活用ファイル」棚、 「保存書庫」棚、
「用品庫」棚の区画を決めて、保存場所を指定する。
→定置が決まる。
→A~Z項目の範囲内で、業務増減にも柔軟に対応し、変更が可能で
ある。
今回実施の結果:ファイリングの保存場所やフォルダ名に分類記号・番号(A00な
ど)を割当てることで保存場所が明確になったので、担当者以
外でも、簡単にファイルを取り出し、業務を把握し易くなった。
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③すぐ取り出せるようにする・・・・・【検索容易性の原則】
「紙文書のファイリング体系」と「デジタル文書のファイリング体系」の融合
■S:ドライブの電子ファイルの分類も「A~Z方式」にする。
今回実施の結果:ファイルを探す時間、労力が削減した。
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④廃棄するまでの流れで管理する・・ 【フロー管理の原則】
■「活用ファイル」棚、「用品庫」棚、「保存書庫」棚区画の定置を決める。
■システムについては、全員が「今日業務で使う分だけファイルを取り出し、
業務終了時には、必ず元の定置に戻す」という日常作業の流れのルール
を決め、習慣化する(クセをつける)。
■すぐ使うファイルは「活用ファイル」棚へ、前年度以前のものは「保存書庫」棚
に保存し、「文書保存規程」に基づき廃棄するという流れを決める。
今回実施の結果:課内はより整理・整頓され、気持ちよく仕事ができるようになった。
●改善の効果
・「紙文書のファイリング体系」(「A~Z方式」)と「デジタル文書の
ファイリング体系」(S:ドライブ)の融合により、検索性が向上。
紙文書とデジタル文書が対応することで、データをいつでもだれでも、
「見える」「共有する」 ことができ、業務の効率化、省力化につながった。
・課員からの業務遂行への提案や改善発案も、さらにし易く活発に。
担当者のみが把握しがちな業務遂行の状況も、検索性の向上によって
課員相互に把握が容易となり、 新しい改善提案についても発案し易く
なり、課員の意識改革が進んだ。
この改善は、大学のどの職場でも実行可能であり、ムダな時間や労力を削減し、
新たな業務を創造することもできる。
そのことが、さらなる学園全体の発展につながると考える。
●改善後の教育支援課オフィス
●参考図書
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『シングルファイリングのすすめ』
福山穣、梶山達也、永田光広 共著
(実務教育出版)
*ファイリング:システムの基本的考え方が詳しく解説されている。
一斉廃棄に至った今回の改善のきっかけになった本。
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『ファイリングの基本が面白いほど身につく本』
吉原靖彦 著
(中経出版)
*これからのオフィスワークは、「紙文書のファイリング体系」と、「デ
ジタル文書のファイリング体系」の融合が必要になってくることを、
豊富な図で分かり易く述べている。