2009ぶつりを楽しむ実験教室「光の科学」

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第33回 科学を楽しむ実験教室
光 の 科 学
ー 7色の虹を作ろう ー
期日: 2013年3月24日(日)
場所: 佐賀県立宇宙科学館
担当: 村上 明
2013年3月24日(日)
科学を楽しむ実験教室
「光の科学」
1
は じ め に
じっ けん


実験の内容
光の通り道を見よう (実験1)
ゆう
や

夕焼け色をペットボトルの中に作ろう(実験2)

白い光を七色の光に分けよう(実験3、実験4)
はん しゃ

くっ せつ
光の反射と屈折を見よう (実験5)
にじ

七色の虹を作ろう (実験6、実験7)
2013年3月24日(日)
科学を楽しむ実験教室
「光の科学」
2
夕やけ空はなぜ赤い?
ひる ま

なぜ昼間の空は青く、夕やけの空は赤いのでしょう?
さんらん
1) 光が空気によって散乱されるから。
2) 光の散乱の仕方が昼と夕方ではちがうから。
?
空気のない月では青空が見えません。 なぜでしょう?
2013年3月24日(日)
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じっ
けん
さん らん
実験1 光の通り道を見よう-光の散乱
(1) ペットボトルに半分ほど水を入れ、水の部分や空気の部分を横から
LEDライトの光で照らして、光の通り道が見えるか調べてみましょう。
(2) 次に、ペットボトルの水に牛乳をごくわずかだけまぜた
のち、上と同じようにLEDライトで照らして光の通り道が見え
るか調べてみましょう。
(3) ぺットボトルに「蚊とりジェット」のガスを入れLEDライトで
照らして光の通り道が見えるか調べてみましょう。
光が見えるのは、光を出しているものから直接
光が目に入る場合と、ものに反射(はんしゃ)
か散乱(さんらん)した光が目に入る場合があり
ます。上の例は、散乱した光を見ています。

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光の散乱
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地球の空はなぜ青い?
(イラストはNewton2007年7月号より引用)
●
●
●
太陽の光はいろん
な色の光のかさな
り合いです。
青色やむらさき色の
光は散乱されやすい。
赤色の光は散乱さ
れにくい。
地球上では、空気の分子によって、太陽の光のうち青い光が上空の
あちこちで散乱されて目に入るので空が青く見えるのです。
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ゆう や
夕焼け空はなぜ赤い?
(イラストはNewton2007年7月号より引用)
●
●
青色やむらさ
き色の光は散
乱されやすい。
赤色の光は散
乱されにくい。
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さん らん
太陽光の散乱と夕焼け空

光は、空気などの中を通っているときに、空気の分子や空気中の小さ
な粒によって散乱(さんらん)され進む向きが変わります。

むらさき色や青色の光は散乱されやすく、赤色の光は散乱されにくい
性質をもっています。

太陽の光は、青色や赤色などさまざまな色の光がかさなり合って白色
に見えているのですが、太陽が西の地平線に近くなると、太陽の光は
丸い地球の地表近くの大気中を長いきょり通ってくるため、青い光がと
ちゅうで散乱されて赤い光だけが通りぬけて来る割合が高くなります。

このために、赤い光だけが私たちの目にとどき太陽の光が赤く見えた
り、赤い光が雲に反射して私たちの目に入るのです。
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じっ
けん
実験2 夕焼け空をペットボトルの中に作ろう




水を入れたペットボトルに牛乳をごくわずかだけまぜ、
ペットボトルの底から白色LEDライトで照らします。
ペットボトルの口から中を見ると赤みがかって見えます。
また、ペットボトルを横から見ると、光が入ったあたりで
は、うすく青白い色に見えます。
水にまぜる牛乳の量はごくわずか(指先で数てき)です。
牛乳の量を少しずつ増やしながら赤色の光が見える
ように調節しましょう。
* 右の二つの写真はクリアカップに入れた水に牛乳を
少しまぜ下から光をあて、夕焼けを作ったものです。

これは、牛乳をまぜた水の中で白色光が散乱し、
夕焼け空のように見えたり、青空のように見えた
りするのです。
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じっ
けん
実験3 太陽の光は何色?

