各層のあるPWOのエネルギー損失

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Transcript 各層のあるPWOのエネルギー損失

ISS軌道上におけるCALET
装置較正方法の検討
早大理工研、神奈川大工A、横国大工B、JAXA/SEUCC、東大宇宙線研D
九反万理恵、鳥居祥二、笠原克昌、小澤俊介、小谷太郎、中川友進、植山良貴、
仁井田多絵、田村忠久A 、片寄佑作B 、清水雄輝C、赤池陽水D、他CALETチーム
研究目的
CALETはISS軌道上で最長5年の長期観測を行うため、環境変化や経
年によって各装置の出力値が変化
装置の観測性能向上のため、ISS軌道上での装置較正が必要
地上ではミューオンを用いて行うが、ISS軌道上では存在しない
① 宇宙空間で最も数が多い陽子
→装置較正時間の短縮
② 陽子の約4倍の出力値が見込まれるHe
→陽子による装置較正の確認
陽子、Heを利用した装置較正方法の確立を目指す
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CALET装置構成
 CHD : Charge Detector
電荷測定
- プラスチックシンチレータ
(32mm×10mm×448mm) 14本 × 2層 (X,Y)
448mm
CHD1
CHD2
IMC1+2
IMC3+4
IMC5+6
IMC7+8
TASC1
 IMC : Imaging Calorimeter
240mm
粒子の飛跡検出、エネルギー測定
- シンチレーティングファイバー
(1mm×1mm×448mm) 448本 × (X,Y) × 8層
- タングステン板
0.2X0 × 5枚 + 1X0 × 2枚 (計3X0)
 TASC : Total Absorption Calorimeter
粒子識別、エネルギー測定
- PWO (20mm×19mm×326mm)
16本 ×12層 (計27X0)
320mm
CALET装置構成
Single Trigger:装置較正に用いるトリガーモード
・CHD各層の出力の和(2ch) > 0.7MIP
・IMC各層の出力の和 (8ch) > 0.7MIP
・TASC1層目の出力の和(1ch) > 0.7MIP
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シミュレーションデータ
入射粒子: AMS-01の各地磁気緯度における陽子のエネルギースペクトル
 入射方向: CALET上部に十分大きい平面を想定し、平面から等方的に入射

※ θM :地磁気緯度(deg.)
AMS-01の各地磁気緯度における陽子のエネルギースペクトル(高度320㎞-390㎞)
(M.Auilar, et al. Physics Reports 366(2002) 331-405)
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陽子のエネルギースペクトル(シングルトリガー)
 各地磁気緯度においてシングルトリガーで取得される陽子のエネルギー
スペクトルを導出
AMS-01の観測結果
IMC内でエネルギー損失し
きるイベントがあるため減少
幾何条件を満たさないイベントが
あるため減少
シングルトリガー(CALET)で取得
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装置較正に利用するイベントの選出
 あるPWOの装置較正に利用できるイベントの条件
① 衝突しない
② 幾何条件を満たす(シャワー軸がPWOを通過)
シングルトリガー(各ch > 0.7MIP)
CHD
シャワー軸再構成し、各層で
シャワー軸が通過したPWOを決定
(シャワー軸から±1㎝以内にあるPWO)
IMC
選んだPWOが各層で最も大きい
エネルギー損失?
NO
TASC
YES
選んだPWOの下3本の
PWOのdE > 0.5MIP
利用しない
NO
YES
各PWOのエネルギー損失のヒストグラ
ムを作成し、1MIPを決定
CALET装置構成
TASC各層の粒子数分布
 各層のある1本のPWOの出力ADC値を粒子数に換算
・ 1層目:PMT(S/N=31)
・ 2層目以降:APD(S/N=3.3)
 シャワー軸再構成で得られた入射角により、角度補正
イベント選別
上記(黒)のうち、衝突しないもの
上記(黒)のうち、 衝突するもの
1層目
2層目
3層目
4層目
5層目
6層目
7層目
8層目
9層目
10層目
11層目
12層目
※陽子(17.2~22.9deg.)
7
地磁気緯度による陽子1MIPピークの比較

