Transcript 観察者向きの提示
共同外出の感覚を作る
遠隔コミュニケーションシステム
ちょう
けいしゅん
張 慶椿
コンピュータサイエンス専攻
指導教員:田中 二郎
はじめに
ビデオ通信に関する応用は主に相手を映
した前提で開発した、我々はその相手を
映した以外の方向に注目する
「相手がそばにいる」といった共同活動
感覚がコミュニケーションには不可欠の
要素であると考える
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研究目的
本研究は「相手と一緒に外出する感覚」を作
り出すことを目的にする。また、この感覚を
「共同外出感」と定義する
共同外出感は、実際に外出してない人に、人
と共に外出するような感覚、体験を与える
我々はパンチルトカメラと没入空間を組み合
わせによって共同外出感を与えるシステムを
開発する
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共同外出感
利用者は移動者(実際外出者)と観察者(擬
似外出者)に分かれている
我々は両者に、共同外出感を与える
実際外出者(移動者)
擬似外出者(観察者)
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システム概要
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5
デモビデオ
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観察者の自由視野獲得
観察者の振り向きによって移動者側のパンチルトカメラを回
転させる(パン128度、チルト64度)
コントローラの操作により遠隔映像をズームイン、ズームア
ウトもできる
観察者側では、HMDもしくは回転式プロジェクタを用いて没
入表示空間で構成され、遠隔映像を表示する
元の向き方向
新しい向き方向
移動者側のカメラは観察者の
向きによって回転する
センサーで観察者の水平向き方向と傾き角
度を検知できる
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回転式プロジェクター
回転式プロジェクタは観察者の向きに追従し、見ている方向に投影する
HMDと比べて観察者へ負担の軽減させ、より良い視野範囲と臨場感が得
られる
回転式プロジェクター
観察者の向き方向に追従する投影画面
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向き情報の提示
観察者向きの提示
ヘルメットにある方向表示LED
バーを用いて観察者の向き情報を
移動者に伝える
LEDの発光位置により、相手は何
処を向いているを把握できる
移動者向きの提示
移動者の水平角速度を計測するこ
とで、振り向くを検知することが
できる
検知した振り向き方向は、矢印と
して観察者側GUI画面表示する
表示されるのは、左向き、右向き
と後ろ向き三種類の矢印になる。
移動者側
観察者の向き方向に合わせ
てLEDが発光する
移動者が右に振る向いた場合の
GUI画面
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共同注目のインタラクション
共同注目
移動者と観察者は共に一
つの方向に注目すること
お互いの注目情報を把握
すると、相手の興味が分
かり、会話も促進される
共同注目支援ツールは両
者の行動によって自動的
に起動する他、相手の要
請により起動するも可能
実在する移動者と仮想存在の
観察者が一つのパソコンを注
目する
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共同注目-カメラの視線を一致させる
1、観察者はある方向に向く
2、遠隔カメラを動かす
3、向き情報を移動者に伝える
共同注目
4、移動者もその方向に向く
5、カメラは正面に戻る
6、観察者に知らせる
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身体動作によるコミュニケーション
叩く
コントローラを持って前後振ると、
相手側頭部に振動を与える
目の前に手を振る
観察者がコントローラを持って左
右振ると、移動者にLEDの左右巡
観察者コントローラを握って振る
り発光表現で提示する
LEDバーの左右巡り発光表現
移動者のヘルメットは振動する
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システムの実装(1/3)
移動者側システムと観
察者側システムに分け
られる
それぞれのアプリケー
ションはセンサーの制
御、動作の認識と表示
提示機能を勤める
システムは機能別でモ
ジュール化される
システムのハードウェア構造
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システムの実装(2/3)
移動者側システム
センサーで移動者の振り向き動作を
計測
パンチルトカメラの制御
LEDバーの発光制御
映像と音声の送受信
移動者ヘルメット
LEDバー発光の仕方
移動者外出の様子
