Transcript 使用価値による過剰
中央大学 久保知一ゼミ 耐久財班 江口智基 國枝陽輔 前田芽美 1 研究の流れ 検証 知見 仮説 問題 なぜ優れた製品 本研究の知見と 大学生を対象に SDLの交換価値 が高い価格で売 アンケート調査 日本活性化 と使用価値 れないのか？ 2 １. はじめに 3 耐久財 1. はじめに 4 性能と価格 ３２GB 1. はじめに １６０GB 性能ほど価格が 上がっていない！！ 25,527円～29,800円 26,815円～30,410円 「価格.com」http://kakaku.com/pc/mp3-player/ 12月1日 11：36現在 5 ２. 問題意識 6 問題意識① ２. 問題意識 なぜ高く売れないんだろう？ 7 ２. 問題意識 支払意思額 ○○○円まで なら買うよ!! 消費者の財に対する 評価を価格で表現 8 ２. 問題意識 消費者の評価 Ex. MP3プレーヤー ４万曲も いらねぇだろ 過剰品質 4万曲 １６０GB 9 過剰品質 1000万画素 ２. 問題意識 1500万画素 500GB 16GB 160GB 45時間 3,200曲 40,000曲 180時間 2TB 10 過剰品質 ２. 問題意識 11 問題意識② ２. 問題意識 どうやって支払意思額 を高めるか？ 12 問題解決に向けて ２. 問題意識 サービス・ドミナ ント・ロジック (SDL) 13 ２. 問題意識 発想の転換 性能上げときゃいいだろ・・・ グッズ・ドミナント・ロジック どう使うかまで考えなきゃ！！ サービス・ドミナント・ロジック 14 ３.既存研究レビュー 15 ３. 既存研究 レビュー ①過剰品質 16 なぜ過剰品質に・・・？ ３. 既存研究 レビュー Christensen [1997] 品 質 性能向上 市場の最上層で 求められる性能 性能 市場の最下層で 求められる性能 時間 参照: Christensen [1997], 翻訳p.10 17 ３. 既存研究 レビュー 過剰品質に陥ると・・・ Christensen [1997] 品 質 新規参入 既存 企業 市場の最上層で 求められる性能 市場の最下層で 求められる性能 時間 参照: Christensen [1997], 翻訳p.10 18 過剰品質に陥ると・・・ ３. 既存研究 レビュー 延岡 [2006] 池尾 [2010] 消費者のニーズを超える性能 新規参入の余地 価格競争や収益悪化 19 ３. 既存研究 レビュー ②サービス・ドミナント・ロジック 20 サービス・ドミナント・ロジック ３. 既存研究 レビュー • モノとサービスを包括的に捉える枠組 (Vargo and Lusch [2004]) グッズ・ドミナント・ ロジック (GDL) サービス・ドミナント・ ロジック (SDL) • 交換プロセスまでを考え る • 価値の創造主体は企業 • 使用プロセスまでを考え る • 価値の創造主体は企業 と消費者 21 グッズ・ドミナント・ロジック ３. 既存研究 レビュー 企業 生産 交換 交換 価値 消費 22 サービス・ドミナント・ロジック 消費者 生産 企業 交換 ３. 既存研究 レビュー 企業 使用 消費 価値 23 使用価値 ３. 既存研究 レビュー 24 使用価値 ３. 既存研究 レビュー 「Nike＋ (ナイキプラス)」 25 ４. 仮説構築 26 交換価値と使用価値 交換価値 ４. 仮説構築 企業 •性能 （容量、大きさ） 価値 27 交換価値と使用価値 使用価値 ４. 仮説構築 企業 顧客 •使用する時に 得られる価値 価値 28 ４. 仮説構築 仮説１ 支 払 意 思 額 通常 32GB 性能が高まるなら、高 16GB いお金を支払ってよい 4GB 交換価値 29 ４. 仮説構築 仮説２ 過剰品質 支 払 意 思 額 通常 32GBより上はいらない 64GB から、追加的にお金払 32GB 過剰品質 いたくない 16GB 交換価値 30 ４. 