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ワークフロー分析による
建築生産の効率性向上手法
- 業務モデルと関連基準類との
相互参照を可能としたシステムの活用 -
建築研究生産グループ 眞方山 美穂
シナリオ
1.
2.
3.
4.
研究背景
ワークフローとは
建築生産を対象とした業務のモデル化
各種基準類等の構造化
 構造化文書の検討
 IDEF0 モデルと基準類等の相互参照モデル
5.
6.
サッシ設計プロセスを対象とした事例
WORKFLOW技術の効用
研究の背景
 CM方式、PM方式など、多様な調達方式の導入
 建築プロジェクトの関与者の増大
慣習的ノウハウや既成の契約規範を頼りとしたプロジェクト
管理が困難となる
個別の建築プロジェクトの特性に応じ、マネジメントの目標
やその方法を適切に計画・運営しなければならない
発注者責任の明確化と発注者を支援する方策の検討が
必要
研究の背景 -2
 今後、建築生産全般にわたって「製品を作るプロ
セス」と「そのマネジメント」との両方を分析し、計
画する技術を開発する必要がある。
一つの方法として、
「ワークフロー分析・計画技術」に着目
1.
2.
3.
4.
研究背景
ワークフローとは
建築生産を対象とした業務のモデル化
各種基準類等の構造化
 構造化文書の検討
 IDEF0 モデルと基準類等の相互参照モデル
5.
6.
サッシ設計プロセスを対象とした事例
WORKFLOW技術の効用
ワークフローとは何か
 約20年ほど前、米国において、WorkFloTM という
ペーパー・フローを電子的に自動化する製品が出
荷された。そのときに初めて、“ワークフロー“という
言葉が使用された。
 標準化団体・・・ワークフロー管理連合Workflow
Management Coalition (WfMC) はワークフロー
関連製品の標準化を目指す団体
ワークフローとは何か -2
 ワークフローの定義
WfMCによれば,ワークフローの定義は「ビジネスプロセス
全体あるいはその一部の自動化であり,これによってドキュ
メント・情報・タスクが,手続き規則に則って,担当者から担
当者へと引き継がれる」とある。ワークフローには,単なる
「仕事の流れ」という意味だけでなく,その自動化という意図
が含まれていると考えられる。
 ワークフロー管理の定義
ワークフロー管理とは「複数の担当者がネットワークを経由
して仕事をする際に,作業を円滑に進めるために,担当者
間で受け流すドキュメントや情報の流れを管理し,自動化す
ること」である。ワークフロー管理を実現するシステムをワー
クフロー管理システムと呼ぶ。
適用業務分類
基幹業務
( 組織の使命達成に直結)
コラボレイティブ
プロダクティブ
技術文書作成
ソフト管理
製品管理
保険請求
ローン契約
会計処理
非定型・
ユニーク
定型・
繰返し
アドホック
アドミニストレイティブ
資料回覧
稟議
出張費伝票
備品購入伝票
予算申請
支援業務
( 組織の使命達成を支援)
方法論としてのワークフロー
 文書等の受け渡しに注目するモデル化手法
は,計算機システムなしの状態でも考察でき
かつ ワークフローの非専門家にも理解しや
すい。
 適切なモデルを構築できれば,その後は市
販システムに投入すればモデルの評価が出
来る(実際に動作するシステムが構築でき
る)という期待がある
1.
2.
3.
4.
研究背景
ワークフローとは
建築生産を対象とした業務のモデル化
各種基準類等の構造化
 構造化文書の検討
 IDEF0 モデルと基準類等の相互参照モデル
5.
6.
サッシ設計プロセスを対象とした事例
WORKFLOW技術の効用
モデル化による効用
 建築プロジェクトにおける各主体の業務を
可視化する。これにより、
 担当と責任が紛れることなく明確にされる。
 調達方式応じた管理計画の策定や変更が容易
になる。
 「明文化されていない慣習的な管理手法」や「担
当者の属人的なノウハウ」等を記録できる。
業務モデルの図的表現方法 -1
 プロセスを図示する方法は多様
Unified Modeling Language
Integration Definition For Function Modeling
 図的表現の候補選択の要件
①
②
情報処理の専門家でなくても読みやすいか
商用ソフトを含めた支援ツール類が豊富か
業務モデルの図的表現方法 -2
 業務内容を明確に表現できる
 役割分担(各主体の業務範囲や責任分担)
を明確に表現できる。
 業務を実行する目的及び根拠を明確に表現
できる。
⇒以上の観点から IDEF0を採用
IDEF0について


