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障害学生支援についての
教職員研修プログラム
1
はじめに
この研修用スライドは、ユニバーサルデザインを考慮し、
色覚障害、光覚障害等のある方にとってもできるだけ
見やすいデザインを目指しています。
活字の大きさは原則として24級以上とし、 色使いにつ
いては日本工業規格JIS S0033 「高齢者・障害者配慮
設計指針-視覚表示物-年齢を考慮した基本色領域
に基づく 色の組合せ方法」 を参考に作成しました。
2
凡例
凡例
ガ イ ド :教職員のための障害学生修学支援ガイド
事 例 集:障害学生修学支援事例集
大 学 等:高等教育機関
(大学、短期大学、高等専門学校)
JASSO:独立行政法人日本学生支援機構
※ガイド、事例集はJASSOホームページからもダウン
ロードできます。
JASSOホームページ
http://www.jasso.go.jp/
3
目次
- 目
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅵ
Ⅶ
Ⅷ
次 -
学校が障害学生を支援するための基本姿勢
障害学生理解(障害種別)
学内支援体制(大学・短大)
学内支援体制(高等専門学校)
学外資源の活用
支援技術の活用
高大連携
キャリア教育支援
4
Ⅰ 学校が障害学生を
支援するための基本姿勢
1
2
3
4
障害学生修学支援の歴史と現状
障害学生支援に関する法令
障害学生支援の原則
障害学生支援の取組と効果、
学士力、大学評価
5
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
受験拒否が当たり前の時代。入学が認め
られず、入学後の配慮もなされなかった。
戦前
1945年
1918年
東京女子大学への進学
(全盲女子学生初)
1911年
九州学院への進学
(全盲学生初)
わずかな
進学事例
6
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
障害学生の進学への関心が高まり、受験
機会の確保へとつながる。
戦後
出題、解答の方法
試験場の整備等
1974年
昭和49年度大学入学者選抜実施要項
「受験機会の確保」「特別な配慮」通知
1950年
視覚障害者用進学適性検査を研究・実施
1945年
受験拒否・入学拒否の
報道がきっかけに
7
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
障害学生を受け入れる大学等の増加
に伴い、情報保障等修学支援も進む。
1974年~
2000年
障害に係る欠格条項の見直し
(医師免許等)
1979年
1974年~
共通第一次学力試験(大学入試センター)
身体障害者受験特別措置
障害者受入の予算措置
1974年:国立大学
1975年:私立大学
1977年:公立大学
8
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
障害学生支援に新たに取り組む大学等
の増加により、全国的なネットワーク化を目指した事業
が開始される。
2000年代
取組の進んでいる大学等が拠点校
となり、これから取組を始める大学
等に情報を提供
2004年
障害学生修学支援ネットワーク相談事業(事務局:JASSO)
9
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
大学、短期大学及び高等専門学校にお
ける障害のある学生の修学支援に関する実態調査
の実施
現状
 障害学生数(障害種別)・在籍学校数
 支援障害学生数(障害種別)・在籍学校数
 支援内容・支援体制
2005年より実施
調査結果はJASSOホームページで公開
10
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
障害学生数(障害種別)・在籍学校数
障害学生の定義(2005年度)
各種手帳を有している学生および入学時の健康診断
の際に支援が必要と判断された学生(重複する場合は
実数)
※年度により障害学生の定義は一部異なる。
詳細はJASSOホームページ参照
国公立大学・短期大学・・・・・・文部科学省に報告している数値で可
私立大学・短期大学・・・・・・・・ ・日本私立学校振興・共済事業団に
報告している数値で可
11
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
障害学生数(障害種別)2005年度
視覚510人
その他553人
聴覚・言語
1,158人
病弱・虚弱
1,327人
肢体不自由
1,700人
重複196人
障害学生数 5,444人
12
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
障害学生数(障害種別)2006年度
その他379人
視覚510人
発達障害127人
聴覚・言語
1,200人
病弱・虚弱
877人
重複93人
肢体不自由
1,751人
障害学生数 4,937人
13
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
障害学生数(障害種別)2007年度
その他444人
視覚577人
発達障害178人
聴覚・言語
1,355人
病弱・虚弱
703人
重複79人
肢体不自由
2,068人
障害学生数 5,404人
14
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
障害学生数(障害種別)2008年度
その他422人
視覚646人
発達障害299人
聴覚・言語
1,435人
病弱・虚弱
1,063人
重複139人
肢体不自由
2,231人
障害学生数 6,235人
15
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
発達障害学生数
2006年
127人
2008年
299人
2007年
178人
医師の診断書がある者
(「診断書はないが疑われる」
「本人は発達障害と言ってい
るが診断書はない」を除く)
LD=学習障害
ADHD=注意欠陥/多動性障害
高機能自閉症等(アスペルガー症候群を含む)
16
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
発達障害学生数
2008年度 ( )内は2007年度
医師の診断書がある学生の数
LD
ADHD
高機能自閉症等
計
大学
27
短大
高専
0
4
計
31
(15)
(0)
(4)
(19)
35
1
13
49
(21)
(0)
(5)
(26)
175
10
34
219
(103)
(4)
(26)
(133)
237
11
51
299
(139)
(4)
(35)
(178)
17
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
発達障害学生数
2008年度
診断書はないが、発達障害があることが推察され、教
育上の配慮を受けている学生の数
大学
短大
高専
計
LD
26
6
3
35
ADHD
99
11
5
115
高機能自閉症等
295
16
54
365
計
420
33
62
515
18
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
発達障害学生在籍学校数数
発達障害(診断書有)又は、
発達障害(診断書無・配慮有)の
学生が1人以上在籍している
2008年度
244校
全体の
20.0%
発達障害(診断書有)学生
が1人以上在籍している
発達障害(診断書無・配慮有)学
生が1人以上在籍している
157校
144校
19
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
障害学生の全学生に対する割合
障害学生数
障害学生在籍率
2005年度
5,444人
0.16%
2006年度
4,937人
0.16%
2007年度
5,404人
0.17%
2008年度
6,235人
0.20%
※年度により障害の定義が異なる
※詳細はJASSOホームページを参照
20
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
障害学生が在籍する大学等
学校数
回答校全体に対する
割合
2005年度
592校
59.1%
2006年度
670校
57.4%
2007年度
710校
57.7%
2008年度
719校
59.0%
21
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
障害学生数(学科別) 大学
保健(医学・歯学)49人
農学80人
芸術162人
理学170人
その他
514人
教育328人
保健(医学・歯学を
のぞく)284人
2008年度
社会科学
2,124人
工学677人
人文科学
1,339人
大学(大学院含む)に在籍する障害学生数 5,797人
22
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
障害学生数(学科別) 短期大学
教養5人
工業11人
その他
27人
2008年度
教育50人
芸術25人
人文31人
保健
32人
社会49人
家政46人
短期大学に在籍する障害学生数277人
23
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
障害学生数(学科別) 高等専門学校
2008年度
社会1人
商船0人
芸術0人
工学160人
高等専門学校に在籍する障害学生数161人
24
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
支援障害学生数とは
年度中の支援予定を含む
支援障害学生とは
学校に本人からの申し出があり、それに対して
学校が何らかの支援を行っている学生 をいう。
ノートテイク、手話通訳等の授業保障、
定期試験への配慮等、学内学生生活、
キャリア・就職等に関する支援など
