20121121カーボカウントの基礎

Download Report

Transcript 20121121カーボカウントの基礎

カーボカウントの基礎
食後高血糖を考える
~カーボカウントの基礎から実際まで~
川越地域糖尿病療養研究会講演会
埼玉医科大学 かわごえクリニック 6階 大講堂
2012年11月21日 19:10~19:50
埼玉医科大学 総合医療センター 内分泌・糖尿病内科
Department of Endocrinology and Diabetes,
Saitama Medical Center, Saitama Medical University
松田 昌文
Matsuda, Masafumi
「糖(ブドウ糖)を数える?」
⇒ カーボカウント
•糖尿病ってどんな病気?
•血糖って何?
•血糖が上昇するのはなぜ?
•血糖はどこまで下げたらよいのか?
•血糖を下げるにはどうするのか?
•カーボカウントを活用しよう!
「糖(ブドウ糖)を数える?」
⇒ カーボカウント
•糖尿病ってどんな病気?
•血糖って何?
•血糖が上昇するのはなぜ?
•血糖はどこまで下げたらよいのか?
•血糖を下げるにはどうするのか?
•カーボカウントを活用しよう!
糖尿病 とは?
血糖が上昇する病気です
HbA1C(NGSP) 6.5%以上
空腹時 126mg/dl以上,
随時血糖 200mg/dl以上,
負荷後 200mg/dl以上
放置すると合併症
(糖尿病の診断基準の血糖値は合併症発症で決めている!)
糖尿病 とは?
血糖が上昇する病気です
HbA1C(NGSP) 6.5%以上
空腹時 126mg/dl以上,
随時血糖 200mg/dl以上,
負荷後 200mg/dl以上
放置すると合併症(網膜症)
(糖尿病の診断基準の血糖値は合併症発症で決めている!)
「糖(ブドウ糖)を数える?」
⇒ カーボカウント
•糖尿病ってどんな病気?
•血糖って何?
•血糖が上昇するのはなぜ?
•血糖はどこまで下げたらよいのか?
•血糖を下げるにはどうするのか?
•カーボカウントを活用しよう!
ブドウ糖とは?
ヒトの脳の唯一のエネルギー源
MANN, F. C., and MAGATH, T. B. (1922).-Arch. Intern. Moo. 30: 171.
検査値としての血糖は
plasma glucose: PG
(mg of glucose per dl
of plasma)で表記され
ます。
低血糖対策!
必ずブドウ糖を用いる 10gで血糖50mg/dl上昇
血糖値の調節
血糖値は制御され
た値であり制御機
構が正常なら全く
血糖は上昇しな
い!
膵臓
脂肪組織
インスリン
↑
尿糖
血糖
200 g/日
Plasma Glucose
Blood Glucose
グリコーゲン
乳
酸
肝臓
120g/日
グリコーゲン
筋肉
脳
(食事)
40g/日 その他のブドウ糖
のみ用いる組織
 脳はブドウ糖しかつかいません。
 ブドウ糖のつらなっている「でんぷん」を含
む食物を主食にしています。
(ごはん、パン、麺類、穀類など)⇒ブドウ糖
 1日に脳は120gブドウ糖を使います。
 標準的な食事(1日2000kcal設定)の
1食のごはんは200g [320kcal]
米でんぷんは 87.4g相当 = ブドウ糖97.1g
1食のパン 6枚切(60g) 2枚 [320kcal]
 10gのブドウ糖で血糖は約 md/dl上昇。
(上昇しないように調節されています)
 脳はブドウ糖しかつかいません。
 ブドウ糖のつらなっている「でんぷん」を含
む食物を主食にしています。
(ごはん、パン、麺類、穀類など)⇒ブドウ糖
 1日に脳は120gブドウ糖を使います。
 標準的な食事(1日2000kcal設定)の
1食のごはんは200g [320kcal]
米でんぷんは 87.4g相当 = ブドウ糖97.1g
1食のパン 6枚切(60g) 2枚 [320kcal]
 10gのブドウ糖で血糖は約50md/dl上昇。
(上昇しないように調節されています)
「糖(ブドウ糖)を数える?」
⇒ カーボカウント
•糖尿病ってどんな病気?
