スライド - 洞爺協会病院

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西胆振地域リハビリテーション推進会議 平成19年度第4回研修会(平成19年10月24日)
家庭で行なうリハビリテーション
洞爺協会病院 理学療法士
大山 秀明
家庭で行なうリハビリテーション
1. 何を対象とするか
2. 身体機能の指導例(別紙)
3. ケアワーカーが関わる意味
4. 失敗例から学ぶ
・・・介護用品の有効利用
1.何を対象とするか
 身体機能
運動・移乗・移動
呼吸
摂食嚥下
(→NST:nutrition support team)
 精神機能
認知
2.身体機能の指導例
 家族と行なう
 自分で行なう
家族と行う:アキレス腱のストレッチ
1. 介助者は、踵を手のひら
で持ち、腕を足底にあて
図のようにのばす
2. この時、反対の手は足首
を持つ
3. また、膝は少し曲げて行う
自分で行う:お尻を上げる
1. 両膝をたてる
2. ゆっくりお尻を持ち上げる
※ 下肢が横に倒れないよう
に注意する
※ 麻痺した方の下肢が、伸
びてしまわないように注意
する
自分で行う:からだをねじる
1. 両膝を立てる
2. 両下肢を軽く開き、手のひ
らを下に向けておく
3. 肩を動かさないでくびを左
にねじり、同時に腰を右に
ねじりながら足を倒してい
く
4. 同じ要領で反対側へも行
う
自分で行う:しゃがみ立ち
1. 少し足を開いて立つ
2. 踵を床から離さず、ゆっ
くりしゃがむ
3. 次にゆっくり立ち上がる
※ 椅子や台に摑まっても
良い
※ 健側の方に片寄らない
ように注意する
3.ケアワーカーが関わる意味
 介護動作への取り入れ
 家族への教育
 対象者の介助・動作代行
 他職種への情報提供
※医療除外行為
 平成17年 医政発第0726005号
 『医療機関以外の高齢者介護・障害者介
護の現場等』における『原則として医行為
でないと考えられるもの』
 現状の追認という側面を持つ
 吸引行為については、ALS患者は平成15
年、それ以外の疾患は平成17年に条件付
きで認められている
認められた医療関係の行為
1. 腋窩あるいは外耳道での体温測定
2. 自動血圧計で測定する血圧測定
3. パルスオキシメーターで測定する動脈血
酸素飽和度
4. 軽微な切り傷・擦り傷・やけどの処置
5. (医師・看護師の判断により)状態が安定
した患者に対する以下にあげる処置
状態が安定した患者に対する処置
 軟膏塗布
 (重度の歯周病が無い場合
 湿布の貼り付け
 点眼薬の点眼

 一包化された内用薬の

内服介助
 座薬の挿入
 鼻腔粘膜への薬剤噴霧
 (爪や爪周囲に異常がな
い場合の)爪切り


の)口腔清掃
耳垢の除去
ストマ装具のパウチにた
まった排泄物の処理
自己導尿のためのカテーテ
ルの準備・体位の保持
市販のグリセリン浣腸での
浣腸
4.失敗例から学ぶ
症例
 80歳代男性・体重102Kg→病的肥満
 H11 右股人工関節
 H14 脳梗塞(右片麻痺):2回目?
つたい歩き可能、サービス拒否的→廃用
 DM、低換気症状(無呼吸)、不整脈
 高度難聴、精神不穏・奇声(空腹訴え)
 高齢の妻(体重40kg台?)と二人暮らし
症例
 ADL全介助
 日中、ベッドから車椅子に移す為に、成人
男性2名が必要
 (介護をやりやすくする為に)10kgの減量
目的で入院
なんでそんなに太ったの?
 サービス拒否、徐々に体力低下
 空腹感強く、夜間でも奇声・暴言を発する
 他院入院で11kg減量したがリバウンドして
退院後20kg増
 迷惑がかかるので入院させられない(妻)
 家では夜間枕元におにぎりを置いておく
(夜間の奇声対策)
移乗手段を検討
 人力
 トランスファーボード
 介護リフト(移動型)→導入を提案する
 介護リフト(据付型)
介護リフトを病棟に導入
 病棟ではバスタオル+4名で移乗を行って
いた
 介護リフト導入を提案
 在宅部門から借りて使用
 面倒くさい(慣れていない/慣れない)
 仕事が楽にならない
 体重が多すぎる患者の受け入れ拒否
担当PTはどのように移乗介助し
ていたか(前期)
 人力では2名介助
 トランスファーボートは座位が安定しない
 介護リフト導入後は1名、セッティングに少
し時間がかかるが、非常に楽
 衣服(特にズボン)がずれたり破れたりす
ることもなくなった
 ご本人も楽?
担当PTはどのように移乗介助し
ていたか(後期)
 体重が若干減ってきた(90kg程度)
 体幹の緊張も若干出てきたので、座位保
持が一人介助でも行なえるようになった
 介護リフトを毎回病室→訓練室に運ぶの
が面倒(PTの事情)
 スライド法を試用→訓練室ではスライド法
に変更
退院時に介護リフト導入には
至らなかった
 ご家族は介護リフト利用をためらっていた
 病棟スタッフでさえ使い切れないものを、
素人の妻が使用できるのか?
 ホームヘルパーは人力(2人)で対応した
が、限界→介護リフト使用を検討
 他院入院等々のため、以後は不明
導入を判断できなかった理由
 有効なものという判断が、家族、CM、他の
職種で統一されなかった
 まずは病棟スタッフが使用に習熟し有効な
ものという判断ができなければ、導入でき
ない
 介護スタッフも使ったことがないものを導入
するのは拒否
PTはなぜリフトを使用できたか
 直前にPTら内部でリフトを試用する機会
があった
↓
 経験の有無!
↓
 ただし、スリングの選定まではできなかっ
た
経験してみよう!
 介護リフト
 トランスファーボード
 マルチグローブ
 、、、等々・・・
おわりに
西胆振地域リハビリテーション推進会議
次回研修会のご案内
第4回研修会(洞爺湖町)
 テーマ:認知症
 日時:平成19年11月21日(水) 18時
 場所:洞爺湖町健康福祉センターさわやか
(洞爺湖町栄町63)
 講師:浅利弘樹/作業療法士(洞爺温泉
病院)
 事務局までFAXでお申し込みください
西胆振地域リハビリテーション推進会議
 事務局:洞爺協会病院 地域医療課 内
 FAX:(0142)74-2775(地域医療課直通)