25
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
支援障害学生数(障害種別)
重複68人
2005年度
その他
病弱 167人
視覚326人
・虚弱
194人
肢体不自由
606人
聴覚・言語
668人
支援障害学生数2,029人
26
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
支援障害学生数(障害種別)
その他87人
発達障害46人
病弱
・虚弱
重複36人
199人
肢体不自由
722人
2006年度
視覚367人
聴覚・言語
799人
支援障害学生数2,256人
27
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
支援障害学生数(障害種別)
その他154人
発達障害91人
病弱
・虚弱
重複58人
206人
肢体不自由
1,088人
2007年度
視覚452人
聴覚・言語
923人
支援障害学生数2,972人
28
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
支援障害学生数(障害種別)
2008年度
その他152人
発達障害
228人
視覚460人
病弱・
虚弱406人
重複76人
聴覚・言語
902人
肢体不自由
1,216人
支援障害学生数3,440人
29
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
支援障害学生が在籍する学校数
学校数
回答校全体に対する割合
2005年度
396校
39.6%
2006年度
468校
40.1%
2007年度
519校
42.2%
2008年度
567校
46.6%
30
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
通信制大学における障害学生数
区分
年度
2006年度
通信 2007年度
2008年度
2006年度
通学 2007年度
2008年度
障害学生数 支援障害学生数
468人
712人
1,047人
3,604人
3,829人
4,369人
235人
495人
581人
1,534人
2,031人
2,426人
31
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
大学院における障害学生数
区分
年度
2006年度
通信 2007年度
2008年度
2006年度
通学 2007年度
2008年度
障害学生数 支援障害学生数
調査無し
11人
27人
318人
339人
351人
7人
10人
130人
148人
178人
32
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
支援内容・支援体制
授業保障 ノートテイク、手話通訳、音訳、点訳など
年度
学校数
支援障害学生在籍校
全体に対する割合
2005年度
206校
52.0%
2006年度
373校
79.7%
2007年度
485校
93.4%
2008年度
543校
95.8%
33
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
支援内容・支援体制
障害学生支援に関わる教職員向け各種研修(FD活動)
年度
学校数
回答校全体に
対する割合
2005年度
31校
3.1%
2006年度
96校
8.2%
2007年度
164校
13.3%
2008年度
167校
13.7%
34
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
専門の委員会・組織
障害学生の修学支援に関する委員会やセンターなど
の専門の組織の設置
委員会等設置
部署・機関設置
114校
2005年度
2006年度
88校
28校
2007年度
129校
44校
35
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
専門のスタッフ
障害学生の修学支援にかかわるコーディネイト業務
を専門に行っているスタッフを配置
専任の
担当者
兼任の担当者
2005年度
33校
2006年度
40校
2007年度
35校
障害学生と
支援学生等
とのマッチング、
障害学生からの
相談対応など
138校
36
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
支援内容・支援体制
(校)0
2007年度
200
400
600
授業保障
研修・啓発活動
委員会等設置
2006年度
2007年度
部署・機関設置
支援担当者配置
規程等整備
97校
全学校数の
7.9%
37
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
1 障害学生修学支援の歴史と現状
様々な支援内容
具体的な事例を参考に、実情に応じた支援を考える
事例集で紹介している場面ごとの支援例
受験前、受験時、入学前、入学後、履修前、
講義、定期試験、実習、研究、
施設、設備、学内生活・移動、課外授業、
就職、
教職員理解、学生理解、
TA、支援システム、学内連携
38
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
2 障害学生支援に関する法令
設置基準と厚生補導
大学設置基準 (厚生補導の組織)
第42条 大学は、学生の厚生補導を行うため、専任
の職員を置く適当な組織を設けるものとする。
短期大学設置基準
第35条 同上
39
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
2 障害学生支援に関する法令 設置基準
高等専門学校設置基準
第23条 校舎には、少なくとも次に掲げる専用の施設
を備えるものとする。(後略)
1 校長室、教員室、会議室、事務室
2 教室(講義室、演習室、実験・実習室等とす
る。)、研究室
3 図書館、保健室、学生控室
3 高等専門学校には、校舎のほか、なるべく体育館
及び講堂並びに寄宿舎、課外活動施設その他の厚生
補導に関する施設を備えるものとする。
40
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
2 障害学生支援に関する法令 設置基準
私立大学・私立高等専門学校の厚生補導
私立学校振興助成法
(私立大学及び私立高等専門学校の経常的経費につ
いての補助)
第4条 国は、大学又は高等専門学校を設置する学
校法人に対し、当該学校における教育又は研究に係
る経常的経費について、その二分の一以内を補助す
ることができる。
41
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
2 障害学生支援に関する法令 設置基準
私立学校振興助成法施行令
(法第4条第2項の経常的経費の範囲)
第1条 私立学校振興助成法 (以下「法」という。)第4
条第2項 の政令で定める経常的経費の範囲は、次に
掲げる経費とする。
8 学生の厚生補導に直接必要な備品、図書又は消
耗品の購入費、光熱水料、謝金、旅費その他の経費
で文部科学大臣が定めるもの
42
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
2 障害学生支援に関する法令 学生支援
国立大学の学生支援
国立大学法人法
第22条 国立大学法人は、次の業務を行う。
1 国立大学を設置し、これを運営すること。
2 学生に対し、修学、進路選択及び心身の健康等に
関する相談その他の援助を行うこと。
43
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
2 障害学生支援に関する法令
障害学生支援
教育基本法
(教育の機会均等)
第4条
2 国及び地方公共団体は、障害のある者が、その
障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教
育上必要な支援を講じなければならない。
44
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
2 障害学生支援に関する法令 障害学生支援
障害者基本法
第14条 国及び地方公共団体は、障害者が、その
年齢、能力及び障害の状態に応じ、十分な教育が
受けられるようにするため、教育の内容及び方法の
改善及び充実を図る等必要な施策を講じなければ
ならない。
2 国及び地方公共団体は、障害者の教育に関す
る調査及び研究並びに学校施設の整備を促進しな
ければならない。
45
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
2 障害学生支援に関する法令 障害学生支援
障害者基本計画(平成14年12月)
社会的及び職業的自立の促進
 障害のある子どもの社会的・職業的自立を促進す
るため、(中略)後期中等教育及び高等教育への
就学を支援するため、各学校や地域における支援
の一層の充実を図る(後略)
雇用への移行を進める支援策の充実
 障害者が、就業を行う上で必要な各種の資格の取
得において不利にならないよう、高等教育機関等
の試験等で必要な配慮を進める。
46
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
2 障害学生支援に関する法令
発達障害学生支援
発達障害者支援法
第1条 この法律は、(中略)学校教育における発達障
害者への支援、発達障害者の就労の支援、 (中略)
等について定めることにより、発達障害者の自立及
び社会参加に資するようその生活全般にわたる支援
を図り、もってその福祉の増進に寄与することを目的
とする。
第8条 2 大学及び高等専門学校は、発達障害者の
障害の状態に応じ、適切な教育上の配慮をするもの
とする。
47
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
2 障害学生支援に関する法令 発達障害学生支援
