3年生 卒論作成プロセス(作文編)

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Transcript 3年生 卒論作成プロセス(作文編)

3年生 秋学期
卒論作成プロセス(後編)
- 就活直前!ESの準備として日本語を磨く -
8週間で作るPowerpoint 前編
II. 6週間で日本語力アップ 後編
I.
児島ゼミナール
http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/
名古屋学院大学
一番重要なこと:「楽しく勉強する」
• 皆でやる,助け合う 就活
• パソコンスキルの相互扶助,ダメ出しなど
• 一緒に本屋・図書館へ出かける。
• コツコツやる,継続は力 就活
• 常に卒論を意識する(新聞・ニュースのチェック)
• チェックの場を大切にする
• 毎週,1ページを書き上げ,相互チェック
• 休んだら,グループ内でフォローする
• 「絶対できる」と自分を信じること
• 努力は能力に優る
成功の目安:3年生
10月末
就
活
準
備
• 発表4回:Powerpointスライド20枚
• 参考文献:1冊読了
11月末
• 発表8回:スライド40枚(Wordへ)
• 参考文献:1冊読了
12月末
就
活
開
始
• 1章分の日本語ダメ出し(5頁)
• 参考文献:1冊読了
1月末
• 3章分の日本語ダメ出し(15頁) → 研究報告書
第2部
6週間で日本語力アップ
1. 論文書法の基礎を確認
2. 日本語のダメ出しトレーニング
InputとOutput
• Input:文章を読む習慣
• 新聞は毎日,目を通し,必要な記事スクラップ
• 毎月,1冊の本を読む
• 使えそうな表現は手帳にメモをする
• 難しい単語・表現を覚える
• 必要であれば,漢検や日本語検定も
• Output:文章を書く習慣
• ブログやEvernoteなどを活用する
• 文章を書く機会(レポート)を大切に
• 剽窃は絶対にしてはならない
• Wordの機能を使いながら覚える
就活
執筆以前:Wordを理解しているか?
基本機能
論文に必要な機能
• ショートカットキー
• 見出し(スタイル)
Ctrl+C,V,S,X,Z,A,F,H…
• フォント(Ctrl+D)
• 段落
• 目次作成
• 行間
• 段落番号,箇条書き
• インデント(左・右)
• 図形描画と作表
• 印刷
• プレビュー,PDF
• 脚注
• 文章校正/文字カウント
• ヘッダー/フッター
• 図表番号
• 数式ツール
• 改ページ
• 検索/置換
など
執筆以前:文章構成を理解しているか?
目次:ディレクトリ構造
1. 章(chapter:見出し1 )
節(section :見出し2 )
1.
1.
項( 見出し3 )
単語
単語 , 単語
単語
単語(Word) 。
句点
文(sentence)
1マス開け
読点
段落(paragraph)
作文の基本的な注意事項
• 相手に読ませるという意識を持つ
• 就職時のエントリーシートのトレーニング
• 相手は文章から書き手の能力を判断
• 筆者は何がいいたいのか?
←
国語の問題
• 各パーツの確認
• 単語:大学生らしい用語,経済用語,漢字熟語
• 一文:主語は明瞭か?長すぎないか?句読点の数は?
• 段落:適切な長さであるか?前後の文のつながりは適
切か?段落の主張は明白か?
• 節:適切な文量(3~5段落)か?
• 章:適切な文量(3~5節)か?
作成指針:美しく!
1. 全体のバランス
2. 大人らしい表現
3. 瑣末なミスの撲滅
『人は見た目が9割』
印刷前に,自分で
チェック
1. 誤字,脱字,漢字変換のミスなどはないか?
2. 表記がバラバラではないか?(表記のゆれ)
3. 語尾は統一されているか?
