住宅を対象とした効率的な暖冷房・換気手法に関する研究

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Transcript 住宅を対象とした効率的な暖冷房・換気手法に関する研究

住宅を対象とした効率的な
暖冷房・換気手法に関する研究
その1 数値流体解析を用いた暖冷房・換気効率の検討
正会員
赤林伸一
同
坂口 淳
同
○鍛治紘子
研究目的
•
建築基準法の改正により住宅の居室に機械換気設備の設置
が義務付けられる。
•
近年、寒冷地以外でも住宅の高断熱、高気密化が進行し、計
画換気の重要性が増している。
しかし、換気システムを選定する際に、設計者が施主にシェル
ター性能や暖冷房方式、換気システムとの相互効果によって実現
される室内温熱空気環境を明確に提示できないのが現状である。
本報は、暖冷房時の換気方式による居室の室内温熱
空気環境の良し悪しや、換気方式によって変化する換
気効率を明らかにし、住宅設計者が良好な換気システ
ムの選定を行う為の資料を整備することを目的とする。
解析対象の概要
●日本建築学会標準住宅モデル1F
10畳(16.6㎡)の居室を対象とする。
居室
エアコン室内ユニット
図 日本建築学会標準住宅モデル1F平面図
高さ300×幅840×奥行250mm
天井給排気口①
天井給排気口②
隣室
150×150mm
150×150mm
壁給排気口③
150×150mm
隙間(漏気)
窓
2500
アンダーカット
幅20mm
2000
2600
2150
外部
2000
幅20mm
830
625
N
4550
壁給排気口①
壁給排気口②
150×150mm
150×150mm
図1 解析対象の概要
【単位:mm】
解析方法
汎用流体解析ソフト(STREAM)を用いて、給排気口の位置、換気方式、
エアコンの設置位置を変化させた場合の室内温度分布と空気齢を用い
た換気効率の解析を行う。
表2 解析条件
計算コード ソフトウェア クレイドルSTREAM Ver.6
乱流モデル 標準k-εモデル
壁面境界条件は、風速は一般化対数則、温度は温度対数則。
床・天井および、東壁面、北壁面は隣室を想定し、断熱条件で与える。
境界条件 その他の壁面
窓面負荷 324.0W
西壁面負荷 68.1W
南壁面負荷(窓面を除く) 47.2W
輻射条件 各壁面内側に輻射率0.9を与える。
・壁給気・天井給気 (換気回数0.5回/h)
吹出風速 = 0.26581m/s、K = 7.07E-04、ε = 2.94E-04、温度=0℃
・エアコン吹出 (6.55m3/min) 下向き45°
吹出風速 = 2.17m/s、K = 4.69E-02、ε = 3.98E-01、温度=24.5℃
吹出風速 ・エアコン吸込
吸込風速 = 0.722m/s
・漏気 南・西壁面上下に設置された幅2cmの隙間より均等に室内へ流入。
吹出風速 = 0.018256m/s、K = 3.33E-06、ε = 7.14E-07、温度=0℃
・天井排気・アンダーカット排気
開口部での圧力損失をゼロとし、自然流入・流出条件とする。
換気方式の概要
排気
給気
天井給気 天井排気
(1)方式1
天井給気
アンダーカット排気
(4)方式4
壁給気 天井排気
(2)方式2
壁給気
アンダーカット排気
(5)方式5
図2 換気方式の概要
漏気による給気 天井排気
(3)方式3(第三種換気)
漏気による給気
アンダーカット排気
(6)方式6(第三種換気)
エアコンの設置位置
W
窓
E
W
窓
S
S
西壁中央
(1)エアコン1
南壁・西側
(2)エアコン2
W
図3 エアコンの設置位置
窓
S
南壁・窓上中央
(3)エアコン3
E
E
解析ケース
表1 解析ケース
解析結果
~室内呼吸域*平均局所空気交換効率(Ve)~
・局所空気交換効率(Ve)は、外気が室内で完全拡散された状態を1.0とし、
1.0より小さい値を示すほど換気効率は良くなる。
・室内呼吸域は床上0.5m~1.8mの範囲
エアコン運転時
エアコン停止時
1.40
1.20
1.10
1.00
0.90
天井給気口① 壁給気口①
天井排気口② 天井排気口②
壁給気口①
壁給気口③
天井排気口① 天井排気口①
漏気による給気
天井排気口②
天井給気口①
アンダーカット排気
壁給気口①
天井給気口②
アンダーカット排気 アンダーカット排気
図4 室内呼吸域平均局所空気交換効率(Ve)
壁給気口②
アンダーカット排気
case10-4
case10-3
case10-2
case10-1
case9-4
case9-3
case9-2
case9-1
case8-4
case8-3
case8-2
case8-1
case7-4
case7-3
case7-2
case7-1
case6-4
case6-3
case6-2
case6-1
case5-4
case5-3
case5-2
case5-1
case4-4
case4-3
case4-2
case4-1
case3-4
case3-3
case3-2
case3-1
case2-4
case2-3
case2-2
case2-1
case1-4
case1-3
case1-2
