労働契約法(新法)の概要

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労働契約法(新法)の概要
平成19年11月28日 参議院で成立
平成19年12月 5日 公布
平成20年 3月 1日 施行 法律第128号
藤田 茂
1
目 次
□労働契約法の位置づけ
1.他の法律との関係
2.近代法の体系と労働法の位置
3.労働法に関する主要な法律
労働条件の基準、雇用の確保・安定、労働条件・
社会保険、労働者福祉の増進、労働組合
4.労働契約法誕生の背景
5.労使の実質的対等
6.新法がもたらす影響
7.その他の労働関係法との関係
2
条
文
1.目的(1条)
2.定義(2条) 労働契約法の対象となる労働者
3.労働契約の原則(3条)
1項 労使対等の立場
2項 均衡を考慮 (非正規社員への配慮)
3項 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)
4.労働契約の内容の理解の促進(4条)
5.労働者の安全への配慮(5条)
「安全配慮義務」
6.労働契約の成立(第6条)
3
7.労働契約の内容と就業規則との関係(第7条)
・合理的、周知
8.労働契約の内容の変更(第8条)
9.就業規則による労働契約の内容の変更(第9条)
・就業規則の不利益変更は原則不可。ただし、次条
の場合はこの限りでない。
10.合理的なもので、かつ、変更後の就業規則を周知
させたとき、同意を得ずとも不利益変更できる。
(第10条)
11.就業規則の変更に係る手続(第11条)
・就業規則効力3条件
12.就業規則違反の労働契約(第12条)
4
13.法令及び労働協約と就業規則との関係(第13条)
14.出向(第14条)
・権利の濫用に当たる場合は無効
15.懲戒(第15条)
16.解雇(第16条)
・労働基準法第18条の2を削除し移す。
17.期間の定めのある労働契約(第17条)
・有期労働契約
雑則
18.船員に関する特例(第18条)
19.適用除外(第19条)
附則
1.施行期日(第1条) 公布の日(12月5日)から
3か月以内(第1条)
2.公益通報者保護法の一部改正(第5条)
5
憲法・民法・労働法との関係
日本国憲法
基本的人権の保証(国民主権、平和主義と並び
三大原則)
(11条.12条.13条.24条)
民
法
労 働 法
雇用契約に関する定め
(623条~630条)
多くの労働関係法令の総称
雇われている人の為の権利保護の為の法
使用者もうまくその法令を使うことで、「健全な職場」を作ることができる
結果的に利益を生む
6
近代法の体系と労働法の位置
公法
憲法、刑法、行政法
訴訟法、国際法など
市民法
近代法
私法
社会法
民法、商法、会社法など
労働法、社会保障法、環境法など
目的の違い:
市民法・・・「個人の自由」の実現
社会法・・・「生存権」の保証
7
労働法に関する主要な法律
1 労働条件の基準に関する法律
労 働 基 準 法
労働条件の最低基準を定め労働条件
の向上を図ることを目的とする法律
最 低 賃 金 法
賃金の最低額を保障することにより労働者の
生活の安定を目的とする法律
労働安全衛生法
職場における労働者の安全と健康を確保し、
快適な作業環境を作っていくことを促進する
ことを目的とする法律
賃金の支払いの確保等 企業経営の悪化等により、労働者に賃金が
支払われない場合、賃金の支払等の適正化
に 関 す る 法 律 を目的とする法律
パートタイム労働法
雇用多様化時代に備える法律
(
略
称
)
8
2 雇用の確保・安定のための法律
雇 用 対 策 法
労働力の需要・供給の均衡を促し、労働者の
職業の安定と経済的社会的地位の向上等を
目的とする法律
職 業 安 定 法
労働者が雇用先を求めて就職するに際して、
職業安定機関が提供するサービスに関する
法律
障害者雇用促進法
(
略
称
)
身体障害者又は知的障害者の雇用を促進
し職業の安定を図るための法律
労働者に対する職業訓練及び職業能力検定
職 業 能 力 開 発 促 進 法 に関する法律
労 働 者 派 遣 法 労働者派遣事業の適正な運営確保と派遣労
働者の就業に関する条件の整備等を目的と
9
(
略
称
) する法律
3 労働保険・社会保険に関する法律
労働者災害補償
保
険
法
業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、
死亡などに対し、保険給付等の保護をするた
めの法律
雇 用 保 険 法
労働者が失業した場合などに必要な給付を
行い、生活の安定と就職の促進を図ることを
目的とする法律
健 康 保 険 法