4. 美しい表・グラフ
•
•
•
グラフエリアの枠消し
グラフのサイズ(文章とのバランス)
貼付の種類,リンク貼付の注意
ダメ出しトレーニング
まず1章分を書いてみる
• これまで発表したPowerpointのスライドを整理
• 暫定的な目次を作成
以上は,前編参照
• 第2章または第3章(参考資料)を書いてみる
• Powerpointのスライドにあるデータを活用
• 自分が口頭で説明した順序を念頭に文章化する
• 図表を入れる
• 脚注
• 「喋り言葉」は使わない
• 1章あたり5頁を目安
Wordのテンプレート利用法
1. ダウンロード
2. 赤字の注意事項を読む
3. 第3章からの「卒業論文の
手順」を読む
4. 既設定の確認
• ヘッダー(日付など)
• 一行目のインデント
• 見出し
• 改ページ
• ページ番号
5. 上書き記入(赤字を消す)
印刷方法と保存
ダメ出し印刷(Ctrl+P)
• 2ページが収まる両面印刷
A4サイズ用紙:1枚4頁
• 「もったいない」
片面印刷は裏紙を推奨
ファイルの保存
• 作業時間の30分に一度は保存(Ctrl+S)
• 作業終了次は焦らず(上書き保存に注意)
• バックアップ:CCSフォルダやクラウド
▲Wordの設定
ダメ出し印刷
第2部
6週間で日本語力アップ
1. 論文書法の基礎を確認
2. 日本語のダメ出しトレーニング
準備
単語
文章
その他
「ダメ出し」とは?(日本語文章校正)
• 作文したら,印刷してチェックする
• PCの画面では,目の疲労度も大きい
• 紙ならば,どこでも赤ペンを入れられる
印刷方法
• 多くの目で見れば,ミスは減る
• この作業は絶対に一人ではできないので,サブゼミな
どでの「人間力」が試される
• ダメ出しをするほど,日本語力はアップする
• ヘッダーにはダメ出しを受けた人の名前を記す
• 完成論文には,謝辞を記載する
ダメ出し準備
• アイテム
3色ペンとラインマーカー(必須)
2. A4用紙 → 印刷方法
3. ホチキス,USB
1.
• 集合空間
• 場所,時間 ← サブゼミ(自分たちで調整)
• 参考資料
• 先輩たちの「卒業論文集」
• Webサイト「論文の書き方と留意事項」
http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/ronbun.html
ダメ出し作法(単語編)
1. 表記のゆれ
2. 同じ言葉の繰り返し
3. 抽象語句の多用
1. 名詞:こと,もの
2. 動詞:する,行う
4. 口語
1. お客など(「お」付き名詞)
2. 副詞
5. 重ね言葉
6. 経済用語と脚注
単語
単語
表記のゆれ:表現の混在
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
できる:出来る
ため:為
こと:事
など:等
また:又
ただし:但し
さらに:更に
ひとつ:一つ:1つ
ほとんど:殆ど
ともに:共に
たんに:単に
しれない:知れない
とくに:特に
• いう:言う:云う
• とおり:通り
• Web:web:ウェブ
• 仕組み:しくみ
• 取り組み:取組み:取組
• 取り扱い:取扱い:取扱
西暦と和暦の混在に注意
下線の表現を推奨
F7キー:文書校正
Ctrl+F:検索
頻出用語のチェック
同じ言葉を繰り返し
使わない
例)
• により
• ので
• ために
• として
単語
抽象的な語句
• 名詞(something)
• こと
• もの
• 動詞(do)
• する
• 行なう
など
Ctrl+Fで探す
使用頻度をチェック
上は曖昧なので多用禁止。
日本語には適切な熟語があ
るので,それを用いる
曖昧な表現から熟語へ(例)
単語
• 行なう
実施する,実行する,施行する,進行する,進展する,
展開する,持続する,履行する
• 見る,調べる
観察する,凝視する,視聴する,調査する,察する,
一瞥する,観測する,俯瞰する,概観する,詳察する
• 考える,思う
考察する,考慮する,思索する,考案する,配慮する,
熟考する,推察する,斟酌する