0.80
case1-1
室内呼吸域平均Ve
1.30
漏気による給気
アンダーカット排気
解析結果
~室内呼吸域*平均局所空気交換効率(Ve)~
・局所空気交換効率(Ve)は、外気が室内で完全拡散された状態を1.0とし、
1.0より小さい値を示すほど換気効率は良くなる。
・室内呼吸域は床上0.5m~1.8mの範囲
エアコン運転時
エアコン停止時
室内呼吸域平均Ve 1.0
1.40
1.20
1.10
1.00
0.90
天井給気口① 壁給気口①
天井排気口② 天井排気口②
壁給気口①
壁給気口③
天井排気口① 天井排気口①
漏気による給気
天井排気口②
天井給気口①
アンダーカット排気
壁給気口①
天井給気口②
アンダーカット排気 アンダーカット排気
図4 室内呼吸域平均局所空気交換効率(Ve)
壁給気口②
アンダーカット排気
case10-4
case10-3
case10-2
case10-1
case9-4
case9-3
case9-2
case9-1
case8-4
case8-3
case8-2
case8-1
case7-4
case7-3
case7-2
case7-1
case6-4
case6-3
case6-2
case6-1
case5-4
case5-3
case5-2
case5-1
case4-4
case4-3
case4-2
case4-1
case3-4
case3-3
case3-2
case3-1
case2-4
case2-3
case2-2
case2-1
case1-4
case1-3
case1-2
0.80
case1-1
室内呼吸域平均Ve
1.30
漏気による給気
アンダーカット排気
解析結果
~室内呼吸域*平均局所空気交換効率(Ve)~
・局所空気交換効率(Ve)は、外気が室内で完全拡散された状態を1.0とし、
1.0より小さい値を示すほど換気効率は良くなる。
・室内呼吸域は床上0.5m~1.8mの範囲
エアコン運転時
エアコン停止時
室内呼吸域平均Ve 1.0
1.40
1.20
1.10
1.00
0.90
天井給気口① 壁給気口①
天井排気口② 天井排気口②
壁給気口①
壁給気口③
天井排気口① 天井排気口①
漏気による給気
天井排気口②
天井給気口①
アンダーカット排気
壁給気口①
天井給気口②
アンダーカット排気 アンダーカット排気
図4 室内呼吸域平均局所空気交換効率(Ve)
壁給気口②
アンダーカット排気
case10-4
case10-3
case10-2
case10-1
case9-4
case9-3
case9-2
case9-1
case8-4
case8-3
case8-2
case8-1
case7-4
case7-3
case7-2
case7-1
case6-4
case6-3
case6-2
case6-1
case5-4
case5-3
case5-2
case5-1
case4-4
case4-3
case4-2
case4-1
case3-4
case3-3
case3-2
case3-1
case2-4
case2-3
case2-2
case2-1
case1-4
case1-3
case1-2
0.80
case1-1
室内呼吸域平均Ve
1.30
漏気による給気
アンダーカット排気
解析結果
~Ve分布~
天井排気
天井排気
2.10
1.50
1.00
0.80
Ve
0.90
2.5
2.4
2.3
2.2
2.1
2.0
1.9
1.8
1.7
1.6
1.5
1.4
1.3
1.2
1.1
1.0
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
1.50
0.70
1.60
1.00
0.60
漏気
漏気
0.60
エアコン(停止)
エアコン(運転)
1.00
0.70
窓
窓
漏気
平均Ve 0.99
Ve 1.0
(1)case5-3(エアコン運転時)
漏気
平均Ve 0.85
Ve 0.6~2.1
(2)case5-4(エアコン停止時)
図5 case 5-3 、case5-4のVe分布(床上1.1m水平断面)
N
解析結果
~Ve分布~
天井給気②
アンダーカット排気
天井給気①
アンダーカット排気
0.80
1.40
1.45
1.10
エアコン(停止)
1.40
1.05
1.45
1.35 エアコン(停止)
1.30
1.00
0.90
窓
平均Ve 1.05
2.5
2.4
2.3
2.2
2.1
2.0
1.9
1.8
1.7
1.6
1.5
1.4
1.3
1.2
1.1
1.0
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
1.35
1.10
1.00
Ve
Ve 0.8~1.1
(3)case6-4(方式4)
120
窓
平均Ve 1.39
Ve 0.8~1.5
(4)case8-4(方式4)
図6 代表的なケースのVe分布(床上1.1m水平断面)
N
解析結果
~室内上下温度分布~
窓付近床上0.1m
窓付近上下温度差
窓付近床上1.1m
上下温度差=
床上1.1m温度-床上0.1m温度
25.0
4.5
4.0
20.0
3.5
2.5
2.
