プレゼン - 森栗茂一のコミュニティ・コミュニケーション

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Transcript プレゼン - 森栗茂一のコミュニティ・コミュニケーション

交通の市民合意形成における
既成公共交通との協働
-交通市民会議方式を通じてー
東灘交通市民会議座長
神戸まちづくり研究所副理事長
大阪外大開発環境講座教授 森栗茂一
0 ついに新しきバスのときは来たりぬ
従来の公共交通の考え方
 市民の足(公共交通)は、行政が支える。
⇒自治体交通局
⇒公共交通に対する規制+優遇+独占権
 これからの公共交通の考え方
誰のためでもない。市民の足は市民がつく
る!(交通市民主義)
1 住吉台くるくるバス・補助金なし本運行
キス&ライドは夫婦関係を悪くする
国道柵をまたぎ強行横断、阪神マダム
(JR住吉駅前バス停付近)
人口動態
昭和
55年
年齢
構成
昭和
60年
平成
2年
平成
7年
平成
12年
平成16年
12月末
人 口
5,110
5,475
5,18
2
4,80
5
4,113
3,956
世帯数
1,493
1,676
1,66
6
1,65
3
1,653
1,776
32%
65%
3%
27%
69%
4%
19%
75%
6%
15%
75%
10%
11%
71%
18%
10%
67%
23%
0~14才
15~64才
65才以上
1-2 都市再生モデル調査から、
交通市民会議へ
「市民合意」を錦の御旗にターミナルバス停
確保をめざして、調整・協力とりつけ
 協力関係
対 既成路線事業者、NPO、個別利害住民
 自分たちでバス停調整をした
東灘交通市民会議
東灘区山麓部の自治会、
管理組合、老人クラブ、
ふれあいのまちづくり協
議会代表者、協力者、N
PO(毎回参加者50名
程度)
サポート
区役所
連絡、調整、リーダーシップ
地元世話人
信頼・協力
会議のとりまとめ、解説、方向示唆
座長(学識経験者)
輸 走住
業 ら民
者 せ合
る意
意に
欲よ
のる
あバ
るス
運を
調整
相談、
お願い
市
役
所
交
通
局
市
役
所
建
設
局
警
察
指導
国
道
事
務
所
国
の
諸
機
関
他
の
運
輸
業
者
取組み経過(前半戦)
平成15年
2月
9月22日
平成16年2月21日
~3月31日
5月28日
神戸市TDM研究会の発足
流通科学大学森津教授・京都大学中川助教授・近畿運輸局・
神戸市企画調整局・環境局・交通局・CS神戸・ネットワーク『地球村』inKOBE・ECOレンジャー・
南京町商店街振興組合・大丸神戸店・神戸長田TMO・北神急行等多数参画
「全国都市再生モデル調査」として「くるくるおでかけネットワークプロジェクト調査」(CS神
戸)が採択される
バス走行実証実験
(2月21~28日:無料、3月1日~31日:有料)
CS神戸から「みなと観光バス㈱」に実験運行委託
「全国都市再生モデル調査」報告会
・CS神戸が、地域住民に対して報告
・「東灘コミュニティバスの今後」(森栗報告)で市民合意とバス停確保の重要性を共有化⇒交通市
民会議の必要性を共通理解⇒準備会
6月30日
7月
7月末から
8月
8月9日
第1回東灘交通市民会議
・JR住吉駅前バス停の検討状況報告
・警察・国道事務所・市建設局・市交通局との調整プロセスの公開
「東灘交通市民会議」の運営に兵庫県のパワーアップ助成獲得
JR住吉駅前などバス停の共用に関して、既使用者である既存のバス事業者2社から基本的に理
解・協力が得られた事をもとに、相互間のバス運行時刻が重ならないようなダイヤ設定を行
うなど、具体的な調整を進めた。
第2回東灘交通市民会議
バス停設置に関する道路管理者、警察署、市交通局との調整状況の報告と今後の取り組みについ
て議論(住吉台:ルート・バス停等、渦森台・鴨子ヶ原:新たなバス導入の必要性について)
取り組み経過(後半戦)
8月19日
住民と事業者による運行ルート・バス停位置の現地調査
・住吉台に実際にバスを持ち込み調査
・地元住民がバス停位置の検討を行い、地元住民自らが、バス停予定地近傍の住民と設置の交渉を行
う
8月末~9月12日
(最大の危機!!)
エクセル住吉台前バス停調整で、1軒の民家から異論が発生。マンション管理組合は、議論の末、当初
予定のマンション前のバス停を断念(9/12理事会決議)し、バス停を「エクセル東」(鉄塔前)に変
更
9月13日
東灘交通市民会議住吉台部会
・バス停、ルート、ダイヤ最終確認
・住吉台住民が自ら集約した地元住民の方針・意向をもとに
バス運行事業者が、ダイヤ編成など具体的な作業に入る。
8月上旬~
11月下旬
残る1社(JR住吉駅前バス停共用3社のうち)に対するJR住吉駅前バス停共用の同意取得に時間を要
した。 8月上旬からバス事業者間で話し合いをしたが同意が得られず、10月中旬には住民代表
と座長が交通市民会議の「市民合意」内容を踏まえて詳しく説明し、理解いただけるよう懇願した。
11月26日
第3回東灘交通市民会議
・
12月末
JR住吉駅前バス停共用について、残る1社の同意を得る。
平成17年
1月11日
第4回東灘交通市民会議
・
1月8~20日
1月23日
・これまでの関係者との調整状況とバス運行概要の報告
今後の課題整理
・運行開始日のお知らせ、開通式の計画策定
バスの愛称「住吉台くるくるバス」に決定
JR住吉駅バス停拡幅工事
「住吉台くるくるバス」運行開始
路線図
市民合意
バス路線の新設は、要望・陳情だけで
は実現は難しい。交通事業者も巻き込
んだ市民会議を通じて実現が可能にな
る。特にバス停の共用については、現
況では事業者間の調整は不可能に近
いが、市民合意を尊重し合意可能とな
った。
市民がつくる交通
地域に最もふさわしい交通システムを
地域住民、NPOや地域民間事業者(
病院・商業・集客施設)と共に作り上げ
、地域全体で支えていく仕組みづくりを
深めていく。
多面的協働
社会実験によって成長した市民とその
リーダー、それを支える学識経験者、交
通事業者、企業、NPO、関係行政機関
がスクラムを組み目標実現に取り組む
ことで信頼関係が構築され、路線実現
の実績をあげる。
自家用車に頼らぬ暮らし
自宅からの最初の交通手段がコミュニ
ティバスになり、自家用車の不必要な
利用が減り、バス→鉄道→バスなどの
様な公共交通利用の促進が図られ、地
球温暖化防止や持続可能なまちづくり
のツールとして大いに期待される。
1-3 バスが走って地域が激変する
おねだり・苦情の評論家市民が、自立市民に
困難を公開したために、バスに対する愛着、
責任ができた。困難を推進。維持・発展のエ
ネルギーに変えてきた。
 バスが走って自治会ができた
 自分たちで、くるくるバスを守る会を運営し、
路線延長・相乗タクシー・深夜バスを検討、
駅長を決める。

