研修資料 平成15年5月26日

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Transcript 研修資料 平成15年5月26日

建築基準法改正に対応する
シックハウス対策動向研修会資料
平成15年5月26日
はじめに
第一部 建築基準法とは
第二部 シックハウスとは
第三部 建築基準法改正内容
「法 第28条」シックハウス対策項目
第四部 工業会表示の指針
キッチン・バス工業会 資料作成委員会
タカラスタンダード(株) ・クリナップ(株)
ナスステンレス(株)
・ヤマハリビングテック(株)
サンウエーブ工業(株)
(無断複製不可)
はじめに
平成15年7月より改正建築基準法が施行されます。
法律の対応は、建築業だけでなく、建築資材・設備機
器メーカーに対しても多くの課題が与えられておりま
す。
この対応に関する建築資材、設備機器業界の4団体
「キッチン・バス工業会、(社)日本住宅設備システム
協会、(社)日本建材産業協会、(社)リビングアメニティ
協会」(以下4団体と呼ぶ)が法律の共通課題に対応す
るガイドラインを設けました。
このガイドラインに沿って「キッチン・バス工業会」と
して製品単位でのホルムアルデヒド放散区分表示の指
針を取り纏めると共に、今回の建築基準法改正概要に
ついて理解を深める資料と致します。
島崎喜和
第一部 建築基準法とは
第一条
この法律は、建築物の敷地、構造、設備及
び用途に関する最低の基準を定めて、国
民の生命、健康及び財産の保護を図り、も
つて公共の福祉の増進に資することを目
的とする。
☆ 建築物の安全・衛生を確保するための基準
建築物の使用者の生命、健康等を守るための次のような基準で、すべ
ての建築物に適用されます。
地震、台風、積雪等に対する建築物の安全性の基準
火災による延焼、倒壊の防止、避難施設の設置等に関する
火災時の安全性の基準
居室の採光、換気、給排水設備、衛生設備等の環境衛生に関す
る基準
•「東京都都市計画局資料より」
☆市街地の安全、環境を確保するための基準
良好な市街地環境を確保するための次のような基準で、原則とし
て都市計画区域内の建築物に適用されます。
敷地が一定の幅員以上の道路に接することを求める基準
都市計画において定められた用途地域ごとに建築することができる
建築物に関する基準
建築物の容積率、建ぺい率の制限、高さの制限、日影規制等に関
する基準
•「東京都都市計画局資料より」
建築確認・検査の手続
•「東京都都市計画局資料より」
第二部 シックハウスとは
住宅の高気密化や化学物質を放散する建材・内装
材の使用等により、新築・改築後の住宅やビルに
おいて、化学物質による室内空気汚染等により、
居住者の様々な体調不良が生じている状態が、数
多く報告されている。
症状が多様で、症状発生の仕組みをはじめ、未解
明な部分が多く、また様々な複合要因が考えられ
ることから、シックハウス症候群と呼ばれる。
主な発生源としてホルムアルデヒド他13の揮発性有
機化合物(VOC) が厚生省から公表されている。
「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会中間報告書 より抜
粋」
毎日新聞による最近の報道事例
シックスクール:子供の症状悪化で全国初の提訴 2003.04.01
シックハウス:兄弟が市など訴え 2003.03.29
シックスクール:教科書で児童ら症状悪化 2003.02.23
ビル衛生管理法:規則誤解し、殺虫剤を過剰散布 2003.01.19
化学物質過敏症:成人患者推計70万人 2003.01.12
医療用消毒剤:看護師ら6割に副作用 2003.01.05
シックハウス症候群:初の被害調査へ 2002.11.16