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システムの実装(3/3)
観察者側システム
地磁気センサー、加速
度センサーをもちいて
観察者向き方向と姿勢
を計測
GUIと操作インタ
フェース
回転式プロジェクター
の制御
(ステッピングモータ
とArduino駆動回路を
使用)
観察者側GUI画面
回転式プロジェクター
センサー装置とHMD
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評価実験
被験者人数:5人
場所:観察者は実験室A、移動者は実験室Bにいる
実験条件:被験者は予め約20分の説明とトレー
ニングを受け、交代して観察者とも移動者ともを
勤める。実験ケースを遂行した後、アンケートを
受ける
実験目的:共同外出感の達成とシステム機能の有
効性を証明する
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実験環境
映像、音声の通信はWindows Live Messengerを使用する
移動者の通信環境はEMobile HSPA+ によるワイアレス通信
実測速度は
UP:1.4MBps DOWN 3.2MBps
観察者の通信環境は有線LANにする
カラー付きの四角錐
壁に貼る番号付きのポスター
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実験ケース
ケースA:移動者は室内で歩きながら、観察者は
周囲を見渡して、壁に貼っているポスターを探し
出す
目的:自由に周囲を見渡せるかどうかを検証
ケースB:観察者は七つのカラー付三角錐の内一
つを注目し、ついに移動者は共同注目支援機能を
用いて三角錐を特定する。
目的:共同注目支援は効果あるかを検証
ケースC:観察者がコントローラを振って身体的
動作メッセージを送信する。移動者はそれを確認
し、観察者が注視しているポスターを特定する
目的:言葉せずにコミュニケーションが取れるか
どうかを検証
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実験結果
実験回数
成功率
ケースA
7
71.4%
ケースB
10
40%
ケースC
5
80%
アンケート
(点数は5~1まで、5は非常に同意、1は非常に同意しない)
質問内容
相手と共同活動する感じはありましたか?
自由に周囲を見渡すことができたか?
相手の向き方向を把握できたか?
画面は揺れましたか?
人数
5
3
5
3
平均点数
3
2.6
3
5
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実験の検討
ケースB成功率の低下について
観察者はカメラを越してカラー付の三角錐を特定す
るが、カメラを越して物体の色を確認するのは難し
いとみられる。また、三角錐と三角錐の間の距離は
十分に開いてないも原因になる
画面の揺れについて
移動者はまだ観察者を意識してないが揺れの原因
と考れる。また、実験用のヘルメットサイズは固
定されているため、頭のサイズにより画面の安定
性も影響を与えるのも観察された。
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関連研究
Head Mounted Display (HMD)によるSharedView Systemを用いた遠隔指示・支援システム
の検討
太田祥一, 行岡哲男, 山崎敬一, 山崎晶子, 葛岡英明, 松田博青, 島
崎修次
日本救急医学会雑誌, Vol.11, No.1, pp.1-6, 2000.
実施者と指示者と分けており、実施者はHMDと
カメラを装着して、指示者は音声と画面上の指
さしにより救急蘇生法の指示を行う。
実空間上の遠隔コミュニケーションを支援する
システムの開発
小山 慎哉, 葛岡
No.1 2004
実施者
英明, 上坂
純一, 山崎
敬一, IPSJ Vol.45
操縦者の首振りによってロボットの頭部回転を
制御して、ロボットからリアルタイム映像を操
縦者側に伝達する。まだ、操縦者はロボットの
指示用腕を制御して、遠隔指示を行う。
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まとめ
本研究では「共同外出感」という概念を定義し、
その感覚を与える手法を提案、実装した
我々は
「自由視野の取得」
「向き情報の共有」
「共同注目行為の支援」
「身体的動作等によるコミュニケーション手法」
以上4つの手法の実装を行い、評価実験を行った。
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今後の展望
移動者側のカメラの設置位置の変更
移動者視野からカメラ視野をを独立させるこ
とで、観察者にとってより自由かつ妨害され
にくい操作を行うことができる
3Dアバターの採用
3Dアバターでお互いの体の動作と向きを確認
し、よりそばにいるような感覚を得られる
観察者は移動者と並んでいるような表現手法
観察者は移動者と一体せずに独立させ、共同
活動の感覚を促進する
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おわり
ご清聴どうもありがどうございました