2.0
0
10.0
1.5
1.0
5.0
0.5
天井給気口①
天井排気口②
壁給気口①
天井排気口②
天井給気口①
アンダーカット排気
case7-3
case7-2
case7-1
case6-3
case6-2
case6-1
case2-3
case2-2
case2-1
case1-3
0.0
case1-2
0.0
case1-1
温度[℃]
15.0
壁給気口①
アンダーカット排気
図7 窓から325mmの位置の床上0.1mと1.1mの温度と温度差
温度差[℃]
3.0
解析結果
~室内上下温度分布~
給気口付近床上0.1m
給気口付近床上1.1m
給気口付近温度差
上下温度差=
床上1.1m温度-床上0.1m温度
25.0
3.5
3.
3.0
0
20.0
2.
2.0
0
1.5
10.0
1.0
5.0
0.5
天井給気口①
天井排気口②
壁給気口①
天井排気口②
天井給気口①
アンダーカット排気
case7-3
case7-2
case7-1
case6-3
case6-2
case6-1
case2-3
case2-2
case2-1
case1-3
0.0
case1-2
0.0
壁給気口①
アンダーカット排気
図8 給気口を含む断面の床上0.1mと1.1mの温度と温度差
温度差[℃]
15.0
case1-1
温度[℃]
2.5
まとめ
① エアコン運転時の室内呼吸域局所空気交換効率(Ve)は、換気方式やエ
コンの設置位置に関わらず、1.0程度の値となり、外気が室内でほぼ完
全拡散している。
② エアコン停止時の室内呼吸域Veは、エアコン運転時の約1.0~1.4倍の範
囲に入り、換気効率はエアコン運転時と比較して分布が大きく、Veの悪
い領域が生じる。
③ 給気口と排気口の距離は換気効率に影響し、給気口と排気口の位置が
離れるほど換気効率は向上する。給気口と排気口の位置が近接する場
合には、ショートサーキットを起こし、換気効率の悪い領域が増加する。
④ エアコンの位置が窓上の場合及び給気方式が天井給気の場合に、最も
給気や窓面の冷気による影響が少なく、上下温度分布は2℃以下となる。
解析結果
天井給気
~Ve分布~
天井排気
天井排気
Ve
0.50
0.90
1.05
1.00
2.5
2.4
2.3
2.2
2.1
2.0
1.9
1.8
1.7
1.6
1.5
1.4
1.3
1.2
1.1
1.0
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
1.00
1.00
1.10
1.05
1.05
1.00
エアコン(停止)
1.15
エアコン(停止)
1.00
1.10
1.05
0.85
0.90
窓
窓
壁給気
Ve 0.5~1.1
(1)case1-4
Ve 0.9~1.2
(2)case3-4
図6 代表的なケースのVe分布(床上1.1m水平断面)
N
解析結果
天井給気
~Ve分布~
天井排気
Case1
天井給気
天井排気
1.00
エアコン
エアコン
(1)Case1-1
天井給気
窓
天井排気
天井給気
窓
天井排気
エアコン
エアコン
(3)Case1-3
(2)Case1-2
窓
窓
(4)Case1-4
解析結果
~Ve分布~
Case2
天井排気
天井排気
1.00
エアコン
エアコン
壁給気
(1)Case2-1
窓
壁給気
(2)Case2-2
天井排気
天井排気
エアコン
壁給気
エアコン
窓
(3)Case2-3
窓
壁給気
窓
(4)Case2-4
解析結果
~Ve分布~
天井排気
Case3
天井排気
1.00
エアコン
エアコン
壁給気
(1)Case3-1
窓
天井排気
壁給気
(2)Case3-2
窓
天井排気
エアコン
壁給気
エアコン
窓
(3)Case3-3
壁給気
窓
(4)Case3-4
解析結果
~Ve分布~
天井排気
Case4
天井排気
壁給気
壁給気
1.00
エアコン
エアコン
(1)Case4-1
窓
(2)Case4-2
天井排気
窓
天井排気
壁給気
壁給気
エアコン
(3)Case4-3
エアコン
窓
(4)Case4-4
窓
解析結果
~Ve分布~
Case5
天井排気
天井排気
1.00
1.00
エアコン