シックハウス:新設校に通えない 2002.11.07
シックハウス症候群:県営賃貸住宅の入居延期 2002.10.10
シックハウス症候群:「ホルムアルデヒド」を原因物質に追加へ 2002.10.08
シックハウス症候群:園児19人に症状 2002.08.19
シック症候群?:図書館改装直後に頭痛やせき、目の痛み 2002.06.18
新築校舎:全校生の半数近くが「シックハウス症候群」を訴える 2002.06.12
シックハウス:4保育士に労災認定 2002.06.11
シックハウス:ホルムアルデヒドなど建材使用を規制へ 2002.01.30
室内濃度指針値※1
主な用途
100μg/m3
接着剤,防腐剤
(0.08ppm)
トルエン
260μg/m3
接着剤,塗料の溶剤
(0.07ppm)
キシレン
870μg/m3
接着剤,塗料の溶剤,
(0.20ppm) 可塑剤
パラジクロロベンゼン
240μg/m3
防虫剤,芳香剤
(0.04ppm)
エチルベンゼン
3800μg/m3
塗料の溶剤
(0.88ppm)
スチレン
220μg/m3
断熱材
(0.05ppm)
クロルピリホス
1μg/m3
殺虫剤,防蟻剤
(0.07ppb)
フタル酸ジ-n-ブチル
220μg/m3
可塑剤
(0.02ppm)
テトラデカン
330μg/m3
塗料の溶剤,灯油
(0.04ppm)
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル 120μg/m3
可塑剤
※2
(7.6ppb)
ダイアジノン
0.29μg/m3
殺虫剤
(0.02ppb)
アセトアルデヒド
48μg/m3
接着剤,防腐剤
(0.03ppm)
フェノブカルブ
33μg/m3
防蟻剤
(3.8ppb)
揮発性有機化合物(VOC)
ホルムアルデヒド
今
後
規
制
が
強
化
さ
れ
る
1
3
化
学
物
質
特にクロルピリホスとホルムアルデヒドの規制強化が緊急課題となる
国土交通省 説明資料より
室内の汚染源
OZONE情報バンク・室内環境ラボ
田頭啓子様 安心リフォーム リフォネット掲載記事より
ホルムアルデヒド
とは
<一般的性質>
ホルムアルデヒドは無色で刺激臭を有し、常温ではガス体であ
る。水によく溶け、35~37%の水溶液はホルマリンとして知ら
れている。
<主な家庭内における用途と推定される発生源>
合板、パーティクルボード、壁紙用接着剤等に用いられる尿素
(ユリア)系、メラミン系、フェノール系等の合成樹脂や接着
剤の原料。
多くの合板ではこれら樹脂とホルムアルデヒドが熱圧着により
反応・硬化することで接着されている。一般的には ユリア樹
脂>メラミンユリア共重合樹脂>フェノール樹脂 の順に放散
量が低下するといわれている。
室内空気汚染の主な原因として推定されるのは、合板や内装材
等の接着剤として使用されているユリア系、メラミン系、フェ
ノール系等の接着剤からの放散(未反応物もしくは分解物)で
ある。建材だけでなく、これらを使用した家具類も同様である
(木製家具、壁紙、カーペット等)。
「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会中間報告書 より抜粋」
ホルムアルデヒドの測定(今後主流)
放散速度の測定
チャンバー法
放散速度5μg/m2・h以下
建築材料の等級区分は放
散速度で規定
H15.3月にJIS化された。
(JISA1901)
試験機関が少ない
試験金額が高い
ホルムアルデヒドの測定
放散量の測定 JISA1460
放散量0.3mg/L←0.5mg/L
現在JIS/JASの製品規格試験法
密閉容器内に試料と蒸留水を
おいた場合に蒸留水に溶出し
たホルムアルデヒドの量を示す