•血糖って何?
•血糖が上昇するのはなぜ?
•血糖はどこまで下げたらよいのか?
•血糖を下げるにはどうするのか?
•カーボカウントを活用しよう!
血糖値の調節
血糖値は制御され
た値であり制御機
構が正常なら全く
血糖は上昇しな
い!
膵臓
脂肪組織
インスリン
↑
尿糖
血糖
200 g/日
Plasma Glucose
Blood Glucose
グリコーゲン
乳
酸
肝臓
120g/日
グリコーゲン
筋肉
脳
(食事)
40g/日 その他のブドウ糖
のみ用いる組織
血糖がちょっと高めの段階から膵β細胞量は低下している
250
p<0.001
200
p<0.01
150
100
膵臓β細胞量
ß-cell Volume
(%)
空腹時血糖
FPG
(mg/dl)
124 autopsies 剖検例の解析
50
正常血糖
血糖上昇
糖尿病
4
3
p<0.01
2
p<0.001
1
0
正常血糖
血糖上昇
糖尿病
Butler et al, Diabetes 52:102-110,2003
IGTの段階から膵β細胞機能は低下している
膵β細胞機能
∆ INS/ ∆ GLU ÷ IR
40
Lean
30
Gastaldelli, Ferrannini, Abdul-Ghani, DeFronzo,
Diabetologia 41:31-39, 2004;
JCEM 90:493-500, 2005;
Diabetes 55:1430-35, 2006
20
10
Obese
0
正常血糖 耐糖能異常 糖尿病
2-Hour PG
(mg/dl)
「糖(ブドウ糖)を数える?」
⇒ カーボカウント
•糖尿病ってどんな病気?
•血糖って何?
•血糖が上昇するのはなぜ?
•血糖はどこまで下げたらよいのか?
•血糖を下げるにはどうするのか?
•カーボカウントを活用しよう!
糖尿病 とは?
血糖が上昇する病気です
HbA1C(NGSP) 6.5%以上
空腹時 126mg/dl以上,
随時血糖 200mg/dl以上,
負荷後 200mg/dl以上
放置すると合併症(網膜症)
(糖尿病の診断基準の血糖値は合併症発症で決めている!)
網膜症の発生率
糖尿病を診断する閾値となるA1Cは?
A1C
9ヶ国19,000人の解析
HbA1c で 6.5%未満に
DIABETES CARE 32:1327, 2009
血糖コントロールと合併症発症との関連
細小血管合併症の発症は血糖コントロール状態に強く依存するが、
動脈硬化症は軽度の高血糖状態でも発症リスクが高まる
( / 1,000人・年)
合併症発症数
60
冠動脈疾患(心筋梗塞)
細小血管合併症
40
20
0
5.0
6.0
7.0
8.0
HbA1C
9.0
10.0
11.0 (%)
<UKPDS(UK Prospective Diabetes Study)35. BMJ 321:405-412, 2000 より引用>
妊娠糖尿病 とは?
血糖が上昇する病気です
空腹時 92mg/dl以上,
負荷後1時間 180mg/dl以上,
負荷後2時間 153mg/dl以上
放置すると合併症
妊娠糖尿病 とは?
血糖が上昇する病気です
空腹時 92mg/dl以上,
負荷後1時間 180mg/dl以上,
負荷後2時間 153mg/dl以上
(どれか1つ)
放置すると合併症(巨大児など)
(糖尿病の診断基準の血糖値は合併症発症で決めている!)
