銀河の遠赤外カラーに関する研究

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Transcript 銀河の遠赤外カラーに関する研究

銀河系とマゼラン雲に共通する
ダストの遠赤外輻射特性
平下 博之(H. Hirashita)
(筑波大学)
共同研究者:
日比 康詞、芝井 広(名古屋大学)
内容
1.
2.
3.
4.
銀河系の遠赤外SED
「主相関」の性質
遠赤外SEDモデルによる解析
まとめ
COBE 140 mm
1. 銀河系の遠赤外SED
Hibi et al. (2006)
DIRBE/ZSMA data
太陽系ダストの差し
引きの不定性の影
響を受けない
I(60 mm) > 3MJy/sr
のpixelのみ使用
銀河面
|b| < 5°
マゼラン雲にも共通の傾向
Hibi et al. (2006)
銀河系とマゼラン雲
に共通するダストの
遠赤外輻射特性を
示唆する。
Li & Draine
(2001)
主相関
副相関
(主相関の足し
合わせで説明可)
銀河中心方向
2. 主相関の性質
(1) 銀経依存性 Hibi et al. (2006)
主相関は銀経に依らない。
銀河中心方向では主相関に
沿って上方にシフトする。
主相関は銀河構造の複雑さ
に依らない。
シフトは輻射場の違いを表
すと解釈できる。
銀河中心と
反対方向
主相関の性質
(2) 銀緯依存性
(高銀緯←低銀緯よ
り輻射場の非一様性
が小さい)
• 低銀緯とほぼ同
じ主相関を示す。
主相関は一様輻射場
に照らされたダストの
カラーで説明するの
が自然。
3. 遠赤外SEDモデルによる解析
Li & Draine (2001)
ダストの物性
(比熱、吸収係数)
星間輻射場
ダストの遠赤外
スペクトル(SED)
ダストサイズ分布
dn/da ∝ a–3.5
ダストの温度分布関数
結果
星間輻射場
 = 0.3, 1, 3, 10
太陽近傍の値で
規格化
graphite
silicate
他のMgSiO3, Mg2SiO4,
FeO, Fe3O4なども再現
できない。
比熱、輻射場スペクトル、
サイズ分布を変えても再現できない。
l > 100 mmのemissivity index依存性
星間輻射場
 = 0.3, 1, 3, 10
Q ∝ l-b
(l > 100 mm)
b=1
4. まとめ
(1) Hibi et al. (2006)
a. 銀河面・LMC・SMCに共通するカラーの系列:
「主相関」(太陽系ダストの差し引きの不定性を
受けない遠赤外輝度のみを使用)
b. 主相関は銀経・銀緯依存性が弱い⇒輻射場や
ダスト分布の非一様性による影響は少ない。
(2) 遠赤外SEDモデルによる検証
a. 従来のシリケートやグラファイトではカラーの系
列が説明できない(Q ∝ l–2)。
b. 遠赤外emissivity indexが1 (Q ∝ l–1)を強く示唆。
副相関の起源
近傍銀河のカラーとの比較
Hibi et al. (2006)