ホルムアルデヒドを含む製品生産推移
繊維板生産構成推移% 日本繊維板工業会
MDF
パーティクルボード
1996年
1997
E0
5.4
E1
1.6
E2
93.0
E0
0
E1
0.9
E2
99.1
10.9
12.6
76.5
0
28.5
71.5
1998
1999
18.3
27.9
43.3
58.4
38.3
13.7
2.3
3.3
54.6
92.7
43.0
3.5
2000品確法施行
43.5
52.6
3.9
40.0
58.0
2.0
2001
65.2
32.4
2.4
86.0
11.3
2.7
5年間でE2からE0へ、生産完全シフト、E2生産廃止へ
(E2は建築基準法では居室に面する建築材料に使用禁止)
第三部 建築基準法改正内容
第28条の2
居室内における化学物質の発散に対する衛生上の措置
居室を有する建築物は、
その居室内において政令で定める化学物質の発
散による衛生上の支障が無いよう、
建築材料及び、換気設備について政令で定める
技術的基準に適合するものとしなければならない。
政令・告示の概要
平成15年7月1日着工分より適用、違反は基準法違反
全ての建築物の居室について以下の規制を導入する
クロルピリホスを発散するおそれのある建築材料の使用全面禁止「居室を
有する建築物には、クロルピリホスを添加した建材の使用を禁止する。 (防
蟻材)」
ホルムアルデヒドを発散するおそれのある建築材料の使用制限等と、24
時間換気設備の設置義務
「内装の仕上げの制限」
居室の種類及び換気回数に応じて、内装仕上げに使用するホルムアルデヒ
ドを発散する建材の面積制限を行う。
「換気設備の義務付け」
ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合でも、家具からの発散
があるため、原則として全ての建築物に機械換気設備の設置を義務付ける。
「天井裏等の制限」
天井裏等については、下地材をホルムアルデヒドの発散の少ない建材とす
るか、機械換気設備を天井裏等も換気できる構造とする。
「ホルムアルデヒド」の規制条件
規制方式:仕様規定(建材の使用制限・換気設備設
置)、気中濃度でない(現場測定なし)
対象:全ての建築物(住宅・事務所・学校他)の居住・執
務・作業等を継続する居室とする。
想定条件:現場測定しないが以下の条件でも厚生省指
針値(0.08ppm)を下回ることを想定した規制。
1.測定時間30分平均のホルムアルデヒド濃度
2.窓・開口部・閉鎖で、 24時間換気(0.5回H/h以
上)、
3.室内温度28度、夏場で冷房作動、禁煙、
4.家具E0相当設置(床面積の3倍の表面積想定)
5.新築を想定(3週間の養生期間)
6.既存住宅(築後5年以上)は対象外
ホルムアルデヒドに関する規制
ホルムアルデヒドの室内濃度を厚生労働省の指針値0.08PPM以下に抑制する為に
通常必要な対策
ホルムアルデヒドに関する規制
ホルムアルデヒドの室内濃度を厚生労働省の指針値0.08PPM以下に抑制する為に
通常必要な対策
住宅タイプ別対応比較表 (まとめ)
全ての対策が必要
仕様規定(建材の使用
制限・換気設備設置)
対策1:
24時間換気必須
対策2:
内装仕上げ部分
(キッチンの表面)
対策3:
天井裏等下地部分
(キッチンの内部)
全ての建築物(住宅・事務所・学校他)の居
住・執務・作業等を継続する居室
1.
換気回数0.5回/ Hの24時間換気シ
ステム設置
E0,Fc0第3種建材(F✰✰✰)は、
床面積の2倍までの使用制限、
2.
上位建材F✰✰✰✰材は使用制限無
し
次のどちらかの選択
1.
下地材・断熱材をE0,Fc0
(F✰✰✰)以上にするか、
1.
天井裏(キッチン内部)換気の設置
1.
