Transcript 日本ヒーブ協議会 お客様対応基礎講座
日本ヒーブ協議会
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周年記念プロジェクト 「お客様の声を活かした取り組み
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事例」
2014 年 6 月 23 日 1
「一般社団法人 日本ヒーブ協議会」 とは
◆設立・・・・・・・1978年 ◆目的・・・・・・・企業の消費者関連部門などに働く女性 が、「生活者と企業のパイプ役」として、 より良い仕事をするためにその能力向上を図る ◆業種・・・・・・・食品・化学・電機・保険・流通・金融・マスコミ他 ◆職種・・・・・・・消費者対応・消費者教育・広報・商品開発・営業・ 品質保証・CSR部門他 ◆正会員・・・・・74社 91名 ◆賛助企業・・・21社 ◆東京・関西・九州にて活動 http : //www.heib.gr.jp/ 2
日本ヒーブ協議会 周年記念プロジェクト」 の骨子
<目的> * 3つの周年記念活動を通し、ヒーブの活動への 理解を深める。 * あわせて、「生活者視点・ヒーブ視点」の提言を、 企業および行政に働きかけ、 生活者・消費者への支援につなげることで、 健全で安全・安心な消費社会の構築に寄与する。
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日本ヒーブ協議会 周年記念プロジェクト」 の骨子
1.「お客様の声を活かした取り組み55事例」 冊子発行
2.新事業の発足 ① 消費者応援隊 ② 「電話・Eメールお客様対応マニュアル」活用 3.周年記念イベント 4
「お客様の声を活かした取り組み55事例」
消費者市民社会の実現に向けて ~これからのヒーブの役割を再考する~ 《目的》 「生活者・消費者」・「行政」・「企業」の 相互理解とコミュニケーションを図るための一助となり 互いが『連携・協働』し より良い社会を築けることを願うものでありたい。 5
「お客様の声を活かした取り組み55事例」 冊子構成 第1部 鼎談 「消費者市民社会の実現に向けて」 -これからのヒーブの役割を再考する 丹野 美絵子 様 独立行政法人国民生活センター 理事 片山 登志子 様 片山・黒木・平泉法律事務所 弁護士 近藤 特定非営利活動法人消費者支援機構関西 副理事長 康子 様 サントリービジネスエキスパート株式会社 お客様リレーション本部 顧問 6
「お客様の声を活かした取り組み55事例」 冊子構成 第2部 「お客様の声を活かした取り組み55事例」 第3部 日本ヒーブ協議会の研究活動 「わかりやすい表示の研究」 7
「お客様の声を活かした取り組み55事例」 ●異業種企業団体としても特性を活用。 ●事例を内容別に6つのカテゴリーに分類。
1.商品品質 2.表示 3.使い勝手 4.サービス・システム 5.新商品・新サービス 6.環境配慮・社会貢献活動
●お客様の現状や声を活かす着眼点への 理解を深め、今後の活動に活かす。
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「お客様の声を活かした取り組み55事例」
カテゴリー 1)商品品質 2)表示 3)使い勝手 4)サービス・システム 5)新商品・新サービス 6)環境配慮・社会貢献活動 事例数 13 14 7 3 12 6 内容 発売後にお客様視点から生まれた気づきにより、 容器・包装を含む商品品質を改善した事例 記載事項のわかりにくさや、思わぬ誤解を与える 表現など、企業側には思いもよらない消費者との ギャップを「よりわかりやすい」表示へと改善した事 例 容器や商品の仕様を変更したり、新たな機能を追 加して使い勝手を向上させた事例 多様な生活スタイルや考え方を持つお客様の利便 性を考慮し、サービス・システムやWebの改善に取 り組んだ事例 お客様視点に立ち、その声に耳を傾け、商品や サービスに付加価値を加えた事例 「環境に配慮した改善」「生活の安定に寄与する社 会貢献活動」「消費者のための啓発資料・教材の 発行」といった消費者教育の推進を図る取り組み の事例 9
紙 面 構 成
