超低コスト化設計

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031027 ちょっと一休み (10)
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國井 良昌 All rights reserved.
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031027 ちょっと一休み (10)
ちょっと一休み(10)Rev.-1
031027
① 030915、テキスト第14部「超・低コスト化設計
法(予告版)」をリリースしました。
今、時代が求める
第2段!
超
低コスト化設計法へ・・・
今回も あなたを 刺激 します!
② 031013、「ちょっと一休み(9): 「公共事業
のコスト革命・中部空港の挑戦 」をリリースしまし
た。
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031027 ちょっと一休み (10)
「新型カローラ 」を設計分析する
2001年2月3日の週刊ダイヤモンドから抜粋
著者の設計分析
■新型カローラで3割減のコストダウン
従来続けてきたようなVEでは甘すぎる。10~15%ダウンがせいぜ
いだ。話にならない。
トヨタは組織を挙げて低コスト化の「現状否定活動」を始めた。
VA/VEはメーカにとってコストダウンの常道である。2000年8月にフ
ルモデルチェンジした新型カローラはまさにその「現実否定」から生
まれた。
吉田 健 第二開発センターチーフエンジニア(CE)は、新型カローラ
のコストダウン目標を3割、金額にして30数万円と設定した。
1999年に発売した小型車ヴィッツと同じである。
全くやっていません!
やらないのではなく、
できないのです!
さらに、コスト削減した3割のうち1割を商品力向上に充てようという
のである。吉田CEは「クラスを超えた高級質感」にこだわった。
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VA/VEはメーカにとってコストダウン
の常道です!
しかし・・・
「偏差値」の低い企業や、にわか大
工の設計集団にVEは無関係です。
実際、やっていません!
この考え方は珍しい!
発想の転換でしょうか?
トヨタらしい発想ですね。
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031027 ちょっと一休み (10)
「新型カローラ 」を設計分析する
2001年2月3日の週刊ダイヤモンドから抜粋
著者の設計分析
■原価を丸裸にすればコスト削減余地も生まれる(その1)
トヨタが誇る生産現場。改善に改善を重ねられたこの現場の原価管
理にメスが入れられた。
生産部門の原価は、全社一律の工数(単位当たりの所要時間)をベ
ースにはじかれ、クルマの大きさ、台数などに応じて分配されている。
保全費なども同様で、全体を車種ごとに振リ分けている。
キーワードは・・・
こうした配賦原価は自動車メー力では一般的な常識だ。しかし、生産
を統括する白水宏典専務はここに異を唱えた。 配賦するというのは
丼勘定だということ。実際にいくらかかったのかわからない。本当の姿
が見えない。
「丼勘定!」
若い人が作業すれば安くなるし、アルバイタであればなおさらのこと
だ。同じ社員でも休日出勤であれば高くなる。それをきちんと車種ごと
にはじかなければ意味がない。
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従来の話。
どこの企業も基本は同じ。
丼勘定?
確か、「ちょっと一休み(9)」にも出
て来ましたね!
確か、中部国際空港の社長はト
ヨタの役員だったですよね!
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「新型カローラ 」を設計分析する
2001年2月3日の週刊ダイヤモンドから抜粋
著者の設計分析
■原価を丸裸にすればコスト削減余地も生まれる(その2)
「人件費いくらの人が新型カローラにどれだけ時間をかけたか」を算
出する。「原価がきちんとつかめさえすればどこを削ればいいのか見
えてくる。」(白水専務)
トヨタはコストダウンのために、丼勘定によるごまかしの余地を断っ
たのである。
コストを下げるのなら「何でもあり
!」ではなく、分析による優先順位の
設定が重要なのです。
偏差値の高い企業って
「現状否定」はサプライヤにも向けられた。
部品会社へトヨタの購買、技術、生産の中堅幹部がチームを組んで
足を運んだ。
やること なすこと全てに
偏差値の低い企業や設計集団の
場合、中堅幹部がチームを組むと、
ゴルフに行ってしまいます。
偏差値が高いのですね!
「溶接をこれだけやったから何円、といったように加工費の明細を見
せてくれ!」と原価開示を迫り、トヨタ生産方式に則って生産ラインの
ムダを指摘 した。
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偏差値の低い企業が、サプライヤ
に原価開示を求めても、「コストをも
っと下げろ!」しか言いません。
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「新型カローラ 」を設計分析する
2001年2月3日の週刊ダイヤモンドから抜粋
著者の設計分析
■部品共通化を強力推進で1兆3000億円削減(その1)
日本の自動車メーカにとってコストダウンのカギは部品共通化とモジ
ュール化(部品機能の統合化)である。
日産自動車カルロス・ゴーン社長が打ち出したリバイバルプランの
最重要課題、「3年間で20% 購買削減」計画はVA/VEに加え、部品共
通化によるコストダウンを柱に置く。
マツダや三菱自動車工業なども部品モジュール化に躍起になって取
り組んでいる。
「部品共通化」と「モジュール化」を
同じに考えている人が少なくありま
せん。区別しましょう!