等級表示の対象となる内装基材
①合板
②木質系フローリング
③構造用パネル
④集成材
⑤単板積層材(LVL)
⑥MDF(中質繊維板)
⑦パーティクルボード
⑧その他の木質建材
⑨ユリア樹脂版
⑩壁紙
⑪接着剤(現場施工・工場
での二次加工)
⑫保温材
⑬緩衝材
⑭断熱材
⑮塗料
⑯仕上げ塗材
⑰接着剤(現場施工)
•告示対象外建材
•金属類(アルミ・ステンレス・琺瑯等
•窯業建材(ガラス・タイル・レンガ等)
•天然石(大理石・石)
•木材(ムクの木材)
•ボード類(石膏ボード・ケイカル板等)
•化粧板(高圧メラミン樹脂板・塩ビシー
ト・突き板・オレフィンシート・印刷紙)
居室に使用される建材は全てホルム
アルデヒド放散区分を表示し、設計
図書に放散区分の仕様を記入する。
現場監督者は受入時に表示を確認す
る義務、メーカーは表示をする義務。
ホルムアルデヒド発散特定建築材料の表示・
建築基準法の
区分表示
第一種(旧E2、FC2)0.12mg/㎡h超
⇒ 「原則住宅建材に使用禁止」
第二種(旧E1、FC1) 0.12~0.02mg/㎡
h
⇒ 「換気回数により使用面積制限」
第三種(旧E0、FC0)0.02~ 0.005mg/
㎡h
⇒ 「換気回数により使用面積制限」
その他の建材0.005mg/㎡h以下
⇒ 「使用面積制限無し」
JIS/JAS
表示
品確法の表
示(案)
⇒F☆
⇒無等級
⇒F☆☆
⇒等級1
⇒F☆☆☆
⇒等級2
⇒F☆☆☆☆
⇒等級3
法律では、各建築基材(素材)ごとの
ホルムアルデヒド放散評価
建築基材・化粧板・接
着剤毎のJIS/JAS,
大臣認定区分材を使
用し、表示する。
設備機器の内装・下地の考え方(国交省)
基準法での
扱い
該当する部分
規制の受け方
内装仕上げ
(キャビ
ネットの表
面)
室内に面する部分
面積制限有り●第2種ホル
ムアルデヒド発散建築材
料●第3種ホルムアルデヒ
ド発散建築材料●規制対
象外の建材を使用できる
天井裏等の
下地(キャ
ビネット内
側)
内部の天板、側板、底板、棚板、
背板等で固定されている主要な面
材
面積制限なし●第3種ホル
ムアルデヒド発散建築材
料●規制対象外の建材を
使用できる
家具等
棚板等で取り外しが可能な部分
制限なし
規制対象外
軸状の部分、見付面積が製品見付
制限なし
面積の1/10に満たない部分、木口
(建具、扉等の稼動部分については、
当該稼動部分ごとに判断する)居室
内に面さない部分(芯材等)部分的
に用いる塗料、接着剤
居室の内装の仕上げ材に関する規制対象範囲
(1)居室の内装仕上げ材
①内装は、床、壁、天井(天井のない場合は屋根)、建具などの室内に面する部分
をさす。柱等の軸材は規制の対象外
②廻り縁や巾木、手すり、窓台、見切り、窓枠、落としがけ、畳寄せ、障子、鴨居、
敷居、長押、カーテンボックス等の造作材は規制対象外
③建具枠、方立て、間柱、胴縁、部分的に用いられる塗料や接着剤は規制対象外。
ただし、②から➂については、当該部分の面積が壁の見付面積の1/10を超える
場合は、規制対象となる。
④室内に直接面するボード類は「仕上げ材」として規制対象となるが、ボード類に
透過性の材料(壁紙・カーペット等)を貼った場合には、そのボード類についても
「仕上げ材」として規制の対象に含まれる
⑤居室に設けられる収納スペース(押入、造り付け収納、小屋裏収納、床下収納、
納戸、ウォークインクローゼット等)の内部仕上は、「物置」に該当し、天井裏等と
同じ規制を受ける。
➅換気経路としていない収納スペースと居室とを仕切る扉等が、ふすま、折戸、引
戸、吊戸等、その開閉機能上、扉の周囲に隙間があるものであっても、換気計
画上居室と一体的に換気を行わない場合には、収納スペースと居室は一体と
はならないとみなされ、「天井裏等」としての規制を受けることになる。
居室の内装の仕上げ材に関する規制対象範囲
構成する建築資材ごとの性能証明
天板(化粧PB) JISマーク表示品
