分散×協調

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Transcript 分散×協調

25-27 Sep. 2013
「分散×協調」による
社会システムのデザイン
京都大学 太田 快人
南 裕樹
丸田 一郎
概要
従来の常識を超える
分散 × 協調
⇒ 高機能デザイン
・システムの構成要素を「分散化」・・・空間的に離れている
・個々の要素をお互いに「協調」・・・相互に作用し,
全体の機能を形作る
⇒ 集中型のシステムでは達成できない機能を実現
環境・生活安全
高効率化,低コスト化,省エネ,耐故障性↑
使いやすい,安心・安全,快適,...
概要
従来の常識を超える
分散 × 協調
工学分野の
例
・分散コンピューティング
・高度交通システム
・電力ネットワーク
・センサネットワーク
・群ロボット
P2P
⇒ 高機能デザイン
通信路
小型電源
需給バランス制御
フォーメーション制御
概要
従来の常識を超える
分散 × 協調
⇒ 高機能デザイン
・システムの構成要素を「分散化」
・個々の要素をお互いに「協調」
⇒ 集中型のシステムでは達成できない機能を実現
環境・生活安全
目標
高効率化,低コスト化,省エネ,耐故障性↑
使いやすい,安心・安全,快適,...
イノベーションを起こす!
工学,経済,医療・福祉,
農業,生物,教育,...
・新しい分散協調システム (社会システム) を提案
・「どのように協調させるか?」を検討 (シミュレーション援用)
スケジュール
25日
テーマ説明,分散協調の基礎と応用
アイスブレイク
(自己紹介)
9:30
10:00
ブレスト(何を分散協調させる?) アイデア検討
11:00
12:00
26日
1日目の
まとめ
ブレスト(どう協調させる?)
シミュレーション検証
9:30 10:00
27日
発表準備
9:30
有用性,(即効性),
インパクト,波及効果
13:30
15:30
17:30
実現可能性,
持続可能性,課題,...
アイデア検討
12:00 13:00
まとめ,発表準備
15:30
17:30
(10+7)
発表会(15+10)
12:00 13:00
17:30
講義資料
マルチエージェントの
基礎と応用
マルチエージェントシステムとは
複数のエージェントが相互作用しながら協働
⇒ 大域的な目的を達成
自然界の例
局所的な情報で
秩序立った行動
魚の群れ
鳥の群れ
蛍の同期現象
工学的応用
・センサネットワーク
・スマートグリッド
・分散コンピューティング
・???
交通システム
群ロボット
マルチエージェントシステムとは
複数のエージェントが相互作用しながら協働
⇒ 大域的な目的を達成
分散協調制御 (分散最適化)
簡
単
に
紹
介
・合意制御 (Consensus)
・被覆制御 (Coverage)
・ハーフトーン制御
・ゲーム理論
・粒子群最適化 (PSO)
マルチエージェント技術1
合意制御:すべての状態の値を同じ値に収束させる
高さ
情報交換
合意
エージェント
台
分散制御
近傍エージェント
との状態の差
マルチエージェント技術1
合意制御:すべての状態の値を同じ値に収束させる
高さ
情報交換
合意
高さ
マルチエージェント技術1
合意制御:すべての状態の値を同じ値に収束させる
高さ
情報交換
合意
高さ
マルチエージェント技術1
合意制御:すべての状態の値を同じ値に収束させる
高さ
情報交換
合意
2D
3D
マルチエージェント技術1
合意制御:すべての状態の値を同じ値に収束させる
高さ
情報交換
合意
・ランデブー
・フォーメーション
・群れ
・振動子の同期
同じ速度
編隊
同じ位置
同じ位相
マルチエージェント技術2
被覆制御:領域を最適にカバーするように配置させる
分散制御
・効率的なセンサーネットワークの構築
・施設/環境モニタリング
・探索,レスキュー
マルチエージェント技術2
被覆制御:領域を最適にカバーするように配置させる
分散制御
エージェント
台
カバーする領域
ボロノイ分割
エージェント間の通信