各層の1MIPピークを比較
(縦軸:1MIPピーク値、横軸:TASC1層目~12層目)
0~12 deg.
12~17 deg.
23~29 deg.
29~34 deg.
34~40 deg.
40~46 deg.
46~52 deg.
各地磁気緯度、各層の1MIPピーク値
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トリガーレートの導出
 各地磁気緯度においてシングルトリガーの取得レートを導出
地磁気緯度
(degree)
トリガーレート
[Hz]
0~12
23
12~17
20
17~23
22
23~29
29
29~34
39
34~40
63
40~46
96
46~52
170
52~57
300
・ flux [ sec-1 m-2 sr-1 MeV-1 ] :
入射フラックス(AMS01の観測結果)
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・ S0 [ m ] :
CALET上部の陽子を降らせた平面の面積
・ Ω0 [ sr ] :立体角
・ N :シングルトリガー取得イベント数
・ N0 :入射したイベント数
・ k [ MeV ] :エネルギー幅
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装置較正に要する観測時間の見積もり
 最下層のある1本のPWOで装置較正に使えるイベントの取得レート r [Hz]
(=トリガーレート×装置較正に利用できる数/シングルトリガー取得数)
 各緯度の滞在時間 tθM[min]は
から導出
 取得レートが高い35deg以上を用いると、
平均取得レートは
地磁気緯
度θM
(deg.)
装置較正に
利用できる
イベントの取
得レート r
(Hz)
0~12
0.053
0.048
0.053
0.078
0.13
0.19
0.25
0.43
(0.19×9.23+0.25×11.7+0.43×27.3)/48.23
≒0.34[Hz]
0.34×48×60 ≒ 1000 events
ISS軌道1周期で最下層のあるPWOの
装置較正に利用できるイベントは
約1000events取得可能
12~17
17~23
23~29
29~34
34~40
40~46
46^51.6
滞在時間
(1周期)
tθM (min)
12.8
6.63
6.91
7.35
8.05
9.23
11.7
27.3
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まとめと今後の課題
まとめ

シングルトリガー取得される陽子イベントで1MIPピークが検出でき
るイベント選別方法を確立

TASC最下層のある1本のPWOの装置較正に利用できるイベント数
はISS軌道1周期で約1000イベント
今後の課題

Heを用いた装置較正方法の検討
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BACKUP
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TASC各層の粒子数分布(PWO1本)
 シングルトリガーで取得された各層のある1本のPWOの出力ADC値を粒子数に換算
・ 1層目:PMT(Gain=3.0×104、S/N=31)
※陽子(17.2~22.9deg.)
・ 2層目以降:APD(Gain=50、S/N=3.3)
1層目
2層目
3層目
4層目
5層目
6層目
7層目
8層目
9層目
10層目
11層目
12層目
PWOを粒子が通過しないイベントが多いため、1MIPが見えない
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シングルイベント選別
① 各層で最も大きいエネルギー損失をしたPWO
→ペデスタルイベント除去
② 各層でシャワー軸が通過したPWO
(PWOの真ん中の座標から±1㎝以内にシャワー軸が含まれる)
→幾何条件を満たすイベントを選別、シャワーイベント除去
①、②の両方を満たすPWOにのみ、各イベントでdEをFillする
IMC
←○のPWOがその層で最も大きい
エネルギー損失をした場合、ヒスト
グラムにFill
TASC
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地磁気緯度による1MIPピークの比較
 陽子(17.2~22.9deg.)
 各層のあるPWOのエネルギー損失をlangaufunkでFit
15
TASC各層のエネルギー損失(1本)
 陽子(11.5~17.2deg.)
 各層のあるPWOのエネルギー損失
選別したイベント
シングルイベント
シャワーイベント
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TASC各層のエネルギー損失(1本)
 陽子(17.2~22.9deg.)
 各層のあるPWOのエネルギー損失
選別したイベント
シングルイベント
シャワーイベント
17
TASC各層のエネルギー損失(1本)
 陽子(22.9~28.7deg.)
 各層のあるPWOのエネルギー損失
選別したイベント
シングルイベント
シャワーイベント
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TASC各層のエネルギー損失(1本)
 陽子(28.7~34.4deg.)
 各層のあるPWOのエネルギー損失
選別したイベント
シングルイベント
シャワーイベント
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TASC各層のエネルギー損失(1本)
 陽子(34.4~40.1deg.)
 各層のあるPWOのエネルギー損失
選別したイベント
シングルイベント
シャワーイベント
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TASC各層のエネルギー損失(1本)
 陽子(40.1~45.9deg.)
 各層のあるPWOのエネルギー損失
選別したイベント
シングルイベント
シャワーイベント
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TASC各層のエネルギー損失(1本)
 陽子(45.9deg.)
 各層のあるPWOのエネルギー損失
選別したイベント
シングルイベント
シャワーイベント
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シングルトリガーのエネルギースペクトル①
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シングルトリガーのエネルギースペクトル②
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装置較正に使えるイベント数の見積もり
最下層のPWOまで装置較正できる条件は?
① 衝突点なし
② 最下層で合計0.3MIP以上
(ペデスタルによるゆらぎなしの真のエネルギー損失)
→TASC最下層まで相互作用せずに貫いたイベント
地磁気緯
度
(degree)
シングルトリ 最下層で装置 最下層で装置
ガーにかか 較正に使える 較正に使える
るイベント数 イベント数 A
イベント数の
N
割合(%) A/N
最下層のあるPWO
で装置較正に使え
るイベント数の割
合(%) A/16N
0~11.5
537437
26290
4.89
0.308
11.5~17.2
572213
31666
5.53
0.346
17.2~22.9
587619
33305
5.67
0.354
22.9~28.7
593509
34685
5.84
0.365
1/16倍:TASC1層16本
25
ISS軌道
26
END
27