2 精神遅滞の原因と疾病

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第10章
発達上の心の問題
道案内
1 準備
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3
4
5
6
7
8
(0) 授業を始める前に
(1) 発達心理学とはどんな学問か?
(2) なぜ発達心理学を学ぶのか?
知覚の発達
(3) 子どもに世界はどう見えるか?
認知の発達
(4) 子どもはものごとをどう理解するか?
(5) 子どもは心をどう理解するか?
感情の発達
(6) 子どもに愛情を注ぐこと
性格の発達
(7) 性格は生まれつき?
社会性の発達
(8) 人間関係の中で育つ
(9) 自己意識と発達課題
発達上の問題
(10) 発達上の心の問題
まとめ
(11) まとめ&試験情報
メインメッセージ10
無知が差別を生み出す。
発達障害を正しく理解しよう
1 発達障害とは?
アメリカ精神医学会
精神障害の診断と統計マニュアル
DSM-IV
1 発達障害とは?
アメリカ精神医学会、DSM-IV
(1)精神遅滞
知的機能の全体的な遅れ
(2) 広汎性発達障害(自閉症)
多様な領域における質的な歪み
(3) 特異的発達障害(学習障害:LD)
特定の技能領域の獲得の遅れや失敗
精神遅滞の条件
1) 発達期にあらわれる
発症は18歳未満である
2) 適応行動の障害を伴う
年齢相応の到達目標に達していない
3) 知能機能が有意に平均より低い
(IQ:ビネー式68以下)
(ウエクスラー式:70以下)
知能検査
各年齢集団の平均値との比較から精
神年齢を算出する
IQ=
MA(精神年齢)
CA(生活年齢)
ウェクスラー式知能検査
WPPSI:低年齢児(3:10-7:1)
WISC:児童から青年(5:0-16:11)
→WISC
−III
WAIS:青年から老人(16:0-74:11)
−R
→WAIS
WISC-IIIの下位検査
言語性検査
知識、類似、算数、単語、理解、数唱
動作性検査
絵画完成、絵画配列、積木模様、組合せ、符号
知的障害
成人における日常生活の困難度
分類
IQ
軽度
50-75
普段の日常生活に差し支えない程度に身の
周りの事柄は処理できるが抽象的に物事を
考えることには困難がある
中度
20-50
環境の変化に適応する能力に乏しく、他人
の助けによりようやく身の周りの事柄を処
理できる
重度
20未満
ほとんど言葉を理解することができず、意
志を伝えることや環境に適応することが著
しく困難であって、日常生活ではいつも誰
かの介護を必要とする
知能指数分布曲線
その他の発達検査
円城寺式乳幼児分析的発達検査
グッドイナフ人物画知能検査
その他の発達検査
サブメッセージ 10.1
知能指数は平均との比較。
頭の良さではない
2 精神遅滞の原因と疾病
生物学的要因 (1) 感染
(妊娠中)
先天性風疹, トキソプラズマ症, 梅毒
(出生後)
脳炎、髄膜炎
2 精神遅滞の原因と疾病
生物学的要因 (2) 中毒
(妊娠中)妊娠中毒
(出生後)一酸化炭素中毒
2 精神遅滞の原因と疾病
生物学的要因 (3) 外傷
異常分娩に伴う仮死等による酸素欠乏、
機械的損傷、脳障害
2 精神遅滞の原因と疾病
生物学的要因 (4) 代謝障害
フェニールケトン尿症:頭髪や皮膚の色素
が少なく、筋肉硬直が見られる
クレチン病:乳児期前半の甲状腺ホルモン
投与で知的障害を予防できる
2 精神遅滞の原因と疾病
生物学的要因 (5) 新生物
結節性硬化症、脳腫瘍
2 精神遅滞の原因と疾病
生物学的要因 (6) 形態異常
小頭症、水頭症
2 精神遅滞の原因と疾病
生物学的要因 (7) 染色体異常
ダウン症候群
原因:染色体異常、通常21番目の常染色体数が
トリソミー(3個)
症状:特有な容貌。末端の発育不良、皮膚や筋肉の強
度な弛緩、目尻の上がった細い目。
合併症:心臓病
2 精神遅滞の原因と疾病
生物学的要因 (8)原因不明
自閉症
(第5章「心の理論」参照)
“RAINMAN”
自閉症
2 精神遅滞の原因と疾病
心理・精神・社会的要因と疾病
1) 文化的、家族的、環境的背景
2) 心因性(神経症)
3) 精神病性:小児統合失調症
小児うつ病
サブメッセージ10.2
心のハンディキャップを子どもと
ともに乗り越えよう
3 子どもがかかえる心の問題
(1) ストレスと心身症
乳児期:神経性嘔吐、便秘
3 子どもがかかえる心の問題
(1) ストレスと心身症
幼児期:神経性嘔吐、夜尿、チック
3 子どもがかかえる心の問題
(1) ストレスと心身症
児童期:神経性嘔吐、夜尿、頻尿、
チック、頭痛、ぜんそく、
吃音、摂食障害
3 子どもがかかえる心の問題
(2)注意欠陥多動性症候群
(Attention Deficit / Hyperactivity
Disorder: ADHD)
自己統制力が年齢相応に身につかず、注意
集中が困難で、極端に落ち着きがない。
多動や衝動性が目だつ。中枢神経系の働きの
何らかの異常が原因と考えられている
3 子どもがかかえる心の問題
(2) 注意欠陥多動性症候群
<対処> 薬物治療
リタリン、三環系抗うつ剤など
副作用(食欲不振、睡眠障害)に注意!
3 子どもがかかえる心の問題
(2)
注意欠陥多動性症候群
<対処>
教育現場:問題行動の予防
教室の前方、教師に近く机配置
(掲示物は少なく)
与える課題:1回につき1課題
体を動かす課題
サブメッセージ10.3
子どもはストレスを言葉で
表現できない
メインメッセージ10
無知が差別を生み出す。
発達障害を正しく理解しよう