マルチエージェント技術2
被覆制御:領域を最適にカバーするように配置させる
分散制御
評価関数
の局所最小値を与える制御則
重要度
ボロノイ領域の
重み付き重心
マルチエージェント技術2
被覆制御:領域を最適にカバーするように配置させる
分散制御
重要度
均一
マルチエージェント技術2
被覆制御:領域を最適にカバーするように配置させる
分散制御
重要度
非均一
マルチエージェント技術3
ハーフトーン制御:適切なON/OFFパターンを決める
需要と供給をバランス
適切な照度分布を提供
LED照明
通信路
通信路
小型電源
集中制御: 全体を把握し,
組み合わせ最適化で決定 ex)
分散制御: ネットワークを活用し,自律分散的に決定
照度
マルチエージェント技術3
需要と供給をバランス
100 個の電源
提案手法
通信路
小型電源
電源間で情報交換
⇒ 自律的に決定
需要分布
供給分布
マルチエージェント技術3
需要と供給をバランス
100 個の電源
提案手法
通信路
小型電源
電源間で情報交換
⇒ 自律的に決定
需要分布
供給分布
マルチエージェント技術3
ハーフトーン制御:適切なON/OFFパターンを決める
提案手法の考え方
目標
需要が多い ⇒ 多くの電源をON
ON
ON
ON
電源間で情報交換 ⇒ 電力を補う
・周囲が電力余剰 → 電源をOFF
・周囲が電力不足 → 電源をON
ON
誤差の影響を近くの電源が補う
マルチエージェント技術3
シミュレーション
16 個の照明
照度
目標分布
実験
マルチエージェントシステムとは
複数のエージェントが相互作用しながら協働
⇒ 大域的な目的を達成
分散協調制御 (分散最適化)
簡
単
に
紹
介
・合意制御 (Consensus)
・被覆制御 (Coverage)
・ハーフトーン制御
・ゲーム理論
・粒子群最適化 (PSO)
補足資料:ゲーム理論
複数のエージェント(意思決定主体)における
意思/行動決定の一般理論・・・最善の戦略は何か?
・基本1(非協力ゲーム)
黙秘
囚人A
自白
囚人B
黙秘
A:1年
B:1年
A:5年
B:釈放
自白
A:釈放
B:5年
A:3年
B:3年
・どちらかが自白すれば,釈放.他は5年の懲役.
・両方黙秘なら,両方が1年の懲役.
・両方自白なら,両方が3年の懲役.
⇒自分の利益だけ考えると“自白”が有利(相談なしなら最善)
※全体を考えると・・・“黙秘”が正解
補足資料:ゲーム理論
複数のエージェント(意思決定主体)における
意思/行動決定の一般理論・・・最善の戦略は何か?
・基本2(協力ゲーム)
野球
A(彼女)
B(彼)
映画
野球
A:満足度3 B:満足度5
A:0
B:0
映画
A:1
A:5
B:2
B:1
確率pで野球,確率(1-p)で映画
E(彼) = 5p+2(1-p) = 3p+2,E(彼女) = 3p+5(1-p) = 5-2p
均等解:二人の満足度の期待値を等しくするようにpを選ぶ
⇒ E(彼)=E(彼女) … p=3/5 の確率で野球を選択
功利主義的解:二人の満足度の和を最大にするにpを選ぶ
⇒ E(彼)+E(彼女)=7+p … p=1 で野球を選択するほうが良い
ナッシュ解:交渉決裂の満足度からの増分の積を最大にする
⇒ (E(彼)-1)(E(彼女)-1)=(3p+1)(4-2p) … p=2/3 で野球
補足資料:粒子群最適化(PSO)
N個の粒子を
ランダムに配置
・
を計算
・制約を満たしていな
ければ,ペナルティ
更新
⇒
no
yes
を解とする
i番目の粒子のtステップまでに最適
値を与える
粒子全体でのtステップまでに最適
値をあたえる
イメージ
・確率的最適化手法
・複数の粒子が相互作用
しながら解空間を動き回る
・シンプルなアルゴリズム
補足資料
グループワーク
アイデア創出
アイデア = 既存の要素の組み合わせ
ブレインストーミングのルール
・自由奔放 固定概念から逃れる.とっぴな意見,思いつき
・批判厳禁 生み出すことに集中.評価はあとで
・質より量 数で勝負.たくさんでれば,
質が良いものが生まれる?