Douglas T. Ross博士とSofTech社が開発し
た構造化分析及び設計手法
図形モデリング言語とモデル開発のための
包括的方法論を含む。
IDEF0について -2
1.
2.
3.
4.
5.
包括的で表現力に富み,ビジネスや製造業などさまざまな
企業活動を任意の詳細さで図表現することが出来る。
一貫性のある簡潔な言語であり,厳格かつ正確な表現を提
供するため,記述と解釈の整合性(無矛盾性)を促進する。
習得の容易さと,詳細程度の階層表現の徹底により,シス
テム分析者,開発者,及びユーザ間のコミュニケーションを
向上させる。
米空軍,他の政府機関による開発プロジェクトおよび民間
企業における長年にわたる使用により十分に試験・実証さ
れている。
多様なコンピュータグラフィックスのツールが使用できる。
IDEF0のダイアグラムやモデルの開発・分析に特に適した
数多くの市販品が流通している。
IDEF0について -3
IDEF0
Control
Input
: 入力
Control : 制約
Input
Activity
Output
Output
: 出力
Mechanism : 機構
Activity : 行為
Mechanism
ICOM
IDEF0について -4
契約書・基準類
企画を
立案する
企画書
基本設計
を行う
設計事務所
基本設計図
本研究でのモデル化の対象
本研究では、公表された基準類等を持つ
公的機関の建築生産プロセスをモデル化
マネージャーとしての発注者の役割に着目
作成したモデルの業務支援ツールとしての
有効性について,一部をヒアリングにより
確認
例 設計フェイズ -1
ノードツリー
例 設計フェイズ -2
A0(官庁施設を建設する)
例 設計フェイズ -3
A0の下の階層のアクティビティ(A1-A4)
A3 設計業務を行う
A1 プロジェクト
管理を行う
A2 企画を行う
A4 工事を行う
1.
2.
3.
4.
研究背景
ワークフローとは
建築生産を対象とした業務のモデル化
各種基準類等の構造化
 構造化文書の検討
 IDEF0 モデルと基準類等の相互参照モデル
5.
6.
サッシ設計プロセスを対象とした事例
WORKFLOW技術の効用
IDEF0モデルと基準類等との参照関係
 アクティビティの
ICOMに参照箇
所を示すラベル
が付与される場
合が多々ある。
(例:○○を参照
のこと)
 特にC(コント
ロール)に法律
などの基準文書
への参照が頻繁
に定義される。
基準類等への参照
Control
Input
アクティビティ
Output
Axx
Mechanism
基準類等
参照先に構造があることの利点
参照情報として指示
されるアドレス( URI)
……………………………
……………………………
○
○
章
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
□
□
節
指示された先頭アドレスから始
まる意味的ブロックの明確化。
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
◇
◇
節
……………………………
……………………………
△
△
章
参照情報は点を 指示する に過ぎなく と も ,
文書構造から 論理的な参照範囲を 導出でき る 。
文書の構造化
 表題,見出し,本文,脚注補足など,文書を
構成する要素(形式)と文(内容)を分離する
こと