The group developed diagnostic cut points for the fasting, 1-h, and 2-h plasma glucose
measurements that conveyed an odds ratio for adverse outcomes of at least 1.75
compared with women with the mean glucose levels in the HAPO study (23316 pregnant
women). 平均血糖 (FPG 80.9mg/dl, 1-h PG 134.1mg/dl, 2-h PG 111.0mg/dl) の女性に比
較し1.75倍以上のリスクとなる血糖が閾値
「糖(ブドウ糖)を数える?」
⇒ カーボカウント
•糖尿病ってどんな病気?
•血糖って何?
•血糖が上昇するのはなぜ?
•血糖はどこまで下げたらよいのか?
•血糖を下げるにはどうするのか?
•カーボカウントを活用しよう!
血糖値の調節
血糖値は制御され
た値であり制御機
構が正常なら全く
血糖は上昇しな
い!
膵臓
脂肪組織
インスリン
↑
尿糖
血糖
200 g/日
Plasma Glucose
Blood Glucose
グリコーゲン
乳
酸
肝臓
120g/日
グリコーゲン
筋肉
脳
(食事)
40g/日 その他のブドウ糖
のみ用いる組織
血糖を上昇させない基本
ブドウ糖を摂取しすぎない(ごはん
の重さを測ってください)
肝臓にブドウ糖をたくさん作らせる
原料を与えない(カロリー制限)
油ものを控える
体をなるべく動かす
そして病気なので薬を使用
経口血糖降下薬の作用部位
α-グルコシダーゼ阻害薬
SU薬,速効型インスリン分泌薬
インクレチン薬
(GLP-1, DPP-4阻害薬)
腸
膵臓
炭水化物吸収
インスリン分泌低下 = インスリン不足
高血糖
 グルコース利用 = インスリン抵抗性
 肝臓ぶどう糖産産生
筋肉
肝臓
ビグアナイド薬
(SGLT-2阻害薬)
チアゾリジン薬
2型糖尿病患者介入アルゴリズム
インスリン強化療法
Mono therapy
生活習慣改善
HbA1c(NGSP値) >10.0%
診断
(放置すると問題)
HbA1c(NGSP値)<6.9%
Glinide/α-GI/ DPP4I
+
TZD/BG
維持療法
HbA1c(NGSP値) ≧6.9%
GLP-1 analogue・SU
+
(TZD/BG)
+
(α-GI/DPP4I/Glinide)
「糖(ブドウ糖)を数える?」
⇒ カーボカウント
•糖尿病ってどんな病気?
•血糖って何?
•血糖が上昇するのはなぜ?
•血糖はどこまで下げたらよいのか?
•血糖を下げるにはどうするのか?
•カーボカウントを活用しよう!
血糖を上昇させない基本
ブドウ糖を摂取しすぎない(ごはん
の重さを測ってください)
肝臓にブドウ糖をたくさん作らせる
原料を与えない(カロリー制限)
油ものを控える
体をなるべく動かす
そして病気なので薬を服用
内臓肥満(内臓脂肪)は見かけでは
わからない!?
31
http://cde.diabetes-smc.jp/
BMIを調べよう!
インターネットや携帯電話からカロリー設定を計算してみましょう
インターネットや携帯電話からカロリー設定を計算してみましょう
1日摂取カロリー
1食分のブドウ糖の量
(ごはんやパンの量)
 脳はブドウ糖しかつかいません。
 ブドウ糖のつらなっている「でんぷん」を含
む食物を主食にしています。
(ごはん、パン、麺類、穀類など)⇒ブドウ糖
 1日に脳は120gブドウ糖を使います。
 標準的な食事(1日2000kcal設定)の
1食のごはんは200g [320kcal]
米でんぷんは 87.4g相当 = ブドウ糖97.1g
1食のパン 6枚切(60g) 2枚 [320kcal]
 10gのブドウ糖で血糖は約50md/dl上昇。
(上昇しないように調節されています)
【例】
10gのブドウ糖を1カーボとします。
(本来はブドウ糖相当の糖質何gかを考えるのでよいのですが)
10gのブドウ糖は 血糖を約 50mg/dl上昇させます。
1単位のインスリンは血糖を約 50mg/dl低下させます。
10gのブドウ糖を摂ると 1単位のインスリンが余分に必要です。
(自分でインスリンが出せる場合にはこの1単位を自分で出しています。)
日本と米国の違い
• 低血糖は 米国では 15gで15分
(15/15ルールで対応)
• 日本は 10gで30分のルール
米国では15gのブドウ糖が1カーボとすること
が多い
ただし基本は
糖質のg数のカウントでOK!