被保険者、被扶養者の業務外の疾病、負傷、
死亡及び分娩について保険給付を目的とす
る法律
労働者の老齢、障害、又は死亡した際の保
厚 生 年 金 保 険 法 険給付及び厚生年金基金の給付に関する法
律
10
4 労働者福祉の増進に関する法律
独自に退職金制度を導入できない企業のた
中小企業退職金共済法 めの中小企業退職金共済制度の確保を目的
とする法律
勤労者の計画的な財産形成を促進し、勤労
勤労者財産形成促進法 者の生活の安定を図るための法律
勤労青少年福祉法
働く若者に対する職業指導、職業訓練、福祉
施設の設置を促進するための法律
男 女 雇 用 機 会 均 等 法 雇用の分野における男女の均等な機会及び
(
略
称
) 待遇確保を目的とする法律
育児・介護休業法
育児休業と介護休業についての法律
(
略
称
)
11
5 労働組合に関する法律
労 働 組 合 法
労働組合を組織することなどを通じ、労働者
が使用者との交渉において対等な立場に立
つことを促進し、労働者の地位向上を目的と
する法律
労働関係調整法
労使関係の公正な調整を図り、労働争議を
予防・解決することなどを目的とする法律
労働3法=労働基準法
労働組合法
労働関係調整法
12
労働契約法は会社と従業員の取り決め
(例・項目) 取り決め→合理的な内容であれば有効
有
給 申請→守らなかったら
人
配置換え、出向、休職、解雇ルール、
事
人事評価
服 務 規 律 従業員として守るべきルール、懲戒
賃
金 人事のルール
安 全 配 慮 時間外労働・健康面での配慮
13
労働契約法誕生の背景
これまで
これから
労働契約をめぐる紛争
では判例がつくってきた
ルール(判例法理)が
大きな役割を果たして
きた
労働契約法の中で
主要な判例法理を
法文化した
「労働契約元年」
判例法理だけでは迷う
場面もあった
14
労使自治と労使の実質的対等
労使自治
労働契約の内容は労働者と
使用者が自主的に決定・変
更する
使用者
労働者
労働契約のすべてを労使の自由な交渉に委ねてい
ては、労働者が不利
契約に関する情報の格差
労働契約法には、使用者と労働者との格差を是正し、両者の
実質的な対等を確保することを目的とした規定が置かれている
15
労働契約法が企業や労働者にもたらす影響
これまで
労働基準法が、労働条件の
設定の際に重要な位置を
占めてきた
これから
労働契約法が労働
契約の中心となるが、
労働基準法の重要性は
変わらない。
民法の特別法という位置づけ
労働契約法が民法よりも優先的に適用される
16
労働契約法とその他の労働関係法の関係
労働契約法
労働契約の民事的効力について
定めている
労使間の紛争を防止
役割、「目的」が異なる
1条
労働基準法
労働安全衛生法
最低賃金法
罰則と労働基準監督署の
監督・指導により労働条件
の最低基準を守らせること
を目的としている
17
1.新法でこうなる! 会社の義務と労働者の権利義務
1.使用者と労働者の対等
判例・現行法
・労働契約全般について
使用者と労働者の対等
を求めた法はなかった
・労働条件については、使
用者と労働者が、対等の
立場で決定すべきと定め
られている
(2条)
新
法
・使用者と労働者が労働
契約において対等であ
ることが法文化された
(3条)
合意→締結、変更(3条1項)
18
労働契約法の対象となる労働者
労働契約法上の
「労働者」 2条1項
労働基準法上の
「労働者」
労働契約法:使用者に使用されて賃金
を支払われる者
(2条1項)
対象外
・SOHOや在宅就業
・テレワーク
・インディペンデント・
コントラクターなど
雇用と自営の中間的な働き方
をしている者は含まれない
家事使用人:賃金の受け渡しがある関係→労働契約法が適用
(但し、同居の親族は除く)
19
「今後の労働契約法制のあり方に関する研究会報告書」
次の必要な条件を満たした場合に、「労働者」とみなすことが提言される
①個人であること
②請負契約、委任契約その他これらに類する契約に
基づき役務を提供すること
③当該役務の提供を、本人以外の者が行うことを
予定しないこと
④その代償として金銭上の利益を受けること
⑤収入の大部分を特定の者との継続的な契約から
得ており、それにより生活する者であること
労働者の範囲が今後、拡大・適用される可能性
大
20
課題
ワーク・ライフ・バランス
使用者は、労働者の「仕事と生活のバランス」に配慮することが求められる
判例・現行法
新
・個別の事項で両立支援の
法制が整備されてきた
法
・労働契約全体について
ワーク・ライフ・バランス
に配慮すべきことが定
められた
(3条3項)
仕事と生活の調和
21
ワーク・ライフ・バランス Ⅱ.