発達障害のある児童生徒等への支援について(通知)
平成17年4月1日 文部科学省 文部科学省高等教育
局長
大学及び高等専門学校における教育上の配慮
発達障害のある学生に対し、障害の状態に応じて、例
えば、試験を受ける環境等についての配慮や、これら
の学生の学生生活や進路等についての相談に適切に
対応する等の配慮を行うこと。
48
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
2 障害学生支援に関する法令
独立行政法人日本学生支援機構 JASSO
独立行政法人日本学生支援機構法
(機構の目的)
第3条 独立行政法人日本学生支援機構は、 (中略)
大学等が学生等に対して行う修学、進路選択その他
の事項に関する相談及び指導について支援を行う。
49
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
2 障害学生支援に関する法令 JASSO
第13条 機構は、第3条の目的を達成するため、次の
業務を行う
8 大学等が学生等に対して行う修学、進路選択、心身
の健康その他の事項に関する相談及び指導に係る業
務に関し、大学等の教育関係職員に対する専門的、技
術的な研修を行うとともに、当該業務に関する情報及び
資料を収集し、整理し、及び提供すること。
9 学生等の修学の環境を整備するための方策に関す
る調査及び研究を行うこと。
50
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
2 障害学生支援に関する法令
就職支援について
障害者の雇用の促進等に関する法律
第3条 障害者である労働者は、経済社会を構成す
る労働者の一員として、職業生活においてその能力
を発揮する機会を与えられるものとする。
51
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
2 障害学生支援に関する法令
キャンパス等におけるバリアフリー促進
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する
法律
第1条 この法律は、高齢者、障害者等の自立した日
常生活及び社会生活を確保することの重要性にかん
がみ、 (中略)建築物の構造及び設備を改善するため
の措置(中略)を講ずることにより、高齢者、障害者等
の移動上及び施設の利用上の利便性及び安全性の
向上の促進を図り、もって公共の福祉の増進に資する
ことを目的とする。
52
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
2 障害学生支援に関する法令 バリアフリー促進
第2条 この法律において次の各号に掲げる用語の
意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
16 特定建築物 学校、病院、劇場、観覧場、集会
場、展示場、百貨店、ホテル、事務所、共同住宅、老
人ホームその他の多数の者が利用する政令で定める
建築物又はその部分をいい、これらに附属する建築
物特定施設を含むものとする。
53
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
2 障害学生支援に関する法令 バリアフリー促進
(特定建築物の建築主等の努力義務等)
第16条 建築主等は、特定建築物の建築をしようと
するときは、当該特定建築物を建築物移動等円滑化
基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努め
なければならない。
2 建築主等は、特定建築物の建築物特定施設の修
繕又は模様替をしようとするときは、当該建築物特定
施設を建築物移動等円滑化基準に適合させるために
必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
54
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
3 障害学生支援の原則
すべての学生に質の高い教育を
成績評価のダブルスタンダードは設けない
学生の自立につながる支援を
教職員の理解と協力
学内の連携、学外資源の活用
完璧を期すよりも、改善する姿勢
各大学の個性を生かした支援体制
55
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
3 障害学生支援の原則
すべての学生に質の高い教育を
障害の有無に関係なく・・・
多様な学生一人一人に質の高い教育を提供
一般
学生
障害
学生
従来の教授法や
評価方法に
工夫と改良を加え
適切な支援を
56
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
3 障害学生支援の原則
成績評価のダブルスタンダードは設けない
障害の有無による有利・不利をなくし
単位取得による、同じ能力の修得を保障する。
障害
学生
評価の方法は工夫するが
成績の基準は 変えない
57
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
3 障害学生支援の原則
学生の自立につながる支援を
障害学生の主体的な関わりを尊重し、卒業後も、自ら
のニーズを伝え、適切な支援を自らコーディネートでき
るように育み支援する。
能力を活かし
自分でできる部分を
増やしていけるように
障害
学生
58
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
3 障害学生支援の原則
教職員の理解と協力
教職員の
理解と協力
教職員や各部署の
主体的な関わり
支援の質の向上
誤解・混乱の回避
将来に受け継がれる支援
59
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
3 障害学生支援の原則
学内の連携、学外資源の活用
学内連携
学生に関わる
全ての組織の
主体的な関わりと連携
授業
学習
学生生活
就職など
学外連携
行政
地域
医療機関
他大学など
60
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
3 障害学生支援の原則
完璧を期すよりも、改善する姿勢
完璧な支援というものはない
今出来ることを工夫し改善していく
障害によるニーズも
大学としてできることも様々
今できることを試行錯誤を
重ねながら改善していく
61
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
3 障害学生支援の原則
各大学等の個性を生かした支援体制
既存の枠組みを活用する
各大学等の資源や個性、歴史を生かす
組織の構成やカリキュラム
規模や学部の構成
キャンパスの地理的な条件
など
62
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
4 障害学生支援の取り組みと効果、
学士力、大学評価
支援の取組と効果、学士力
大学評価
63
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
4 障害学生支援の取組と効果、学士力、大学評価
支援の取組と効果
大学等における障害学生への支援
学生の学びと成長を促進するために実施
本人の意志を尊重
障害学生自身も支援ユーザーとして主体的に参加
必要な支援を必要なときに求めることができる主体
性・自立性を培う機会
64
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
4 障害学生支援の取組と効果、学士力、大学評価
大学等での学びは、授業が中心
他者との共同の学び合いが学習効果、教育効果を高
める
障害
学生
障害
学生
支援
学生
一般
学生
教員
65
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
4 障害学生支援の取組と効果、学士力、大学評価
移動に障害のある学生に対する施設等での改善
全ての大学等利用者の利便性を向上
授業における情報保障
他の学生にとっても分かりやすい授業内容・方法
障害学生支援の取り組み
大学等の建学の精神等を教職員が再認識し、一体と
なって具体化する、優れた機会
66
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
4 障害学生支援の取組と効果、学士力、大学評価
障害学生の支援を担当する学生たちへの教育効果
支援を通じて自らが成長することを実感する機会
障害学生との学びの仲間としての連帯感
支援という同じ目的意識を持つ仲間との連帯感
卒業後も積極的に社会参加するための動機付け
67
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
4 障害学生支援の取組と効果、学士力、大学評価
学士力
中教審答申「学士課程教育の構築に向けて」
(平成20年12月24日)
各専攻分野を通じて培う学士力
~学士課程共通の学習成果に関する参考指針~
68
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
4 障害学生支援の取組と効果、学士力、大学評価
参考指針
1 知識・理解
(文化、社会、自然など)
2 汎用的技能 (コミュニケーションスキル、数量的
スキル、問題解決能力など)
3 態度・志向性 (自己管理力、チームワーク、倫理
観、社会的責任など)
4 総合的な学習経験と創造的思考力
69
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
4 障害学生支援の取組と効果、学士力、大学評価
教育方法の改善
「学士力は、課題探求や問題解決等の諸能力を中核
としている。学生にそれを達成させるようにするには、
既存の知識の一方向的な伝達だけでなく、討論を含む
双方向型の授業を行うことや、学生が自ら研究に準ず
る能動的な活動に参加する機会を設けることが不可