必要であれば漢検
口語(しゃべり言葉)はNG
• 「お」「ご」つき言葉:喋り言葉
お客,お年寄り,お店,お金,ご飯,お礼
→ 顧客,高齢者,店舗,価格,食事,感謝 など
• 省略形
• ~というのがある。
• ~というものがある。(抽象名詞を置換)
• 「ん」つき言葉
• したんで
→ したので
単語
副詞に注意:修飾語
単語
• 副詞の記述
• 漢字を使うかは迷うところ
• 以下は「ひらがな」を推奨
• 殆ど,一層,就中,然るに,等,…
• 口語的表現はNG(例)
• 非常に,大変,様々な,たくさん,すごく,だんだん,
どんどん,とても,どのくらい,まだまだ,~みたい
に…
• 文語的表現(例)
• 極めて,多様な,多岐にわたる,とりわけ,徐々に,
顕著に,頻繁に,なかんずく,依然として…
類義語・シソーラスの活用例
いろいろな
述べる
単語
特に
• さまざまな
• 触れる
・とりわけ
• 多彩な
• 言及する
・ことさら(殊更)
• 多様な
• 論述する
・なかでも
• 多岐にわたる
• 概観する
・なかんずく(就中)
• 多面的な
• 説明する
・注目すべきは
• あれこれ
• 解明する
・看過できない点として
• もろもろの…
• 分析する…
Yahoo!の類義語辞典を引いてみる
http://dic.yahoo.co.jp/
重ね言葉(過去の事例)
誤った例
正しい例
• 製品の製造を行う
• 製品を生産する
• 行為が行われる
• が行われる
• 広く広範囲に
• 広範囲に
• 求めることが要求される
• 要求される
• 可能にできる
• 可能にする
• ITの技術により
• ITにより
• 新しい新規参入
• 新規参入
• 個々の個人
• 個人
単語
24
NAGOYA GAKUIN UNIVERSITY
単語
経済用語と脚注
• 経済学部なので経済用語を使う
• 「値段が上がる」→
• 「選ぶ」 →
• 「会社」 →
• 「買う」 →
• 「売る」 →
• 「お金」 →
• 「仕事」 →
「価格が上昇する」など
「選択する」など
「企業」
「購入する」など
「販売する」「売却する」など
「貨幣」「金銭」など
「業務」など
• 極めて特殊な用語は脚注で説明
• 本文中に書くのでなく,脚注で
ダメ出し作法(文章編)
1. 段落の注意点
2. 接続詞:内容のつながり
3. 曖昧な助詞「の」「と」
4. 一文のチェック(語尾ほか)
5. 改めるべき表現
6. 作文の癖
文章
文章
段落の注意点
• 段落(パラグラフ)は意味のまとまり
• 複数の段落が集まって,節や項を構成
文章構成
• 段落ごとのダメ出し
1.
2.
3.
4.
5.
頭下げ(1字分のインデント)になっているか?
1段落=1文になっていないか?
段落で意味が通るか?(筆者の主張は?)
同じことを繰り返し説明していないか?(冗長)
前後の段落のつながりは正しいか?接続詞は正確か?
段落
文A
文B
接続詞
文C
接続詞
文D
接続詞
接続詞:内容のつながり
文章
読み手が連想しやすいように接続詞を加える
並列:文Aと文B
• <文A>~である。また,~<文B>
逆接:文Aと文Bが逆
• <文A>~であるが,~<文B>
効果的な副詞・接続詞の例
• たしかにAであるが,しかしBである。
口語的接続詞はNG
• 「 ~ 。なので, ~ 」
(札幌学院大学からの指摘)
曖昧な助詞「の」「と」
正確な意味が伝わらない表現は修正
1. 書店で先生の本を見つけた
所有(Have)
b. 執筆(Written)
c. 恩師について書かれた(Concerning)
a.
2. 父と母が通っていた学校へ行く
a. With
b. Both
文章
29
NAGOYA GAKUIN UNIVERSITY
一文のチェック
文章
1. 語尾の統一
• である調に統一
• 体言止めは不可
5. 一文の長さ
• 長:分ける
• 短:前後の文とマージ
2. 読点の数や位置
• 多すぎず,少なすぎず
6. 前後の文との関係
• つながりを確認
• 接続詞の適切性チェック
3. 主語のチェック
• 主語は明瞭であるか?