与野党の修正協議の中で追加
会社の対応:ポイントは人事マネジメント
・業務配分、配置・人事異動、転勤、出向
・・・具体的人事や業務配分を行うとき
ワークライフバランスへの配慮が求められる
(念頭に)
1)本人の生活に重大な影響を与えるか
2)私生活の影響と、会社の業務上の必要性を比較
3)本人への十分な説明と代償措置
課題
長時間労働→生活の調和に配慮が求められる
22
権利濫用の禁止
使用者、労働者ともに、労働契約上で生じる権利の濫用は禁じられている
判例・現行法
新
法
・労働契約により生じる
・民法では権利一般の
濫用を禁止する規程
が定められている
(民法1条3項)
権利の濫用を禁止す
る規定が設けられた
(3条5項)
23
信義誠実の原則と権利濫用の禁止
信義誠実の原則
民法1条2項
権利の行使及び義務の履行は
信義に従い誠実に行わなけれ
ばならない
労働契約法3条4項
権利濫用の禁止
民法1条3項
権利の濫用は、これを許さない
労働契約法3条5項
24
安全配慮義務
使用者は、労働者が安全に働ける職場をつくらなければならない
判例・現行法
・判例により、使用者は
安全配慮義務を負うと
された
(電通事件等)
・信義則上の義務(債務)
法律上の裏付けが無かった
労働安全衛生法:対象→職場環境
新
法
・安全配慮義務が
法文化された
(5条)
対象→「生命・身体等」
健康管理・精神面も含まれる
過労による労災事故対策を
過重労働等、に対する安全配慮義務が一層
必要となる
課題
25
2.新法でこうなる! 労働契約の締結
1.契約内容の理解
判例・現行法
・労働基準法では労働者
に対する労働条件の
明示が求められていた
(15条)
課題
新
法
・労働契約結ぶ際に
労働者の契約内容
に対する理解を深め
るようにする
(4条1項)
(例)労働条件通知書・就業規則+ポイント、わかりにくいところ
説明、内容理解を確認
26
労働契約の内容:理解の促進Ⅱ.(4条)
判例・現行法
新 法
明示のみ
単に明示だけでは不十分
労働条件
書面を作成
手渡し
通知
「見ていないあなたが悪い」
禁止
事が足りる認識は、危機を招く
採用・労働条件の変更
課 題
就業規則の説明会、対面方式内容読み合わせ
「説明行為」が必要
怠る
「聞いていない」
労働者の言い分が通用
27
2.労働契約の書面確認
判例・現行法
・労働契約の内容すべてを
書面で確認することは求め
ていなかった(一部を文書
明示)
新
法
・労働契約の内容を
できる限り書面で確認
することが求められる
(有期労働契約含む)
(15条1項)
(4条2項)
労働契約の内容は書面で確認する
28
課題
3.均衡待遇
従来の法律の差別的禁止に加え、労働契約法は均衡への考慮を求めている
判例・現行法
新
・男女雇用機会均等法等
で雇用の場面における
差別的取扱いが禁じら
れてきた
・労働契約法では、
均衡考慮の姿勢が
求められる(修正)
(憲法、労働基準法、男女雇用
機会均等法)
法
(3条2項)
改正パートタイム労働法:通常の労働者と就業の実態が同じ→差別的取扱禁止
均衡考慮に基づき、正規従業員と非正規従業員との間にある
待遇格差の改善に努める必要がある[均衡待遇]パート以外も
29
均衡待遇 Ⅱ.