F☆☆☆ (資料1)
側板・背板(化粧合板) JASマーク表示品
F☆☆☆☆ (資料2)
前扉框部(集成材) 大臣認定品
F☆☆☆☆ (資料3)
前扉鏡板(化粧MDF)JISマーク表示品
F☆☆☆☆ (資料4)
表面仕上材(シート化粧)
使用接着剤(化粧板)
規制対象外
F☆☆☆☆ or 規制対象外
資料1:JIS性能証明書(化粧PB) 資料2:JAS性能証明書(化粧合板)
資料3:大臣認定書(集成材)
資料4:JIS性能証明書(化粧MDF)
資料5:使用接着剤証明書(MSDS など)
業界としては、商品ごとの詳細な材料証明(JIS/JAS,大臣認定番
号)は不可能であり、キッチンのシリーズ毎の性能表示を自己責任
による自主表示で、カタログなどは簡単に表記する為の、キッチ
ン・バス工業会として表示の指針を確立。
キッチンの表
面仕上げ材が
使用面積制限
される。
規制対象建材の判断基準
区分
素板
接着剤
評価方法
区分A JIS/JAS品の場合
(化粧板・化粧合板と
して購入)
JIS/JASの化粧板評価書で判断
区分B JIS/JAS品及び
素板:JIS/JAS及び大臣認定の
評価で判断+ 接着剤等の表
示(JIS)で判断
非JIS/JAS品(輸入品
などの大臣認定品)
非ホルムアルデ
ヒド系接着剤
化粧板として大臣認定
区分C JIS/JAS
非JIS/JAS品
告示対象外材料
ホルムアルデヒド 化粧板としての大臣認定書の
系接着剤
評価で判断
区分D 告示対象外材料
非ホルムアルデ 告示対象外
ヒド系接着剤
第3種換気設備 台所レンジフード利用
戸建,第三種換
気ダクト無し例
キッチン換気扇は同時
給排気型で、逆流防
止シャッターつき
第3種換気設備 レンジフード閉
戸建,第三種換気ダクト有り例
必要換気量=換気回数×居室の床面積×居室の天井高さ
台所用レンジフードファンの給気口
台所のレンジフードファンは、使用時において大風量の排気運転を行
うため、建物の気密性が高いと内外差圧が大きくなる。
内外差圧が過大な状態では、玄関ドアの開閉に不都合な力が作用して
開けにくくなったり、半密閉型燃焼器具において廃ガスの逆流が生じ
ることがある。
このような状況を避けるため、レンジフードファンの運転に連動して
開放される常閉型給気口の設置、あるいは同時給排気型レンジフード
の設置が推奨される。特に気密性のよい住宅では、このような給気へ
の配慮が必要となる。
増改築における配慮事項
増改築を行う場合には、基本的には、既存部分も含め、建築物全
体に対して新築の場合と同様の規制がかかる。
・内装の仕上げの制限(F☆☆☆の建材は床面積の2倍)
・換気設備の義務づけ(24時間換気)
・天井裏等の制限(F☆☆☆以上か換気設備)
•内装の仕上げ.天井裏等については、使用されている建材が、建
築物の部分に使用して5年経過したものについては、制限を受け
ないことになる。(5年以内は既存建材の評価が必要、評価してい
ない建材は無等級扱いで使えない)
•換気設備の設置については、全ての居室で建築基準法を満たす
ことが必要となる。
流通在庫の扱い
平成15年7月以後は従来の在庫品販売には注意が必要
従来製品のままでは、「無等級扱い」となり、ホルムアルデ
ヒド発散区分では「F☆」⇒使用禁止となる。
在庫品については、E0製品相当⇒『F☆☆☆』と思われるが、
そのことを証明する必要あり。
方法は、現在使用中の全ての基材について、以前に公的機関で行なっ
た試験成績書又は,新JIS/JAS基準及び、大臣認定による
『F☆☆☆』相当であることの証明を資材納入メーカーから取り寄
せ、その証明により、すでに製造出荷されている製品を等級
『F☆☆☆』に置き換えできる。
流通在庫や、全国のショールーム在庫が該当となる。なお製造
後5年以上たった製品は適用外となる(F☆☆☆☆クラスと同じ
扱い)。
流通在庫の等級判断
平成15年7月1日以前に生産されたもので品確法対応などで、