表題と事例内容 カテゴリー表示 改善等の取り組みに至った お客様の生の声 お客様の声から明らかに なった問題点 簡潔に、わかりやすく カテゴリーの統一感 臨場感のある声で 客観的に記述 問題解決への実行策 図や画像で、 わかりやすく 問題解決だけではなく、 一歩踏み込んで工夫した点 改善後などに寄せられた お客様からの反響 簡潔で、わかりやすく 実際のお客様の声で、 可能な限り数値化して 10
1.商品品質 ・・・13事例 発売後にお客様視点からの気づきにより、 容器・包装を含む商品品質を改善した事例 ①雪印メグミルク株式会社 「開封日がひと目でわかるように改善」 ②株式会社明治 「キャップを開けやすく改善」 ⑧森永乳業株式会社 「フタにヨーグルトの付かない材質を採用」 ⑨ユニ・チャーム株式会社 「紙おむつに『お名前スペース』を作成」 ③キリン株式会社 「キャップシールを開けやすく改善」 ⑩常盤薬品工業株式会社 「破損しくにいキャップに改善」 ④味の素ゼネラルフーヅ株式会社 「袋に穴が開かないように形状を改善」 ⑪大正製薬株式会社 「開封時のケガにご注意いただく 表示を改善」 ⑤日本製粉株式会社 「キャップを誤解なく、開けやすく改善」 ⑫株式会社資生堂 「飲用後、廃棄しやすい容器に改善」 ⑥日本ハム株式会社 「ピザを手で切り離せるように改善」 ⑦雪印メグミルク株式会社 「外箱を店頭で開けられないように改善」 ⑬三菱自動車工業株式会社 「日焼け防止に向けた改善」 11
1.商品品質 ・・・13事例 12
2.表示 ・・・14事例 記載事項のわかりにくさ、誤解を与える表現など ギャップを「よりわかりやすい」表示へ改善した事例 ①江崎グリコ株式会社 「調理方法や注意書きを内袋にも記載」 ②日本製粉株式会社 「イメージと異ならないように パッケージを改善」 ③味の素ゼネラルフーヅ株式会社 「レギュラーコーヒーであることが わかりやすい表示に改善」 ④株式会社ミツカン 「納豆の種類がわかりやすいように フィルムのデザインを改善」 ⑤キリン株式会社 「取扱注意喚起の表示を改善」 ⑥サッポロビール株式会社 「含有量表示をわかりやすく改善」 ⑦サントリービジネスエキスパート株式会社 「赤ワインの風味をわかりやすいやすい 表現に改善」 ⑧日新製糖株式会社 「情報提供型パッケージに改善」 ⑨タカナシ乳業株式会社 「ホイップのポイントがわかるように改善」 ⑩昭和産業株式会社 「栄養成分の表示をわかりやすく改善」 ⑪大塚製薬株式会社 「摂取量目安の表記をわかりやすく改善」 ⑫TOTO株式会社 「洗濯機の接続方法をわかりやすく案内」 ⑬ソネット株式会社 「入会証をわかりやすく改善」 ⑭明治安田生命保険相互会社 「部門横断で各種資料を わかりやすく改訂」 13
2.表示 ・・・14事例 14
3.使い勝手 ・・・7事例 容器や商品の仕様を変更したり、新たな機能を 追加して使い勝手を向上させた事例 ①株式会社ミツカン 「ふたを折ってたれをかける、簡単・便利な納豆を開発」 ②味の素株式会社 「キャップがきちんと閉まるように改善」 ③カゴメ株式会社 「キャップを拭き取りやすい形状に改善」 ④株式会社資生堂 「使いやすい容器へ改良」 ⑤アース製薬株式会社 「火災報知機の誤反応防止のための カバーを添付」 ⑥ライオン株式会社 「調理時の使いやすさを改善」 ⑦パナソニック株式会社 「手入れをしやすく改善」 15
3.使い勝手 ・・・7事例 16
4.サービスシステム ・・・3事例 多様な生活スタイルや考え方を持つ お客様の利便性を考慮し、サービス・システムや Webの改善に取り組んだ事例 ①トラクス株式会社 「ショールームの接客対応の改善」 ②ソネット株式会社 「会員向け
Web
ページのQ&A改善」 ③アフラック 「解約の申し出に対する受付態勢の改善」 17
4.サービスシステム ・・・3事例 18
5.新商品・新サービス ・・・12事例 お客様視点に立ち、その声に耳を傾け、 商品やサービスに付加価値を加えた事例 ①はごろもフーズ株式会社 「
100g