(非正規社員への配慮規定)
パートタイム労働指針より
所定労働時間が通常の労働者と同一の有期契約労働者
→短時間労働者の趣旨が考慮されるべきこと、留意すること
・非正規社員についても、パートタイム労働法の趣旨に則った
人事管理・処遇を求めている
・処遇に著しい不均衡がある、労働契約法の趣旨から無効と
される可能性大
(ポイントは職務)
仕事のレベル、権限と責任、重要度など
30
4.就業規則と労働契約の内容
就業規則が労働契約の内容になることがある
判例・現行法
・判例では就業規則が
合理的な内容の場合、
労働契約の内容になる
ことを認められていた
新
法
・判例の見解が法文化
された。ただし、就業
規則を労働者に周知
させる手続きが必要
(7条)
就業規則は見やすい場所に掲示する
「就業規則の存在」だけでなく、「就業規則が周知」
されていることにも「立証」が必要である
課題
31
就業規則が労働契約の内容となる場合
重要
①就業規則で合理的な労働
条件が定められている
就業規則が労働契約
の内容となる
(7条)
②就業規則の内容が
周知されている
ただし、就業規則が法令
または労働協約に反する
場合、その反する部分に
ついては、労働契約の
内容にならない
(12条)
法令 >労働協約> 就業規則> 労働契約
32
就業規則と使用者・労働者の個別の合意の関係
使用者と労働者の個別の合意
>
就業規則
(7条)
就業規則が労働契約の内容となるための要件を満たしていた場合
でも、労働者と使用者の個別的な合意(特約)の方が優先される
ただし
注意
労働者と使用者の合意した労働条件が就業規則で定める基準に
達していない場合は、達していない部分についての合意部分は無効
無効となった部分の内容は就業規則で定めた基準になる
33
3.新法でこうなる! 労働契約の内容と変更
1.就業規則の変更
(9条)
労働者に不利益な就業規則の変更を行う際は、原則労働者の合意が必要
判例・現行法
・判例は就業規則の変更が
合理的なものであることを
条件に、就業規則の不利
益変更を認めてきた
(15条)
新
法
・判例法理に加えて、
労働者に周知している
ことを条件に、就業規
則の不利益変更を認
めている (9条但書き)
注意
34
就業規則の不利益変更
変更後の就業規則を
労働者に周知させている
就業規則の変更が
合理的なものであること
判断要素
就業規則 を労働者に
不利益に変更できる
(10条)
重要
1.労働者の受ける不利益の程度
2.労働条件変更の必要性
3.変更後の就業規則の内容の相当性
4.労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更
に係る事項など
(10条)
(5)代償措置その他の労働条件の改善状況
(6)同種事項に関する社会における一般状況 (第四銀行事件で判示)
35
就業規則の効力条件 (11条)
判例・現行法
・周知さえすれば、監督署
への届出遅滞しても有効
新
法
・労働条件に関する部分
適正な手続欠落してい
れば無効と定められた
3条件
①労働基準法に定める必要事項の記載
②合法的に選出された労働者の過半数代表者の意見聴取
③労働基準監督署への届出
(労働基準法89条.90条)
重要
36
2.出向法理:
不合理な出向命令は無効になる
判例・現行法
・判例では出向が認められ
る条件として、労働者の
同意を求めていた
新
法
・出向命令権の濫用を
禁じる規定が設けら
れた
(14条)
出向命令が権利の濫用になる場合は無効となる
37
出向が認められるための条件
①就業規則に
出向を命じ得る規定
がある
この2点を満たした場合、
使用者は労働者に出向を
命じることができる
②労働者の包括的な
同意がある
課題
出向を命じるのに個別的な同意は不要である
38
出向命令が権利の濫用として、無効となる場合
判例法理(東亜ペイント事件など)
1.業務上の必要性がない
2.対象労働者の選定に道理が無い
