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理系人材の「伝える力」向上について ~問題と解決策の仮説整理~ 2012年8月10日(金) セカンドインタラクション株式会社 芳野真弥 [email protected] 自己紹介 芳野真弥(よしのしんや) ●1981年生まれ 愛知県岡崎市出身 ★趣味★ ●2006年 名古屋大学大学院 理学研究科 素粒子宇宙物理学専攻 修士修了 ◆粒子測定器の研究開発 ◆データ解析プログラム構築 ◆その他、国際学会運営など - ランニング ボルダリング ダイビング ドルフィンスイム 音楽 料理 ●2007年 株式会社リクルートHRマーケティング東海 入社 ◆採用広告営業 ●2008年 株式会社ファインド・シー 入社 ◆ビジネススキル研修(特にコミュニケーション) ◆新卒採用支援 ◆営業支援 ●2012年 大好きなサイエンスの発展に貢献する事業をしたいと考え、 理系向けの教育・採用支援会社「セカンドインタラクション株式会社」を設立 1 Copyright © Second Interaction Inc. ※ここから先は、芳野の経験・印象・思い込みによる 考察を多分に含みます。 この資料は、みなさんに自分の考えをぶつけて、 ご意見・批判等を頂くために作成した資料です。 2 Copyright © Second Interaction Inc. 何を目指しているか? 科学関係者の 「伝える力」向上 人 分野 社会人・研究者としての活躍 科学の発展・普及 「いいものを作る」にプラスアルファを 科学の面白さと価値を知ってもらう ・組織内での価値を高める (マネジメント、発信、マーケティング、他) ・適切な評価を受ける ・スポットを浴びる機会の増加 ・科学リテラシーの向上(大人+子供) ・「難しくてよく分からない」から「面白い」へ ・日常生活に役立ててもらう (適切な判断、利便性、騙されないこと) 3 Copyright © Second Interaction Inc. なぜこれに取り組もうと思ったか? ●「ビジネススキル研修」で会った理系分野の社会人 ●「新卒採用支援」で会った理系分野の学生 ・・・と接触してきて感じたこと。 理系の人たちはコミュニケーションが苦手? (能力が低いのではなく特徴的なだけ?) 4 Copyright © Second Interaction Inc. 理系コミュニケーションの特徴 自分 ・1から100まで全て正確に説明してしまう。 ・長い。要点が分かりにくい。 相手 ・思考したことをそのまま口に出す。 伝える 思考する 相手を設定する ・要は何を伝えたいか、が不明確。 ・どんな人に伝えるか想定していない。 ・意外と論理的でない。 (思い込み、飛躍、慣習) ・相手の知らない専門用語を使う。 ・どう思わせたいかを考えていない。 ・考えきっていない。思考放棄。 5 Copyright © Second Interaction Inc. なぜこのようなことが起きるか? ●「正確さ」「厳密性」を大事にするという善意 (例)「うどんは好きですか?」という問いに即答できますか? -不明確なことは言ってはならない -部分だけ伝えるのは誤解を招く ●ヒトよりモノゴトに興味があるという指向 (例)ソーシャルスタイル:DiSC -自然科学の対象は物質、現象 -「伝える=知識と思考内容を吐き出す」という誤解 ●トレーニングする機会がない (例)野球のノック、素振り、キャッチボール -たまたま良い先生、上司、バイト先の店長、親がいれば指摘は受ける -「部分的に取り出して繰り返すトレーニング」の機会は少ない(皆無?) 6 Copyright © Second Interaction Inc. (参考:DiSCとは) ※ DiSC理論は、1920年代に心理学者ウィリアム・M・マーストン博士により提唱され、 その理論に基づく自己分析ツール(DiSC® Classic)はInscape Publishing社が コピーライトを保持しています。 7 Copyright © Second Interaction Inc. どうすれば改善されるか? 新しい概念の導入 苦手意識改革 トレーニング ・コミュニケーションとは設計 するもの ・良い文章は、国語の授業で 習った作文とは異なる ・トレーニングに時間を割く ・「伝える」とは情報の垂れ流 しではない ・流暢に喋ること、かっこよくプ レゼンすることが良いコミュ ニケーションではない ・メールや会話のドリル ・コミュニケーションには目的 がある ・相手を設定することがスター ト ・「思考する」と「伝える」は別 プロセス ・“メッセージ”という概念 (要は何を伝えたいのか) ・相手に伝えたいこと/相手が 知りたいことを、分かりやす く伝えるのが良いコミュニ ケーション ・最初から全てを正確に伝え る必要はない(要点だけ伝 えて、後は質問に答えれば いい) 8 ・ビデオに撮って自分で見る ・キャッチコピーや文章から メッセージを抽出する ・自分の伝えたいことを可能 な限りシンプルな一文で表 す ・本を読んで5枚のスライド発 表資料にまとめる Copyright © Second Interaction Inc. 具体的なトレーニング内容(一部紹介) メッセージの抽出:要は何を伝えたいのだろう? キャッチコピー 結婚式のスピーチ。 間違えている言葉が いちばん心に残った。 (電子辞書/シャープ) メッセージ ニュース記事 国内ビール各社が販売する缶入り黒ビールが人 気 ・・・(中略)・・・ ビール類市場全体に占める割合は昨年で約0. 2%にとどまるが、家庭用の缶商品が定着すれば、 ビール全体の復権にもつながりそうだ。 メッセージ 9 Copyright © Second Interaction Inc. 具体的なトレーニング内容(一部紹介) 伝える:相手によって伝え方を変える (単語の選択、背景の省略、他) ■相手が自分と同じ専門分野の人 思考する:要は何を伝えたいのか? ■研究内容 ・一番伝えたいことを一言で ・それを補足する情報 (なぜ?具体的には?実績は?次は?) ■相手が専門外の人 (全くの素人/多少知っている) 10 Copyright © Second Interaction Inc. 具体的なトレーニング内容(一部紹介) スライド資料の作り方 ①全体を通して伝えたいことを決める。(目的、相手の設定) 情報としては何が伝わればOKか。 聴いた人にどう思って欲しいか。 ②全体の流れを決める。 P1 背景と目的 P5 方法① P6 測定結果① P7 方法② ・・・ P11 考察 ・・・ ・・・ ①いろはに ・・・ ②ほへと ・・・ ③1枚ずつ作り込む(データ、論理、繋がり) ・あいうえお ・かきくけこ 装置 ● ● ●● ● ● ★★△△ ※通常は逆になりがち!(ゴールが見えない中、取りあえず1枚目から作り始める) 11 Copyright © Second Interaction Inc. どうやってビジネスにするか? 高校 サイエンス コミュニケーター 社会 大学 ・トレーニング ・(自分がやる) 企業 ・授業 ・課外トレーニング ・研究室内教育支援 ・就活支援 子ども ・実験教室 ・講演 ・WEBサイト ・研修 ・CSR支援 (実験教室のプログラム開発など) 12 Copyright © Second Interaction Inc. ありがとうございました! 13 Copyright © Second Interaction Inc.