1-4 これはコミュニティバスではない!
日中、高齢者のみならず、早朝から深夜まで、中学生
から通勤者・パート勤めまで、多様な住民のニーズを想
定し、住み続けられるまちづくりのツールとなっている。
 一切の行政補助金がなく、応分の負担をすることを市
民が覚悟して走らせた。
 行政は表面的には一切関知していない。市民が集まり、
それを育てて動かした。
 ベンチャー的交通事業者と、ビジネスのできるNPOとが
手を組んだ。

公営交通を活かす
市民交通会議を活かす
△「交通市場が一定。今の自動車時代ではバスは衰退
産業だ」だという、既存事業専門家の思い込み
⇒交通市民会議は敵
×「採算の悪い公営交通は、結果的に市民交通を阻害
している」というNPO、市民の偏見
⇒説得、交渉
◎公共交通が半世紀支えてきた役割を尊敬し、そのノウ
ハウを、活かす ⇒公営交通の市民会議への参加
◎協働して、少子高齢化・地球環境保全時代の、バスの
新しいニーズをみなで開拓。未来は公共交通の時代
だ
補助金なし(=補助金できない)
××公営交通以外のバス交通に補助をするこ
とは、自治体組長が、公営交通以外の役割
を認めたことになり ⇒ できない
◎公営交通と連携した路線の開発は、公営交
通の役割補完、持続的まちづくりであり、かつ
新たなる公共交通需要の発掘である。
⇒交通市民会議に補填する仕組ができたかも
しれないナア?