すでに性能評価を受けてE0,FC0で表示し、販売済みのもの
⇒ 市中在庫品は
以前評価を民間JIS/JAS
工場にて受けた在庫品
デシケータの評価値が 公的機関の評価による
放散量0.3mg以下で
大臣認定又は新JIS/JAS
あったがE0,FC0で表示 評価取り直し必要
していた
以前評価を公的検査機関 デシケータの評価値が F☆ ☆ ☆ ☆に置き換
で受けた在庫品
放散量0.3mg以下で
え可能
あったがE0,FC0で表示 自主表示する値の根拠
していた
にできる
第四部 工業会表示の指針
「キッチン・バス業会(以下工業会と呼ぶ)指針の基準法上での位置づけ」
この指針は、直接建築基準法に位置づけられるものではなく、基準法の枠外にあ
る任意の制度、自主表示の運営となる。従って、統一したルールに基づき表示を
する事となるが、あくまでも企業の自己責任において表示を実施する。
法律上では現場検査時に対象となる建築材料がシックハウス対策に係る性能を充
たしていることを、使用している基材のJIS/JASか大臣認定書で証明。
建築確認申請時に仕様一覧を設計図書に記入する。建築の監督者は資材受入時に
当該材料の確認義務、資材メーカーは表示の義務。
キッチン等は、規制対象基材を複数種類組合せて構成するものであり、その性能
を証明するためには多数の証明資料が必要、また現場検査時に目視で性能確認す
ることは極めて難しいといえる。
自主表示をするにしても各メーカーがバラバラで表示をしても建築主事や現場監
督者が確認する際に混乱が生じると同時に、メーカーに対する問い合わせが都度
発生することも予想される。
そこで、キッチン等の複合製品のホルムアルデヒド発散区分に関する統一した表示ルー
ルを業界として取り纏め、ユーザーが適切・簡便に情報確認できるようにすると
ことが必要。
今後は、この工業会指針(自主表示)を建築業界で認めてもらうことが必要。工
業会指針に沿って表示を行なうと同時に、社内外での説明キャンペーンが必要。
自主表示
建築主事及び、建築現場監督が資材受け入れ時に最低限確認する事項
1、商品名:
システムキッチン〇〇〇シリーズ名
(シンクキャビ本体の側板に検査証表示欄等で確認
できること)
2、製造企業名
〇〇〇㈱
(シンクキャビ本体の側板に検査証表示欄等で確認
できること)
3、ホルムアルデヒド発散区分:
内装の仕上げ部分F☆☆☆☆
天井裏等下地部分F☆☆☆☆
(取説、工設、カタログ、A4チラシにてカタログや
製品梱包に同梱)
4、表示ルール:「住宅部品表示ガイドライン」
キッチン・バス工業会表示指針による
(キッチンバス工業会の表示し指針に基づく表
示であることを記載)
5製造番号年月日:
2003年3月11日NO東123456789
(シンクキャビ本体の側板に検査証表示欄等で確認
できること)
6、発散材料別区分詳細:(内装・下地とも)
PB(又は化粧PB板)
F☆☆☆☆
MDF(又は化粧MDF版) F☆☆☆☆
合板(又は化粧合板)
F☆☆☆☆
接着剤
F☆☆☆☆
(取説、工設、等に記載し製品に同梱してあるか、
カタログ・チラシ等で確実に監督者に情報開示
できること、)
7問合せ先電話番号:HP//
(問い合わせ窓口を記入)
カタログ等への表示例
表示
○○○キッチンのホルムアルデヒド発散区分
内装の仕上げ部分(キャビネットの表面) :F☆☆☆☆
天井裏等下地部分(キャビネットの内部) :F☆☆☆☆
(表示は「住宅部品表示ガイドライン」キッチン・バス工業会 表示指針による)
製品貼付のシール等の例(扉や本体)
表示位置は本体側板
検査証近くや、扉等確
認しやすい所
「住宅部品表示ガイドライン」キッチン・
バス工業会指針による
製品名
キッチン全シリーズ
製造企業名 (株)○ ○ ○ ○
製造番号
製品本体検査証による
発散区分
内装・下地材とも
F☆☆☆☆
(材料詳細) PB
F☆☆☆☆
MDF F☆☆☆☆
合板 F☆☆☆☆
接着剤 F☆☆☆☆
問合せ先
