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静岡大学教育学部 総合科学教育課程
総合科学専攻Department of
Integrated Sciences and Technology (DIST)
(平成10年度設立・定員20名)
科学のナビゲーター&デザイナーをめざして
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現代社会に生きる人々の暮しは最先端の科学技術によって支えられているにもかかわらず,最先端科
学技術の専門家集団と一般人との科学知識の間には大きな隔たりがあり,それによってさまざまな深刻
な弊害が生じています.科学技術と人間との係わりが増大する中で、人々が科学技術を身近に受け止
め、文化として認識できるような社会基盤の構築が必要です.
このような背景のもとで,今,最先端科学技術の幅広い知識情報を持ち,それらの分析・評価・活用が
できるだけでなく,その成果を一般社会やそこで生活する人々に伝達・還元できる人材が求められていま
す.また,科学技術の成果が社会に及ぼす影響について予測・提言でき,さらには異分野の先端科学を
コーディネートしてまったく新しい分野・製品・施策などを開発・提案できることも重要です.そのためには
情報収集・分析のためにコンピュータを充分に活用できる能力も必須です.総合科学専攻はこのような人
材を養成するために生まれました.
カリキュラムの特色
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教育学部には,理学,工学,農学,生活学,社会学,教育学などの多岐にわたる専門家が所属し,その
専門分野の多様性と,科学教育法,教育方法論,教育心理学や教員養成の経験と実績を生かした指導
体制があります.本専攻では,従来の教科領域を越えた一貫性のある学際的カリキュラムを編成し,人
間性と教養重視の生活者優先社会に適合した科学教育を行います.
具体的には,科学技術の先端分野の全体像をまずとらえた後に,それと関連する基礎科学の知識を学
ぶという,通常とは逆の新しい教育パターンを,とくに進歩の著しい物質科学,電気・機械工学,自然災害
科学,情報科学に重点を置いた自然科学系の講義・演習・実験を中心に展開します.さらに文系・理系の
境界領域に関する授業によって,社会との接点に関する考察も深めていきます.加えて,知識や考えを
他者に平易に解説するための表現力や説得力,文章力,会話力も養います.また,指定された授業科目
の履修によって高等学校の情報教員免許の取得が可能です.
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進路
官公庁や企業の開発企画・調査研究・広報部門のほか,科学ジャーナリスト等のマスメディア関係,
高等学校や専門学校の情報教育講師,サイエンスレンジャーや学芸員などの科学教育者など広範囲
な活躍が期待されています.また,さらに理工系・情報系大学院への進学も可能です.
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主な授業科目
課程必修:総合科学への招待,先端科学
と社会,生活社会科学入門など
専攻必修:基礎数学,現代物理学Ⅰ,現
代化学Ⅰ,現代科学実験, 現代応用力
学,情報科学,プログラミング演習,先端
科学特別演習,現代高分子科学,科学倫
理・哲学
選択科目: プレゼンテーション演習, ディ
ベート演習, 産・官科学技術実習,科学
データ処理演習,科学技術論文の書き方,
情報交換演習,現代物理学Ⅱ,現代化学
Ⅱ,電磁気学,分析化学,有機化学,分
子生物学,自然災害と現代社会,地球シ
ステム,情報と社会,情報システム,情報
ネットワーク,マルチメディア,情報産業概
論,数値解析,機械力学,CAD演習,高
分子科学実験,機器分析実験,科学
ジャーナリズム論,など
充実した学生指導
9名の専任・協力スタッフが,各々2〜3名
の学生の指導教員となり,研究や学生生
活について助言・相談に応じます.
各教員は週1回のオフィスアワーを定め,
学生が目的の教員と必ずコンタクトをとれ
る機会を設けています.
また,インターネット上に専攻専用のホー
ムページ・メールサーバ・メーリングリスト
を設け,学生全員がノートパソコンを常時
携帯することにより,電子情報・映像を駆
使した授業や情報交換が迅速にできるよ
うなシステムを整備しています.
教室スタッフからひとこと
専任スタッフ
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栗原 誠 (博士/理学) :環境中や生体中の超
微量物質の分析とその働きの解明について
研究をしています.探求心旺盛な人を歓迎し
ます.
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小山真人 (理学博士) :自然災害の予知・防災
科学は,理系・文系の英知を結集した「総合科
学」です.若い力の参集を待ってます.
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鳥居 肇 (博士/理学):光との相互作用によっ
て起こる分子・分子集団の動きをもとに,物質
のさまざまな性質を研究します.計算科学的
研究にも力を入れています.
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澤渡千枝(工学博士・学術博士):有機高分子材
料の性能の向上や安全性を追求しています.
より強く,機能的で環境に優しい材料を求めて
一緒に研究しましょう.
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松永泰弘 (博士/工学) :機能性材料の機械的
性質,科学技術ものづくり教材の開発につい
て興味がある人,一緒に研究しましょう.
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八柳祐一(博士/理学) :実験と比肩できる大規
模シミュレーションをマイスーパーコンピュータ
で実現しています.一緒に物理(もののことわ
り)を探求しましょう.
