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子どもの教育
~教育格差を考える~
石橋・梶本
斉木・佐々木・竹口
伊澤・篠原・真島・森
1
目次
1、現代社会の構造と大学進学
2、教育の機会に関する法律
3、教育の機会格差の要因
①経済的要因
②文化的要因
4、取組み紹介(取材)
5、政策提言
1、現代社会の構造と大学進学
2、教育の機会に関する法律
3、教育の機会格差の要因
①経済的要因
②文化的要因
4、取組み紹介(取材)
5、政策提言
現代の社会で活躍するには
1970、80年代まで
第一次産業・第二次産業が中心の社会
特定の専門的な知識・技術があれば活躍できた
現代
第三次産業が中心
4
現代の社会で活躍するには
現代
第三次産業が中心

生産性の高い科学界とビジネス効率の向上がもたらした
急速な技術進歩

情報通信技術の影響力の増大

知識集約型の産業やサービス部門への移行
変化が激しく、常に新しい未知の課題に試行錯誤し
ながらも対応することが求められる
広範な知識・情報・技術と柔軟な思考力が
求められる社会
5
一般的に、
このような幅広い知識と
柔軟な思考力・発想力・想像力
を有しているのは、
「大卒者」とみなされている。
現代社会における就業
広範な知識・情報・技術と柔軟な思考力=大卒者
正規雇用へのアクセス
→大卒が圧倒的に有利
正規雇用
非正規型
雇用
7
悪循環
仕事
「形成」問題
「移行」問題
家庭
教育
「格差」問題
8
大学進学率
53%
大学全入時代
望めば誰でも大学に
進学できるようになった時代・・・??
9
NO!
生まれ育った環境で、
大学に進学できるかどうかが
決まってしまっている
10
家庭環境による進学率の差
高校生の大学進学率
年収の高い家庭の子供ほど
大学進学率が高い
文部科学省「学校基本調査」2014年
大学の少ない地域から、大都
市圏の大学を目指す高校生
下宿代など経済負担が大きい
11
学歴の世代間関係
父中卒
父高卒
父大卒
合計
本人中卒
本人高卒
本人大卒
合計
度数
821
365
2,627
%
31%
1,441
55%
14%
100%
度数
83
426
1,094
%
8%
585
54%
39%
100%
度数
24
195
652
%
4%
30%
433
66%
100%
度数
928
2,221
1,224
4,373
%
21%
51%
28%
100%
2008年 大阪大学 吉川徹教授資料より
12
大学進学の
必要性が高い
家庭環境が大学進学の
機会に影響
13
1、現代社会の構造と大学進学
2、教育の機会に関する法律
3、教育の機会格差の要因
①経済的要因
②文化的要因
4、取組み紹介(取材)
5、政策提言
子どもの貧困対策の推進に関する法律
第一条 この法律は、子どもの将来がその生まれ育った環
境によって左右されることのないよう、貧困の状況にある
子どもが健やかに育成される環境を整備するとともに、教
育の機会均等を図るため、子どもの貧困対策に関し、基本
理念を定め、国等の責務を明らかにし、及び子どもの貧困
対策の基本となる事項を定めることにより、子どもの貧困
対策を総合的に推進することを目的とする。
(平成25年6月制定)
15
教育基本法
第四条 すべて国民は、ひとしく、その能
力に応じた教育を受ける機会を与えられな
ければならず、人種、信条、性別、社会的
身分、経済的地位又は門地によって、教育
上差別されない。
(平成18年改正)
16
1、現代社会の構造と大学進学
2、教育の機会に関する法律
3、教育の機会格差の要因
①経済的要因
②文化的要因
4、取組み紹介(取材)
5、政策提言
大学進学を決める要因は?
1 経済的要因
2 文化的要因
18
1
経済的要因
公財政教育支出の対GDP比
OECD加盟国中
最下位
20
家庭への負担が大きい・・・
年収階層別にみた在学費用負担額と年収に対する割合
年収400万円以下の家庭
所得の50%以上が子どもの教育費
21
出費は学費だけじゃない
大学進学には、学校外教育も重要
高校生の3人に1人は塾に通っている
↓
親の所得により
学習塾のアクセスの可否、
質や量が左右される
毎月の学習費は平均4万円
→年間50万円!
塾に通っていない大学受験生のうち、
65%の生徒は「経済的な理由で断念している」
というアンケート結果も
22
学校内教育の現状
先生は激務
子どもの学力向上のために
十分な時間を割くことができていない
23
激務の実態
★OECDによる調査
→教員の労働時間:他国に比べて長時間
1週間当たりの勤務時間は調査対象国の中で最長
(日本53.9時間 、参加国平均38.3時間)
★教育委員会による調査
→多忙の原因:主に部活動と校務分掌(いわゆる学校業務)
⇒授業の質向上に集中しにくい
現状の取り組み
★教育委員会の取り組み事例
教員の労働時間が長く、業務負担が大きいことを問題視
しかし
教員のスキルアップによる問題解決を求めている傾向
(事務処理の効率化→労働時間削減)
教員の負担を軽減するための
措置としては不十分
大学進学までにかかる費用
下宿の場合は
4年間で
+300万円
奨学金制度 基準
現在最も大規模な奨学金制度→日本学生支援機構が運営
第一種奨学金(無利息)