MS WORDなども実はこのような構造を持ってお
り,また,プログラムなどで操作することができる。
基準類等の形式分類
法令型
様式(フォーマット)型
(○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○)
1.
一(★)
二
2.
○○書(★)
書籍(マニュアル)型
標準詳細図型
○○章
◇◇節 (★)
1.
(a)
X-YY(の標準詳細)(★)
構造化文書 変換例 -1
 見出しの抽出
構造化文書 変換例 -2
ブラウザで見る
構造化文書 変換例 -3
組版データを得る
XSL-FO Extensible Stylesheet Language-Formatting
Object
構造化文書の実用例・応用例
1.
法令・条例のシステム
■総務省
; 法令データ提供システム
■地方自治体;東京都例規集データベース
2.
医療用XML
■電子カルテシステムで診療データを正しく変換する
ために設計された規格
3.
公共建築工事の電子納品
本研究で開発した
相互参照システムの構成
ワークフローの論理的
情報はRDBにマップ
基準図書・マニュアル等
構成情報の自動更新
ワークフローによる業務モデル
XMLで記述
ワークフロー/
業務モデル情報の授受
XSLT/CSSで文書を整形
一意なIDの発給
参照逆引き用
クライアント
モデル閲覧用
クライアント
構造化文書ID
管理システム
( 検討中)
画面1; 業務モデル
画面2; 参照する基準類等
効用 その1
ワークフローモデルとの関係で評価すると・・・
1.
OJTツールとして
■ワークフローを確認しながら基準類等も
同時に確認
2.
基準類等の記述からのアクティビ
ティの逆引き
■基準類等の特定の記述を参照しているワーク
フローアクティビティの一覧を得る ⇒ 改訂が及
ぼす範囲を把握できる(効用 その2)
効用 その2
「構造化文書」化だけで評価すると…
1.
単一のソースから多様な出力
■ブラウザで見る,書籍用の組版を得る,入力データとして
⇒従来の組版作成までのコストを構造化に振替え可能
2.
基準類文書の改訂作業の高度化
■改訂前の記述を残す,作業分担の効率化,記述の
要素単位で権限管理
⇒計算機システムをフルに活用できる体制が構築可能
1.
2.
3.
4.
研究背景
ワークフローとは
建築生産を対象とした業務のモデル化
各種基準類等の構造化
 構造化文書の検討
 IDEF0 モデルと基準類等の相互参照モデル
5.
6.
サッシ設計プロセスを対象とした事例
WORKFLOW技術の効用
業務モデルと関連基準類との
相互参照を可能としたシステムの活用
-サッシ設計プロセスの事例から-
 研究全体では、建築生産の企画・設計から保
全段階までのワークフローについて検討
 設計プロセスの詳細モデルを一つの事例とし、
モデル化と基準類の文書化を行った
サッシ設計プロセスの事例
 サッシ設計業務モデルの作成


