著作権法

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情報リテラシー(3)
著作権
情報リテラシ2003
野村松信・須藤秀紹
著作権とは(1)
• 憲法が保証する人権のひとつ
– 規制ではない
– クリエイターの権利を守る
– 人権を侵害しない,侵害されないために,
著作権について知る必要あり
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著作権とは(2)
• 著作物を作り出した人(著作者)が自動的
に持つ,他人に無断で利用されない権利
– 著作物=講演,論文,小説,音楽,振付,地
図,映画,ビデオ,写真,プログラム,編集物,
データベース 等
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知的財産法の体系
知的財産法
創作活動の
成果の保護
特許法(発明)
実用新案法(考案)
意匠法(意匠)
集積回路法(回路配置)
種苗法(植物品種)
著作権法(著作物)
営業秘密=不競法
営業上の
信用保護
(秩序を守る)
特許法(発明)
実用新案法(考案)
意匠法(意匠)
集積回路法(回路配置)
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野村松信・須藤秀紹
「著作権」の意味(1)
著作権(2)
著作者の権利
著作権(1)
人格権
心を守る
著作権(3)
財を守る
・実演家の権利
著作隣接権 ・CD制作者の権利
伝達者の権利 ・放送事業者の権利
・有線放送事業者の権利
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「著作権」の意味(2)
著作権(2)
人格権
著作権(1)
著作権(3)
著作隣接権
著作者(著作物を創った人)のもつ権利
講演・論文・脚本・小説・音楽・振付・地図・映画・写真・芸術的
建築物・プログラム・編集物・データベースなどを創作した人の
もつ権利
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「著作権」の意味(3)
著作権(2)
人格権
著作権(1)
著作権(3)
著作隣接権
人々に「伝達」する人のもつ権利
通常,実演家・レコード制作者・放送事業者の3者.(日本では
有線放送事業者にも与えられている)
全体の構成において創造的活動をしていると評価
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「著作権」の意味(4)
著作権(2)
人格権
著作権(1)
著作権(3)
著作隣接権
心が傷つくことから守られる権利
同一性保護権:無断で改変されない権利
小説家が書いた悲劇的結末を編集者が無断で喜劇的結末に
変えて出版する.画家が赤く塗った山を画廊が無断で青に塗
り替えてしまう.
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「著作権」の意味(5)
著作権(2)
人格権
著作権(1)
著作権(3)
著作隣接権
経済的権利
作家が書いた小説を他人が無断で出版する,画家が描いた
絵を無断で画集にして出版するなど,著作者に経済的な打撃
を与えるもの.
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著作物とは(1)
• 創造性の必要
– 誰が書いても同じ内容になるものは不可
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新聞記事
人事異動のお知らせ
単なる事実の記述(「富士山の高さ:3776m」)
街角に放置したビデオカメラの画像
アルファベット順の電話帳(日本のものは単純な
「あいうえお」順ではないので著作物)
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著作物とは(2)
• 権利の対象は「表現されたもの」
– アイディアだけでは不可
• レシピ本をまねしても著作権の侵害にはならない
• レシピ本を大量にコピーして販売すると著作権侵
害
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著作物とは(3)
• 著作物は固定されているとは限らない
– 原稿無しの講演
– アドリブの歌や曲
– 即興の詩
• 映画の著作権は例外
– フィルム,CD,DVDなどに固定されていることが必要
(TVの生放送は固定されていないので「映画の著作
物」にはあたらない)
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著作物の対象とならないもの
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法令
国・地方公共団体の告示・訓令・通達など
裁判所の判決・決定・命令・判例など
これらの翻訳物や編集物(国・地方公共団
体が作成する場合のみ)
• これらは各国によってことなる
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知的財産の時代
• 高度経済成長から新たなステージへ
– 大きな技術革新が望めない
• グローバル化に伴う大競争の時代へ
– 技術の必要
• 工業化社会から本格的情報化社会へ
– IT化社会
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知的創造サイクルの構築
知的財産は国富の源泉
権利化
権利活用
創造
特許制度の改革
企業の意識改革
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知的財産12の論点
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著作権問題 •
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特許問題 •
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商標問題 •
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横断的な問題 •
MP3音楽と違法サイト
音楽ネット配信
音楽衛星放送
中古ゲームソフト
技術的プロテクト
権利集中管理問題
保護対象(ビジネス特許)
権利行使(オンライン侵害)
ドメインネームとの抵触
ネットワーク上の商標の使用
プロバイダーの責任
クロスボーダー侵害
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「利用」と「使用」
• 使用
– 本を読む,CDを聴くといった著作権者に無断
でできる行為
• 利用
– コピーして販売する,公共の場で上映するな
ど,原則として無断ではできない行為
• 問題となるのは,無断での利用
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著作物の変化
• IT化以前
– 本(小説),音楽,写真といったアナログデータ
• IT化以降
– コンピュータプログラム,データベース,ゲー
ムといったデジタルデータ
• デジタルデータ
– コピーが容易,コピーによる劣化が無い
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MP3音楽と違法サイト
• 音声圧縮技術MP3でCD
並の音質
• 家庭内のパソコンが海賊
版ソフトの製造機
• MP3音楽携帯再生機
(MP3プレーヤー)
• Napstar問題
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Napsterの仕組み
• 音楽紹介所
– 音楽を提供してく
れる人を紹介してく
れるサービス
• Napster自身の
サーバに音楽デー
タは無い
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Napster問題
• Napster(アメリカのベンチャー企業)
– インターネット使用者に対し音楽共有の場を提供
– そのサービスが問題となり、米レコード会社から裁判
所に起訴
• Napsterの主張
– 個人が勝手にやっていること
• 裁判所
– 営業停止命令
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Napster問題のその後
• 一応の解決
– 裁判で大手レコード
会社と和解
– その後、破産申告
(2002年6月5日読売朝刊)
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音楽ネット配信
• JASRAC+ネットワーク音楽著作権連絡協
議会
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クロスボーダー侵害
• ネットワーク時代ならではの問題
– 著作権の甘い国に設置されたサーバに,日本
の著作権で守られた著作物(音楽,写真など)
をおく行為
– 日本の法律によって罰せられる可能性大
– 米国の著作権を侵害した場合,裁判になる可
能性大
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音楽衛星放送 〜通信か?放送か?
• スターデジオ・スカイパーフェクTV
– 郵政の認可を受けた放送
– JASRACとは暫定合意あり
– CD使用料は支払う用意あり
• 大手レコード会社
– 放送ではない
– 録音を想定した配信だ
– 違法複製につながる可能性大
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知的所有権に関する教育
• 特許庁
– 説明会開催
– 冊子の作成 など
(2002年6月5日読売朝刊)
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今日やったこと
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著作権とは
著作権という言葉の意味
著作物とは
知的財産に関するトピック
来週は著作権に関する試験を行います
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