情報文化

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1.情報文化の枠組み
• 情報と文化
– 情報
– 文化
• 情報文化
– 文化情報
– 情報文化
2015/4/10
文化 culture
• 社会を構成する人々によって習得・共有・伝
達される
• 行動様式ないし生活様式
(習慣・様式・しきたり・習得された行動)
• 価値観
• 精神的活動の成果物
• 言語・習俗・道徳・宗教・制度など
• 個別文化は独自の価値を持つ
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文化の対象範囲
• 1 【生活/行動様式】
• 2【価値観】
– 社会を構成する人々によって習
得・共有・伝達される行動様式な
いし生活様式の総体(その土地・
社会の)
– 習慣・様式・しきたり・習得された
行動
– 言語・道徳、習俗/慣習、制度/法
律、宗教など
– それぞれの人間集団は個別の
文化を持ち、個別文化は独自の
価値観を持つ。意識・感性・関
心・価値観の基盤。
• 3【精神的活動の成果物】
– 芸術・音楽・文学・学問
• 4【文明】 civilization
– 「人間の技術的・物質的所産」
から作られる精神的成果物
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文化の例
• 言語
– 思想・感情・意志などを互いに伝達しあうための社
会的に一定した組織をもつ、音声による記号とその
体系。あるいは伝達しあう行為。統治手段となる。
• 道徳
– ある社会で人々が善悪・正邪を判断し、正しく行為
するための規範の総称。
• 習俗(風俗/風習/ならわし)
– ある社会内で習慣となった生活様式。
• 制度
– 国家・社会・団体を運営するための法や規則
– 社会的に公認され定型化されているきまりや慣習。
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日本語の文化
•
日本語の文化
• 日本語の文化は、英語の
習慣に相当することが多
① 社会を構成する人々に
い
よって習得・共有・伝達さ
– 食文化
れる行動様式ないし生活
• food culture
様式の総体。
• Food manner
② 世の中が開けて生活水
• Food habit
準が高まっている状態
• Food custom
(注)
– 情報文化
③ 学問・芸術・宗教・道徳な
• Information culture
ど、主として精神的活動
• Information manner
から生み出されたもの
• Information habit
世界大百科事典,goo辞書
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英語の文化
Oxford Advanced Learner’s Dictionary
① 生活様式


個別の国やグループの習慣、信仰、芸術、生活様式、組織
の様式
the customs and beliefs, art, way of life and social
organization of a particular country or group
② 信念/態度


特定のグループや組織で共有する信念や態度
the beliefs and attitudes that people in a
particular group or organization share:
③ アート/音楽/文学