サッシ協会に対するヒアリング
業務の詳細の把握→IDEF0形式でモデル表現
 関連基準類文書等の構造化


サッシに関連する基準類文書の構造化の方法
の検討
構造化文書化の試行
サッシ設計の業務モデルの作成
 方法:(社)日本サッシ協会へのヒアリング
 サッシ・CWの設計経験豊富なメーカー技術者2名
 対象となるサッシ、設計行為、関与者等
 ビル用アルミサッシ(引き違い窓)
 理想的な状態のモデル化
標準・注文
標準品
注文品
基本
設計
発注
契約
実施
設計
生産
建築設計者
○
-
-
-
-
総合工事業者
-
○
-
-
専門工事業者
○
○
○
○
段階
関与者
施工 基本
設計
発注
契約
実施
設計
生
産
○
-
○
-
-
○
-
○
○
-
○
○
○
○
○
○
○
凡例 ○:中心的な役割(IDEF0で記述) ○:主要な役割 -主要ではない
施工
関連基準類文書等リスト -1
性能仕様
耐風圧性
№ 関連基準類文書等
1
平成12年建設省告示第1458号(屋根ふき材及び屋外に面する帳壁の風圧に対
種別
法規
する構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準を定める件)1の一
+同第1454号(Eの数値を算出する方法並びにVo及び風力係数の数値を定める
件)
2
平成12年建設省告示第1458号適用除外部分の風圧力計算基準/(社)日本サッシ
業界
協会
3
設計風圧算定及び板ガラスの耐風圧設計/板硝子協会
業界
4
JIS A 4706サッシ(2000)5.性能(性能項目・等級・等級との対応値)=耐風圧等級
JIS
5
JIS A 1515建具の耐風圧性試験方法(1998)
JIS
6
平成12年建設省告示第1458号(屋根ふき材及び屋外に面する帳壁の風圧に対
法規
する構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準を定める件)1の二
気密性
水密性
7
JIS A 4706サッシ(2000)5.性能(性能項目・等級・等級との対応値)=気密等級
JIS
8
JIS A 1516建具の気密性試験方法(1998)
JIS試
9
JIS A 4706サッシ(2000)5.性能(性能項目・等級・等級との対応値)=水密等級
JIS
10
JIS A 1517建具の水密性試験方法(1996)
JIS試
11
水密性・選定の目安(市街地住宅・ビル、高層・強風地域用)/ (社)日本サッシ協
目安
会
凡例 ①強制力あり(法規)、②多く利用(業界基準)、③契約による(標仕・省エネ基準)、④目安、⑤その他
関連基準類文書等リスト -2
性能仕様
№ 関連基準類文書等
種別
遮音性
12
JIS A 4706サッシ(2000)5.性能(性能項目・等級・等級との対応値)=遮音等級
JIS
13
平成12年環境省告示第20号(騒音に係る環境基準)
目安
14
中央環境審議会からの答申に示された騒音影響に関する室内指針
目安
15
平成5年環境省告示第91号(航空機騒音に係る環境基準)
目安
16
平成5年環境省告示第91号(新幹線鉄道騒音に係る環境基準)
目安
17
遮音性・選定の目安/BASIS/(社)日本サッシ協会
目安
18
許容NC値、室内騒音の許容値
目安
19
N曲線、室内騒音に関する適用基準/日本建築学会
目安
20
JIS A 4706サッシ(2000)9.7遮音性試験
JIS試
21
サッシの遮音性能/BASIS/(社)日本サッシ協会
目安
22
板ガラスの遮音性能/BASIS/(社)日本サッシ協会
目安
23
JIS A 4706サッシ(2000)5.性能(性能項目・等級・等級との対応値)=断熱等級
JIS
24
JIS A 4710建具の断熱性試験方法(1996)
JIS試
25
平成11年建設省告示第998号(次世代省エネルギー基準)
省エ
26
板ガラスの断熱性能(参考値)/板硝子協会
目安
断熱性
①強制力あり(法規)、②多く利用(業界基準)、③契約による(標仕・省エネ基準)、④目安、⑤その他
関連基準類文書等リスト -3
性能仕様
№ 関連基準類文書等
種別
防露性
27
JIS A 1514建具の結露防止性能試験方法(1993)
JIS試
28
湿り空気線図
目安
29
防火地域・準防火地域の別
法規
防火性
+建築基準法第61条(防火地域内の建築物)、建築基準法第62条(準防火地域内の建
築物)
+建築基準法施行令第112条(防火区画)
+建築基準法第2条第六号(用語の定義)(延焼のおそれがある部分)
30
建築基準法施行令第109条の2(遮炎性能に関する技術的基準)
(20分の遮炎性能を有する防火設備)に適合するサッシの認定番号リスト
法規
開閉力
31
JIS A 1519建具の開閉力試験方法(1996)
JIS試
開閉繰り返し
32
JIS A 1550サッシの開閉繰り返し試験方法(2000)
JIS試
33
JIS A 4706サッシ(2000)5.性能(性能項目・等級・等級との対応値)=開閉繰り返し1万
回
JIS
戸先かまち強さ
34
JIS A 1522建具の戸先かまち強さ試験方法(1996)
JIS試
金物の性能
35
JIS A 5545サッシ用金物 (1991)
JIS
ガラス溝寸法
36
公共建築工事標準仕様書16.13.3ガラス溝の寸法・形状(+表16.13.1ガラス溝の大き
さ)
標仕
①強制力あり(法規)、②多く利用(業界基準)、③契約による(標仕・省エネ基準)、④目安、⑤その他
業務モデルと関連基準類との
相互参照を可能としたシステムの例
1.建築設計者による基本設計段階の業務モデル
2. サッシメーカーによる発注者契約段階の
業務モデル
3. サッシメーカーによる注文品の実施設計段階の
業務モデル
4. サッシメーカーによる標準品の実施設計段階の
業務モデル
相互参照システムの活用

業務項目には、適用する基準類だけではな
く、ノウハウ的な情報を付与することも可能
ではないか
⇒ トラブル事例とその対策に関する情報
IDEFOから見たサッシまわりの
典型的トラブル例の原因
 目的