欠である。」(『学士課程教育の構築に向けて』)
授業情報保障の必然性
70
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
4 障害学生支援の取組と効果、学士力、大学評価
大学評価
認証評価(全高等教育機関の法令上の受審義務)
評価基準
障害学生に対する学習支援・生活支援
障害学生支援
多様な学生が入学すること在籍することを前提
大学等が備えるべきインフラ
障害学生支援の体制が存在すること
必要に応じて実際に活用されていること
71
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
4 障害学生支援の取組と効果、学士力、大学評価
独立行政法人大学評価・学位授与機構 大学評価基準
(機関別認証評価)(平成18年5月改訂)
学習支援
障害のある学生等への学習支援を適切に行うことの
できる状況にあるか。また、必要に応じて学習支援が
行われているか。
生活支援
障害のある学生等への生活支援等を適切に行うこと
のできる状況にあるか。また、必要に応じて生活支援
等が行われているか。
72
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
4 障害学生支援の取組と効果、学士力、大学評価
高等専門学校評価基準
(機関別認証評価)(平成19年12月改訂)
障害のある学生等への学習支援体制が整備されてい
るか。また、必要に応じて学習支援が行われているか。
73
Ⅰ 学校が障害学生を支援するための基本姿勢
ガイド参照ページ
3 障害学生支援の原則
スライドNo.55 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P4~8
参考文献
「わが国における障害学生問題の歴史と課題」
障害者問題研究(2007) 大泉溥74
74
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
1
2
3
4
視覚障害とは
視覚障害のある人の困難さ
視覚障害のある人への支援
人による支援、共感の大切さ
75
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
1 視覚障害とは
定義
眼の機能が低下して、メガネなどで矯正しても
ある程度以上には改善されない状態
視力低下
視野狭窄(しやきょうさく)
光覚障害
色覚障害など
76
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
1 視覚障害とは
全盲・盲(Blind)
弱視(Low Vision)
見えない
ほとんど見えない
見えにくい
視覚障害等級
1級~2級
視覚障害等級
2級~6級
77
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
1 視覚障害とは
見え方の例
晴眼の人の見え方の例
弱視の人の見え方の例
全体にぼやける
78
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
1 視覚障害とは 弱視の人の見え方の例
中心が見にくい
(中心暗点)
視野が欠ける
(視野狭窄)
79
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
1 視覚障害とは
色覚障害の人の見え方の例
オリジナル
第1色覚異常
株式会社両備システムソリューションズ Visolveホームペー
ジ http://www.ryobi-sol.co.jp/visolve/jp/simulation.html より
80
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
1 視覚障害とは
視覚障害の原因
視覚障害の60%以上は病気が原因
もうまくしきそへんせいしょう
緑内障
網膜色素変性症
高度近視
視覚
障害
とうにょうびょうもうまくしょう
糖尿病網膜症
白内障
(ほとんどが老人
性)
おうはんへんせいしょう
黄班変性症
81
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
1 視覚障害とは
視覚障害のある人の情報授受
視覚、聴覚、触覚
聴覚、触覚
点字使用者
全盲
弱視
約10%
中途失明の
場合、習得が
難しい
82
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
2 視覚障害のある人の困難さ
視覚障害は“情報障害”
人の受ける情報の
80%は視覚情報
日常
生活
視覚
障害
コミュニ
ケーション
移動
さまざまな困難
娯楽
修学
就労
83
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
2 視覚障害のある人の困難さ
文字や画像の情報の不足
正しく、詳しく
タイムリーに受け取る
視覚
障害
難しい
書類、本、新聞、テレビ、パソコン画面
貼り紙、通達文書
84
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
2 視覚障害のある人の困難さ
携帯電話、メール、インターネット、絵文字等
こんにちは
さっき
した件ですが
明日は無事
になりそうですが
万が一に備えて
をお持ちくださいね
85
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
2 視覚障害のある人の困難さ
地図、案内表示等
触図の例
86
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
2 視覚障害のある人の困難さ
履修案内、教科書、プリント、試験問題、板書、スラ
イドやビデオ等
87
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
2 視覚障害のある人の困難さ
周辺状況の情報の不足
移動、機器等の操作、
コミュニケーションなど
の困難さ
88
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
2 視覚障害のある人の困難さ
移動中の周囲環境
駅のホーム
道路上の障害物
歩道の段差
通行
人
自転車
店頭の商品
改札
券売機
89
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
2 視覚障害のある人の困難さ
機器の操作部、物の状態
設備、機器の操作、
スイッチや計器の種類、
配置
スイッチ
はどこ?
90
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
2 視覚障害のある人の困難さ
ノンバーバル言語(非言語的コミュニケーション)
相手の表情、うなずき、指差し、こそあど指示語など
これ
91
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
2 視覚障害のある人の困難さ
大学等の場合
通学、構内での移動
空いている席、教員の指差し
他の学生の様子
実験や実習
ディスカッション授業
グループワークなど
92
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
3 視覚障害のある人への支援
適切な対応
や配慮
視覚障害
による問題
困難さ
人の助け
視覚
障害
支援機器・
技術の活用
93
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
3 視覚障害のある人への支援
対応・配慮
教科書
プリント
通達
入学
試験
点字化 拡大
電子テキストデータ提供
朗読
試験問題の点字化
拡大
別室受験
試験時間の延長
(1.5倍程度)
94
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
3 視覚障害のある人への支援
元原稿を早めに入
手しなくてはならない
教員の理解と協力
電子テキストデータ
教科書 プリント 通達
試験問題
スクリーンリーダー(画面読み上げソフト)
画面拡大ソフト
95
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
3 視覚障害のある人への支援
ここに書いてあ
るとおりです。
これ どれ
あれ それ
板書 スライド 映像教材
視覚
障害
指差し、こそあど指示語を使わない
音声説明をつける
96
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
3 視覚障害のある人への支援
機器操作の工夫
状況知覚の工夫
実験
安全性確保
強い薬品を使う
危険な装置を扱う等の場合
たとえば
【化学実験】
色の変化、測定結果等を
音声で出力できる計器を
使うなど
97
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
3 視覚障害のある人への支援
できることの工夫
できるように内容を検討
アシスタントを配置
体育 実習
履修拒否 免除
見学
98
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
3 視覚障害のある人への支援
電子メールの活用
連絡
障害
学生
支援担当者
99
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
3 視覚障害のある人への支援
学生寮への優先入居
良いアパートを探す
通学路の安
全確保
移動
安全の確保 スムーズな移動への配慮
アシスタントの配置
教室の変更
100
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
3 視覚障害のある人への支援
移動のガイド
後ろから軽く
肘や肩に
つかまってもらう
周囲の学生などの気軽なガイド
で安全で速やかな歩行
まず当人に聞く
今ガイドして欲しい?
どんな方法で?
