Transcript ブラジルの政治経済情勢と 日伯関係

ブラジルの日系社会と日伯関係
平成１９年１２月
（ラテンアメリカ協会講演）
ブラジルとは
• 巨大な複合民族国家
• 豊かな自然
• 安定成長軌道
• 途上国のリーダー
巨大な複合民族国家
• 面積：日本の２３倍（世
界第５位）
• 人口：１億８４００万人
（世界第５位）
• 世界のあらゆる人種、
民族が同居
• サンパウロ
豊かな自然
• 農業に適した気候
– 世界有数の農業国
• 熱帯雨林の３分の１
– 酸素の供給源
• 淡水資源の５分の１
• 鉱物資源
– 鉄鉱石：埋蔵量、生産量、品
位とも世界でトップ
– 石油：自給達成。巨大海底油
田発見
• 海底油田開発
安定成長軌道
• 成長率を回復
– ２００７年は４．５％～５％成長の見込み
• ＧＤＰ１兆ドル強
– ＡＳＥＡＮ１０カ国の合計とほぼ同じ
– 世界のトップ・テン
• インフレが収束
– ２００６年３．１４％
途上国のリーダー
• 国際場裡でのわが国の重要なパートナー
– 安保理改革（Ｇ４）
– ＷＴＯ
– 気候変動
• ＢＲＩＣｓの一員
– 世界の主要プレーヤー
– 中国、ロシア、インドと共にその将来性が注目
• 先行き不透明感の最も少ない国
– 政治的に安定（民主主義が定着）
– 民族・宗教対立、近隣国との紛争、テロなどがない
ＢＲＩＣｓ
日伯関係の歴史
• 日本からの移民最盛期
• 日本企業のブラジル進出（ブラジルブーム）
• 日伯経済関係停滞期（失われた２０年）
• 日伯関係新時代
ブラジル農業への貢献
• 新作物、優れた栽培技術の導入
• ブラジルの食生活を改善
• 農業協同組合を導入
• 日本人に対する高い評価に繋がる
日本の企業進出への貢献
• 日本企業の進出、定着を支援
• 生産、営業活動で重要な役割
• ブラジル産日本製品の品質は世界トップクラス
日伯関係の停滞は日系社会にも影響
• 日系社会苦難の時代
– 日系銀行、農業組合の倒産
– 日本への出稼ぎ
• ２００以上の企業が撤退することなく活動
– ブラジルの将来性
– 日系社会の支援
日系社会
• 150万人の日系社会
– 世界で最大（世界の日系人
の６０％）
– 「勤勉」、「正直」、「信頼」
• 高い社会的地位
• 一定の政治力
• ソフトパワー
• 農業分野での貢献
• リベルダージ地区
社会的地位
• 平均収入は全ブラジルの平均の約２倍
• 日系人の２５％は大卒
• サンパウロ大学学生の１５％が日系人
一定の政治力
活躍する日系議員、判事
• 4人の閣僚
• 20人の下院議員
• 現職市長が30人以上
• ２名の終審裁判事
– 司法最高裁
– 労働最高裁
• 空軍司令官
• 3人の将官
ソフトパワー
• 新しい分野への進出
– 医師、弁護士、学者などの知的専門分野
• 中央官庁
– 農務省に４０人
– 外務省に２０人以上（在インドネシア大使等）
– 国会、裁判所職員も日系人が少なくない。
• ビジネス、マスメディア、スポーツ、芸術、芸能界
– ブラジル・マイクロソフトの社長
– 女子トライアスロンの全国チャンピオン
– 人気タレント
活躍する日系ソフトパワー
マリアナ・オオハタ
サブリナ・サトウ
ロドリゴ・タバタ
（トライアスロン）
（人気タレント）
（サッカー）
農業分野
• 日系人の活躍は農業から始まる
• セラード農業開発協力
• 全日系人の５％が農業に従事
• 所有農地
– 総面積は日本の全農地面積の
二倍
– 数十万ヘクタールの農地を所有
する豪農
• ブラジル第一位（世界第三位）の
綿作企業のオーナー
• セラード農業開発協力
日伯は「特別の関係」
• 日系人の際だったまじめさ
– ブラジル社会に貢献
• 日本の経済力、技術力、文化の洗練度
• 日本との血縁関係はブラジルにとって資産
在日ブラジル人
• 日伯文化交流の重要な担い手
– ブラジルの音楽、食文化を日本に
紹介
– 日本文化をブラジルに紹介
– 出稼ぎ成功者
• ビジネスを展開
• ブラジルの日本企業で活躍
• 課題
– 逃亡犯罪人等司法問題
– 教育問題
– 社会保障
日伯政府作業部会で
協議
日伯関係の展望
• ブラジル・ブームの再来
• 成熟した関係へ
• 日系社会の役割
日本人移住１００周年／日伯交流年