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セマンティックWebによる
生産管理情報共有/支援システムの開発
松江工業高等専門学校
牧 聡史 越田研究室
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1.はじめに
 金属加工会社において,様々な受注品の加
工工程決定は,特定の管理監督者に依存す
る自動化できない処理として,負荷の大きい
業務となっている.
その解決のために
汎用フライス
NCフライス
鋸盤
フライス NO.4
NCフライス NO.1
HFA-400s N0.1
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目的
 受注時に,加工特徴に対応した加工工程と使用
工作機械をセマンティック技術を用いて抽出する.
セ
マ
ン
テ
ィ
ッ
ク
技
術
受注時に入力する加工特徴の項目例
重量: 3.5kg
受注番号:
GM1089
数量: 7
素材形態:
単体
材料: K1056
材質:
AUB510
焼き戻し:
無
有
焼き入れ:
標準工程:パターンC
NC旋盤, NCフライス, キーシータ,放電加工…
機械
NCLE1, NCMV1,
KC1,
EDM,…
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2.加工工程決定支援システム
2.1 研究の背景
 加工工程の決定は、豊富な実務経験を持つ管理
監督者が,
・
・
・
・
受注品の採寸、材質などの情報
作業機械データとその稼動率
製作数とその納期
他の受注品の情報
などの生産情報、受注情報を勘案して決定している.
しかし、それだけでは工程順の決定は出来ない
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管理監督者による加工工程の決定
金
属
加
工
品
A
大きさ
重さ
加工特徴
管理監督者
NC旋盤
汎用フライス
旋盤
受注情報
大きさ
重さ
加工特徴
生産情報
検査
経験を基にした加工工程パターン
加工工程決定の自動化は難しく、生産管理
の中でもシステム化が困難な部分である.
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2.2 工程決定に対する問題点と解決方法
問題点
 多種多様な受注品の加工特徴毎の分類と、
それに対応した加工工程パターンの蓄積、
及びそのデータベース化がなされていない
 上記のデータを生産情報に適用させるのが
難しい.
解決に向けて
① 過去の作業データの解析と分類
② 受注番号毎の加工特徴データの利用
実現のためセマンティックWeb技術などを利用
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3.システム実現のための技術
 JDBC
・ JavaプログラムからRDBにアクセスするため
のクラスライブラリ
・ プログラムからRDBの接続、SQL文の実行、結
果の受け取りと解析などが行える
 Semantic Web
 RDF
 Jena
3.2 Semantic Web
 セマンティックWeb技術とは、インターネット上の
リソース(情報)にメタ情報を付加し、人の介入が
必要だった解析、処理の自動化を実現する技術
である.
 本研究では、加工に必要な情報をRDFによって
構築する。それをセマンティック技術により自動
化するシステムを研究開発する.
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3.3 RDF (Resource Description Framework)
 RDFは、特定のアプリケーションや知識領域
を前提とせずに、相互運用可能な形でリソー
スを記述するための標準的なメカニズムを提
供する.
 主語と述語、そしてその目的語の三者関係に
よって、関係の連鎖を辿ることができるような
データモデルを記述する.
主語
述語
目的語
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工作機械のRDFデータ例(のこぎり盤)
工場の場所 1 , 機械ID 101 , 優先順位 10 , 機械名略称 SW1 , 機械名 Saw
<?xml version="1.0" encoding="windows-31j"?>
<rdf:RDF
xmlns:j.0="http://www.matsue-ct.ac.jp/IE/MachineProperty#"
xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#" >
<rdf:Description rdf:about="http://www.matsue-ct.ac.jp/IE/Machine/Saw">
<j.0:isPlaceOf>1</j.0:isPlaceOf>
<j.0:isIDOf>101</j.0:isIDOf>
<j.0:isPriorityOf>10</j.0:isPriorityOf>
<j.0:isAbbreviateOf>SW1</j.0:isAbbreviateOf>
<j.0:isNameOf>Saw</j.0:isNameOf>
</rdf:Description>
</rdf:RDF>
RDFデータの処理にはJenaを利用
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3.4 Jena
 JavaによるセマンティックWebアプリケーショ
ン開発のためのフレームワークである
様々なRDFデータの処理機能
 RDFモデルの読み込み、書き込み
 RDFモデルの編集、マージ、問合せ
 問い合わせ言語RDQLによる検索
 ルールに基づいた推論、検証
これらの要素技術を使用し、システムを構成
4.提案システム
4.1 システムの概要と構成
 製品毎の加工工程決定の自動化
・ 過去の作業データを解析する。
・ それにより新規受注時に受注の加工特徴
を基にして、加工工程や工作機械を自動的に
決定する。
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4.1.1 作業データ
地元の金属加工会社で使用されているデータを利用した
 作業テーブル
使用した機械、作業者、日付、作業時間など
 工作機械テーブル
工作機械のID、名前、優先順位、工程名など
 受注テーブル
品名、加工図面番号、受注日など
4.1.2 システムの構成
受注データ入力
・加工特徴
・品名
RDB(Access 2003)
JDBC
Jena
作業テーブル
工作機械テーブル
受注テーブル
加工工程順出力
4.1.3 入出力インターフェースの検討
様々な
加工特徴
様々な
加工特徴
 ここで入力された加工特徴を元に、加工工
程順を自動決定する
4.2 システムの実装
3つのプログラムから構成される
 過去の作業データの解析
 品名などからの工程順抽出
 加工特徴からの加工工程決定
4.2.1 過去の加工工程データの解析と分類
受注番号
加工工程パターン
 過去の作業データを解析し、
受注番号毎の加工工程パ
ターンを抽出するプログラ
ムを開発した.