03ー5371ー1234
「施工説明書」等への追記
(施工者に対する注意喚起)
施工者の皆様に対するお願い
当社製品に使用する材料や接着剤等は、JIS/JSA
又は国土交通大臣の認定を受けた「F☆☆☆☆」の
材料を使用しております。
そこで、施工時に使用する下地桟、接着剤、塗料等
についても「F☆☆☆☆」レベルのものをお選びくだ
さい。
ホルムアルデヒド発散量の多い下地桟、接着剤、
塗料等を使用すると、室内のホルムアルデヒド濃度
を高めることになります。
説明書の「安全上のご注意(必ずお守りください)」の欄に追記する。
管理表の事例
ホルムアルデヒド発散区分の部位別詳細(内容は事例です)
建築主事などから請求があったときの情報開示例(主事の要求内容による)
シ
商品
キャビネッ
リー 居室内の部位
部品名
名
トの部位
ズ名
基材の種類 仕上化粧
○○○○シリーズ
システムキッチン
天板(
表) ステンレス
内装仕上げ部
カウンタートップ 天板裏補
普通合板
下地部
強
底板
下地部
片面化粧合板
側板
内装仕上げ部
・パーティクル ボード
フロアキャビネッ
背板
下地部
片面化粧合板
規制対象外
ケコミ板 片面化粧合板
内装仕上げ部
側板
・パーティクル ボード
下地部
背板
ウオール
片面化粧合板
キャ
ビネッ
ト
下地部
天板
片面化粧合板
内装仕上げ部
見上板 ・パーティクル ボード
501シリーズ ・パーティクル ボード
内装仕上げ部
502シリーズ ・パーティクル ボード
内装仕上げ部
503シリーズ ・M D F
内装仕上げ部
504シリーズ ・パーティクル ボード
内装仕上げ部
扉シリーズ
505シリーズ ・M D F
内装仕上げ部 名
506シリーズ ・パーティクル ボード
内装仕上げ部
507シリーズ 天然木無垢材
内装仕上げ部
508シリーズ ・M D F
内装仕上げ部
509シリーズ ・パーティクル ボード
内装仕上げ部
内装仕上げ部 エンドパネル
・パーティクル ボード
幕板
規制対象外
片面化粧合板
支輪
化粧M DF
規制対象外
* 当該対象部位の1/10の材料や、棒状の物は規制対象外
基材管理データ
接着剤管理データ
基材・化粧材の
接着剤のJIS
JIS/JAS、大臣 試験成績書、
等級
JIS/JAS、大臣認定番
接着剤のJIS等級
認定等級
号
告示対象外材
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
塗装
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
・低圧メラミン化粧
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
塗装
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
塗装
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
・低圧メラミン化粧
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
塗装
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
塗装
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
・低圧メラミン化粧
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
・低圧メラミン化粧
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
・シリコンコート化粧
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
・PETフィル ム 化粧