?
太陽の光や白色のLEDライトの光をCDにあてると虹色の光が見え
ますが、赤色(R)、みどり色(G)、青色(B)のLEDの光をCDにあてて
も、虹色の光は見えません。 ⇒ 実験でたしかめて見ましょう。
なぜ、白色の光の時だけ虹色の光が見えるのでしょうか?
⇒ 実験3
赤、みどり、青の三つのLEDからの光をかさねて
照らすと白色の光になることが実験で見えます。
赤、みどり、青がかさなり
あっているところが白色
にみえている。
白色光や太陽の光は、赤、みどり、青などいろいろな色の光がかさ
なり合ってできています。

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じっ
けん
はく しょく
こう
実験4 プリズムで白色光を7色に分ける

いろんな色の光がかさなりあってできている白色光をプリズムで元の
色の光に分けることができます。これを分光(ぶんこう)と言います。

手作りプリズム分光器で
白色光の分光を見ましょう。
→ 実験

光がある物質から別の物質(たとえば空
気からプリズム)へ通過するとき、そのさ
かいの面で光の進む向きが変わります。
これを光の屈折(くっせつ)と呼び ます。
プリズムで白色光を7色に分ける
白色光
プリズム
赤
黄
青
紫
くっ せつ

屈折の角度は光の色によってちがい、青色の光は大きな角度で向き
を変え、赤色の光は小さな角度で向きを変えます。
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じっ
けん
はん しゃ
くっ せつ
実験5 光の反射と屈折‐1


ペットボトルに半分ほど牛乳をまぜた水を入れます。
そのペットボトルの口から「蚊取りジェット」のガスを入れ、ガスをみた
したのち、ふたをしめます。

まず、レーザー光線をペットボトルにあてて、ガスの中や水の中で光
の通る道が見えることをたしかめておきましょう。

次に、ペットボトルのななめ上からガスと水
のさかいめにレーザー光線をあてると、ガ
スと水のさかいの面で光が屈折している
のが見えます。
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じっ
はん しゃ
けん
くっ せつ
実験5 光の反射と屈折‐2
光の屈折と反射 図1
ガスをまぜた空気
入ってくる光
反射する 光
空気と水のさかい
屈折する 光
牛乳をまぜた水
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じっ
けん
はん しゃ
くっ せつ
実験5 光の反射と屈折‐3

次に、レーザー光線を
ペットボトルのななめ下
から照らして水にあて
ると、右の図のように
水面で光が屈折や反
射するのが見えます。
光の屈折と反射 図2
ガスをまぜた空気
屈折する光
水と空気のさかい
入ってくる光
反射する光
牛乳をまぜた水
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じっ
にじ
けん
実験6 CDで虹色の光を見よう
CDの表側(みぞのある側)に光をあてると、虹色の光が見えます。
ここはむ
ずかしい
のでとば
してもよい
です。
CDには非常に細いみぞがきざまれていて、みぞのかんかく
はほぼ光の波長(はちょう)ていどです。CDの表面にあたっ
た光がみぞで反射するとき、波長のちがう光はそれぞれち
がった角度に反射されるので、色のことなる光は分かれて
見えるのです。
⇒ 「光の波長(はちょう)」については、最後のスライド#20「ふろく」
に説明があります。
ぶんさん

このことを利用して、CDとティッシュペーパー空箱で光を分散させ
そう ち
ぶんこう き
虹を作る 装置「CD分光器」を作りましょう。
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じっ
けん
実験6 ティッシュぺーパー空き箱とCDで
分光器を作ろう

くわしい作り方
を書いた「CD分
光器の作り方」
の説明書にした
がって「CD分光
器」を作りましょ
う。
光
スリット(2mm×3.0cm)
ティッシュペー パー 空き箱
かぶせる
ふ
た
CD とりつけ台紙を箱の底に 45 度傾けて
6cm
CD 固定
置き、はりつけ部分を箱の内側にテー プで
はりつける。
×

スリットから白色
光を入れ、のぞき
窓から見ると七色
の光が見えます。
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cm
45 度
3.5cm
2.5cm
入れる
のぞき窓(0.5cm×3.0cm)
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じっ けん
実験6 ティッシュぺーパー空き箱とCDで
分光器を作ろう


CDをティッシュペーパー空き
箱の底に45度の角度で固定
させる。
スリットから入ってきた光は
CDで45度に反射しのぞき窓
から外に出る。
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にじ
虹はどうして7色なの?