・便乗発展 アイデアの結合・改善(発展)
スケジュール
25日
テーマ説明,分散協調の基礎と応用
アイスブレイク
(自己紹介)
9:30
10:00
ブレスト(何を分散協調させる?) アイデア検討
11:00
12:00
26日
1日目の
まとめ
ブレスト(どう協調させる?)
シミュレーション検証
9:30 10:00
有用性,(即効性),
インパクト,波及効果
13:30
15:30
17:30
実現可能性,
持続可能性,課題,...
アイデア検討
12:00 13:00
まとめ,発表準備
15:30
17:30
27日
発表準備
9:30
発表会(15+10)
12:00 13:00
17:30
1日目のグループワーク
25日
テーマ説明,分散協調の基礎と応用
アイスブレイク
(自己紹介)
9:30
10:00
有用性,(即効性),
インパクト,波及効果
ブレスト(何を分散協調させる?) アイデア検討
11:00
12:00
13:30
15:30
17:30
テーマ:分散協調化すると “役に立つ”,“おもしろい” ものは?
・ライティングシートを使った発散&収束
・チェックリストを使った発散&収束
○お昼休みに,情報収集(散歩⇒観察)をする
○有用性,(即効性),インパクト,拡散性
を考えながら,最終的に2~3個のアイデアに絞る
○17:00~:スライドにまとめてアイデア発表をする
1日目のグループワーク
テーマ:分散協調化すると “役に立つ”,“おもしろい” ものは?
道具:ライティングシート,筆記具
※実現できるかどうかは考えない
発散技法(ブレインライティング)
6人が3個ずつのアイデアを5分間で考える ⇒ 6×3×6=108個のアイデア
収束技法(KJ法に近い)
似たアイデアをまとめて,それぞれのベストを決める ⇒ 魅力的なアイデアを抽出
参考:IDEA PLANT
1日目のグループワーク
テーマ:分散協調化すると “役に立つ”,“おもしろい” ものは?
※実現できるかどうかは考えない
・10のべき乗
さまざまな視点からアイデアをだす(制約(お金,時間)があるとどうなる?)
・オズボーンのチェックリスト
転用したら?
応用したら?
変更したら?
拡大したら?
縮小したら?
代用したら?
置換したら?
逆転したら?
結合したら?
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
現在のままでの新しい使い道は?
似たものはないか?真似はできないか?
意味,色,動き,臭い,形をかえる
大きくする,長くする,時間を増やす
小さくする,短くする,圧縮する
代わりになる人,物は?材料,場所は?
入れ替えたら,順番を変えたら
逆さにしたら,上下左右・役割
合体,混ぜる
発散
・クリティカル リーディング チェック
1.【要点】着眼点は何か?
2.【適用範囲】どれくらい有効か?
3.【新規性】付加価値はなにか?
4.【重要性】どのくらい重要か?
・アイデア選択:4分類(合理的,喜ばしい,愛しい,大穴)
・視覚化(スケッチ;概念,もの,体験)
収束
2日目のグループワーク
26日
1日目の
まとめ
ブレスト(どう協調させる?)
シミュレーション検証
9:30 10:00
実現可能性,
持続可能性,課題,...
アイデア検討
12:00 13:00
まとめ,発表準備
15:30
17:30
テーマ:どのように協調させるか?
・技術面(マルチエージェント技術をつかったシミュレーション)
・戦略面(普及させるための戦略,お金・・・)
○実現可能性(技術),持続可能性(戦略)
を考えながら,ディスカッション
○提案システムの“名前”を考える.
○17:00~:スライドにまとめてアイデア発表をする
参考資料
○書籍
・加藤昌治:考具,株式会社阪急コミュニケーションズ
・山崎 他 :エクスペリエンス・ビジョン,丸善
・情報デザインフォーラム編:情報デザインの教室,丸善
・京都大学フィールド情報学研究会編:フィールド情報学入門,共立出版
○web
・一般社団法人デザイン思考研究所 http://designthinking.or.jp/
- テキスト03:デザイン思考家が知っておくべき39のメソッド
・日本創造学会 http://www.japancreativity.jp/index.html
- 主要な創造技法
・IDEO.org https://www.ideo.org/
25-27 Sep. 2013
「分散×協調」による
社会システムのデザイン
京都大学 太田快人
南 裕樹
丸田一郎