4. 述語のチェック
• 主語に対応しているか?
改めるべき表現(過去の事例)
誤った例
正しい例
• やり取りを行なう
• 交換する
• 輸出を行なう
• 輸出する
• 会って話す
• 対面で話す
• 初めて放送を行なう
• 放送を開始する
• コストがかかる
• コストが発生する
• 対策をする
• 対策を講じる
• ひとつづつ
• ひとつずつ
不適切な喩えはNG
文章
作文の癖(傾向)
事実のみ(新聞記事風)
• 特徴:事実だけをたんたんと記述
• 問題点:文章量が著しく不足しがち
• 修正法
• 適度に説明となる修飾句を挿入
• 周辺の関連事項を述べる
叙情的(小説・日記風)
• 特徴:口語的で物語のように記述
• 問題点:冗長な表現が多くなる
• 修正法
• 曖昧さを除くため不要な修飾句を削除
文章
32
NAGOYA GAKUIN UNIVERSITY
その他
全体のチェック
• 節(Section)
• 適切な文量(3~5段落)
• マージや分割
• 多ければ章とする
• 章(Chapter)
• 適切な文量(3~5節)
• マージや分割
• 少な過ぎるなら節へ
• 目次
• 自動更新
• ヘッダー
• メモ書きとして進捗状況
を記入
• 図表
• センタリング
• 図や表の中の文字と本文
のとのバランス
• 図表番号
NAGOYA GAKUIN UNIVERSITY
図表のチェック
1. 図表のタイトル(図表番号を付ける)
2. センタリング
3. 本文の文字とのバランス
4. データ出所を記載
•表
• ページをまたがない
• 不要なスペースがないように表の列サイズを調節
•図
• グラフエリアの「枠線の色」はなしとする
• グラフ作成の技術は「データ表現技法」を復習
33
その他
NAGOYA GAKUIN UNIVERSITY
参考資料のチェック
• 書名は『』,論文や記事は「」
• 英語文献の場合,書名・雑誌名はイタリック
• 書名, 著者, 出版社, 発行年の順に記入
• 出版社に「株式会社」は不要
• 雑誌記事は記事のタイトル・ページを記入
• PDFは文献扱い,参考文献に入れる
• 五十音順またはABC順に並べ連番号を振る
• インデントや自動番号などWord機能
• 卒業論文として不適当な文献は削除
• 参考サイトのURL:ハイパーリンク削除
34
その他
35
NAGOYA GAKUIN UNIVERSITY
安易なPC作業は危険
• 事務作業に強くなる
就活
• 基本的ICT能力とマネジメント能力
トホホな事例
1.
2.
3.
4.
5.
6.
安易なコピペで書式が崩壊(Ctrl+V)
作業の保存し忘れ
うっかり上書き(Ctrl+S)
どのファイルかわからない
確認なしの一括置換(Ctrl+H)
他人のダメ出しをそのまま記載
その他
ICTツールを上手く使う
デジタルメモ
• SHOTNOTE
• 携帯カメラ
• 資料の保管
• 書店での使用は厳禁
その他
オフィス機能
• Wordの自動作成ツール
• 目次,図表番号
• 書式のコピー/貼り付け
• PowerpointからWordへの
保存(クラウド)
• Dropbox:ストレージ
• Evernote:メモ
• Mendley:PDF論文
出力
ダメ出しチェックリスト
簡単なダメ出し
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
漢字の変換ミス
文字フォントの違い
全角の英数字
桁区切り忘れ
語尾の不統一
体言止め
長すぎる文(1文3行以上)
短すぎる段落
段落冒頭の1字下げ
チェックする箇所
• 口語表現
• 句読点の数や配置
• 文のつながり:接続詞
• 図表の番号や配置
• データ出所
• 専門用語の脚注処理
• 参考資料
• 文献の記入順序
• URL:ハイパーリンク削除
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