半歩ななめ前を歩く
101
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
3 視覚障害のある人への支援
設備、支援機器・技術
(参照:Ⅵ 支援技術の活
用)
通路
点字ブロック
部屋
点字表示
エレベーター
音声ガイド
階段
段差マーカー
専用の部屋があると便利
障害学生が学習 支援者、ボランティアが活動
102
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
3 視覚障害のある人への支援
必要な機器
点字プリンタ/プロッタ
ピンディスプレイ
立体コピー機
画面拡大ソフト
拡大読書機
点訳ソフト
スクリーンリーダー
OCR(文字認識装置)
103
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
3 視覚障害のある人への支援
必要な機器
DAISY(デジタル録音図書再生機)
点字PDA(電子手帳)
電気スタンド
単眼鏡
遮光眼鏡
ルーペ
懐中電灯
104
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
4 人による支援、共感の大切さ
最も大切なのは
人による支援
一般
学生
教職員
教職員
一般
学生
一般
学生
障害
学生
教職員
105
Ⅱ 障害学生理解(視覚障害)
ガイド参照ページ
3 視覚障害のある人への支援
スライドNo.99 電子メールの活用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・P23・25
スライドNo.100 移動 ・・・・・・・・・・・・・・・・P21~22、30、46~47
スライドNo.101 移動のガイド ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P14、29
スライドNo.102 設備、支援機器・技術 ・・・・・・・・・・・・・P32~39
スライドNo.103~104 必要な機器・・・・・・・・・・・・・・・・・P32~39
4 人による支援、共感の大切さ
スライドNo.105 もっとも大切なのは人による支援・・・・P24~31
106
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
1 聴覚障害についての基本的知識
2 聴覚障害学生に対する対応
107
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
1 聴覚障害についての基本的知識
聴覚障害
音を聞く、または感じる経路に何らかの障害があ
り、話し言葉や周囲の音が聞こえなくなったり、
聞きづらくなる状態
聴力消失の程度を示す単位
デシベル
108
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
1 聴覚障害についての基本的知識
学校教育法第72条
特別支援学校の役割と目的
学校教育法施行令が規定する聴覚障害
両耳の聴力レベルがおおむね60デシベル以上のも
ののうち、補聴器等の使用によって通常の話声を
解することが不可能又は著しく困難な程度のもの
109
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
1 聴覚障害についての基本的知識
聴覚障害の程度
0dB(デシベル):一般の人が聞こえる最も小さい音
数字が大きくなるほど聴力損失の度合いが大きくなる
50~70dB
中程度難聴
授業受講に多少不便を感じ、特に雑音下での会話やビデオ
音声・グループディスカッションなどでは聴き取りづらい
70~100dB
重度難聴
視覚的な手がかりを利用して話し言葉を理解していること
が多く、授業受講全般に困難を示すことが多い
100dB~
ろう
視覚的な手がかりがないと話し言葉の理解が難しく、授
業受講全般に著しい困難を示す
110
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
1 聴覚障害についての基本的知識
2008年度( )内は2007年度
聴覚障害学生数
大学
聾
難聴
短大
高専
合計
416
12
0
428
(328)
(77)
(0)
(405)
917
51
26
994
(835)
(67)
(19)
(921)
111
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
1 聴覚障害についての基本的知識
聴覚・言語障害学生が1人でも在籍する学校数
2008年度( )内は2007年度
1
大学等の約 - に聴覚・言語障害学生が在籍
3
112
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
1 聴覚障害についての基本的知識
特別支援学校からの進学者
特別支援学校高等部(聾学校)卒業者(平成18年3月)の進路(文部科学省発表)
特別支援学校卒業663名
のうち、大学等への進学は
280名
42.2%
難聴学生の多くは、一般
の高校を経て大学等へ進
学している
障害
学生
113
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
1 聴覚障害についての基本的知識
聴覚障害学生とのコミュニケーション
主なコミュニケーション方法は口話や筆談
高校まで
一般校
大学生活で、手話を主たる
コミュニケーションとする
のは難しい
障害
学生
本人の希望・適性に
大学等
応じたコミュニケー
ション手段を用意する
114
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
1 聴覚障害についての基本的知識
口話(こうわ)を用いる方法
話し手の口の形を
見て、話の内容を
理解する
障害
学生
できるだけ口を大きく開け
て、はっきりと話をする
内容が
伝わったか
どうか
確認する
教職員
115
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
1 聴覚障害についての基本的知識
授業
教員の口元が
見えやすい席に
着席
障害
学生
ノートテイカーがいない場合
聴覚障害学生から口元が
見えるように配慮
教職員
黒板に向かって
書きながら話したり、
机間を歩きながら
話したりすることは、
できるだけ避ける
116
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
1 聴覚障害についての基本的知識
聴覚障害学生からの発言
発音が不明瞭で聞きとりづらい場合、わかるまで
聞き返し、曖昧なまま終わらせない
障害
学生
筆談を
併用
教職員
117
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
1 聴覚障害についての基本的知識
筆談を用いる方法
口話を併用しながら
部分的に書く
話を全部書きながら伝える
話の内容を紙やホワイトボー
ドに書いて伝える
障害
学生
話し手
複数名の会話では、その内容を書いて伝える補
助者を配置すると、よりスムーズ
118
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
1 聴覚障害についての基本的知識
手話を用いる方法
手指や顔の表情などを用いて伝達
ひらがな(50音)に
対応する指文字
障害
学生
手話を知らない聴覚障害学生には在
学中に手話の学習機会を!
⇒コミュニケーションの幅の拡大
119
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
1 聴覚障害についての基本的知識
学内に手話で話せる教職員や仲間の存在
聴覚障害学生の安心につながる
教職員の
手話学習 教職員
一般
学生
学生同士
の手話学
習会
一般
学生
120
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
2 聴覚障害学生に対する対応
受験前相談
聴覚障害の程度と希望する支援を確認
説明
障害
学生
学校としての支援経験
受験時の配慮
入学後の授業保障
ホームページなどでも提示
支援担当者121
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
2 聴覚障害学生に対する対応
入学試験
問題発生の未然防止
注意事項、問題の変更や指示等が伝わらない
面接やヒアリングなど筆記試験以外の試験で不利
になる点等の検討
参考:大学入試センター試験における特別措置
122
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
2 聴覚障害学生に対する対応
入学前相談
障害
学生
支援に
ついて
意思統一
関係
教職員
ニーズの把握
支援担当者
123
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
2 聴覚障害学生に対する対応
授業見学
事前に大学等の授業や実験等を見学
どの程度理解できるのか、本人が確認
高校まで、必要な
支援を受けずに
きているため、
必要な支援を
明確に伝えること
ができない可能性
がある
障害
学生
授業等を見学
することで、
具体的な
ニーズが