ずつの小分けタイプごはんを発売」 ⑦大正製薬株式会社 「服用量を調節しやすい便秘薬の開発」 ②森永乳業株式会社 「粉ミルクに新しい容器を採用」 ⑧株式会社ダスキン 「『おかたづけサービス』の開発」 ③株式会社タカキヘルスケアフーズ 「アレルギーの方も楽しめる商品を開発」 ④株式会社ダスキン 「おそうじ負担を軽減する新提案」 ⑨積水ホームテクノ株式会社 「毎日のお手入れが簡単な浴槽の開発」 ⑩日本生命保険相互会社 「保険をトータルコンサルティング できるように改善」 ⑤ユニ・チャーム株式会社 「香りつきマスクの開発」 ⑥ライオン株式会社 「簡単かつ安全な浴室の防カビ方法を 新提案」 ⑪日本生命保険相互会社 「難しい保険をわかりやすい保険に改善」 ⑫第一生命保険株式会社 「保険料を今までより早くお受け取り いただけるように改善」 19
5.新商品・新サービス ・・・12事例 20
5.新商品・新サービス ・・・12事例 21
6.環境配慮・社会貢献活動 ・・・6事例 環境・生活の安定のための社会貢献活動、 啓発資料・教材の発行などの消費者教育の推進を 図る取り組みの事例 ①株式会社ヤクルト本社 「容器の改良で環境負荷を低減」 ②日本ハム株式会社 「なるほど!納得!Q&A冊子」 ③アフラック 「『病気と闘う子どもたちとその家族の総合支援センター』を大阪にも開設」 ④明治安田生命保険相互会社 「生活関連情報を提供する冊子を発行」 ⑤第一生命保険株式会社 「消費者教育に役立つ教材と なるように改善」 ⑥積水化学工業株式会社 「エコで廃棄性を向上したテープ紙芯の開発」 22
6.環境配慮・社会貢献活動 ・・・6事例 23
6.環境配慮・社会貢献活動 ・・・6事例 24
冊子の活用事例
企業内での研修に活用 異業種や競合他社の取り組みを知ることで、 新たな工夫や発想に気づくことができる。 お客様の現状把握に活用 現在のお客様が何を求めているのか、 どうすると満足度が向上するか等を 把握する材料にする。 企業・消費者・行政の相互理解を図るための コミュニケーションツールとして活用 企業がお客様の声に真摯に取り組んでいることを、 知っていただくきっかけとする。 25
<研究活動> 生活者と企業のギャップを解消するための
「わかりやすい表示の研究」
核家族化 ・共働き イクメン ・カジメン 超高齢社会 新製品 新サービス
商品やサービスに対する 誤認や誤使用等のトラブルの増加!
生活者と企業、互いの認識の相違(ギャップ)を埋めるため 「表示」 26
<研究活動> 生活者と企業のギャップを解消するための
「わかりやすい表示の研究」
◆研究ステップ◆ 《 表示事例の収集 》 ・お客様の声や店頭調査でピックアップ ・事例シートを作成 《 評価項目の設定と評価 》 ・評価項目の設定(
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項目) ・収集事例の見やすさ、わかりにくさ評価 《 ルール策定と事例集作成 》 ・わかりやすい表示に必要な要件を抽出(ルール
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箇条) ・具体的な事例と補足資料の作成 27
“ヒーブ視点”のわかりやすい 表示のルール11箇条とポイント
①見やすい ②印象づけられる ③内容を理解しやすい ④買う時、使う時に役立つ
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“ヒーブ視点”のわかりやすい 表示のルール11箇条とポイント ①見やすい 1.小さくない・細かくない 望ましい文字の大きさは、 8ポイント以上。 イラストなどは必要以上 に微細に描かない。 2.情報を詰め込みすぎない 情報に優先順位をつけ、取捨選択する。 簡潔に表現。 3.見た目がよい すっきりと見せるレイアウト。 明度差が大きい色使い。 読みやすい文章表記。 29
“ヒーブ視点”のわかりやすい 表示のルール11箇条とポイント ②印象づけられる 4.目が引きつけられる 位置、大きさ、色等工夫し、 情報を目立たせ、目線を誘導。 5.整理してまとめる 共通・関連する項目をまとめ、 表などで情報全体を一覧 できるようにする。 6.情報を階層化し、メリハリをつける 見出しをつけ本文との対比を明確に。 順序には番号をつける。 30
“ヒーブ視点”のわかりやすい 表示のルール11箇条とポイント ③内容を理解しやすい 7.使う人の知識レベルを考慮 利用者が欲しい情報を、利用者が 理解る言葉で表現する。 専門用語・業界用語を使用しない。 8.具体的である 文字だけではわかりにくい部分は、写真や図で示す。 目安を数字で示す。(温度、時間、量など) 9.誤解させない、まどわせない 生活者が自然に思いつくこととずれていないか、意図 している内容と異なる解釈ができないか等をチェック。 31