サッシまわりで生じる典型的なトラブル事例の原
因の所在を、業務モデルと対応させることでより
明確に表現することを目的とした。
 対象

サッシまわりで生じる典型的トラブル32例

出典:「窓設計おさらいゼミナール/最終回 不具合
に学ぶ応用知識」(建築知識、2003年12月号、エクス
ナレッジ)
サッシのトラブル事例(抜粋) -1
⑤取付け後に防火設備対応製品でないことが分かった
原因:延焼のおそれのある部分の判断ミス及び、網入りガラスを入れれば全
て防火設備対応となると勘違いしていた。
⑥非常用進入口に替わる窓の寸法が確保できなかった
原因:非常用進入口を設けなければならない箇所がFIX窓となっており、後
から可動サッシに変更しようとしても、必要寸法が確保できなかった。
⑩梁・床などのたわみによりたて部材が湾曲した
原因:梁のクリープ現象。
⑬有効排煙面積が足りなくなった
原因:排煙面積の算定で、有効開口寸法ではなく、サッシの幅・高さの寸法
を用いていたため。
IDEF0上:「A0 標準品サッシを設計する」のインプット「居室に対する要求」の
判断が間違っていた事による。
IDEF0 -1
建築設計者による基本設計段階の業務モデル
「A0 標準品サッシを設計する」
サッシのトラブル事例(抜粋) -2
⑭アルミサッシが腐蝕した
原因:室内プールで、サッシに水が溜まりサッシの一部が強アルカリ状態と
なった。
IDEF0上:「A233水密性について検討する」のインプット「開口部の性能に
対する要求」の検討が間違っていた事による(水が滞留しない納まりとす
べき)。また、「A425仕上を決定する」の判断が間違っていたことによる
(適切な表面処理を選択すべき)。
③防火設備としての制限サイズを超えた
原因:防火設備が必要な開口部に、防火設備とはならないサッシを使った
(一定以上の大きさでは防火設備とはならない仕様だった)。
IDEF0上:「A235その他の性能について検討する」のうち、防火設備の
チェックを怠っていた事による。
IDEF0 -2
建築設計者による基本設計段階の業務モデル
「A231-A235 その他の性能について検討する」
サッシのトラブル事例(抜粋) -3
⑫サッシ溝幅・掛かり代・エッジクリアランスなどが不足した
原因:標準品(枠見込70mm)のサッシに、厚いガラスや複層ガラスを入れよ
うとした(枠見込100㎜であれば、ガラス溝にも余裕があり、問題はなかっ
た)。
IDEF0上:ガラスの仕様をもとに決定する「A421枠見込寸法を決定する」の
検討に不備があった事による。
⑦窓が結露し壁や床を濡らした
原因:居住者が高い湿度になるような室内環境設定としていた。
IDEF0上:防露性を設定するための判断基準がないことが最も大きな問題
であると言える。敢えて言えば、「A0標準品サッシを設計する」のインプッ
ト「居室に対する要求」の判断が間違っていた事による。もしくは、「A424
商品のデザインや取付け金物を確認する」で、結露受けの確認が行わ
れなかった事による。
IDEF0 –3
建築設計者による基本設計段階の業務モデル
「A421-A425 サッシの仕様を決定する」
IDEF0形式による記述の活用方法
 活用方法

必要不可欠なアクティビティの把握


「実際の作業順序」をIDEF0で詳細に表現





業務形態を変更する場合の検討資料として活用
より効率的なワークフローを作ることも可能か
業務の所要時間データとの組合せ等
定型化したアクティビティの自動化
トラブル発生原因の特定と注意喚起
実際の業務での資料参照ツール

基準類文書等、色見本、建築作品のディテール
関連基準類文書等の構造化文書化
 構造化文書化の有効性の評価

基準類文書等のオンライン供給システム
 常に最新版を参照できる。


各種性能値の計算プログラムとの連携
あるアクティビティに必要な部分のみを参照可
能
 設計作業の効率化を図ることができる。

基準類文書等を漏れ落ちなく参照可能
 設計品質の確保に有効である。
1.
2.
3.
4.
研究背景
ワークフローとは
建築生産を対象とした業務のモデル化
各種基準類等の構造化
 構造化文書の検討
 IDEF0 モデルと基準類等の相互参照モデル
5.
6.
サッシ設計プロセスを対象とした事例
WORKFLOW技術の効用
WORKFLOW技術の効用 -1
 業務内容を明確に表現できる




OJT(技術の継承)
業務の目的や根拠,役割分担(担当と責任)の明確化
重複の発見,現状業務の改善
一貫性のあるモデル表現によるスタッフ間の意識統一
 ネットワークシステム化による可能性の向上


リファレンスモデルからの各業務の定義,生成,運用,
監視,記録を自動化
業務の進捗・履歴情報の視覚化
WORKFLOW技術の効用 -2
 コントロールと基準類等の協調



アクティビティと基準類間の参照関係の双方向的な確認
(正引き・逆引きともに可能)
基準類等の個々の記述に絡むワークフロー(アクティビ
ティ)の確認
基準類等の影響範囲を把握した上での円滑で間違いの
ない改訂作業を支援
 その他


多様な発注・調達形態に応じたリファレンスを準備し,そ
れを下敷きとしたマネジメントの企画立案
慣習的管理手法,属人的ノウハウの明示化
デモシステム(現在作成中)