RDB(Access 2003)
作業テーブル
工作機械テーブル
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4.2.2 品名などからの工程順抽出
加工工程順
受注番号
 過去の作業データの加
工図面番号や品名から、
受注毎の加工工程順を
自動抽出するGUIとプロ
グラムを開発した
 これを利用して、工程パ
ターンごとの加工特徴を
調べる
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4.2.3 加工特徴からの加工工程決定の検討
 加工工程順が同じ加工
品の受注番号を工程パ
ターンとしてまとめた
 工程パターンが同じものは加工
特徴が類似すると考えられる
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4.3 セマンティック技術の適用
 工作機械データのRDFデータ
<?xml version="1.0" encoding="windows-31j"?>
<rdf:RDF
xmlns:j.0="http://www.matsue-ct.ac.jp/IE/MachineProperty#"
xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#" >
<rdf:Description rdf:about=
"http://www.matsue-ct.ac.jp/IE/Machine/101">
<j.0:isAbbreviateOf>SW1</j.0:isAbbreviateOf>
<j.0:isMaxY_LengthOf>500</j.0:isMaxY_LengthOf>
<j.0:isMaxDiameterOf>500</j.0:isMaxDiameterOf>
<j.0:isFeaturesOf>0</j.0:isFeaturesOf>
<j.0:isIDOf>101</j.0:isIDOf>
<j.0:isMaxLengthOf>10000</j.0:isMaxLengthOf>
<j.0:isPlaceOf>1</j.0:isPlaceOf>
<j.0:isDivProcessNameOf>切断</j.0:isDivProcessNameOf>
<j.0:isNameOf>HFA-400s N0.1</j.0:isNameOf>
<j.0:isMaxX_LengthOf>500</j.0:isMaxX_LengthOf>
<j.0:isPriorityOf>10</j.0:isPriorityOf>
<j.0:isShapeOf>汎用</j.0:isShapeOf>
<j.0:isMaxZ_LengthOf>10000</j.0:isMaxZ_LengthOf>
<j.0:isProcessNameOf>鋸盤</j.0:isProcessNameOf>
</rdf:Description>
</rdf:RDF>
工作機械データの自動作成
 工作機械データを
RDFデータ化する
GUIとソフトウェア
を開発した
 Accessでの工作
機械テーブルを一
括でRDFデータ化
するソフトウェアも
開発した
工作機械データの利用
受注時に入力された
加工特徴
丸型
直径 300mm
長さ 200mm
NCで切削する
NC旋盤
LB15Ⅱ
機械名称
テーブルサイズ
型式
( X Y Z )mm
特徴
MC
762 × 410 × 450
□切削
NCフライス盤
430 × 1000 × 0
□切削
NC旋盤
LB15Ⅱ
300 × 0 × 400
○切削
NC旋盤
LB25
300 × 0 × 450
○切削
NC旋盤
CNS94
740 × 0 × 1200
○切削
NC旋盤
TSN-20A
2000 × 2000 × 1500
○切削
NC旋盤
GT40
600 × 0 × 1000
○切削
NC旋盤
NK40S
380 × 0 × 1000
○切削
NC旋盤
NK40S
450 × 0 × 1000
○切削
NC旋盤
NK40S
450 × 0 × 1500
○切削
M25K
750 × 450 × 200
2台
NC平面研削盤
ワイヤーカット
三次元測定機
放電加工機
RDFデータ
作業機械のRDFデータに合
PSG65DX
600 × 500 × 350
3台
FA20
350 × 500 × 300
2台
わせ、現工程に最適な作業機
Crysta-Apex
700 × 700 × 600
械を選択する
C776
…
5.おわりに
まとめ
 過去の作業データよりロットごとの加工工程順を抽
出するソフトウェアを開発した
 過去の作業データの図面番号や品名から、受注毎
の加工工程順番を抽出するプログラムを開発した
 入出力画面の作成と、工作機械データの最適な
RDFデータ化について検討した
本システムの有用性
 抽出されたデータをDBに格納することにより、一部
の管理監督者固有の情報が電子化され、広く共有
できる
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今後の課題
 受注番号-工程パターン-加工工程順の対応
表を作成したが、同じ工程パターン内の加工
特徴について類似を検証していない。様々な
データを利用して分析する必要がある。
 工作機械データをRDFデータ化する基本ソフ
トウェアを開発したが、今後、受注時に工作機
械を自動決定するなどの応用ソフトウェアの
検討、開発が必要である