ハラール

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Transcript ハラール

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イスラームと
シャリーア
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イスラームとは
・一神教(ユダヤ教、キリスト教と同じ神)。
・六信五行(6つの信仰箇条と5つの信
仰行為)。
・1400年以上存続する。
・現在では世界人口のうち4人に1人が
ムスリム(イスラーム教徒)である。
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六信五行
①
六信
1.神(アッラー)
2.天使(マラーイカ)
3.啓典(クトゥブ)→クルアーン
4.使徒(ルスル)→ムハンマド
5.来世(ア―ヒラ)
6.定命(カダル)
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六信五行
②
五行(五柱ともいう)
1.信仰告白→アッラーの他に神はなし
2.礼拝(サラ―ト)→1日5回礼拝
3.喜捨(ザカート)→貧者への施し
4.断食(サウム)→日の出から日没まで
5.巡礼(ハッジ)→メッカへの巡礼
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シャリーア法(イスラーム法)①
 原義は水場に至る道。転じてイスラーム法。
「われ(アッラー)が汝をシャリーアの上に
置いたゆえ、それに従え」【45:18】
・ムスリム一般の生活、社会、国家はシャ
リーア(イスラーム法)によって統制され
る。
・シャリーアは聖典クルアーンとハディース
(預言者ムハンマドの言行録)に基づいて
いる。
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シャリーア②
行為の区分
義務
・ムスリムが行う行為は左の5段階に区分され
る。
推奨
・5段階の区分を2段階の概念で表わすとハ
許容
忌避
禁止
ラール(合法)、ハラーム(非合法、禁止)
となる。
例1)婚姻前に男女関係を持ってよいか。
→禁止(ハラーム)
例2)タバコは吸ってよいか。
→許容、よってハラールとなる。
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労働
服装
シャリーア
食規定
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男女
関係
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イスラームの分布地図
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イスラーム教徒人口
大陸
2011年人口合計
(10万人)
イスラーム教
徒(%)
イスラーム教徒人
口(10万人)
アフリカ
1051.4
52.39
554.32
アジア
4239.1
32
1356.28
28%
アフリカ
アジア
ヨーロッパ
740.01
7.6
56.04
北アメリカ
346.2
2.2
7.61
北アメリカ
南アメリカ
595.9
0.41
2.45
南アメリカ
オセアニア
37.14
1.5
0.54
合計
7009.75
28.73
1977.24
ムスリム人口1.84%増加傾向
2012年度
ヨーロッパ
69%
オセアニア
合計16~20億人
Source: http://www.muslimpopulation.com/
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多様なイスラーム
異なる気候や文化的背景
マレーシア・インドネシア→モンスーン気候
サウジアラビア・UAE→熱帯乾燥気候
地域ごとに異なる法学派
トルコ、中央アジア、南アジア→ハナフィー学派
東南アジア→シャーフィイー学派
アラビア半島→ハンバル学派
ハラールの基準が各地域で異なる原因の一つ
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イスラームと日本
 明治維新後に紹介される。
 現在の在日ムスリム人口は
10万人(そのうち日本人日
本人国籍は1万人)。
 全国にモスクや礼拝所は70
カ所以上。
・神戸モスク(三宮駅付近)
・東京ジャーミィ(代々木上
原)
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【日本最古の神戸モスクの外観】
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まとめ
・イスラーム圏では個人のライフスタイル、
国家の法律までにシャリーア法が大きな影響を及ぼし
ている。
・経済活動、消費活動にはイスラームが大きく影響して
いる。
・イスラーム・シャリーアへの十分な理解が
ビジネスでの成功、リスク管理の上でも
非常に重要である。
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ハラールとハラーム
の原則
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はじめに
ハラール(許されたもの)は明らかであり
ハラーム(許されないもの)は明らかである
そして、それら2つの間にはシュブハである(疑わしい)
ものがある
(預言者ムハンマドの言行録・ハディース)
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イスラームとハラール
 ハラール(Halal ‫)حالل‬とはイスラームの聖典クルアー
ンの中で唯一神が人に対して下した戒律(イスラーム
法=シャリーア)において、‘合法である’という意味
の言葉。その逆で‘不法である’という意味はハラーム
( Halam ‫)هرام‬という。
 食に関することだけではなく、生活にまつわる事柄全
てに当てはまる。
例:食事内容、食事の方法、結婚、離婚、遺産相
続、
身だしなみ、孤児、信仰、犯罪、契約、金融、等
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ハラール
シ
ュ
ブ
ハ
ハラーム
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疑わしきもの(シュブハ)
1)イスラームの原則に則った屠畜方法がとられてい
ない牛肉や鶏肉。
2)酒類を使用しているもの。みりん、料理酒
3)ハラール食品であっても、貯蔵や輸送でハラーム
食品と混載され、穢れたもの。
4)調理器具:ハラームなもので穢された後も清めら
れていない食器や調理器具を用いたもの。
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用語
 ハラール:イスラーム法において合法という意味のアラビ
ア語。人にとって、社会において良い事を指す。食に関し
ては、ムスリムが問題なく食することができるものを指す。
 ハラーム:イスラーム法において不法という意味のアラビ
ア語。食においてはムスリムが食する事ができない、禁止
されているものを指す。
 シュブハ/マシュブー:ハラールであるかないかが不明で、
判断がつかないもの。ムスリムはハラール性が明確でない
ものは避ける。
 シャリーア:イスラーム法という意味のアラビア語。聖典
クルアーン、ハディースを元に定められた立法。学派(マ
ズハブ)があり、地域や国によって違う学派を用いる事が
ある。
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ハラールな食品
*認証ロゴがあればムスリムはそちら
を選択する
•ハラールに屠畜された動物
•野菜、果物
•穀類
•海鮮(一部のマダハブ除く)
•乳製品、卵
•水
•米
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等
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ハラームな食品
 ハラールに屠畜されていない動物。
 ナジスを含んだもの。
 毒物、健康に害のあるもの、泥酔性のあるもの。
 ナジスに触れた機具を使用して製造されたもの。
 人体的なものが含まれたもの。
 全ての製造工程においてハラームなものから分離され
ていないもの。
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食べてはいけない動物
全ての動物はハラールであるが下記を食することはハラームである
 ハラールに屠畜されていない動物。
 重度ナジスの動物(犬、豚とそれにまつわるもの)。
 牙をもち、その牙で獲物を得る動物:虎、熊、象、猫、猿等。
 捕食動物:鷹、フクロウ等。
 害虫、毒性をもつ動物・昆虫:ネズミ、ゴキブリ、サソリ、
ヘビ、蜂等 類似を含む。
 不快なもの:のみ、しらみ等。
 ナジスを餌として与えられていたハラールな動物。
 その他、シャリーア法で食べてはいけないとされる動物:ロバ、ラ
バ。
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水生生物
ー爬虫類、魚類、両生類―
 水の中以外では生きられない生物はハラール:魚等
 毒性があり、人体に悪影響のある生物はハラーム、た
だし、調理の際にそれらを取り除いた場合はハラール
:ふぐ等
 陸上と水中を行き来する動物はハラーム:ワニ、亀、
カエル等(シャーフィイー法学派)
 ナジスを餌として与えられたハラールな生き物
一部の学派を除いては、魚類は原則的にハラールである
ただし、食文化の問題もあるので注意が必要
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豚および豚派生品(禁止)