“ヒーブ視点”のわかりやすい 表示のルール11箇条とポイント ④買う時、使う時に役立つ 10. 何であるかひと目でわかる これが何であるか、用途を明確に 伝える。 タイプ違いのものと識別しやすくする。 11. 使い方の表記がわかりやすい 初心者でもわかるように、手順を明快に。 注意書きは、必要なところで目に留まるように記載。 32
①見やすい “ヒーブ視点”のわかりやすい表示のルール11箇条とポイント ③内容を理解しやすい 1.小さくない・細かくない 望ましい文字の大きさは、8ポイント以上。 イラストなどは必要以上に微細に描かない。 2.情報を詰め込みすぎない 情報に優先順位をつけ、取捨選択する。簡潔に表現。 3.見た目がよい すっきりと見せるレイアウト。明度差が大きい色使い。 読みやすい文章表記。 ②印象づけられる 7.使う人の知識レベルを考慮 利用者が欲しい情報を、利用者が理解る言葉で表現 する。専門用語・業界用語を使用しない。 8.具体的である 文字だけではわかりにくい部分は、写真や図で示す。 目安を数字で示す。(温度、時間、量など) 9.誤解させない、まどわせない 生活者が自然に思いつくこととずれていないか、意図 している内容と異なる解釈ができないか等をチェック。 4.目が引きつけられる 位置、大きさ、色等工夫し、情報を目立たせ、目線を誘導。 5.整理してまとめる 共通・関連する項目をまとめ、表などで情報全体を一覧 できるようにする。 6.情報を階層化し、メリハリをつける 見出しをつけ本文との対比を明確に。順序には番号を つける。 ④買う時、使う時に役立つ 10. 何であるかひと目でわかる これが何であるか、用途を明確に伝える。 タイプ違いのものと識別しやすくする。 11. 使い方の表記がわかりやすい 初心者でもわかるように、手順を明快に。 注意書きは、必要なところで目に留まるように記載。 多くの事例や改善内容から新たな気づき! 研究成果を社内へフィードバックし、 わかりやすい表示を各社製品で実現できるよう取り組む 33
「お客様の声を活かした取り組み
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事例」 活用展開 関西消費者協会発行 「消費者情報」No.447にて紹介 2013年11月 消費者庁 阿南長官との懇談会にて紹介 2014年2月 独立行政法人 国民生活センター主催 消費者フォーラムにて発表 2014年2月 適格消費者団体 研究会 会員企業での会議 等にて紹介 2014年5月 前橋市消費生活センターにて講演 2014年6月 日本消費者教育学会 実践研究会で発表 2014年8月 日本消費者教育学会 学生向けセミナーにて講演予定 発表 34
「お客様の声を活かした取り組み55事例」 冊子の活用 消費者とのコミュニケーションツールとして活用 前橋市消費生活センター 消費者講座 参加者:61名 ・お客様の声を活かした取り組み55事例の紹介 ・グループ討議・発表 <参加者の感想> ・企業と消費者とのコミュニケーションをどうするかは、 大事なことだと思います。小さな声を大切にして取り 組んで欲しいと願い、気がついたことに声を上げて いきたいと思います。 ・私たちの声がきちんと届いているとわかり、 良かったです。 ・身近な商品が、色々工夫されていることが解りました。 ・これからは、良く考えてから買うようにします。 35
ま と め
会員企業がお客様の声に耳を傾け、真摯に取り組んだ事例を収集 し、多くの改善内容を深く知ることで、新たな工夫や発想に気づくこ とができた。 お客様の声から商品・サービスに添えられる表示の問題点を洗い 出し、多くの表示例を比較・研究することで、「わかりやすく、見やす い表示」を行うためのポイントを理解し、共有化することができた。 これらの研究成果は会員各自が自企業内で活動を後押しするもの となり、声を寄せていただいた多くのお客様に新たな形でお返しで きるものと考える。 36
ご清聴 ありがとうございました
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