学力基準
高等学校又は専修学校高等課程の
1年から申込時までの成績の平均値
が3.5以上

家計基準
第二種奨学金(利息付)

学力基準
高等学校又は専修学校(高等課程)に
おける学業成績が平均水準以上と認めら
れる者

家計基準
(収入・所得の上限額の目安)
奨学金制度 金額
(平成26年度
入学者の貸与月額)
⇒卒業後に月賦等で返還しなければならない
例:第一種奨学金・4年制大学の場合
奨学金制度 受給状況

受給者は年々増加しており、直近の平成
大学生の
24年調査段階で133万9千人が受給してい
3人に1人
る。
大学院生の
2.5人に1
人
奨学金制度 問題点
公的な給付型の奨学金が存在しない
⇓
奨学金として受け取ったお金は、大学卒業後借金
となり、受給者にとって大きな負担となる
日本の公的な奨学金制度は欧米各国に比べて後れている
例:アメリカの奨学金制度
1.給付型奨学金が存在
2.所得階層別に分けられた給付形態
2
文化的要因
31
家庭での意識格差
父親・母親が子どもに勉強を教えることが多い家庭ほど、
子どもの勉強時間は長い。
32
父親・母親の学歴が高い子どもの方が、勉強時間は長い。
33
親の意識、家庭での学習環境が
子どもの学力に影響を与える!
34
親の学歴が意識の差につながり、
子どもの意識にも影響する
35
大学進学への家庭の影響
まとめ
経済的要因
・教育費は家庭の大きな負担
・学校の先生の激務
・学校外教育の必要性
・奨学金のサポート制度が不十分
→低所得世帯の子供への大学進学サポートが必要!
文化的要因
・家庭環境によって、進学意識の差が生まれている
→学習意欲や就職観を培う
情報提供をすることが必要!
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1、現代社会の構造と大学進学
2、教育の機会に関する法律
3、教育の機会格差の要因
①経済的要因
②文化的要因
4、取組み紹介(取材)
5、政策提言
NPO法人紹介
○ark子ども・若者サポートセンター
2011年設立
「本当に教育が必要な子供達に教育の機会を」
・対象
・学校や他のNPOとの連携
・広報の方法 が課題・・・
小学生~高校生
経済的理由で塾などに通っていない者
・日時 毎週土曜日13~21時、90分/コマ
・費用 無料
・内容 個別指導、学校補習~入試対策
NPO法人紹介

八王子つばめ塾
→ 学習支援 「生徒の伴走をすること」

キッズドア
→ 学習支援+キャリア教育

Shiftus(シフタス)
→ 無料の学習空間を提供、自学自習形式

manavee(マナビー)
→ ネットで大学生講師による授業を無料で配信
公営塾紹介
○隠岐國学習センター
2010年 島根県隠岐郡海士町に設立
・対象 高校1~3年生
・特徴
①個別学習計画の作成
②県立高校との連携・支援
③「夢ゼミ」でキャリア教育、学習意欲UP
④民間塾より低い月謝
(高1・2…8千円、高3…1万円)
公営塾紹介
• 広島県加計高校 「虎の穴」
→ 2011年設立、安芸太田市が運営費を補助
月~金曜日の放課後、土曜日の朝~夕方に開講
• 長野県阿智高校 「神坂学習塾」
→ 2013年設立、高校・PTA・同窓会・村が支援
月~金曜日の16~20時開講
IT学習

「受験サプリ」
リクルートの「受験サプリ」は大学受験生向けで、パソコンやス
マホで利用。無料で全国100大学の過去の入試問題をダウン
ロードできたり、大学入試センター試験の模擬テストを受けたり
できる。毎月980円で大手予備校の有名講師によるセンター試
験対策講座や志望校対策講座などの動画を何度も見られる。

「大学受験倶楽部」 ザ・ドリル
Z会・河合出版・駿台文庫など有名出版社の問題集をスマホで
ドリル形式で学習できる!全教科月額1008円。
42
20131019付
43
高等学校におけるキャリア教育の実践例①
○秋田県立能代高等学校
【特色】


