(資料3)東日本大震災後の大阪府の津波対策の取り組み
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資料-3
東日本大震災後の
大阪府の津波対策の取り組み
1
平成23年3月11日 東日本大震災の発生
※従来の想定を上回る大津波の発生により甚大な被害が発生
〇従来の想定の2倍となる津波高による影響範囲を発表(H23.7.6 知事記者会見)
「最大津波高が従来の想定の2倍となると仮定し、避難を中心とするソフト対策を講じる。」
〇「現在の想定を超えるような津波の発生時には水門を閉鎖すべく取り組む。」
(H23.9.27 大阪府議会 )
・津波高を計画の2倍と想定した
参集、情報伝達、施設操作及び避難等訓練の実施
大阪府津波対策マニュアル-津波対策基本方針-の改訂
※併せて、都市整備部特定配備命令を変更(施設操作及び閉鎖確認)
・平成24年度 知事重点事業「減災のまちづくり」を発表
平成23年12月27 「水防法」の一部改正
※「津波防災地域づくり法」の施行
〇大阪府水防計画の改定(H24.4.27 大阪府水協議会)
「水災防御の対象として、“津波”を明確化」
「水防活動に従事する者の安全確保を留意」
2
2倍の津波高による影響範囲
※この図は、現在の計画の津波の高さを、
仮に2倍とした場合に、その2倍の津波の
高さより地盤が低いエリアを示したもの
(大阪府危機管理室HPより)
・大阪湾岸10市3町で浸水区域が広がる可能性があります。
大阪市、堺市、高石市、泉大津市、和泉市、忠岡町、岸和田市、
貝塚市、泉佐野市、田尻町、泉南市、阪南市、岬町
約200平方キロメートル(居住人口約165万人)
3
津波避難場所の確保
※大阪府防災会議(H24.3.27)資料よ
り
・対象区域の住民が、地震発生から概ね1時間以内に安全な場所に避難できることを目指し、
関係市町等と協議を進め、ビルの3階以上の高さの避難場所を確保。
・避難に際して、津波警報等を配信する「大阪府防災情報メール」を活用。
・自治会や学校など地域での津波避難訓練の実施。
4
2倍の最大津波高分布
(単位: m)<満潮時の水位 O.P.+2.1m>
左門橋
神崎大橋
8.1
千北橋
O.P+5.78
5.0
O.P+6.00
6.8
6.95
6.9
7.2
6.8
7.7
7.7
5.0
5.0
5.3
6.8
O.P+6.30
6.9
5.1
O.P+6.02
5.2
6.6
7.0
6.7
7.7
5.3
5.6
7.0
O.P+6.36
O.P+4.64
7.0
O.P+6.48
6.9
5.0
5.0
7.2
7.2
5.0
O.P+5.72
7.7
O.P+7.16
5.0
5.0
7.0
O.P+7.02
6.6
凡
O.P+7.86
O.P+7.00
6.6
6.85
水門外OP+6.6m確保
O.P+6.04
O.P+6.64
水門内OP+5.0m確保
6.6
6.6
O.P+6.82
例
O.P+7.54
3大水門
O.P+6.82
2倍津波高
5
大阪府津波対策マニュアル-津波対策基本方針-
(大阪府・沿岸水防管理団体)
〇津波発生時の操作対象施設について規定(平成24年3月1日改訂)
操作対象施設一覧
施設管理者
国土交通省近畿地方整備局
A:津波注意報
発表時に操作
水門
2
水門
2
鉄扉等
-
5
大阪府鳳土木事務所
大阪府岸和田土木事務所
水門
2
大阪府港湾局
水門
鉄扉等
-
-
鉄扉等
-
水門
鉄扉等
水門
鉄扉等
水門
鉄扉等
大阪府西大阪治水事務所
泉大津市
岸和田市
貝塚市
泉南市
大阪市建設局
大阪市港湾局
※津波警報発表時に全施設を閉鎖
合計
B:津 波 警 報
発表時に操作
水門
2
C:大津波警報
発表時に操作
水門
2
鉄扉等
6
水門
水門
4
8※
(安治・木津・尻無川の三大水門含む)
-
12
49
23
4
4
8
17
30
98
鉄扉等 55
(排水機場 1)
鉄扉等 58
(排水機場 3)
水門
2
鉄扉等
5
水門
12
鉄扉等 99
鉄扉等
1
鉄扉等
1
鉄扉等 23
鉄扉等
4
水門
4
鉄扉等
4
水門
8
鉄扉等 357
水門
32
鉄扉等 549
水門
2
鉄扉等
5
水門
12
鉄扉等 166
鉄扉等
1
鉄扉等
1
鉄扉等 23
鉄扉等
4
水門
4
鉄扉等
4
水門
8
鉄扉等 357
水門
36
鉄扉等 625
※3大水門は津波発生時に閉鎖した場合、構造面の特殊性により水門の破損や操作上の不具合が懸念されるが、
東日本大震災で得られた津波災害の減災の観点から、大津波警報発表時には操作を行うこととした。
← 2倍に津波高より
敷居高の低い鉄扉
を追加(全66基)
西大阪地区
水門
22
鉄扉等 425
6
津波防災地域づくりに関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
「津波防災地域づくり法」
津波による災害の防止等の効果が高く、将来にわたって安心して暮らすことのできる
安全な地域の整備等を総合的に推進する。
〇法の施行に伴う津波災害対策等の強化のためのその他の措置 ⇒「水防法」の一部改正