協力スタッフ
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板垣秀幸 (理学博士) :なぜゲルや液晶ができ
るのか.数億分の1秒でおこる転移をどう観測
するのか.物質の根源を探るために一緒に研
究しましょう.
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室伏春樹(修士/教育) :情報の科学的理解を
進め,技術教育と情報教育について研究を進
めていきます.
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改正清広(博士/工学):表面分析装置である原
子間力顕微鏡に関する研究(機器開発、物性
計測、微細加工)と情報科学や認知科学を踏
まえたエネルギー変換教材の開発に関する研
究を行っています。
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総合科学専攻Q&A
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Q 普通の理工系学部の教育とどこが違うのですか?
A 私たちは,狭い分野の研究者を大学教育だけで育成することをやめ,基礎を圧縮して,大学1年
生の初めから,最先端科学研究で何が行われているのかを皆さんに見てもらうことにしました.理
学・工学・農学にまたがる現在の科学の先端を目の当たりにすることで,サイエンス・テクノロジーの
真髄を身につけてもらうというのが私たちの新しい大学教育の提言です.このような教育は,多様な
研究者を擁し,たえず教育方法を案出している教育学部でこそ初めて可能になったもので,全国で初
めての試みと自負しています.
Q 普通の理工系学部の教育はどこに問題があるのですか?
A もし,皆さんが理工系学部の専門学科に入学すると,基礎科目からはじまって多くの原理的な講
義・実習・実験を受講し,順々に積み上げ式の教育をしていくのが普通です.しかし修得しなければ
ならない基礎原理は多く,過去の研究を理解するための基礎教育だけで4年間が終わってしまいま
す.先端科学の研究の一端に触れるようになるのは,4年生になってようやく1つの研究室に分属し,
卒業研究を開始するときというのが一般的です.それさえも,多様な先端科学のごく一部の領域の
たったひとつの研究にすぎません.そうしている間にも科学の最先端はどんどん高く広く一般の人た
ちから離れつつあるのです.分野が異なると,新聞の科学トピックスの記事も理解できない研究者が
たくさんいるのが現状です.
Q どんな新しい教育をするのですか?
A 皆さんは,「基礎を圧縮したらたいしたものを積み上げられない」と思うかもしれません.そこで私
たちは,教育方法の改善以外に2つの試みを導入しました.ひとつは,各自にノート型パーソナルコ
ンピュータを購入・携帯してもらい,インターネットを通じて世界の最先端科学技術の情報発信源にリ
アルタイムに触れ続けてもらうと同時に,重要科学原理や技術数学を可視化した形で学ぶことであり,
もうひとつは1・2年と3・4年で分野の異なる2つの研究室に分属し,先端研究に早くから親しんでも
らい,よりきめ細かな教育を行うことです.
さらに,私たちは,従来の理工系学部で大きく欠けてきた教育を実施します.ひとつは,これまでは
一般市民を置き去りにしがちだった先端科学技術と,人間・社会とのインターフェースをつねに視野
に入れる教育です.そのために「先端科学と社会」・「科学倫理・哲学」 ・「科学ジャーナリズム論」・
「情報産業概論」などの講義を設けました.もうひとつは,学会・会議・講演・営業などで重要なファク
ターとなる,人にわかりやすく説明し,聴衆・顧客などを説得するプレゼンテーションのための教育で
す.パンフレット ・レジュメなどの作成とプレゼンテーションソフトを利用した口頭発表や,ディベートの
ための演習科目を多く設けたのはこのためです.
Q どんな受験生を求めているのですか?
A 私たちは,目的意識をもったやる気のある,理系志望の学生を募集します.特に,狭い専門枠に
とらわれず,人間や社会との連携までを視野に入れた自然科学に興味のある皆さんの入学を待って
います.是非,私たちと一緒に人と社会に優しい科学と技術の最先端に向かってチャレンジしましょう.
卒業生の進路&就職状況
就職(企業) :SBS情報システム ㈱,アートテクノロジー㈱,共同印刷,秀英予備校,㈱富士通北陸システムズ,
三菱電機メカトロニクスソフトウエア,㈱万城食品,焼津信用金庫,NECソフト㈱,NTTシステム開発㈱, ㈱光通信,
㈱中島屋ホテルチェーン,静岡トヨペット,静岡ガス(株), (株) TOKAIなど
就職(公務員) :静岡県庁, 沖縄県庁, 静岡県警, 三重県庁,浜松市役所, 富士市役所 , 伊東市役所,
防衛省, 高校情報教諭(三重県), 中学校理科教諭 (静岡県,山梨県,岐阜県,私立中高一貫校)など
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進学:静岡大学大学院教育学研究科,静岡大学大学院理工学研究科,他大学大学院(東北大学大学院,名古屋
大学大学院,奈良先端科学技術大学院,北海道大学大学院,九州大学大学院,東京大学大学院,東京工業大学
大学院など)
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ミニ卒論発表会:ポスターセッション
(2年生)
卒論中間発表会:ポスターセッション
(4年生)
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http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/skagaku/index.html