カロリー(食事量単位)との関係
80kcal = 1 単位
糖質40kcal = 1 カーボ
(ブドウ糖10g)
食事のほぼ半分のカロリーは 糖質(ブドウ糖)で摂取する
食後追加インスリン分泌補充として
インスリンを打つ目安はとなる
カーボ(炭水化物)!
インスリン量は あくまで 食後追加補充量
食後 糖質以外から 肝臓で作られるブドウ
糖には 基礎インスリン分泌補充量を補う。
インスリンが出ない場合には1日約40単位くら
いのインスリン補充が必要
更に ブドウ糖濃度の上がり方
の違い: Glycemic Index
結局は吸収されインスリン量にはあまり影響しない。
しかし 2型糖尿病では Bのパターンがよい。
食品のカーボ(炭水化物)含量
推定 150g
インスリンがなければ
血糖は750mg/dl
ブドウ糖とは?
ヒトの脳の唯一のエネルギー源
MANN, F. C., and MAGATH, T. B. (1922).-Arch. Intern. Moo. 30: 171.
検査値としての血糖は
plasma glucose: PG
(mg of glucose per dl
of plasma)で表記され
ます。
デンプン(炭水化物)
ブドウ糖相当
にすると重さが
10%増える。
主なカーボ(炭水化物)含量食品
http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000500/hpg000000413.htm
http://images.google.co.jp/imglanding?imgurl=http://annoniwa.img.jugem.jp/20060921_176760.JPG&imgrefurl=http://annoniwa.jugem.jp/%3Fmonth%3D200609&usg=__POk4o8n58OQn
WDuIREUd4rvQ14s%3D&h=323&w=430&sz=79&hl=ja&tbnid=N44aDhbLq3iRMM:&tbnh=95&tbnw=126&prev=/images%3Fq%3D%25E3%2582%25A4%25E3%2583%25A2%26gbv%3D2%26
hl%3Dja&q=%E3%82%A4%E3%83%A2&gbv=2&start=0
http://images.google.co.jp/imglanding?imgurl=http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/cc/a3d54a48e9e585b241631115707da857.jpg&imgrefurl=http://blog.goo.ne.jp/tiger43/m/200612&us
g=__4VWAWfvIUCBxaOkyApRhSs7YkAU%3D&h=300&w=500&sz=280&hl=ja&um=1&tbnid=sfVLxLHJBoVMfM:&tbnh=78&tbnw=130&prev=/images%3Fq%3D%25E9%25BA%25BA%25E9
%25A1%259E%26hl%3Dja%26lr%3D%26rlz%3D1W1GGLD_ja%26sa%3DN%26um%3D1&q=%E9%BA%BA%E9%A1%9E&lr=&rlz=1W1GGLD_ja&sa=N&um=1&start=0
津田謹輔:よくわかるカーボカウントより
主な食品のカーボ(炭水化物)含量
「糖(ブドウ糖)を数える?」
⇒ カーボカウント
•糖尿病ってどんな病気?
•血糖って何?
•血糖が上昇するのはなぜ?
•血糖はどこまで下げたらよいのか?
•血糖を下げるにはどうするのか?
•カーボカウントを活用しよう!
2012年11月14日
埼玉りそな銀行川越支店 国・登録有形文化財
大宮ソニックシティビル