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グループとして考えられるアート、音楽、文学
art, music, literature, etc., thought of as a group
文化のとらえかた
• 文化人類学からみた文化(生活/行動様式)
– 文化または文明とは,知識,信仰,芸術,道徳,法律,
慣習その他,社会の成員としての人間によって獲得さ
れたあらゆる能力や慣習の複合総体である (E.B.タイ
ラー,原始文化,1871)
• 社会学からみた現代における文化
– 文化とは何かと問うことよりも,文化は社会のなかでい
かなる作用や機能を果たしているかが問題とされる。
– 現代の機能合理性的な価値を前提とした社会における
文化は,社会構造から乖離 (かいり) してきていること。
– 地域社会の変容とインターネットコミュニティ
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情報 information
• 情報行動から得られるもの
• 習慣、事実、経験から習得する
• 知識/認識
• コミュニケーション
• 情報の持つ意味
• 知らせること
• ニュース、報道、話など告げられること
• マスメディア
• 情報技術の扱う対象
• インターネット,Web
• コンピュータに蓄積し検索できるデータ
• 通信によって伝達される内容
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情報の語源
• 英語のインフォメーション(Information)が語源
– Informationの語源はラテン語のインフォマーレInformare
(形づくる,形式)から派生した名詞形(対格)
– Infomare(動詞)→informatio(名詞)→informationem
– 14世紀後期 (ルネサンス, 室町)
• もともと「形の定かでないものや形になる以前の状
態のものに形を(対格)与える」ことを意味する
– 情報とは、知識や認識そのものをいうのではなく、それに
形を与える材料や素材を意味する
– 日本科学技術情報センター、1995
• 情報社会
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• 日本語にない informationの意味
– 案内 i
– 訴訟、告訴状
• リテラシー
– 日本語:Literacy能力、読み書きの能力
– 英語:literate(形容詞/名詞)
• 読み書きのできる状態(人)
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情報の対象範囲
1【情報行動に関する】
– 習慣/事実/経験から習
得する知識・認識
– コミュニケーション
2【情報の持つ意味】
– 知らせること
– ニュース、報道、話など
告げられること, 知らせ
– マスメディア
3【情報技術の扱う対象】
– コンピュータに蓄積し
検索できるデータ
– 通信により伝達される
内容
4 形を与えるもの
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情報文化
情報技術が文化にどのような影響を与えているか
社会(文化)
情
報
通
信
技
術
視点2:コミュニティの変化とグ
ローバル化
個人
視点1
情報技術
による行
動様式の
変化
人間の情報行動
–コミュニケーション
–情報伝達・メディア
-意志・判断
個人の生活
–多量の情報流通
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視点3
情報行動
とアイデ
ンティ
ティ
グローバル化
・文化の画一化
・機能社会
・社会の分断
地域化
・地域の価値観(言語、
道徳、宗教、制度)
・社会の行動様式・生
活様式(言語、道徳、
宗教、制度、習慣、様
式、しきたり)
・個人の意識・感性・
関心・価値観
視点1情報技術による行動様式の変化
1~5回
• 情報技術の進展により新たに作られる社会様式/行
動様式と,その様式に向き合う人の態度
• 情報技術/情報通信技術
– IT/ICT(Information and Communication Technology)
– コンピュータ、インターネット、携帯電話
• 情報の価値と影響力
– 情報は人間とともに存在してきた
– 情報技術の発展により情報の価値が飛躍的に増大
• 情報通信技術が社会や人に大きな変化を与える
– 新しい行動様式・生活様式の誕生
– 利便性・効率化などの様式
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具体事例
• 書類
– 手書きからワープロへ
• 音声通話
– 固定電話から携帯電話へ
• Webサイトの閲覧
– パソコンから携帯そしてスマートフォンへ
• 買い物
– 小売店からネットショッピングへ
• 通信
– メール(郵便)からe-メールへ
• 連絡
– 電話からメールへ
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視点1
新しい行動様式/生活様式
1. 利便性の追求
2. 効率化の追求
3. 時空間の拡大
4. 容易な情報発信
5. 膨大な情報利用
6. 人間関係の希薄化
7. 脳機能の拡大
8. 選択行動
9. 生涯学習
10. 考える時間の増加
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11.思考・情報の断片化
12. ランキング情報の利用
13. 膨大な情報利用
14. 外付け脳
15. 遠隔双方向コミュニケー
ション
16. 知識基盤社会
17. メディアの多様化
18. 情報共有/集合知
19. 監視社会
20. 管理社会(IDカード)
21. 電子政府
視点2:コミュニティの変化とグローバル化
6-10回
• 機能社会の進展
– 地域コミュニティーの衰退と機能社会の増大
– インターネットコミュニティの出現
• グローバル化の実現
– 経済・政治・文化のグローバル化の進展
– 情報技術の発展と組織・企業活動の変化
• グローバル化と地域/社会の分断
– 分断と地域化の進行
– 文化(地域の社会様式や地域の価値観)への影響
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機能合理性的な価値を前提とした社会
における文化
– インターネットコミュニティ
• 情報技術の進展により登場したインター
ネットコミュニティにおける新しい行動様
式
5-6回
– グローバル社会における文化
7-10回
• 情報技術が実現したグローバル社会におけ
る文化の画一化・均質化・平準化
• 情報伝達言語としての英語の存在感の増大
と、英語の文化への影響
–
社会構造と文化のかい離
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視点3 情報行動とアイデンティティ
11-15回
• 自己のアイデンティティの確認
– 個人アイデンティティと社会アイデンティティ
– 多文化の尊重
– 地域(日本社会)の理解
• 情報行動の重要性の理解
– ルールの順守(内部統制)
– 倫理に外れない行動(コンプライアンス)
– 知識ベース社会の認識
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講義の目的(再確認)
• 視点1情報技術による行動様式の変化
• コンピュータを中心とした情報通信技術の発展が、社会様式
や生活様式に大きな変化を与えている。
– 目的:情報技術が実現した新しい行動様式は利便性を
優先している。価値の創造や自己実現に結びつけるため
の態度について考察する。
• 視点2:コミュニティの変化とグローバル化
• 情報技術がインターネットコミュニティやグローバル化を実現
し、その結果として民族、国民、社会、組織の様式に対し影
響を与えている。
– 目的:地域社会構造の変化を認識し、文化の均質化と社
会の分断が進行している現状を把握する。
• 視点3 情報行動とアイデンティティ
– 目的:個人が情報化とグローバル化に対応するためには、
ルールを尊重した情報行動と自己のアイデンティティの
2015/4/10確認が重要であることを理解する
<成績評価法>
• 学期末に行う筆記試験で評価する。
• 学期末に行う筆記試験は、3分野から1問づつ、
計3問出題する。
• 視点1情報技術による行動様式の変化
• 30%
• 視点2:コミュニティの変化とグローバル化
• 30%
• 視点3 情報行動とアイデンティティ
• 40%
• 1/3以上欠席した場合評価の対象としない
• 配布資料 http://www.nuis.ac.jp/~takagi/
• 前年度文も全てUPしています。予習に使用してください。
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演習問題
• 英語の文化の意味に含まれないものを選
択せよ。
• 日本語の文化の意味に含まれないものを
選択せよ。
①個別の国の習慣
②個別の国の生活様式,
③世の中が開けて生活水準が高まっている状態
④特定の組織で共有する信念
⑤特定の地域の音楽
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