エアコン
(1)Case5-1
窓
窓
(2)Case5-2
天井排気
天井排気
2.10
1.50
1.00
0.80
0.90
1.50
0.70
1.00
1.60
0.60
0.60
エアコン(停止)
エアコン(運転)
0.70
窓
(3)Case5-3
窓
(4)Case5-4
1.00
解析結果
~Ve分布~
アンダーカット
排気
天井給気
Case6
アンダーカット
排気
天井給気
エアコン
エアコン
(1)Case6-1
窓
アンダーカット
排気
天井給気
(2)Case6-2
窓
アンダーカット
排気
天井給気
1.00
エアコン
(3)Case6-3
エアコン
窓
(4)Case6-4
窓
解析結果
~Ve分布~
Case7
アンダーカット
排気
アンダーカット
排気
エアコン
エアコン
壁給気
(1)Case7-1
窓
壁給気
(2)Case7-2
アンダーカット
排気
アンダーカット
排気
エアコン
エアコン
壁給気
(3)Case7-3
窓
窓
壁給気
(4)Case7-4
窓
解析結果
~Ve分布~
Case8
アンダーカット
天井排気 排気
アンダーカット
天井排気 排気
1.00
エアコン
エアコン
(1)Case8-1
窓
(2)Case8-2
アンダーカット
天井排気 排気
エアコン
(3)Case8-3
窓
アンダーカット
天井給気 排気
エアコン
窓
(4)Case8-4
窓
解析結果
~Ve分布~
Case9
アンダーカット
排気
アンダーカット
排気
1.00
エアコン
(1)Case9-1
窓
(2)Case9-2
アンダーカット
排気
アンダーカット
排気
エアコン
エアコン
(3)Case9-3
窓
窓
壁給気
(4)Case9-4
窓
壁給気
解析結果
~Ve分布~
Case10
アンダーカット
排気
アンダーカット
排気
1.00
エアコン
エアコン
(1)Case10-1
窓
窓
(2)Case10-2
アンダーカット
排気
天井排気
1.00
エアコン
エアコン
窓
窓
(3)Case10-3
(4)Case10-4
解析結果
~気流分布~
天井給気②
天井給気①
Ve
アンダーカット排気
(3)case6-4(鉛直断面1)
(5)case8-4(鉛直断面3)
図7 代表的なケースの気流分布(エアコン停止時)
2.5
2.4
2.3
2.2
2.1
2.0
1.9
1.8
1.7
1.6
1.5
1.4
1.3
1.2
1.1
1.0
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
解析結果
~鉛直温度分布~
・天井給気(case1,case6)は、床上高さ2.5~2.6mの地点で最も低くなる。
・壁給気(case2,case7)は、床表面で最も低温となる。
エアコン1(西壁中央)
case1-1
case1-2
case1-3
case2-1
case2-2
case2-3
2.0
1.5
1.0
1.5
1.0
0.5
0.5
10.0
15.0
20.0
温度(℃)
25.0
case6-1
case6-2
case6-3
1.5
1.0
15.0
20.0
温度(℃)
(a)case1
(b)case2
天井給気口①
天井排気口②
壁給気口①
天井排気口②
25.0
1.5
1.0
0.5
0.0
0.0
10.0
case7-1
case7-2
case7-3
2.0
0.5
0.0
0.0
2.5
2.0
高さ(m)
高さ(m)
高さ(m)
2.5
2.5
2.0
エアコン3(南壁・窓上中央)
高さ(m)
2.5
エアコン2(南壁・西側)
10.0
15.0
20.0
25.0
10.0
15.0
20.0
温度(℃)
温度(℃)
(c)case6
(d)case7
天井給気口①
アンダーカット排気
(2)給気口部分の鉛直温度分布
図10 窓、給気口を含む断面の鉛直温度分布
壁給気口①
アンダーカット排気
25.0
解析結果
~鉛直温度分布~
・鉛直温度分布は、ほぼ17~22℃の範囲に入り、床表面で最も低くなる。
・エアコン1(西壁中央)のケースで最も温度が低く、エアコン3(南壁・窓上中央)の
ケースで最も高い。
エアコン1(西壁中央)
case1-1