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
・ハイグロスD AP化粧 F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
・PET鏡面フィル ム
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
・高圧メラミン化粧
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
・ウレタン塗装
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
・PETフィル ム +UV塗装 F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
・天然木突板塗装、 F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆
・低圧メラミン化粧
自社管理台帳の例
基材・化粧材のメー 基材・化粧材のメー 接着剤種類とメー
連絡先Eメール
カー名(複数購買は カー名(複数購買は カー名(複数購買は 社内管理者 アドレス又は電話番
併記)
併記)
併記)
号等
㈱XYZ合板
㈱123合板
コイカ工業 A -1402 F☆☆☆☆
㈱XYZ合板
㈱124合板
コイカ工業 A -1403 F☆☆☆☆
A B C 商事 XYZ商事㈱ コイカ工業 A -1404 F☆☆☆☆
㈱XYZ合板
㈱124合板
コイカ工業 A -1405 F☆☆☆☆
㈱XYZ合板
㈱124合板
コイカ工業 A -1406 F☆☆☆☆
A B C 商事 XYZ商事㈱ コイカ工業 A -1407 F☆☆☆☆
㈱XYZ合板
㈱124合板
コイカ工業 A -1408 F☆☆☆☆
㈱XYZ合板
㈱124合板
コイカ工業 A -1409 F☆☆☆☆
A B C 商事 XYZ商事㈱ コイカ工業 A -1410 F☆☆☆☆
A B C 商事 XYZ商事㈱ コイカ工業 A -1411 F☆☆☆☆
A B C 商事 XYZ商事㈱ コイカ工業 A -1412 F☆☆☆☆
A B C 商事 XYZ商事㈱ コイカ工業 A -1413 F☆☆☆☆
A B C 商事 XYZ商事㈱ コイカ工業 A -1414 F☆☆☆☆
A B C 商事 XYZ商事㈱ コイカ工業 A -1415 F☆☆☆☆
A B C 商事 XYZ商事㈱ コイカ工業 A -1416 F☆☆☆☆
A B C 商事 XYZ商事㈱ コイカ工業 A -1417 F☆☆☆☆
A B C 商事 XYZ商事㈱ コイカ工業 A -1418 F☆☆☆☆
A B C 商事 XYZ商事㈱ コイカ工業 A -1419 F☆☆☆☆
A B C 商事 XYZ商事㈱ コイカ工業 A -1420 F☆☆☆☆
A B C 商事 XYZ商事㈱ コイカ工業 A -1421 F☆☆☆☆
A B C 商事 XYZ商事㈱ コイカ工業 A -1422 F☆☆☆☆
自
社
管
理
台
帳
の
例
建築基準法施行日(平成15年7月1日)
前後の新法適用関係図式
事例 1
建築確認申請⇒施行日前
(例 平成 15 年 5 月)
建築確認申請が不要な小規
模リフォーム工事も対象です
建築着工⇒施行日前
(例 平成 15 年6月)
竣工⇒
(例
施行日後
事例 2
建築着工⇒施行以後
建築確認申請⇒施行日前
(例 平成 15 年7月)
(例 平成 15 年 5 月)
竣工⇒
建築後 5 年以内の増改築時に
は新法の適用による換気設
備などの見直しを他の居室
でも必要
施行日後
平成 15 年 10 月)
事例 3
建築着工⇒施行以後
建築確認申請⇒施行日以後
(例 平成 15 年8月)
(例 平成 15 年7月)
但し、5 年間は不適格建築物扱い
平成 15 年 8 月)
リフォーム動機にマイナス影響となるかも
(例
新法の対象外
新法遵守による施工