どんなビジネス書にも記載されて
いますが、本来、企業の指針やスロ
ーガンは数字で語るものらしい。
特に困るのがバブル時期に流行っ
た「C&C」や「E&E」などの文字の謎
解きスローガンです。
トヨタは新型カローラでインパネ部分を統合、約1億円のコスト削減を
実現するなど、モジュール化で先鞭 をつけた。
社内には、部品共適化委員会と呼ばれる検討委員会もあった。「し
かし実のところ、概念としてはわかってはいても、量の発想が決定的
に欠けていた。」(蛇川副社長)ことを思い知らされた。それは・・・
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「部品共通化」や「モジュール化」に
携わっていると、誰もが陥りやすいシ
ーンです。
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「新型カローラ 」を設計分析する
2001年2月3日の週刊ダイヤモンドから抜粋
著者の設計分析
■部品共通化を強力推進で1兆3000億円削減(その2)
きっかけになったのは、欧州の自動社メーカ、フォルクスワーゲン
(VW)である。
アシストグリップ
アシストグリップ価格
VW : 3種類× 1/2
VW =TOYOTA
トヨタとVWは自動車リサイクル、ITSなどをテーマとして共同研究を行
なっている。VWとトヨタは99年12月、両社で部品の共通化を検討して
みることで合意。
ここでトヨタは自らの甘さを痛感させられる。
VWの部品共通化にショックを受けたのだ。
例えば、ドアの下についたアシストグリップだ。VWは全車種を通し
て、3種類 しかない。それに対してトヨタのアシストグリッブはほとん
どすべての車種ごとに違うものを採用していた。
結果、130種類 もあったのである。価格は倍以上である。
なんか、ドイツ国民って違うんで
すよね!何故でしょうか?
ヤッパリ、偏差値の差?
TOYOTA:130種類
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著者の設計分析
■部品種類が多いその訳
部品種類が多いのには、相応の理由がある。
トヨタを筆頭とした日本メーカは、クルマの開発に当たって開発主査
制度をとっている。開発センターチーフエンジニア(CE)が全責任を持
って開発に当たる。50年代、戦後まもなくからの伝統である。
この制度は、10の3乗以上の商品開
発には向かないと言われています。
従って、日本では航空産業、宇宙産
業の発展は難しいと言われています。
開発センターチーフエンジニア(CE)は担当するクルマの最適設計を
目指す。その結果として部品の点数も増える。
プロジェクトマネージャー制から、プロ
フェショナルマネージャー制への移行
が必要です。しかし、島国根性の日本
では難しいと言われています。
ワイパー洗浄液の吹き出し口の部品は、車種によってすべて違う。
フロントガラスの形状に合わせて、ガラス全面に液を行き渡らせよう
と思えば、必然的にそうなる。
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(本ホームページ、「J:著者の投稿活
動 No.3:プロジェクトマネージャーとプ
ロフェショナルマネージャーの違い」を
参照してください。)
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「新型カローラ 」を設計分析する
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著者の設計分析
■CCC21はタブーにチャレンジする社内運動(その1)
CCC21は新型カローラの発想を引き継ぎ、さらに主査制度が内包す
る最適設計思想に異を唱え、他メー力と部品を共通化 してまで規模
の追求に踏み切る。
いずれもトヨタ社内において手つかずの部分であった。
「CCC21はタブーにチャレンジする社内運動」である。
しかし、それにしても、既存部品を含めて「3年間で平均3割」のハー
ドルはきわめて高い。
「削減のメドは立っていないが、やるしかない」と部品メーカは口を揃
える。
トヨタの「現状否定活動」は、納入する部品メーカにも同じことを要求
する。
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一種のワーキングトゥゲザーですね。
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著者の設計分析
■CCC21はタブーにチャレンジする社内運動(その2)
トヨタの変化は、部品メーカを巻き込み、広がりつつある。
ある大手部品メー力の最新鋭工場。自動化機械が何台も連なって
いる自慢の工場だ。
視察に訪れた某自動車メー力幹部は口々に称えた。「すごい設備で
すね」と。
唯一の例外はトヨタだった。トヨタの幹部はなめるように生産ラインを
見渡した後に言ったものである。
「ラインの長さは今の半分にできる。今度うちの専門家を連れてきま
しょう。」
トヨタは現状を追認しない。疑いの目を向け、否定してかかる。そし
て変化を求める本当の凄みはここにある。
偏差値が高いですね!
偏差値の低い企業が言った「今度うち
の専門家を連れてきましょう」
大手部品メーカが言った。
「エッ!そんな人いましたっけ?」
今、現場をリーディングできるリーダが
いないのです。
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【著者の所感】
あのトヨタがここまでやる?!?! 超優等生なんですね。
カルチャーショックで、もうビックリです。
益々、「企業の偏差値」の差を感じます。
副社長、役員、中堅幹部、専門家と登場しましたが、とても高い「偏差値」を感じ取りました。
トヨタ/日産:改革はトップダウン
やはり、改革はトップダウンですね。
範を示せ!
口先だけではない、真の技術や指導力を有するトップが自ら行動する。しかも、トップの方々がチーム編成
で活動する。結局、彼ら自身、全員の「偏差値」が高くないとできないことです。
キツイ言葉ですね!
範を示せ! 昔の人は良く言ったものですね。
範を示されてしまったら・・・・
ここまでトップダウンでやられたのでは、部下、若手社員が動かないはずがありませんよね!
これを「真のOJT」と呼ぶのでしょう。
改革、変革がうまくいっていない企業や設計集団があるようですが・・・
「企業の偏差値」が全く違うのでしょうね。
行き詰まってしまいました。
あまりにも 高い壁 で。
一夜漬けでは真似ができません。長い長い「教育(OJT)」の歴史があったのですね。
なんか、講師は行き詰まってしまいました。あまりにも高い壁で。
【引用文献・参考文献】
・2001年2月3日の週刊ダイヤモンドから抜粋
終わり
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