「水防法」改正のポイント
① 目的をはじめ、洪水予報、水防警報等の規定において、「津波」を明記する。
(第1条、第2条第7項、第3条の2、第10条第1項、第16条第1項、第29条)
② 水防計画について、津波の発生時における水防活動その他の危険を伴う水防活動に従事
する者の安全の確保が図られるように配慮されたものでなければならないものとする。
(第7条第2項、第33条第4項)
③ 水防管理者等による巡視等の対象に津波防護施設を追加する。(第9条)
④ 国交通大臣は、洪水、津波又は高潮による著しく甚大な災害が発生した場合において、当該
災害の発生に伴い浸入した水の排除等の特定緊急水防活動を行うことができるものとする。
(第32条、第43条の2)
⑤ 津波災害警戒区域に係る水防団、消防機関及び水防協力団体は、津波防災地域づくりに
関する法律に規定する津波避難訓練に参加しなければならないものとする。(第32条の3)
7
目的に「津波」を明確化(1)
●「津波時の水防警報」を追加
第5章 予報、警報及び連絡系統
第6節 水防警報及び水防情報
3.水防警報発令の段階
(3)津波時の河川・海岸の場合
段 階
第 3
種 類
出 動
内
容
水防機関が出動する必要がある旨を警告するもの。
水防活動の必要が解消した旨を通告するもの。
第 4
解 除
発表基準
津波警報・注意報が発表
される等必要と認めら
れるとき。
巡視等により被害が確
認されなかったとき、ま
たは応急復旧等が終了
したとき等、水防作業を
必要とする状況が解消
したと認めるとき。
※知事の行う水防警報に津波時を追加
8
水防活動に従事する者の安全の確保(1)
●「津波における留意事項」を追加
第1章 総
則
第4節 津波における留意事項
------- 前略 -------
遠地津波で来襲まで時間がある場合は、正確な情報収集、水防活動、避
難誘導等が可能なことがある。しかし、近地津波の場合、水防警報の発令、
施設操作指令等、普段通りの情報伝達を行う余裕がない可能性が高い。
従って、近地津波の場合は、津波警報、注意報の発表をもって、水防警報
の発令及び施設操作指令が発令されたものとし、水防団員をはじめとする
施設操作者の避難時間を確保した上で、避難誘導や水防活動を実施しなけ
ればならない。
※東日本大震災での教訓を踏まえ、通常とは異なる事態において、
水防団自身の身の安全を確保した上で水防活動を行うことを規定
9
水防活動に従事する者の安全の確保(2)
●「安全配慮」を追加
第1章 総
則
第5節 安全配慮
水防管理者は、洪水、津波又は高潮のいずれかにおいても、ライフジャ
ケットの着用や不通時でも利用可能な通信機器の携行、施設操作後の避難
の徹底及び避難場所の確保・指定により、水防団員自身の安全確保に留意
して水防活動を実施するものとする。避難誘導や水防作業の際も、水防団
員の安全を確保しなければならない。
※水防活動に従事する水防団員への安全配慮を水防管理者に義務付け
10
震災時施設操作のタイムチャート
発災後からの時間経過
0:00
【鉄扉閉鎖の場合】
例 尻無川鉄扉群の操作
水防団員
大正第1水防分団
9箇所の公道鉄扉閉鎖
大
近隣の大阪府職員
(特定配備職員)
私道鉄扉閉鎖確認
地
0:30
水
防
団
現
地
集
合
1:00
1:10
1:30
鉄扉閉鎖作業 (公道鉄扉9箇所)
現
地
集
合
閉鎖確認作業
1:50
鉄
扉
閉
鎖
完
了
移動
鉄
扉
閉
鎖
確
認
完
了
移動
避
難
場
所
へ
の
移
動
完
了
震
2:00
大
津
波
【水門閉鎖の場合】
近隣の大阪府職員
(特定配備職員)
水門閉鎖操作
発
現
地
(
水
門
)
集
合
水
門
操
作
開
始
移動
近隣の大阪府職員
(特定配備職員)
治水事務所からの遠隔操作
生
治
水
事
務
所
集
合
水
門
遠
隔
操
作
開
始
避
難
場
所
へ
の
移
動
完
了
水
門
閉
鎖
完
了
水
門
閉
鎖
完
了
到
達
施設操作員の動向
西大阪治水事務所管内では近隣に住む府職員を施設操作員(特定配備職員)として指定。
鉄扉の閉鎖確認や、水門の操作業務にあたる。
※現在、西大阪管内では、5つの『鉄扉確認班』と2つの『水門操作班』(三軒家水門、出来島水門)の体制確保
集合場所
避難場所
三軒家西小学校
避難場所
泉尾北小学校
※尻無川鉄扉確認班の動向事例
平成24年度 知事重点事業「減災のまちづくり」
○通信及び動力の多重化
◆水門の“遠隔操作化”の推進
◆鉄扉の“電動化”の更なる推進
⇒迅速な施設操作性の向上
⇒操作者の安全性の確保
一方で、常時閉鎖の徹底を実施
◆水門等電気室の“耐水化”の実施
⇒浸水による停電への信頼性の確保
◆“最大クラスの津波及び地震動”に対する河川構造物の耐力検証
⇒計画を超える事象に対する津波防災(ソフト対策)の検討
○水門等へ参集する操作員の安全確保
・「閉めて逃げる」ことの徹底した研修と訓練の実施(間に合わなければ逃げる)
・避難場所の確保(近隣のビルや高架道路等の津波高を考慮した高所)
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