豚肉

ラード/油(乳化剤)

皮(ゼラチン)

内臓(酵素)

血液

骨

毛
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 豚及び豚派生品
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コーヒークリーム
アイスクリーム
乳化剤
歯ブラシ
マーガリン クリーム
口紅
化粧品
石けん
モノグリセリド&ジ
グリセリド
グリセリン
ビスケット
テクスチャライザー
脂肪派生品
ショートニング
アイスクリーム
ソフトキャンディー
カプセル
マシュマロ
ヨーグルト
ゼリー
香味料
スープ
調味料
だし
ゼラチン
香味料&調味料
パウダー
豚肉
ベーコン
パスタ
バーガー
肉
皮
脂肪
(ラード)
化粧品
革製品
肉
腸
生地改良剤
香味料
システイン
歯ブラシ
ブラシ
コラーゲン
内臓
毛
すい臓
酵素
骨
血液
活性炭
精製油&水
発酵媒体
微生物製品
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薬
ソーセージ
ソーセージの皮
インシュリン
レンネット
植物性と飲料
*認証ロゴがあればムスリムはそちらを選択する
 毒性、泥酔性、健康に害がある以外の全ての植物はハ
ラールである。
 キノコ類と細菌類:毒性、泥酔性、健康に害があるも
の以外はハラールである。
 ミネラルとケミカル:毒性、泥酔性、健康に害がある
もの以外はハラールである
 飲料:毒性、泥酔性、健康に害があるもの以外はハ
ラールである。
 遺伝子組み換え食品:毒性、泥酔性、健康に害がある
もの以外はハラールである。
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穢れ(ハラーム)の範囲の
把握
身体関連の製品
お酒やアルコール
調理器具
食品
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ナジス
(不浄なもの)
 犬と豚、それらに関わるもの(唾液、毛、皮膚、排便等)。
 ハラームなものと混じったもの。
 ハラームなものに直接触れたもの。
 人や動物の糞尿、血、膿み、嘔吐、胎盤、糞便、豚と犬の
精子、卵子(他の動物の精子と卵子はナジスではない)。
 死肉、ハラールな動物でもハラールに屠畜されていない動
物。
 アルコールを含む食品、または飲料。
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