パパPTの育児に関する 意識調査

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パパPTの育児に関する
意識調査
(社)神奈川県理学療法士会
会員ライフサポート部 堀 七湖
【背景】
育児支援制度について
「育児・介護休業法」
正式名称は,「育児休業,介護休業等育児又は家族介護を
行う労働者の福祉に関する法律」で,男女とも(すなわちパパも)
育児や介護と両立できるように支援する法律
例)育児休業(休暇),子の看護休暇,勤務時間短縮 など
「労働基準法」
働く女性の母性保護のための条項がある
例)産前産後休業,育児時間,生理休暇 など
「男女雇用機会均等法」
働く女性の母性健康管理のための条項がある
例)妊産婦のための健康診査,指導を受けるための時間
の確保と、指導内容遵守のための措置
パパが育児休暇を取得するメリット
①育児休暇取得経験のある男性PT・OTにその経験談や意見を
聴取(平成20年度関ブロ発表)
対象者4名は、職場の規模や職員数・取得期間や時期などは様々であったが、全ての職
場が公的又は準公的な施設であった。困ったことは全員が特になし、良かったこととして
子供や家族との関係・人としてやリハビリテーションを担う職業人としての向上を挙げてお
り育休取得によるメリットが大きいことがわかった
②パパの育児体験記(内閣府ホームページ掲載)
パパの体験記・・84名!!
体験記によせて(育休パパの妻として) より抜粋↓
第三子出産前の夫は、自分の都合のよいときにだけ子どもを見てくれるという「育児のお手伝い」でした。最後は、
「俺には仕事がある」という言葉で逃げ切られてしまいます。「君が休めないのか」「誰か他の人に頼んでくれよ」とい
われることはあっても、「俺が何とかする」とは言いませんでした。夫も「育児」をしている今は、私の負担と責任は、
半減どころか、精神的には10分の1ぐらいになりました。夫が「育児」をするようになったきっかけは、育児休暇取得
です。子育てを自分で100%行うことにより、自分のかつての「育児のお手伝い」が、いかに「育児」と呼べないかと
いうことを痛感したようです。
パパの育児休暇取得は、パパ・ママ・こどもの全てにおいてメリットあり!
育児休暇の取得率
厚生労働省「平成19年度雇用均等基本調査」より
女性 89.7%
男性 1.56%
※平成17年度(女性72.3%、男性0.50%)に比べ、男女とも
神奈川県理学療法士会の現状は?
大幅に上昇しているものの、男性の育児休暇取得率は
依然として低い
• 女性の職場環境を考えれば考えるほど、職場全体の環境や
意識が重要であることがわかってきた
• パパPTの育児制度の利用実績・認知度や、パパPT自身の
職場環境・家庭環境・育児に対する意識などが把握できて
いない
【目的】
育児経験のある男性PTより育児に
関する意識や環境について調査し、
当部の活動課題の参考にすることを
目的とした
【方法】
期間:2008年12月の1ヵ月間
対象:育児経験のある男性PT131名
方法:アンケート用紙を使用し、無記名・
多選択方式で回答を得た
アンケート内容:家庭環境・職場環境・
育児支援制度など
【結果】 ①家庭環境
②職場環境
図8.勤務先
無回答
その他
介護ショップや事業所などを経営
教育機関
行政機関
リハセンター
小児療育等施設 介護老人保健施設
医院・診療所(19床以下) 総合病院(199床以下)
総合病院(200床以上)
大学病院
0
10
20
30
40
50 ヵ所
③育児支援制度
制度の認知度について
制度の利用実績
育児休暇制度:1.53%
育児時間制度:3.82%*
*育児時間とは、母親への支援制度であるが、実際には短時間勤務などの
措置と混同して利用しているようである。今回のアンケートでは、
「育児時間」としてアンケートを作成したが、正確には「短時間勤務措置」と
示すべきであった。そのため、正確な利用実績や認知度は算出できなか
った。
育児支援制度を利用しなかった理由
「妻が利用した」という意見が多く、次いで
「職場の環境」、「仕事への影響」、「経済面」、
「有給を利用」が挙げられた
育児支援制度に対する職場環境について
育児支援制度の利用について
図14.育児支援制度の利用希望
利用したい
その他
15%
利用したくない
無回答
2%
わからない
36%
36%
11%
④父親になってからの変化;仕事上
休まざるを得ないことが増えた
時間が足りないと感じることが増えた
視野が広がった
モチベーションが上がった
仕事と家庭の優先順位が変わった
社会的信頼度が増えた
職場内の立場や役割が変わった
職場を変えた
父親になってからの変化;家庭上
家庭での役割が増えた
経済的な責任が増えた
自由な時間がなくなった
生活が充実していると感じることが増えた
地域との関わりが増えた
仕事と家庭とのメリハリができた
家庭での立場に変化があった
【考察】
①家庭環境について
共働きの家庭が67%、 育児援助者が
いない家庭が69%と半数以上であり、
夫婦が助け合って仕事と育児を両立して
いく必要性が高い
日本人男性が家事や育児に関与する
時間は週に約1時間という報告があるが、
パパPTは家事や育児に協力している傾向が
見られた
②育児支援制度について
認知度・利用実績とも低く、職場での利
用環境では「わからない」が多く、制度に
関する情報提供の必要性を感じた
利用しない理由として、 「職場の環境」、
「仕事への影響」も挙げられ、職場内での
育児に関する環境や仕事面への影響つ
いても調査が必要と感じた
パパPTは、できれば育児支援制度を
利用して、仕事と育児を両立したいと
思っている
③仕事と家庭への意識について
父親は経済的責任をもって仕事を継続
しなければならないという意識が強い
家庭を持つことで仕事以外にも役割が
増え、自分の時間が少なくなったと感じ
ている人が多い
同時に、仕事のモチベーションが向上
し、PTとしての広がりや生活の充実を
感じている人が多い
④今後の活動課題について
男女問わず各家庭の事情に合った支援
が可能な環境を考えていく
職場内での育児に関する環境について
調査する必要がある
必要に応じて休暇が取れるような育児支
援制度の利用促進や代替え要員の雇用
支援、育児に関する情報提供等の必要
性を訴えていく活動が重要だと感じた
【おまけ(育児・介護休業法より)】
これらはパパも
ママも請求でき
ます!
育児休暇(休業)
【対象者】
1歳未満の子を養育する男女労働者で、休暇の取得によって雇用の継続が
見込まれる一定範囲の期間雇用者
配偶者と交替する形で育児休暇を取得することができる
ただし、1人の子について1回限りしか育児休暇を取得できない
【休暇期間】
原則として出生した子が1歳に達する日(誕生日の前日)までの間
ただし、一定の場合は、子が1歳6か月に達するまで延長可能
※妻が専業主婦である場合でも、産休中である場合でも、子どもが生まれて
から8週間までは、男性も育児休暇をすることが可能
子の看護休暇
小学校就学前の子を養育する労働者は、1年に5日まで、病気・けがをした
子の看護のため、休暇を取得することが可能
勤務時間短縮等の措置
3歳未満の子を養育する労働者については、事業主は次のいずれかの措置
を講じなければならない(短時間勤務の制度、フレックスタイム制、始業、終
業時刻の繰上げや繰下げ、所定外労働をさせない制度、事業所内託児施
設の設置など)
時間外労働の制限
小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が、その子を養育す
るために請求した場合、事業主は、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、
1か月に24時間、1年に150時間を超える時間外労働をさせてはいけない
深夜労働時間の制限
小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が、その子を養育す
るために請求した場合、事業主は、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、
午後10時から午前5時までの間、労働させてはいけない