仮説構築 仮説３ 支 払 意 思 額 使用価値あり 使用価値なし 使用価値があれば、高 いお金を支払ってよい 交換価値 交換価値 ＋ 交換価値 使用価値 31 ４. 仮説構築 仮説４ 支 払 意 思 額 使用価値あり 使用価値なし 過剰品質 過剰品質 過剰品質×使用価値あり a 過剰品質になると、 過剰品質×使用価値なし b 使用価値がより効果的 交換価値 過剰品質に陥って いる方が、使用価 値の効果は大きい 交換価値 ＋ 交換価値 使用価値 32 ５. 検証 33 分析技法 ５. 検証 回帰分析：ヘドニック回帰 ヘドニック回帰とは・・・ • 被説明変数 = 製品の価格 • 説明変数 = 製品属性 消費者が、ある製品に対して、どの属性に 価値を多く感じているかが分かる 34 ５. 検証 分析技法 • Ex,携帯電話 ＝ バッテリー, 画面の大きさ, ワンセグ…etc (2000円) (1000円) (4000円) …etc 35 調査 ５. 検証 調査対象 ・都内私立大学の学生 回収率 ・アンケートを200票配布 ・回収数196 （回答率98.0％） ・有効回答数176通 （有効回答率89.7％） 36 調査 ５. 検証 ・MP3プレーヤーの交換価値と使用価値 曲Aをクリックすると… 交換価値 容量 使用価値 接続サービス 37 回帰式 ５. 検証 WTP = a + b1X1 + b2X1D1 + b3X1D2 + b4X1D1D2 WTP : 支払意思額 X1 : 交換価値 D1 : 過剰品質ダミー (0 = 通常、1 = 過剰品質) D2 : 使用価値ダミー (0 = 使用価値なし、1 = 使用価値あり) D1D2 : 過剰品質と使用価値の交互作用項 38 ５. 検証 分析結果 モデルの全体評価 F値 有意確率 217.46 0.00 自由度調整済みR2 0.38 モデルの部分評価 非標準化係数 定数項 (a) 標準化係数 13852.55 t値 有意確率 49.85 0.00 交換価値 (x 1) 86.66 0.54 21.19 0.00 使用価値 (D 2) 19.44 0.12 4.22 0.00 過剰品質×交換価値 (D 1 x 1) -37.77 -0.09 -4.17 0.00 過剰品質×使用価値 (D 1D 2) 39.85 0.06 2.39 0.02 従属変数 : 支払意思額 39 ５. 検証 分析結果（仮説１） 支 払 意 思 額 仮説１は支持された！！ 通常 13,852 交換価値 40 ５. 検証 分析結果（仮説２） 支 払 意 思 額 仮説２は支持された！！ 通常 過剰品質 13,852 交換価値41 分析結果（仮説３） 支 払 意 思 額 ５. 検証 使用価値あり 仮説３は支持された！！ 使用価値なし 13,852 交換価値42 分析結果（仮説４） 支 払 意 思 額 ５. 検証 過剰品質×使用価値あり 使用価値あり 仮説４は支持された！！ 使用価値なし 過剰品質×使用価値なし 13,852 交換価値 43 ６. 本研究の知見 44 ６. 知見 知見1 16GBで十分、 安い方でいいや 過剰品質に陥ると支払意思額は 上がりにくくなる 16GB 64GB 45 知見2 ６. 知見 そんなに性 こっちの方が 能高くても… 魅力的だな!! 過剰品質下では、使用価値を 付加することが有効である 46 ７. 日本活性化 47 企業が生き残るには・・・ ７. 日本活性化 別物だな・・ 競争優位 獲得 他社との違いを生み出す 48 競争優位 ７. 日本活性化 それが いい!! 安い!! 価格優位 コスト優位 コスト優位（耐久財） ７. 日本活性化 もっと安く 中核部品 標準化 コスト優位（耐久財） どの製品も 似てるな・・・ ７. 日本活性化 コモディティ化 ７. 日本活性化 過剰品質 そんなに 要らない！！ 価格優位を 築けない ７. 日本活性化 使用価値の効果 これなら高くても 買うよ！！ 曲Aをクリックすると… 53 ７. 日本活性化 価格競争からの脱却！ 支払意思額の上昇 54 日本活性化 55 ご清聴ありがとうございました 56