大学教員による出前講座を実施
高等教育機関卒業後の就職を念頭に置き
インターンシップを実施
高等学校におけるキャリア教育の実践例②
○神奈川県立田奈高等学校
総合A:講義科目(進路研究編、生活研究編)
総合B:実践学習(インターンシップ、専門
学校実習、卒業生の職場を訪問)
NPOやジョブカフェによるキャリア教育
○NPOハーベスト

社会人や市民講師による授業導入型の
キャリアセミナーを実施
○ジョブカフェ石川

中学校・高等学校に対して個々の学校の
ニーズに合わせたキャリア教育講座を提
供
キャリア教育
キャリア教育の推進により



学習意欲や就職観を培う
自分の将来の職業を決める上で必要な情報
を得ることができる
高卒で就職すべきか大学に進学するべきか
判断できる
47
地域と学校との連携
教育基本法
(学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力)
第十三条
学校、家庭及び地域住民その他の関
係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自
覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるも
のとする。
地域と学校との連携-1
学校支援地域本部
学校支援地域本部
各市区町村に中学校区で設置
学校
支援
企画
参加
支援者
地域の人々・企業・
団体・NPOなど
学校支援ボランティアを企画・地域の支援者を募集
地域と学校との連携‐2
学校
学校と地域の連携授業
打ち合わせ
出前授業
体験学習
支援者
地域の人々・企業・
団体・NPOなど
依頼・相談
紹介
問い合わせ
提案
滋賀学校支援センター
滋賀県教育委員会に設置
支援者と学校をマッチング
学校のニーズに応じて出前授業や体験学習などの
学校支援メニューを提供
1、現代社会の構造と大学進学
2、教育の機会に関する法律
3、教育の機会格差の要因
①経済的要因
②文化的要因
4、取組み紹介(取材)
5、政策提言
もう一度問題をまとめると・・・
1家庭の教育費の負担が大きく、
経済的理由で大学進学をあきらめてしまう
→低所得世帯の子どもへ
大学進学サポートが必要!
2生まれ育った家庭環境によって、
大学進学に対する意識の差が生まれている
→学習意欲や就職観を培う
情報提供をすることが必要!
52
①給付型奨学金の導入
学生支援機構に、既存の第一種奨学金、第二種奨学金に
加え、給付型奨学金を導入する
・大学在学期間に受給できる奨学金
・大学受験期間に受給できる、
受験料サポートのための奨学金
要件
◎所得要件
現在の第1種奨学金(無利息)のものよりも、
低い水準に設定
◎成績要件
高校時代 3.5以上 大学時代 上位1/3以上
制度が浸透するにあたって緩和していく方向
53
②教育支援センターの設置
学校や生徒と支援機関の連携のため
教育支援センターを設置
・学習支援団体との連携
・キャリア教育の充実
・校務分掌を効率化
54
②教育支援センターの設置
学校
地域
支援センター
教育委員会に設置
依頼
ディレクター
コーディネーター
生徒・家庭
相談・
依頼
紹介・
広報
登録
学習支援
NPO・
公営塾・IT
②教育支援センターの設置
学校
支援センター
地域
教育委員会に設置
キャリア
教育
支援
NPO・企業
コーディネーター
生徒・家庭
相談・
依頼
依頼
紹介・
広報
登録
ディレクター
②教育支援センターの設置
学校
地域
支援センター
教育委員会に設置
相談・
依頼
依頼
ディレクター
コーディネーター
登録
生徒・家庭
紹介・
広報
部活コーチ・
スクールカウン
セラーなど
②教育支援センターの設置
学校
支援センター
地域
教育委員会に設置
キャリア
教育
NPO・企業
相談・
依頼
コーディネーター
生徒・家庭
依頼
学習支援
紹介・
広報
登録
ディレクター
支援
NPO・
公営塾・IT
部活コーチ・
スクールカウン
セラーなど
政策提言
 給付型奨学金の導入
 教育支援センターの設置
大学進学の機会平等
60
お世話になった方々

磯田文雄先生

鎌田薫先生

常森裕介様

NPO法人「一粒の麦アーク」の皆様

滋賀県教育委員会の皆様
61
参考文献
・『学歴分断社会』吉川徹,2009
・『日本の教育格差』橘木俊詔,2010
・『教育と平等』苅谷剛彦,2006
・「日本学生支援機構HP」http://www.jasso.go.jp/shougakukin/
・「OECD 国際教員指導環境調査(TALIS) のポイント」
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=0DE6D8B7B75B8523&
resid=DE6D8B7B75B8523%21224&app=WordPdf
・「我が国の教育行財政について」文部科学省
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/bunka/dai3/dai1
/siryou4.pdf
ご清聴ありがとうございました。