わかる
124
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
2 聴覚障害学生に対する対応
授業保障の疑似体験
手話通訳やノートテイクなどの支援を経験
自分に必要な方法を選択
どこにどんな
情報があるの?
ノート
テイクって
何?
入学前相談では
不要とした支援
障害
学生
実際に授業を受けて
みて改めて希望する
ことを可能にしたい
125
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
2 聴覚障害学生に対する対応
支援体制の構築
聴覚障害学生の入学を周知
在籍部局を中心に入学を周知
受講予定の授業で予測される
困難を調査、吟味
授業の進行方法の
変更や特別措置を検討
教職員
配慮について
浸透させる
FDの実施等
効果的な
授業方法の
検討・研究の
機会を用意
126
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
2 聴覚障害学生に対する対応
ノートテイカー等の確保
必要な授業数の把握
支援者の確保、支援機材の準備
聴覚障害学生への支援の中で最重要
ノートテイ
カー
等の人員の
確保と
養成
学生課や教務課
を中心とした事
務組織が中心的
な役割を担う
127
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
2 聴覚障害学生に対する対応
授業における情報保障
授業における情報保障とは
身体的な障害により、情報を収集することが
困難な学生に対し、代替手段を用いて
障害
情報提供をすること
学生
一般の学生と同じ
情報が伝えられる
ことが必要
128
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
2 聴覚障害学生に対する対応
 FM補聴器などの補聴援助機器の使用
 ノートテイク
 パソコンノートテイク
情報保障者の配置
 手話通訳
聴覚障害学生の存在を認識し、
さまざまな支援手段を活用して
効果的な教育をおこなう意識を
持つことが大切
授業
担当
教員
129
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
2 聴覚障害学生に対する対応
FMマイク/補聴器の使用
発信機
音声を直接
補聴器に届ける
受信機
教員
聴覚の活用が可能な学生に
有効
障害
学生
130
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
2 聴覚障害学生に対する対応
ノートテイク 情報保障者の配置
最も多くの大学等で用いられている情報保障手段
教員の話し言葉を中心に、授業中の音情報を手書き
によって書き取り、伝えていく方法
聴覚障害者一人あたり
20~30人のノートテイカーが必要
2人1組のノートテイカー
継続的な講習会による
ノートテイカー養成
131
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
2 聴覚障害学生に対する対応
パソコンノートテイク 情報保障者の配置
パソコンを用いて授業中の音情報を入力していく方法
単独入力と連係入力
障害
学生
パソコン機材の用意
連係入力用ソフト(無料)の準備
継続的な講習会によるノートテイカー養成
132
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
2 聴覚障害学生に対する対応
手話通訳 情報保障者の配置
話し言葉をリアルタイムに手話に変換して伝える方法
外部からの
派遣(有料)
障害
学生
手話
通訳者
支援担当者
133
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
2 聴覚障害学生に対する対応
教員の役割 (例)
紙資料は事前にノートテイ
カー等に渡しておく
板書を増やす
ノートテイカー等がいることを
確認して授業を開始
ノートテイカー等が書き
とれるよう明瞭に説明
パワーポイントのスライド数を増やす
教員
パワーポイントデータを受講生全員に配布
ノートテイクできたかをノートテイカーに確認
説明が理解できたかを本人に確認
134
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
2 聴覚障害学生に対する対応
自然な学生生活を送るために
様々な配慮は必要であるが、障害学生にとって精神
的な負担になる場合もある。
口話を
用いる方法
精神的な
負担になる
場合もある
手話を
筆談を用いる方法 用いる方法
障害
学生
気を遣うことなく
自然な学生生活を
送ることができる
ようにすることが
大切
135
Ⅱ 障害学生理解(聴覚障害)
ガイド参照ページ
1 聴覚障害についての基本的知識
スライドNo.108~109 聴覚障害 ・学校教育法第72条・・・・P49
2 聴覚障害学生に対する対応
スライドNo.122 入学試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P57~62
スライドNo.123 入学前相談・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P63~67
スライドNo.130 FMマイク/補聴器の使用・・・・・・・・・・P75・80
136
Ⅱ 障害学生理解(肢体不自由)
1
2
3
4
5
肢体不自由とは
主な原因
部位別に見た障害とニーズ
配慮上の観点
場面別の留意点
137
Ⅱ 障害学生理解(肢体不自由)
1 肢体不自由とは
四肢・体幹に何らかの姿勢と運動の障害・欠損
などが永続的にあり、そのため日常生活におい
て不自由の生じている状態
四肢・・・・・・・・・・・上肢(腕・手)と下肢(脚・足)
体幹・・・・・・・・・・・胴体
運動の障害・・・自分の思うとおりに動かない、
自分の意図とは関係なく動く、力が入らないなど
138
Ⅱ 障害学生理解(肢体不自由)
1 肢体不自由とは
法律上の規定 定義
身体障害者福祉法 第4条
同法施行規則 別表5
学校教育法
同法施行令 第22条の3
139
Ⅱ 障害学生理解(肢体不自由)
2 主な原因
後天的な原因
事故・・・交通事故
労働災害
病気
高齢化
先天的な原因
脳性まひ
二分脊椎
筋ジストロフィーなど
→欠損、機能障害、
脊髄損傷など
140
Ⅱ 障害学生理解(肢体不自由)
2 主な原因
脊髄損傷
(せきずいそんしょう)
損傷部位の高さ(レベル)
頚髄(けいずい)
胸髄(きょうずい)
腰髄(ようずい)
仙髄(せんずい)
困難・ニーズが異なる
脳障害を伴う
他領域の障害も含めた
配慮
視覚障害 聴覚障害
知的障害
発声・発語障害
高次脳機能障害など
141
Ⅱ 障害学生理解(肢体不自由)
3 部位別に見た障害とニーズ
上肢障害(一側・両側)
(欠損、萎縮、まひなど)
操作の困難
持つ 運ぶ 食べる
操作する ドアの開閉など
コピーとり
事前に話し合っておく
図書館の
資料活用
支援担当者
受講時のノートテイク 実習・研究・体育の参加
パソコン、施設利用など
142
Ⅱ 障害学生理解(肢体不自由)
3 部位別に見た障害とニーズ
下肢障害(杖、クラッチなど使用)
移動の困難
移動 段差 交通機関
施設利用
事前に
話し合っておく
上肢、体幹の
状態は多様
支援担当者
教室配置、授業時間、
実習・体育などにおける配慮
143
Ⅱ 障害学生理解(肢体不自由)
3 部位別に見た障害とニーズ
下肢障害(車いす使用)
可能な改修
は?
移動、物理的バリア
による困難
段差 斜面 ドア 入口・通路幅
バス・電車乗降 食堂 エレベータ
机 パソコン トイレなど
入学前から
検討
支援担当者
手動車いす利用
介助者の必要についての確認
電動車いす利用
上肢の不自由の確認
介助者マネジメントの必要性
144
Ⅱ 障害学生理解(肢体不自由)
3 部位別に見た障害とニーズ
上下肢~全身性障害
体調・健康管理上の
困難
体温調節 呼吸管理など
摂食 嚥下(えんげ)~飲み込み
かっ痰(かったん)~痰を吐く
上肢障害、下肢障害
についての項参照
事前に
本人に詳しく
確認
支援担当者
145
Ⅱ 障害学生理解(肢体不自由)
4 配慮上の観点
事情説明
対応の相談
受験
会場へのアクセス 駐車場 別室受験
トイレ 健康管理上の配慮 机 筆記用具
補助具 問題・答案用紙の拡大 パソコン
時間延長 介助者待機など
障害
学生
入学後の生活について調査、相談
自己の障害
自分自身への理解
生活条件の
検討
支援担当者
146
Ⅱ 障害学生理解(肢体不自由)
4 配慮上の観点
入学前後
【入学手続き・生活準備】
アパートや宿舎
交通機関
移動手段確認
介助
障害
学生
【学習相談】
担当教員 担任
担当事務員
体育担当教員
実習担当教員
本人を
含めて
事前相談
教室変更 体育授業の検討
必要な机など確保
トイレ、ドア、斜面など
必要部分の改修
支援担当者147
Ⅱ 障害学生理解(肢体不自由)
4 配慮上の観点
入学後の生活
入学前までの生活からの変化に、どう対応するのか
自分の
障害とニーズ
について理解
障害
学生
調査・相談
意思の伝達
毎日の組み立てが
できるよう指導・支援
支援担当者
148
Ⅱ 障害学生理解(肢体不自由)
4 配慮上の観点
授業・学習
【講義形式】
机や受講場所の確保
ノー トテイク 移動