case1-2
case1-3
1.0
case6-1
case6-2
case6-3
2.0
1.5
高さ(m)
高さ(m)
高さ(m)
case2-1
case2-2
case2-3
2.0
1.5
2.5
2.5
2.5
2.0
エアコン3(南壁・窓上中央)
1.0
1.5
1.0
1.5
1.0
0.5
0.5
0.5
0.5
0.0
0.0
0.0
0.0
10.0
15.0
20.0
温度(℃)
25.0
10.0
15.0
20.0
温度(℃)
(a)case1
(b)case2
天井給気口①
天井排気口②
壁給気口①
天井排気口②
25.0
10.0
15.0
case7-1
case7-2
case7-3
2.0
高さ(m)
2.5
エアコン2(南壁・西側)
20.0
25.0
10.0
15.0
20.0
温度(℃)
温度(℃)
(c)case6
(d)case7
天井給気口①
アンダーカット排気
(1)窓に近い部分の鉛直温度分布
図10 窓、給気口を含む断面の鉛直温度分布
壁給気口①
アンダーカット排気
25.0
解析結果
~気流分布~
天井給気
天井排気
(1)case1-4
(2)case3-4
壁給気
(4)case7-4
アンダーカット排気
(6)case9-4
図7 代表的なケースの気流分布(エアコン停止時)
壁給気
壁給気
空気齢の概念
排気口
評価点P
給気口
空気齢
空気余齢
空調・換気による供給空気が室内の
ある点に至るまでに要した時間を示
す変数を空気齢という。
給気口から室内評価点までの平均到
達時間が短いほど、空気が汚染され
る可能性は低く、新鮮な空気が到達し
やすいと判断できる。
滞在時間
図 空気齢の概念図
局所空気交換効率=
(Ventilation Efficiency)
局所空気齢(点Pにおける空気齢)
完全拡散されるのに要する時間
局所空気交換効率は、室内の換気の良否を示す指標で、室内の空気が
完全拡散されたときの値を1.0とし、値が小さいほど換気効率は良い。
機械換気設備の種類別比較
※1 設備のメンテナンス費用は、個別の換気設備の設計内容によっては上記と異なることがある。
(例:ダクトを用いる第3種換気と、ダクトを用いない第1種換気では、前者の方が高くなることがある)
※2 第1種換気の場合、個別の換気設備の設計内容によって異なる為、どちらともいえない
換気方式の概要
漏気
漏気
(1)方式1
(2)方式2
(3)方式3
漏気
漏気
アンダーカット
(4)方式4
アンダーカット
(5)方式5
(6)方式6
アンダーカットによる換気経路
給気口から流入する新鮮空気は、居室のアンダーカットを通って、
廊下に流れる。流れた空気は、便所、浴室、台所、納戸等からの
排気ファンによって排気される為、機械換気となる。
図 アンダーカットによる換気経路
STREAMの概要
汎用の熱流体解析ソフトで、流体が流れる現象に付随して、
熱移動、物質拡散、反応の現象を取り扱うことができる。
熱流体解析で求めること
・流速
・圧力
・温度
・乱れ
乱流エネルギー
乱流消失率
渦粘性係数
・拡散物質濃度
・流体の密度
(圧縮性流体の場合)
解析フローチャート
1 入力データの作成
2 解析の実行
3 出力結果の確認
コールドドラフトの概要
コールドドラフトとは、室内の暖かい空気が冷たい窓面に触れ、冷やされ
ることによって、発生する冷たい下降気流である。
窓は、冷気が発生・侵入しやすい場所である為、天井部分が暑く足もと
が寒いという環境がつくられ、冬の室内を不快な空間にする。
図 コールドドラフト現象
ショートサーキットの概要
ショートサーキットは、室内において、給気口から給気した新鮮空気が居
室に行きわたる前に排気され、換気効率の悪い領域が生じることである。
給排気口が近接している為、屋外に排気された汚空気を再び給気する可
能性もある。
屋外
室内
給気口
排気口
換気効率の悪い領域
ショートサーキット
図 ショートサーキット現象
室内上下温度 解析点
1.7625
1.7625
0.5125
ドア
0.325
0.5125
天井給気口②
1.495
天井給気口①
0.325
1.495
壁給気口③
壁給気口①
単位:m
窓付近上下温度
窓
壁給気口②