3.使用者の不当な動機目的や著しい不利益の存在
39
3.懲戒権濫用法理:
懲戒権は、就業規則に懲戒の規定あって
はじめて行使できる
重要
判例・現行法
・判例で懲戒権の濫用が
無効とされた場合があった
新
法
・判例法理が法文化された
また、労働契約法の趣旨
から懲戒処分を行う場合
には、適正な手続きを
(15条)
具体的手続
氏名、懲戒処分の内容、違反行為、懲戒理由(就業規則の根拠
規定)→書面で通知が望ましい→弁明の機会与える
40
懲戒が無効となる場合
懲戒が客観的に
合理的な理由を欠いている
懲戒は無効となる
合理的か否かは、懲戒に
係る労働者の行為の性質
及び態様その他の事情に
照らして判断する
(15条)
(その他判断要素)
・就業規則への記載
・二重処分の禁止
・処分の平等性
・適正手続
重要
社会通念上相当であると認められない場合
41
客観的=外部の第三者が認められる事実証明のこと
合理的=理由の事実が、真実で、正当な事実を証明
できること
権利を濫用=合理性・客観性・社会通念性の欠如
(民法1条3項とは一致していない)
無効とする=懲戒解雇後であっても、効力・効果が発生しない
賃金不払い・降格→損害賠償や代替措置が発生する
42
4.新法でこうなる! 労働契約の終了
1.解雇権濫用法理:
解雇するには合理的な理由が必要である
判例・現行法
・解雇が権利の濫用として
無効になる場合について
は労働基準法で定められ
ていた
(18条の2)
新
法
・労働基準法で定めら
れていた規定が、労働
契約法に移された
(16条)
「合理的な理由」の具体化は見送られる
43
2.解雇手続:
解雇する際には相応の手続が必要になる
判例・現行法
・労働基準法で、解雇の際
使用者に求められる措置
が示唆されていた
新
法
・労働契約法の精神から
解雇する前にしかるべ
き手続きを行うのが
適切である
「合理的な理由があること」
(16条)
「社会的相当性があること」
44
3.有期労働契約
(修正協議で厳しい表現となる)
課題
有期労働契約では締結の際に特に注意する
判例・現行法
・有期労働契約については
パートタイム労働指針での
保護が図られていた
新
法
・有期労働契約を法律で
保護する姿勢が明確と
なった
(17条)
・やむを得ない事由しか、期間満
了まで解雇できない
更新の有無を明示→判断の基準を明示
法文化されなかったが、更新や解雇で、有期労働契約者を保護する姿勢を明確
に
45
有期労働契約Ⅱ.
契約社員等
短期契約の更新→正当適切な判断基準を用いれば可
ただし、必要以上に短い期間契約を反復更新するには
特段かつ特別の事情、その他を必要とする
課題
パート労働法の「パートタイム労働者」と相まって制度の
見直しをしなければならなくなる
(例)
2か月の労働契約を反復更新→2か月単位で解雇する目的と
判断されれば→損害賠償・代替措置を迫られる
賃 金→過去2年さかのぼる
退職金→入社時~退職時までの分、退職後5年間は請求できる
46
課題
4.雇止め
有期労働契約の反復更新について明文化し、雇い止めの間接的な抑制
判例・現行法
・有期労働契約については
雇止めを抑制する態度を
示してきた
新
法
・雇止めの問題に対応す
るため、短期契約の反復
更新を控えるよう求める
規定を設けた
反復更新については配慮しなければならない
期間内の解雇はやむを得ない場合のみ認められる
(17条2項)
(17条1項)
契約期間中の解雇は使用者に過失→損害賠償を請求できる
(民法628条)
47
公益通報保護法(内部告発)の対象となる[注意]
労働者の生命、身体、財産、その他の利益の保護に関わること
重要
労働契約法には罰則規定はないが、
実質的に内部告発の対象となれば、企業にとって影響有り
(公益通報者保護法の一部改正 第5条3項に追加される)
48
人を雇う=労働契
会社は何をしなくて
約を交わす
はいけないか?
会社は何をしなくて
はいけないか?
リスク管理
モラール
モチベーション
49