トイレなど
【体育・実習など】
授業の達成目標を確認
学生に合わせた対応を
工夫
試験・評価
レポート代替
回答手段の工夫
(パソコン、補助機器、延長など)
<
149
Ⅱ 障害学生理解(肢体不自由)
5 場面別の留意点
施設改修
【ニーズの点検】
簡便な改修・・・・・・・・迅速に執行
規模の大きな改修・・・計画的な執行
関連部署との
協議
障害学生支援に関する全学組織の設置
支援担当者
150
Ⅱ 障害学生理解(肢体不自由)
5 場面別の留意点
現場での当事者を交えた検討
必要性の高い施設を重点的に検討
教職員
車いすが
ドアを通れない
トイレの内鍵に
手が届かない
障害
学生
支援担当者
学生の動線を確認
教室や事務室等
支援担当者
利用頻度の高い施設を優先
151
Ⅱ 障害学生理解(肢体不自由)
5 場面別の留意点
施設の整備・維持管理
トイレ
ドアの開閉
スペースの確保
車いすの回転 便座への移乗
介助行為のための空間
基本機能の維持
洗浄 鏡 手洗い
バリア
多目的トイレ
掃除用具などでバリアを作らない
多様な利用者の想定
152
Ⅱ 障害学生理解(肢体不自由)
5 場面別の留意点
食堂 静養室
学習室など
机 いす
シミュレーション
アクセスの確認
支援者
設置機器
利用可能な高さと奥行き
セルフサービス等、利用可能かの
確認
目的地までの途上にバリアはない
か
必要に応じて周辺の職員や学生が
支援
情報処理室の床上コード配線、
プリンタ、パソコンの入出力等
153
Ⅱ 障害学生理解(肢体不自由)
5 場面別の留意点
介助体制
学外機関との連携
規模に応じた体制を
介助団体スタッフ
講習
ヘルパー
介助ローテーション管理
訪問看護など
連絡体系
大学等との連携
支援組織の
生活面での支援
障害
形成
学生
有意義な
キャンパスライフを
送るために
支援担当者
154
Ⅱ 障害学生理解(肢体不自由)
ガイド参照ページ
1 肢体不自由とは
スライドNo.138~139 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P97
2 主な原因
スライドNo.140~141 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P98~99
3 部位別に見た障害とニーズ
スライドNo.142 上肢障害(一側・両側)・・・・・・・・・・P100~119
4 配慮上の観点
スライドNo.146 受験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P105~106
5 場面別の留意点
スライドNo.150~151 施設改修・・・・・・・・・・・・・・・・P107~119
155
Ⅱ 障害学生理解(病弱・虚弱)
1 病弱・虚弱とは
2 主な疾患
3 場面ごとの支援
156
Ⅱ 障害学生理解(病弱・虚弱)
1 病弱・虚弱とは
学校教育法施行令 22条3
慢性の呼吸器疾患及び神経疾患、悪性新生物
その他の疾患の状態が継続して医療または生活
規制を必要とする程度のもの
身体虚弱の程度が継続して生活規制を必要とす
る程度のもの
157
Ⅱ 障害学生理解(病弱・虚弱)
1 病弱・虚弱とは
法的な支援
小児慢性特定疾患 (11)
内部障害(6)
悪性新生物 慢性腎疾患
心臓機能障害
慢性呼吸器疾患
腎臓機能障害
慢性心疾患 内分泌疾患
呼吸器機能障害
膠原病(こうげんびょう)
膀胱又は直腸機能障害
糖尿病 先天性代謝異常
小腸機能障害
血液・免疫疾患 神経・筋疾患
ヒト免疫不全ウイルスに
よる免疫機能障害
慢性消化器疾患
158
Ⅱ 障害学生理解(病弱・虚弱)
2 主な疾患
修学に影響
生命の危険の
可能性
てんかん
気管支喘息(きかんしぜんそく)
アトピー性皮膚炎
食物アレルギー・アナフィラキシー
ネフローゼ症候群・慢性腎疾患
インスリン依存性糖尿病
悪性新生物
159
Ⅱ 障害学生理解(病弱・虚弱)
2 主な疾患
てんかん
発作時の窒息
に注意
慢性脳疾患
発作を繰り返す
意識を失い、
けいれんを伴う
大発作が多い
発作の種類は多様
抗てんかん薬
発作のコントロール
過労 服薬中断
障害
学生
冷静な対応
が大切
発作の出現
160
Ⅱ 障害学生理解(病弱・虚弱)
2 主な疾患
気管支喘息
アトピー性皮膚炎
発作が重く、持続する
場合には死亡する例も!
集中力
困難
顔面の湿疹
に悩む
慢性湿疹
(顔、関節など)
かゆみをともなう
喘息発作
咳や喘鳴をともなう
呼吸困難
環境整備
アレルゲン、ストレス、
過労などを除き、発作
を誘発しない環境を
障害
学生
障害
学生
環境整備
アレルゲン、ストレ
ス等の悪化因子を
除く
スキンケア
161
Ⅱ 障害学生理解(病弱・虚弱)
2 主な疾患
食物アレルギー
アナフィラキシー
ハチに刺される、薬物
摂取など死亡例も
蕎麦アレルギー
で死亡例も
急性アレルギー
反応
特定の食物
皮膚や呼吸器、
消化器あるいは
全身性
学食
使用食材の情報
提供
全身におよぶ
障害
学生
障害
学生
アレルゲン
の回避
エピペン
アドレナリン
自己注射薬
162
Ⅱ 障害学生理解(病弱・虚弱)
2 主な疾患
ネフローゼ症候群・慢性腎疾患
インフルエンザ
麻疹等の流行に
注意
糸球体の異常
尿を生成する組織
タンパク尿
むくみ(浮腫)
ステロイド
免疫抑制剤
による治療
易感染性
感染症に対する抵抗力低下
障害
学生
透析にともなう
欠席への配慮
163
Ⅱ 障害学生理解(病弱・虚弱)
2 主な疾患
インスリン依存性糖尿病
高血糖 尿糖 多飲
多尿 体重減少など
コンパ等
イベント時の
高血糖
食事が
摂れない時の
低血糖
意識障害をともなう
低血糖発作
自己注射管理
障害
学生
生命の危険や障害につなが
る可能性
インスリン補充療法
自己注射
日頃から本人と話し合い
対応を準備
164
Ⅱ 障害学生理解(病弱・虚弱)
2 主な疾患
悪性新生物(組織の悪性腫瘍 がん)
白血病 脳腫瘍
悪性リンパ腫
神経芽腫
ウイルムス腫瘍など
小児期に治療
症状は消失しても
再発を考慮し
治療や観察
病状の理解、予後の把
握
障害
学生
化学療法
薬物副作用
免疫力低下
感染予防
本人の同意
家族や主治医と
の連携
165
Ⅱ 障害学生理解(病弱・虚弱)
2 主な疾患
共通の配慮
外見からは
わからない
主治医
本人、
主治医との連携
孤立しがち
情報提供
緊急事態
障害
学生
一般的対応
医療的な対応
プライバシー保護
個々の学生ごとの
緊急時対応マニュ
アルの作成
支援担当者166
Ⅱ 障害学生理解(病弱・虚弱)
3 場面ごとの支援
入学まで
情報提供(オープンキャンパ
ス、募集要項)
合否判定に影響しない等
受験配慮
感染症予防(別室受験)等
受け入れマニュアル整備
支援委員会の設置
学生と協力した体制作り
入学後
入学準備
履修計画支援等
授業
担当者
への周知
通院への配慮
運動制限、安全対策
緊急事態シミュレーション
(救急時対応マニュアル作成
等)
167
Ⅱ 障害学生理解(病弱・虚弱)
3 場面ごとの支援
学生生活
組織的な支援
保健管理センター等
周囲の協力、理解
教職員、友人等のサポート
就職支援
キャリアカウンセリング
情報提供
「障害者雇用率制度」
ハローワーク
民間就職ガイダンス
プライバシーに
配慮し
安心して
学生生活を
送れるように
環境整備
教職員の理解向上
学内機関
学外機関との連携
168
Ⅱ 障害学生理解(病弱・虚弱)
ガイド参照ページ
2 主な疾患
スライドNo.160
スライドNo.161
スライドNo.162
スライドNo.163
スライドNo.164
スライドNo.165
てんかん ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P122
気管支喘息・アトピー性皮膚炎 ・・・P123~124
食物アレルギー・アナフィラキシー・・・・・・P125
ネフローゼ症候群・慢性腎疾患・・・・・・・・P126
インスリン依存性糖尿病 ・・・・・・・・・・・・・P127
悪性新生物・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P128
4 場面ごとの支援
スライドNo.167 入学まで・入学後 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P129
169
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
1
2
3
4
5
6
7
発達障害の特性と現状
発達障害がもたらす困難
発達障害とは
大学で問題になる発達障害
発達障害の学生と気づくために
支援を行う上での注意点
支援例
170
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
1 発達障害の特性と現状
長期に続く (乳幼児期から大人になるまで)
知的に遅れがない場合も多い
障害として
大学等にかなり在学
捉えにくい
指導に
とまど
い
2 発達障害がもたらす困難
学習 対人関係 行動
目にみえにくい 境界が曖昧
一人一人が異なる
個別支援が必要
障害
学生
教職員
171
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
3 発達障害とは
発達障害とは
特徴
中枢神経系の障害
能力の偏り・問題
認知