太陽の白い光が作る虹はどうして7色に見えるのでしようか?
(イラストは大日本図書高等学校
教科書物理Ⅰ より引用)
すいてき

太陽光が空気中の水滴に入り屈折・反射すると光の色によって屈折
の角度がちがうため、光が分れて進み、色によって見える角度が少
しずつずれるからです。このことを利用してクリアカップで虹を作って
みましょう。
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じっ けん
実験7 クリアカップで虹を作ろう ‐1

プラスチックのクリアカップ
に水を入れて右の図のよ
うに白色光をあてると虹が
できます。クリアカップの中
の水が空気中の水滴のや
くわりをしています。水滴に
太陽の光があたるように、
白色光をクリアカップにあて
ます。あてる角度を少しずつ
変えながら虹ができる角度
をさがしてみましょう。
くわしい実験の方法は次のスライド。
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じっ けん
実験7 クリアカップで虹を作ろう –2
1. クリアカップに水を入れて、左横ななめ手前からコリメータをつけたLEDラ
イトで照らし、クリアカップの上から光の通り道を見ましょう。
2. 水の中を通りぬけた光がカップのふちにあたって光っている線が見えま
す。 LEDライトの照らす角度や光がカップに当たる位置を変えてこの明る
い線がぼんやりと虹色に光って見えるところをさがしましょう。
3. この虹色に光っているところから反射してくる光がクリアカップを出ると虹
色の光が見えます。
4. 前のスライドの図を参考にし、クリアカップに入る光と反射して返ってくる
光のおたがいの角度に注意しながら、自分のすぐ右側に白い紙を立てて
そこに虹色の光がうつっていることをたしかめましょう。
5. クリアカップに光を入れる角度や反射した光を見る角度をいろいろと変え
て、はっきりと虹が見える位置をさがしましょう。
(ペットボトルに水を入れて同じように虹を作ることができます。)
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ま と め
 太陽光や白色光は、赤、緑、青、むらさきなどいろんな色の光をかさ
ね合わせてできているため白く見えます。
 ふつう、光はまっすぐに進みますが、空気中の小さな粒にあたると散
乱されるため、進む向きが変わります。散乱のされかたは光の色に
よってちがいます。青い光は散乱されやすく赤い光だけが通り抜け
てくるため、夕日は赤く見えます。
 光はちがう物質のさかい目で反射や屈折をします。このとき、色のち
がう光は、ちがった角度で屈折し、ちがった向きに進みます。
 白色光をプリズムを使って元の光の色に分けることができます。白
色光がCDや大気中の水の粒などで屈折や反射すると、色ごとに分
かれ、色のちがう光はちがった向きに進みます。このことを利用して
白色光から虹色の光を作ることができます。
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は
ちょう
ふろく: 光の色と波長と屈折

光は波長(はちょう)を持っています。
*波の山から山まで、谷から谷までの長さを「波長」と呼びます。
赤い光

光の色によって波長はことなり、赤色の光は
波長が長く、青色の光は波長が短い。
(右図 上: 赤色光

下: 青色光)
光が空気からガラスや
水に入ると、光の色が
青色に近い(波長が短
い)ほど屈折が大きく赤
色に近い(波長が長い)
ほど屈折が小さい。
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波長
波長
青い光
波長
波長
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ふろく: 宇宙の空はなぜ暗い?
•
宇宙からの映像を見ると、太陽の光はあるのに
宇宙の空は真っ暗です。
• 地球では空は青いのに、なぜ宇宙では真っ暗な
のでしょうか?
(右の写真はJAXAより引用)
それは宇宙には空気がないからです。

•
では、空気があるとなぜ地球では空が青く、夕焼
け空は赤いのでしょう?
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