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心理学1 神経科学と心理学 福田玄明 心と脳 • 心脳問題 – 心と脳はどのような関係だろう? • 二元論 – 心と身体は別々の実体である • 一元論 – 心と身体は同一の実体を持つ – 哲学者により現在も議論が続いている • 科学的な姿勢として,一元論の立場に立つ • 心は脳が引き起こす現象である. 脳の構造 • 電気活動を伝達するニューロンとその周辺の グリアという2種類の細胞からなる 脳の構造 • 脳はいくつかの部分に分かれている • それぞれの部分は異なる機能を受け持って いる 脳の機能局在 • 脳の機能は局在している – 後頭葉 • 視覚 • 色や形,運動などの知覚 – 皮質性色覚盲 – 皮質性運動盲 脳の機能局在 • 脳の機能は局在している – 頭頂葉 • 空間の把握に関係 • 半側無視 – 後頭葉の損傷でおこる 脳の機能局在 • 側頭葉 – 記憶や言語理解と関係 – 右の側頭葉 • 場所や空間の記憶 – 左の側頭葉 • ものの名前など – 相貌失認 – 人の顔がわからない 脳の機能局在 • 前頭葉 – 物事の計画や構成など – 規則を守る – フィアネスケージ – このような機能は判断がむずかしい 右と左 • 我々は二つの脳を持っている. • 二つの脳は脳梁でつながっている. • 分離脳 – かつては何の障害も起こさないと考えられた 分離脳 • てんかんなどの治療のた め脳梁を切断 • 左右の脳の連絡がなくな る. • 右半球は左視野,左半球 は右視野の情報を受け 取る 分離脳 • 目を閉じて,左手の上にのせられたもの(スプー ンや鉛筆など)の名前を言えない – 左手のときのみおこる – 左手の触情報は右脳に入るが右脳は名前を知らな い • 左視野に提示されたものの名前を言えない. • 左視野に風刺画やヌードを提示すると感情反応 – 何かはいえない – 右視野では言語での同定はできるが感情反応なし 分離脳 • 左右半球での乖離 – 右手でボタンをかけていくと,左手がそのボタンを 順に外していく – 買い物で,衣装棚の前で,右手と左手が異なる 服を取ろうとする. – 果物店で,左手は自分の好きなものを,右手は 娘の好きなものを取ろうとする – 右手が妻を殴ろうとするのを左手が止める 分離脳 • このようなことから,右脳は情動的,左脳は 理性的と言われることがある. – このような単純化は危険 • これらが示すのは左右の脳の役割が異なる こと,言語能力は左脳に偏在していること 脳機能の計測 • 微小電極記録 – 脳の中に刺した電極針の周辺の細胞の電気活 動を直接計測する – 侵襲的であり,手術が必要 – 動物の研究に適している – 正確な計測が可能.比較的狭い範囲しか記録で きない 脳機能の計測 • 脳波(EEG) – 頭皮上の電極で脳内の電気活動を計測 – 空間解像度が悪い • 容積伝導 – 時間解像度がよい 脳磁図 • 脳内の電気活動によって生じる磁場の変化 を計測する • 容積伝導がない • コストが大きい 脳機能の計測 • fMRI – 核磁気共鳴法 – 脳内の血流量を計測する. – 認知活動による血流量の変化を画像化する – 優れた空間解像度 脳機能の計測 • PET – 放射性同位体(陽電子)を注入し,その対消滅の 際のガンマ線を計測し,位置を特定する. – 糖を識別に用いることで脳内の血流量をとくてい する。 脳機能の計測 • NIRS – 近赤外分光法 – 静脈と動脈の分光特性の違いから,血流量を計 測 – 手軽 視覚と脳 • 顔の知覚 – 顔は特別? Fat face thin 視覚と脳 • 顔の知覚 – Kanwisher, 1997 – 側頭下部,紡錘上回 に顔に選択的に反応 する部位がある. Biological motion知覚 認識と脳活動 • Lerner, 2001 • 画像を分割し,何の画像であるかの認識と脳 活動を比較する 無意識と脳活動 記憶と脳 • ロンドンのタクシードライバーの海馬後部の 大きさを計測 言語と脳 • ブローカ失語とウェルニッケ失語 – ブローカ失語 • タン • 言語の理解はよくできる.しかし話せない.運動性失 語. – ウェルニッケ失語 • 意味理解の障害 • 意味不明の言葉を話す ウェルニッケ失語の患者 • 馬から落ちて病院に行ったときの話 – このときが初めてです.私はいずれにしても何年もなじめ て考えました.私は落ちました,病気になりました.そして 意識を失ったのです.変な若者からはなれて,意思であ る兄とクリスマスにはケンブリッジでの研修に行く彼の息 子と.私は‥と木曜日の間に私がいたときにおこったこと を実際そのとき,ここにいて私は全く外にいてよろしい.自 分が彼らにしゃべったことをかき集めます.私は家に帰っ てきたかもしれないことを意味し,私は,ここにきて2、3時 間あるいは‥何かまた何かを話したかもしれません.し かし,実際私は全く何も思い出さないのです.私はスト レートで完全にノックダウンされました.彼は今もトレーニ ングを続けています.問題は私が動物から落ちたことに あります.この動物は私のものになり,私は前にも乗った ことがあります.私は‥を去らなければならないのです, 彼はぐっとこらえて止まるような人ではないのですから. ブローカ野とウェルニッケ野 社会性と脳 • ミラーニューロンの発見 – 自分自身が行動する際と他者の同じ行動を観察 する際で同じように活動する細胞が発見された. – 模倣,他者の理解に関係する可能性 模倣 • Iacoboni et al., 1999 – 模倣時の脳活動のfMRI計測 模倣 • Iacoboni et al., 1999 – 模倣時の脳活動のfMRI計測 他者の理解 • こころの理論 – 他者が心を持ってい るとする信念 – Simulation throry – Theory theory 他者の理解 • Gallagher, 2002 – 相手に意図があると感じているときの脳活動. – 実験参加者はじゃんけんゲームをやる. – 半分の参加者は実験者とじゃんけんをしていると 思っている – 残りの参加者は機械があらかじめ決められた ルールでじゃんけんをしていることを知っている. 後帯状回に活動の違い. 共感 • Jackson, 2005 – 他者の痛みを感じるときの脳活動 • 後帯状回に活動の違い おまけ