コミュニケーション
社会性 学習
注意力
現実の生活
に困難
基本的特性は継続
教育的対応が重要
障害
学生
養育の困難
いじめなどの
原因による
二次障害
複雑化
172
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
4 大学等で問題になる発達障害
アスペルガー症候群と自閉症
社会性の障害 コミュニケーションの障害
こだわりが強く柔軟性がない想像力の障害
注意欠陥多動性障害(ADHD)
注意の持続、配分、転換の障害
多動 衝動性
学習障害(LD)
話す 聞く 読む 書く 計算する 推論する等の一部に
著しい困難 成績不振と見なされがち
巻末資料1
173
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
4 大学で問題になる発達障害
発達障害が
疑われる
児童生徒
約6%
「通常の学級に在籍する
特別な教育的支援を必要
とする児童生徒に関する
全国実態調査」(2003年)よ
り
特別支援教育
の充実
高等教育機関への
進学率上昇
これまで
以上に
増える
障害
学生
174
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
4 大学で問題になる発達障害
アスペルガー症候群と自閉症
(自閉症スペクトラム 広汎性発達障害)
Wingの三つ組
視線や表情をう
まく使えない
会話が
続かない
一方的
同じ表現の
繰り返し
感情が読み取れない
興味関心や意味を
共有できない
社会性の
障害
コミュニ
ケーション
の障害
こだわり
想像力
の障害
部分的に強い力
視覚空間的記憶(見て記憶する力)
モノ集め
知識集め
ルールや
考え方を
変更できない
感覚の過敏性
苦痛 強い偏食等
175
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
4 大学で問題になる発達障害
注意欠陥他動性障害(ADHD)
(Attention ‐Deficit /Hyper Activity Disorder)
不注意なミスが多い
遅刻が多い
落ち着きがない
待てない
衝動的な問題行動
主な症状
注意の障害(持続、配分、転換)
多動 衝動性
複数の課題を並行してこなせない
単位取得に影響
提出物の遅れ
治療
効果的な薬物が
使えない現状
176
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
4 大学で問題になる発達障害
学習障害(LD)
(Learning Disabilities)
判断の基準
全般的には知的発達の遅れはない
聞く 話す 読む 書く 計算する 推論する能力のうち
特定のものの習得と使用に著しい困難
(文部科学省定義の一部)
大学入試方法の多様化
入学者数が増す可能性
気付かれにくい例
【読み障害】
第2外国語の習得困難
読み速度が著しく遅い
177
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
5 発達障害の学生と気づくために
入学前に診断、障害が認知されている場合
(人
3 0)0
学生数は増加傾向
299
発達障害全体
219
200
178
127
高機能自閉症等
133
100
26
ADHD
19
49
31
0
2006
2007
発達障害者支援法施行
特別支援教育の推進
LD 2008
(年
)
出身校から
の引継ぎ
連携
学生
保護者からの
情報提供
178
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
5 発達障害の学生と気づくために
入学後、気づかれる場面
トラブル
授業、実習、ゼミ、サークル等で
期日が守れない
遅刻 忘れ物
自閉症スペクトラム
ADHD
暗黙のルールに気づかない
冗談や比喩が理解できず、
字義通りに受け取る
LD
ノートがとれない
金銭計算ができない
179
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
5 発達障害の学生と気づくために
二次障害
精神症状
身体症状
保健管理センター等の頻繁利用
【身体症状】
腹痛 頭痛
不眠
【精神症状】
抑うつ 不安
脅迫症状
パニック
生活上の困難による不安 葛藤
復学の際、発達障害
の可能性を考慮
不登校 休学 退学 ひきこもり
ネットの情報や
自伝等の書物から
本人の自覚
180
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
6 支援を行う上での注意点
場面ごとの支援
窓口と担当の明確化
気づかれる場面と支援
入学試験
入学まで
履修登録
授業 実験 実習
評価
学生生活
就職活動等
学生への直接支援
関係者の連絡調整
注意点
家族又は本人からの申し出
で支援開始
現実の問題の理解を促す
肯定的、具体的に問題解決
成功体験を増す
181
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
7 支援例
支援の基本
本人の自己理解を促進
強みや長所 障害に起因する困難・・・・・・両方を視野に
入学試験
独り言や周囲の目が気
になるなどの申し出
診断書を提出し
「別室受験」の許可
障害の特性に
配慮した
細やかな支援
今後の検討課題
海外の例
試験時間の延長
パソコン等使用許可
182
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
7 支援例
入学まで
窓口の明確化
障害
学生
本人を含めた
話し合いの場で決め
る
支援内容、
支援方法の決定
定期的な見直し
支援担当者
183
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
7 支援例
入学前に障害が
わかっている場合
履修登録
登録確認の援助
教員
支援
学生
本人、家族に
履修登録方法を説明
シラバス内容
の具体化
優先登録等の
許可の検討
障害
学生
支援担当者
184
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
7 支援例
授業(講義、演習、実験、実習)
支援
学生
情報提示法の
学生自身の
工夫を依頼
自己理解の促進
配慮を要請できる力の
育成(自己権利擁護)
教員
具体的な場面での具体的
な指導
学生の苦手と得意の把握
支援の個別化
PCなど支援技術の利用
を指導
障害
学生
身近な支援者
「通訳者」の役割
支援担当者
185
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
7 支援例
成績評価
個人の苦手、得意に応じ個別化
評価方法の詳しい情報公開
他学生との公平さを保つ
「合理的配慮」の決定
医師
心理士
入学試験と
同様な配慮
助言を
求める
支援担当者
186
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
7 支援例
学生生活
トラブルや不適応で発見されやすい
困難、不全感
とまどいを
適切に
説明できない
問題学生
困難を抱えている
学生
困難や自己不全感をともに解決し、
自己理解を進める支援を
障害
学生
情報の
整理分析(環境調
整)
学生自身が
問題を
解決できない
支援担当者
187
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
7 支援例
対人関係に困難を感じる
友達ができにくく居場所が
できにくい
コミュニケーションが不適切
相手の気分を害し、
周囲から孤立
理解してくれる
人がいる
安心して
過ごせる
居場所がある
障害
学生
孤立を防ぐ~理解者と
居場所の提供
予防的対応
予防的対応
緊急時の対応を
あらかじめ教える
支援担当者
188
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
7 支援例
就職への支援
どのような職業に就
きたいかわからない
面接試験の
失敗で
意欲を失う
就職活動の
手順が
わからない
履歴書が
書けない
障害
学生
適性がわからず
現実的でない
職業を希望
履歴書や
願書の
書き方指導
丁寧な面接の
支援担当者
事前練習
アルバイトの活用
189
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
7 支援例
本人や家族が
障害認識が
ある場合
ハローワーク
障害者職業センター
発達障害者支援センター
連携
障害
学生
支援担当者
本人や家族が
障害に対する
理解を深め、
適性にあった
進路選択が
できるように支援
「職業リハビリテーション」の活用
障害者手帳の取得
190
Ⅱ 障害学生理解(発達障害)
ガイド参照ページ
4 大学等で問題になる発達障害
スライドNo.173~174 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P142~144
6 支援を行う上での注意点
スライドNo.181 場面ごとの支援・注意点 ・・・・・・・・・P147~149
7 支援例
スライドNo.182 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P150~160
191